33 / 50
一頭の蛾
しおりを挟む
「いやぁ…先日の小噴火の灰がまだ降ってますね。やられました」
玄関に入る前の風除室という部屋でベルジュを取りながら、隙間から入り込んだ火山灰を手ではたき落しているのはジョイス伯爵家のホルストだった。
今日もいつものように事業の報告書を持って離宮にやって来たのだ。
「あら、ホルストさん。いらっしゃい。今日はどうされたの?」
にこやかにタチアナが声を掛けた。
ホルストはベルジュをコート掛けにある一番上の突起に引っ掛けながら返事を返した。
「火山灰の集積所の件で来たんですよ。今までで一番良い話が出来そうです」
「と、いう事は今日も妃殿下に?」
「えぇ。お加減はどうでしょうか。優れないようなら出直しますが」
「大丈夫だと思うけれど取り次ぎましょうか」
「是非!お願いいたします」
玄関を入り、玄関ホールで窓の外を眺めるホルストを置いてタチアナはシャルノーの執務室に向かった。
10分ほど外を眺めていたホルストに声がかかった。
「ホルストさん、お会いになるそうです。こちらへ」
タチアナの後ろをホルストは分厚い書類の入った袋を抱えて進む。
長くはないが、短くもない廊下。シャルノーが歓迎の宴に招かれている間に侍女のドリスと見た離宮の面影は何処にもない。
「どうぞ。妃殿下は中におられます」
「ありがとう」
タチアナが開けた扉からホルストは部屋の中に入った。
手前にソファーセット。その奥に大きな執務机。壁には書類がぎっしりと詰まった書棚。シャルノーは執務をしていた。
「シャルノー妃殿下。本日はお時間を取ってくださりありがとうございます」
ホルストが声を掛けると書類から顔を上げたシャルノーが微笑んでソファを勧めた。
「今日はですね、火山灰。カスタード王国が買い取ってくれると言っていたでしょう?なので私なりに貴族に声を掛け、集積し、配送するに相応しい地を幾つか上げまして‥‥」
ソファの中央に置かれたテーブルの上に土地ごとなのだろう。
ホルストは丁寧に揃えながら書類の束を並べていった。
「どの土地も、選ばれた後に整地をすると時間も手間もかかりますので、話はつけてあるんですが一番広い…えぇっと右の端のこの領地なんですが…あれ?妃殿下…こちらに来られないのですか?」
間の抜けた表情で手に1つの束を持ち上げ、ホルストはシャルノーを見た。
「何点かよろしいかしら」
「はい、それはもう。候補地となれば疑念も御座いましょうから」
フフッとシャルノーは微笑み、執務机に両肘を立て、指を組んで作った橋の上に顎を乗せた。
「先ず、その火山灰を集積する話。何方から聞いたか…教えてくださる?」
ホルストの顔から赤みが引く。蒼白ではないが泳いでいる目は必死に答えを探していた。
「次に、カスタード王国が火山灰を買い取ると何方から聞いたか…教えてくださる?」
「あ。あの…誰だったかな…あ、チェザーレ殿下、チェザーレ殿下です」
「そう。殿下から。安心したわ」
「ですが、問題もありますよね。間もなく臣籍降下という話も出ています。妃殿下との離縁。そうなれば殿下は事業の事をどうなさるおつもりか。妃殿下がいらっしゃるうちに纏められるものは纏めておかないと」
「あら?離縁の話なんて誰からお聞きになったの?」
手にした書類の縁から少し飛び出た紙を指で押し込んでいたホルストの動きが止まった。
「それは…屋敷の者達が話しているのを聞いて。あ、誰と言う事はないですよ?それにまさか離縁なんてそんな事はないと思っていたのもありましたが、ほら、先日殿下が言ったじゃないですか。元婚約者の令嬢との関係を。あれであぁ。そうだったかと……思ったのですけど」
