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第二章~王子殿下は興味「しか」ない
トゥトゥーリア、稼ぎ時??
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王族となると何か土産を持って行かないと!と思うのも仕方のない事。
トゥトゥーリアの狭い家にはヴァレンティノが数々の「頂き物」を持って来る。
第2王子夫妻に!と貰っているので、律義に持って来るのである。
トゥトゥーリアとして優先順位を付けるとすれば「食料」>「その他」
ご当地ストラップやキーホルダーはまだ使用しようと思えば使えるが・・・。
「菓子」はいいのだ。「菓子」は!
サクッとした生地をチョコでコーティングした菓子は出来るのならばお取り寄せしたいと思ったほど。
しかし・・・相手の年齢が高齢になるにつれ「胃袋で消耗」する土産は少なくなる。
贅沢は言ってはいけない!そう思っても困惑する品も存在する。
「パーカーというんだそうだ」
「どうだ?」と広げて見せるヴァレンティノ。
フードのついた少し厚めの布地で温かそうには見える。
しかし胸元の文字が気になる。
どうしてこんなに目立つ色合いで大きな文字を描くのか。
金色は品がないと思ったのか明るい黄色の布地に黒で大きく「羞恥」と書かれたパーカー。
「異国の文字だな。何という意味なんだろう」
ヴァレンティノもその国の言葉は「マンサツ」「パイセン」「コスプレ」くらいしか知らない。
「使えそうなのを選んでいいよ」と置いて帰ったヴァレンティノ。有難迷惑から有難いを引いた心境であるが、捨てるに捨てられず「どうぞー」っとお隣さんに持っていく。
「お土産屋に売ってる衣類って・・・センスを疑うものしかないのよね」
お隣さんの住み込み使用人ジェニーが呟いた言葉に大きく頷いたトゥトゥーリア。
通常ならトゥトゥーリア、そんなお土産は「要らない」と断るのだが、断れない理由があった。
今日の夜は王宮の夜会。
ド派手でキラキラ。老若男女問わずパリピの集まるイベントがある。
面倒なのだが、夜は時給が1.25倍と割増となるためトゥトゥーリアは張り切っている。
何を張り切っているかと言えば、時給が発生するお仕事だからである。
この夜会は曲者。
「如何に労働を少なくし、給金を得るか」が毎回トゥトゥーリアの課題を更新するムービングゴールポスト。
立って、笑って、小さく手を振ればいいかと言えば違う。
意外と王族は忙しく、挨拶をしてくる貴族たちに愛想笑いを返すのも重労働なのだが、それよりも生理的な痛みと心の苦痛を伴うのが夜会。
ドレスはコルセットをギューギューにするので、その日は朝から食事抜き、場合によっては前日の昼から節制をするため空腹を堪えての参加の上、肌もコルセットで擦れてしまって痛いのを我慢
なのに「ご褒美だよ~」とばかりに目の前には見るだけじゃもったいない料理が誰も手を付けずにずらりと並ぶ。
空腹に耐えつつも目で追ってしまう料理の数々。
「眼福だなんて誰が言ったのぉぉ~NOぉぉ~」
――眼福で腹は満たされない。誰が格言にしてよ!――
トゥトゥーリアは心の中で盛大に叫ぶ。
お持ち帰りをする事も出来ず、廃棄される料理は飲み食いする事は出来ないし深夜になり家に帰りついた時にはヒールを履いた足はつま先も踵も痛いし、翌朝はふくらはぎは浮腫んでいるし。
いい事なんて1つもない!とトゥトゥーリアはボヤく。
その上、何度か経験をすると人は学習をするが夜会がややこしいのは「前回と同じ」が通用しない部分もあるのでその度に「やり方」をカスタマイズせねばならない所。
ドレスも同じ物を着用するのは恥ずかしいという奇妙な風習もある。
トゥトゥーリアにとって「お揃い」は何とか避けたい。
高価なのは重々承知。しかしどんなに煌びやかなドレスも夫婦でお揃いとなると遠い異国の地のお土産だと貰った胸にデカデカと「羞恥」と書いたパーカーを着るのと同じくらい恥ずかしい。
のだがー!
それをチャラにしてくれるのが割り増し賃金。
トゥトゥーリアは自主的に別居をしているので、宮の維持費から生活費を出して貰うのは心苦しい。日々の食材やちょっとした家の修理に使う材料費などは得た賃金から出している。
出所はヴァレンティノなので結局宮の金では?と思わなくもないが、オホホと笑って茶を飲むだけでも支払われる金。「やっぱり働いてナンボよ!」と、今でも時給制なのである。
試供品で貰った新製品で化粧をしたトゥトゥーリア。
お値段はゼロだが、ファンデーションもグロスも全て新製品!
発売は来週なので、誰よりも早く流行を先取り!