ホルストが書類から手を離すと、じっとりと手汗でも掻いているのだろう。
表紙になった紙が指が触れていた部分だけ小さく波打っていた。
シャルノーは組んでいた指を解き、ゆっくりと立ち上がると蒼白になって震えるホルストの前から1束の書類を手に取った。
バサリ。テーブルに少しの高さを持ったまま手を離し、音を立てて落ちる束にホルストの体もピクリと跳ね上がる。続いて2つ目の束、3つ目の束を手に取りパラパラと捲る。
「よく出来ているわね。時間もないのに大変だったでしょう?」
「は、はい…手にして頂いた1つ目は――」
切り抜けたのか?と感じたホルストは安堵した声を出し、引き攣った微笑を浮かべながら説明をしようとした。
「結構よ」
「あ、あの…それはいったい…あ!よく出来ていると仰られてましたね。失礼しました」
「えぇ、よく出来ているわ。本当に短い時間で良くこれだけ纏め上げたと…」
バッチーン!! 「ウァガッ!!」
手にしていた3つ目の束でシャルノーは思い切りホルストの太ももの付け根を打った。
「褒めてくれると思った?」
「うぅぅ…」
「本当によく出来てるわね。ジョイス伯爵家と第二王子妃殿下の実家には」
「あ、あの…」
「気が付かない愚鈍な妃殿下は演じていられたかしら?」
ホルストは目の前のシャルノーに気を取られていたが、背後に男性が複数人立っている気配を感じ取った。
「貴方が頼まれたのは殿下の執事から王都近郊に入ったわたくしへの挨拶と付き人の紹介だけのはずよ。離宮が素敵な状態だった事も知っていたでしょう?知らないはずがないわ。だって火事でここに捨て置かれた側妃はジョイス伯爵家の令嬢だものね?だからドリスと先に来て西側に床が抜けることなく通れる道を示した。違う?」
「そ、そうです…」
「殿下の側近となったけれど片方はさっさと離脱。さぞや苦労するかと思いきや貴方には第二王子妃というパトロンがいるもの。そりゃやめられないわよね。この離宮から側妃の遺品を持ち出す事も厳命されていたでしょうし」
ソファに座ったままのホルストの頬には額から汗が頬を伝い、顎の下からポタリと床に落ちた。
「護衛も従者の任も受けていない貴方がここに来てもわたくしは何も言わない。彼女たちに頼んで市井の者を雇った時、あなたからも数人の紹介があった者がいる。気が付かないと思った?」
「仕方なかったんだ。私はもうすぐ当主になる。だが!過去の側妃の件でジョイス伯爵家の経営は傾いたままだ。側近になったのに殿下は我儘放題。続けられるわけがない!それでも!2年は辛抱したんだ。これからいい思いをさせてくれたってバチは当たらないだろう?!アンタだって!アンタだって国に帰れる。良かったじゃないか!」
「お黙り!」
シャルノーの指がホルストの両方の頬に食い込んだ。
玄関に入る前の風除室という部屋でベルジュを取りながら、隙間から入り込んだ火山灰を手ではたき落しているのはジョイス伯爵家のホルストだった。
今日もいつものように事業の報告書を持って離宮にやって来たのだ。
「あら、ホルストさん。いらっしゃい。今日はどうされたの?」
にこやかにタチアナが声を掛けた。
ホルストはベルジュをコート掛けにある一番上の突起に引っ掛けながら返事を返した。
「火山灰の集積所の件で来たんですよ。今までで一番良い話が出来そうです」
「と、いう事は今日も妃殿下に?」
「えぇ。お加減はどうでしょうか。優れないようなら出直しますが」
「大丈夫だと思うけれど取り次ぎましょうか」
「是非!お願いいたします」
玄関を入り、玄関ホールで窓の外を眺めるホルストを置いてタチアナはシャルノーの執務室に向かった。
10分ほど外を眺めていたホルストに声がかかった。
「ホルストさん、お会いになるそうです。こちらへ」
タチアナの後ろをホルストは分厚い書類の入った袋を抱えて進む。
長くはないが、短くもない廊下。シャルノーが歓迎の宴に招かれている間に侍女のドリスと見た離宮の面影は何処にもない。
「どうぞ。妃殿下は中におられます」
「ありがとう」
タチアナが開けた扉からホルストは部屋の中に入った。
手前にソファーセット。その奥に大きな執務机。壁には書類がぎっしりと詰まった書棚。シャルノーは執務をしていた。
「シャルノー妃殿下。本日はお時間を取ってくださりありがとうございます」
ホルストが声を掛けると書類から顔を上げたシャルノーが微笑んでソファを勧めた。
「今日はですね、火山灰。カスタード王国が買い取ってくれると言っていたでしょう?なので私なりに貴族に声を掛け、集積し、配送するに相応しい地を幾つか上げまして‥‥」
ソファの中央に置かれたテーブルの上に土地ごとなのだろう。
ホルストは丁寧に揃えながら書類の束を並べていった。
「どの土地も、選ばれた後に整地をすると時間も手間もかかりますので、話はつけてあるんですが一番広い…えぇっと右の端のこの領地なんですが…あれ?妃殿下…こちらに来られないのですか?」
間の抜けた表情で手に1つの束を持ち上げ、ホルストはシャルノーを見た。
「何点かよろしいかしら」
「はい、それはもう。候補地となれば疑念も御座いましょうから」
フフッとシャルノーは微笑み、執務机に両肘を立て、指を組んで作った橋の上に顎を乗せた。
「先ず、その火山灰を集積する話。何方から聞いたか…教えてくださる?」
ホルストの顔から赤みが引く。蒼白ではないが泳いでいる目は必死に答えを探していた。
「次に、カスタード王国が火山灰を買い取ると何方から聞いたか…教えてくださる?」
「あ。あの…誰だったかな…あ、チェザーレ殿下、チェザーレ殿下です」
「そう。殿下から。安心したわ」
「ですが、問題もありますよね。間もなく臣籍降下という話も出ています。妃殿下との離縁。そうなれば殿下は事業の事をどうなさるおつもりか。妃殿下がいらっしゃるうちに纏められるものは纏めておかないと」
「あら?離縁の話なんて誰からお聞きになったの?」
手にした書類の縁から少し飛び出た紙を指で押し込んでいたホルストの動きが止まった。
「それは…屋敷の者達が話しているのを聞いて。あ、誰と言う事はないですよ?それにまさか離縁なんてそんな事はないと思っていたのもありましたが、ほら、先日殿下が言ったじゃないですか。元婚約者の令嬢との関係を。あれであぁ。そうだったかと……思ったのですけど」
ホルストが書類から手を離すと、じっとりと手汗でも掻いているのだろう。
表紙になった紙が指が触れていた部分だけ小さく波打っていた。
シャルノーは組んでいた指を解き、ゆっくりと立ち上がると蒼白になって震えるホルストの前から1束の書類を手に取った。
バサリ。テーブルに少しの高さを持ったまま手を離し、音を立てて落ちる束にホルストの体もピクリと跳ね上がる。続いて2つ目の束、3つ目の束を手に取りパラパラと捲る。
「よく出来ているわね。時間もないのに大変だったでしょう?」
「は、はい…手にして頂いた1つ目は――」