あとはヴァレンティノの迎えを待つだけとなった。
★~★
この続きは10時40分公開です<(_ _)>
トゥトゥーリアの狭い家にはヴァレンティノが数々の「頂き物」を持って来る。
第2王子夫妻に!と貰っているので、律義に持って来るのである。
トゥトゥーリアとして優先順位を付けるとすれば「食料」>「その他」
ご当地ストラップやキーホルダーはまだ使用しようと思えば使えるが・・・。
「菓子」はいいのだ。「菓子」は!
サクッとした生地をチョコでコーティングした菓子は出来るのならばお取り寄せしたいと思ったほど。
しかし・・・相手の年齢が高齢になるにつれ「胃袋で消耗」する土産は少なくなる。
贅沢は言ってはいけない!そう思っても困惑する品も存在する。
「パーカーというんだそうだ」
「どうだ?」と広げて見せるヴァレンティノ。
フードのついた少し厚めの布地で温かそうには見える。
しかし胸元の文字が気になる。
どうしてこんなに目立つ色合いで大きな文字を描くのか。
金色は品がないと思ったのか明るい黄色の布地に黒で大きく「羞恥」と書かれたパーカー。
「異国の文字だな。何という意味なんだろう」
ヴァレンティノもその国の言葉は「マンサツ」「パイセン」「コスプレ」くらいしか知らない。
「使えそうなのを選んでいいよ」と置いて帰ったヴァレンティノ。有難迷惑から有難いを引いた心境であるが、捨てるに捨てられず「どうぞー」っとお隣さんに持っていく。
「お土産屋に売ってる衣類って・・・センスを疑うものしかないのよね」
お隣さんの住み込み使用人ジェニーが呟いた言葉に大きく頷いたトゥトゥーリア。
通常ならトゥトゥーリア、そんなお土産は「要らない」と断るのだが、断れない理由があった。
今日の夜は王宮の夜会。
ド派手でキラキラ。老若男女問わずパリピの集まるイベントがある。
面倒なのだが、夜は時給が1.25倍と割増となるためトゥトゥーリアは張り切っている。
何を張り切っているかと言えば、時給が発生するお仕事だからである。
この夜会は曲者。
「如何に労働を少なくし、給金を得るか」が毎回トゥトゥーリアの課題を更新するムービングゴールポスト。
立って、笑って、小さく手を振ればいいかと言えば違う。
意外と王族は忙しく、挨拶をしてくる貴族たちに愛想笑いを返すのも重労働なのだが、それよりも生理的な痛みと心の苦痛を伴うのが夜会。
ドレスはコルセットをギューギューにするので、その日は朝から食事抜き、場合によっては前日の昼から節制をするため空腹を堪えての参加の上、肌もコルセットで擦れてしまって痛いのを我慢
なのに「ご褒美だよ~」とばかりに目の前には見るだけじゃもったいない料理が誰も手を付けずにずらりと並ぶ。
空腹に耐えつつも目で追ってしまう料理の数々。
「眼福だなんて誰が言ったのぉぉ~NOぉぉ~」
――眼福で腹は満たされない。誰が格言にしてよ!――
トゥトゥーリアは心の中で盛大に叫ぶ。
お持ち帰りをする事も出来ず、廃棄される料理は飲み食いする事は出来ないし深夜になり家に帰りついた時にはヒールを履いた足はつま先も踵も痛いし、翌朝はふくらはぎは浮腫んでいるし。
いい事なんて1つもない!とトゥトゥーリアはボヤく。
その上、何度か経験をすると人は学習をするが夜会がややこしいのは「前回と同じ」が通用しない部分もあるのでその度に「やり方」をカスタマイズせねばならない所。
ドレスも同じ物を着用するのは恥ずかしいという奇妙な風習もある。
トゥトゥーリアにとって「お揃い」は何とか避けたい。
高価なのは重々承知。しかしどんなに煌びやかなドレスも夫婦でお揃いとなると遠い異国の地のお土産だと貰った胸にデカデカと「羞恥」と書いたパーカーを着るのと同じくらい恥ずかしい。
のだがー!
それをチャラにしてくれるのが割り増し賃金。
トゥトゥーリアは自主的に別居をしているので、宮の維持費から生活費を出して貰うのは心苦しい。日々の食材やちょっとした家の修理に使う材料費などは得た賃金から出している。
出所はヴァレンティノなので結局宮の金では?と思わなくもないが、オホホと笑って茶を飲むだけでも支払われる金。「やっぱり働いてナンボよ!」と、今でも時給制なのである。
試供品で貰った新製品で化粧をしたトゥトゥーリア。
お値段はゼロだが、ファンデーションもグロスも全て新製品!
発売は来週なので、誰よりも早く流行を先取り!
あとはヴァレンティノの迎えを待つだけとなった。
★~★
この続きは10時40分公開です<(_ _)>
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