切り抜けたのか?と感じたホルストは安堵した声を出し、引き攣った微笑を浮かべながら説明をしようとした。
「結構よ」
「あ、あの…それはいったい…あ!よく出来ていると仰られてましたね。失礼しました」
「えぇ、よく出来ているわ。本当に短い時間で良くこれだけ纏め上げたと…」
バッチーン!! 「ウァガッ!!」
手にしていた3つ目の束でシャルノーは思い切りホルストの太ももの付け根を打った。
「褒めてくれると思った?」
「うぅぅ…」
「本当によく出来てるわね。ジョイス伯爵家と第二王子妃殿下の実家には」
「あ、あの…」
「気が付かない愚鈍な妃殿下は演じていられたかしら?」
ホルストは目の前のシャルノーに気を取られていたが、背後に男性が複数人立っている気配を感じ取った。
「貴方が頼まれたのは殿下の執事から王都近郊に入ったわたくしへの挨拶と付き人の紹介だけのはずよ。離宮が素敵な状態だった事も知っていたでしょう?知らないはずがないわ。だって火事でここに捨て置かれた側妃はジョイス伯爵家の令嬢だものね?だからドリスと先に来て西側に床が抜けることなく通れる道を示した。違う?」
「そ、そうです…」
「殿下の側近となったけれど片方はさっさと離脱。さぞや苦労するかと思いきや貴方には第二王子妃というパトロンがいるもの。そりゃやめられないわよね。この離宮から側妃の遺品を持ち出す事も厳命されていたでしょうし」
ソファに座ったままのホルストの頬には額から汗が頬を伝い、顎の下からポタリと床に落ちた。
「護衛も従者の任も受けていない貴方がここに来てもわたくしは何も言わない。彼女たちに頼んで市井の者を雇った時、あなたからも数人の紹介があった者がいる。気が付かないと思った?」
「仕方なかったんだ。私はもうすぐ当主になる。だが!過去の側妃の件でジョイス伯爵家の経営は傾いたままだ。側近になったのに殿下は我儘放題。続けられるわけがない!それでも!2年は辛抱したんだ。これからいい思いをさせてくれたってバチは当たらないだろう?!アンタだって!アンタだって国に帰れる。良かったじゃないか!」
「お黙り!」
シャルノーの指がホルストの両方の頬に食い込んだ。
36
お気に入りに追加
2,397
あなたにおすすめの小説
【完結】「聖女として召喚された女子高生、イケメン王子に散々利用されて捨てられる。傷心の彼女を拾ってくれたのは心優しい木こりでした」
まほりろ
恋愛
聖女として召喚された女子高生は、王子との結婚を餌に修行と瘴気の浄化作業に青春の全てを捧げる。
だが瘴気の浄化作業が終わると王子は彼女をあっさりと捨て、若い女に乗
り換えた。
「この世界じゃ十九歳を過ぎて独り身の女は行き遅れなんだよ!」
聖女は「青春返せーー!」と叫ぶがあとの祭り……。
そんな彼女を哀れんだ神が彼女を元の世界に戻したのだが……。
「神様登場遅すぎ! 余計なことしないでよ!」
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します。
※他サイトにも投稿しています。
※カクヨム版やpixiv版とは多少ラストが違います。
※小説家になろう版にラスト部分を加筆した物です。
※二章に王子と自称神様へのざまぁがあります。
※二章はアルファポリス先行投稿です!
※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
※小説家になろうにて、2022/12/14、異世界転生/転移・恋愛・日間ランキング2位まで上がりました! ありがとうございます!
※感想で続編を望む声を頂いたので、続編の投稿を始めました!2022/12/17
※アルファポリス、12/15総合98位、12/15恋愛65位、12/13女性向けホット36位まで上がりました。ありがとうございました。
【完結】悪役令嬢 ~夜に駆ける~
かのん
恋愛
YOASOBIの『夜に駆ける』を聞き、イメージしながら書き上げた小説となっております。
書いてみて思ったことは、あれ?あてはまる。結構、あてはまる。と。
自分の運命から逃れることなく、流されていく主人公の悪役令嬢が、夜に駆けるまでの物語です。
あっさりめの、早い展開。十話完結となっています。本日より毎日朝7時に更新していきます。よろしくお願いします。
王家の面子のために私を振り回さないで下さい。
しゃーりん
恋愛
公爵令嬢ユリアナは王太子ルカリオに婚約破棄を言い渡されたが、王家によってその出来事はなかったことになり、結婚することになった。
愛する人と別れて王太子の婚約者にさせられたのに本人からは避けされ、それでも結婚させられる。
自分はどこまで王家に振り回されるのだろう。
国王にもルカリオにも呆れ果てたユリアナは、夫となるルカリオを蹴落として、自分が王太女になるために仕掛けた。
実は、ルカリオは王家の血筋ではなくユリアナの公爵家に正統性があるからである。
ユリアナとの結婚を理解していないルカリオを見限り、愛する人との結婚を企んだお話です。
間違った方法で幸せになろうとする人の犠牲になるのはお断りします。
ひづき
恋愛
濡れ衣を着せられて婚約破棄されるという未来を見た公爵令嬢ユーリエ。
───王子との婚約そのものを回避すれば婚約破棄など起こらない。
───冤罪も継母も嫌なので家出しよう。
婚約を回避したのに、何故か家出した先で王子に懐かれました。
今度は異母妹の様子がおかしい?
助けてというなら助けましょう!
※2021年5月15日 完結
※2021年5月16日
お気に入り100超えΣ(゚ロ゚;)
ありがとうございます!
※残酷な表現を含みます、ご注意ください
完)嫁いだつもりでしたがメイドに間違われています
オリハルコン陸
恋愛
嫁いだはずなのに、格好のせいか本気でメイドと勘違いされた貧乏令嬢。そのままうっかりメイドとして馴染んで、その生活を楽しみ始めてしまいます。
◇◇◇◇◇◇◇
「オマケのようでオマケじゃない〜」では、本編の小話や後日談というかたちでまだ語られてない部分を補完しています。
14回恋愛大賞奨励賞受賞しました!
これも読んでくださったり投票してくださった皆様のおかげです。
ありがとうございました!
ざっくりと見直し終わりました。完璧じゃないけど、とりあえずこれで。
この後本格的に手直し予定。(多分時間がかかります)
婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました
Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。
順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。
特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。
そんなアメリアに対し、オスカーは…
とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。
溺愛される妻が記憶喪失になるとこうなる
田尾風香
恋愛
***2022/6/21、書き換えました。
お茶会で紅茶を飲んだ途端に頭に痛みを感じて倒れて、次に目を覚ましたら、目の前にイケメンがいました。
「あの、どちら様でしょうか?」
「俺と君は小さい頃からずっと一緒で、幼い頃からの婚約者で、例え死んでも一緒にいようと誓い合って……!」
「旦那様、奥様に記憶がないのをいいことに、嘘を教えませんように」
溺愛される妻は、果たして記憶を取り戻すことができるのか。
ギャグを書いたことはありませんが、ギャグっぽいお話しです。会話が多め。R18ではありませんが、行為後の話がありますので、ご注意下さい。
王太子エンドを迎えたはずのヒロインが今更私の婚約者を攻略しようとしているけどさせません
黒木メイ
恋愛
日本人だった頃の記憶があるクロエ。
でも、この世界が乙女ゲームに似た世界だとは知らなかった。
知ったのはヒロインらしき人物が落とした『攻略ノート』のおかげ。
学園も卒業して、ヒロインは王太子エンドを無事に迎えたはずなんだけど……何故か今になってヒロインが私の婚約者に近づいてきた。
いったい、何を考えているの?!
仕方ない。現実を見せてあげましょう。
と、いうわけでクロエは婚約者であるダニエルに告げた。
「しばらくの間、実家に帰らせていただきます」
突然告げられたクロエ至上主義なダニエルは顔面蒼白。
普段使わない頭を使ってクロエに戻ってきてもらう為に奮闘する。
※わりと見切り発車です。すみません。
※小説家になろう様にも掲載。(7/21異世界転生恋愛日間1位)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる