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第01話 異母姉の尻ぬぐい
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トゥトゥーリアの実家はバリバ侯爵家。
母親の違う異母兄妹が1人づついるが、トゥトゥーリアは父である侯爵がメイドに手を付けて産ませた子。
侯爵家でのトゥトゥーリアの位置は大変に低く、下女の方がまだ時間に余裕がある暮らしをしていた。
庶子とは言え、バリバ侯爵は認知をしたので侯爵令嬢でもあるトゥトゥーリアは高位貴族の令嬢が学ぶマナーや所作、最低限の座学は身につけねばならなかったし、その他に母親は住み込みのメイドなので母親の手伝いもせねばならなかった。
夜明けと共に起きてお仕着せに着替えると井戸の水汲みから始まって食事の支度。それが終わると午前7時になるので急いで部屋に帰って貴族令嬢の所謂「普段着」に着替えて夕方18時まで貴族令嬢として過ごす。
お茶を飲んでオホホとしているのではなく、時間通りにやって来る講師の元できっちりとお勉強。失敗すれば躾用の鞭で手の甲や背中をぶたれるので、その日の課題を必死で行なう。
出された課題が終われば次回の課題を差し出され、ただ教本に目を通しているだけなら、ぶたれる。かと言って判りませんと問えばぶたれる。結局何をしてもぶたれると言うこと。
夜は「家族」が食事を済ませると母親と共に片付けて、調理長に指示を貰って明日の準備をする。へとへとに疲れて竈の炭火で沸かした湯を分けて貰って部屋に戻り、体を拭くのはもう日付が変わる頃。
そんな日々を過ごしていたが、16歳の時に母親が体調を崩しあっという間に儚くなった。バリバ侯爵家を出て行こうにも成人は18歳なので未成年のトゥトゥーリアが家出をしてしまうと高位貴族の侯爵家と言うこともあって、騎士団を使っての大規模な捜索をされてしまう。
18歳になれば家を出ても「本人の意思」とされるので、その日を待っている父親。異母兄妹からは「不義の子」と蔑まれるが、そもそもで結婚退職をする半年前に逆らえない母親を無理やり手籠めにしたのは侯爵。
事後を見つけたのが6歳の異母兄というのも笑えない話。
侯爵夫人は激怒しトゥトゥーリアの母親を「寝取り女」と叫んだと言うが、本当にそうなら騎士団に突き出せばよかっただけ。突き出せない状態にあったということ。
その後、治療を受けて回復を待つ間に妊娠が判明。
生娘だった事は侯爵の寝台が証明していてトゥトゥーリアを認知せざるを得なくなっただけ。
――はやく18歳の誕生日が来ないかなぁ――
肌を刺すような冬。空気も凍りそうな夜は星がよく見える。
トゥトゥーリアは流れ星に「早くこの侯爵家を出られますように」と何度もお願いをした。
17歳になったトゥトゥーリアは雨の降る夜に父親の侯爵に呼ばれた。
まだ翌朝のスープに使うタマネギの皮を剝かねばならないのにと言ってみると侯爵の執務室にはご家族全員が揃っていた。いや、違う。異母姉のエジェリナがいなかった。
「あの…お呼びと伺ったのですが」
トゥトゥーリアを見て、侯爵夫人は口惜しい!とでも言いたげに睨んで来るし、異母兄は顎でこっちにこいと指示をする。父の侯爵は項垂れていて部屋には重苦しい空気が立ち込めていた。
「トゥトゥーリア」
「はい」
名は呼ばれたけれど、その先が続かない父の侯爵。
埒が明かないと思ったのか異母兄が反論は認めないと断りを入れた上でトゥトゥーリアに告げた。
「第2王子殿下、ヴァレンティノ様に嫁いでもらう」
「はい?」
「反論は認めないと言ったはずだ。この愚図が!」
――反論じゃないわ!どういう事なの?って事よ!――
第2王子ヴァレンティノの婚約者は異母姉のエジェリナだったはず。
散々に「間違いがあってはいけない」「お前の母は泥棒猫だから」とまるでトゥトゥーリアが第2王子に色目を使うような言いがかりで、屋敷にやってきても目に触れる事のない裏方に回されていた。
「あの…殿下と婚約をされていたのはエジェリナ様では?」
今度の茶会に繋ぎでエジェリナが戻るまで話し相手をしろと言うのならまだしも、婚約もすっ飛ばして結婚となればトゥトゥーリアも訳が判らない。
あとで寝取っただのと言われても堪らないし、せめて理由を聞きたかった。
しかし、トゥトゥーリアの声に反応した侯爵夫人は勢いよく立ち上がるとトゥトゥーリアの前に来て思い切り頬を張った。
「やめないか。トゥトゥーリアの顔に傷でもついたらなんと言い訳をするんだ」
――そっちの心配?!――
判っていた。それはもう解りすぎるほどに判っていた。
エジェリナも侯爵夫人もトゥトゥーリアの事は蜥蜴の如く嫌っていて、事あるごとに口撃や物理的な攻撃を何度もしてきた。目の前で3,4歳の我が娘が暴行されるその光景を見ても一度も庇ってくれなかった父親だ。
物理的な頬の痛みよりも、もう父とも思わないと心に誓った日の痛みが勝る。
そんなトゥトゥーリアに侯爵が理由をようやく告げた。
「エジェリナが何処の馬の骨とも判らん男の子を身籠った。この結婚は王太子殿下が即位される際に貴族が争う事をよしとしないためのものだ。王家はバリバ侯爵家からであれば・・・お前でも構わないと回答をもらった」
異母兄が「残念だ」とその後に付け足すが、残念なのはこっちだ!とトゥトゥーリアは言いたい。
あと10カ月で18歳の誕生日がやって来る。
蚤の汗ほども手切れ金はくれないだろうが、バリバ侯爵家を出られるのならこれ以上の幸せはないと言うのに。
余程に可愛いエジェリナの尻ぬぐいをすると言うのに、侯爵は「判っているな?」念押しをするように言って聞かせた。
「殿下は持参金をお前に与えるそうだ。我が家はお前に施す金など1ミィもない。後日従者を回収に向かわせる。手を付けないように。エジェリナの着なくなったドレス数着を持たせる。身の回りの品は王家で揃えるだろうが、極力・・・バリバ侯爵家に迷惑にならない程度の品を選ぶよう。いいな?」
――馬鹿じゃないの?持参金って本来の受け取りは王家でしょうに――
言い出せば聞かない癇癪持ちの集団のような家族。
トゥトゥーリアは問答をしたところで決定事項が覆る筈もないと諦めた。
母親の違う異母兄妹が1人づついるが、トゥトゥーリアは父である侯爵がメイドに手を付けて産ませた子。
侯爵家でのトゥトゥーリアの位置は大変に低く、下女の方がまだ時間に余裕がある暮らしをしていた。
庶子とは言え、バリバ侯爵は認知をしたので侯爵令嬢でもあるトゥトゥーリアは高位貴族の令嬢が学ぶマナーや所作、最低限の座学は身につけねばならなかったし、その他に母親は住み込みのメイドなので母親の手伝いもせねばならなかった。
夜明けと共に起きてお仕着せに着替えると井戸の水汲みから始まって食事の支度。それが終わると午前7時になるので急いで部屋に帰って貴族令嬢の所謂「普段着」に着替えて夕方18時まで貴族令嬢として過ごす。
お茶を飲んでオホホとしているのではなく、時間通りにやって来る講師の元できっちりとお勉強。失敗すれば躾用の鞭で手の甲や背中をぶたれるので、その日の課題を必死で行なう。
出された課題が終われば次回の課題を差し出され、ただ教本に目を通しているだけなら、ぶたれる。かと言って判りませんと問えばぶたれる。結局何をしてもぶたれると言うこと。
夜は「家族」が食事を済ませると母親と共に片付けて、調理長に指示を貰って明日の準備をする。へとへとに疲れて竈の炭火で沸かした湯を分けて貰って部屋に戻り、体を拭くのはもう日付が変わる頃。
そんな日々を過ごしていたが、16歳の時に母親が体調を崩しあっという間に儚くなった。バリバ侯爵家を出て行こうにも成人は18歳なので未成年のトゥトゥーリアが家出をしてしまうと高位貴族の侯爵家と言うこともあって、騎士団を使っての大規模な捜索をされてしまう。
18歳になれば家を出ても「本人の意思」とされるので、その日を待っている父親。異母兄妹からは「不義の子」と蔑まれるが、そもそもで結婚退職をする半年前に逆らえない母親を無理やり手籠めにしたのは侯爵。
事後を見つけたのが6歳の異母兄というのも笑えない話。
侯爵夫人は激怒しトゥトゥーリアの母親を「寝取り女」と叫んだと言うが、本当にそうなら騎士団に突き出せばよかっただけ。突き出せない状態にあったということ。
その後、治療を受けて回復を待つ間に妊娠が判明。
生娘だった事は侯爵の寝台が証明していてトゥトゥーリアを認知せざるを得なくなっただけ。
――はやく18歳の誕生日が来ないかなぁ――
肌を刺すような冬。空気も凍りそうな夜は星がよく見える。
トゥトゥーリアは流れ星に「早くこの侯爵家を出られますように」と何度もお願いをした。
17歳になったトゥトゥーリアは雨の降る夜に父親の侯爵に呼ばれた。
まだ翌朝のスープに使うタマネギの皮を剝かねばならないのにと言ってみると侯爵の執務室にはご家族全員が揃っていた。いや、違う。異母姉のエジェリナがいなかった。
「あの…お呼びと伺ったのですが」
トゥトゥーリアを見て、侯爵夫人は口惜しい!とでも言いたげに睨んで来るし、異母兄は顎でこっちにこいと指示をする。父の侯爵は項垂れていて部屋には重苦しい空気が立ち込めていた。
「トゥトゥーリア」
「はい」
名は呼ばれたけれど、その先が続かない父の侯爵。
埒が明かないと思ったのか異母兄が反論は認めないと断りを入れた上でトゥトゥーリアに告げた。
「第2王子殿下、ヴァレンティノ様に嫁いでもらう」
「はい?」
「反論は認めないと言ったはずだ。この愚図が!」
――反論じゃないわ!どういう事なの?って事よ!――
第2王子ヴァレンティノの婚約者は異母姉のエジェリナだったはず。
散々に「間違いがあってはいけない」「お前の母は泥棒猫だから」とまるでトゥトゥーリアが第2王子に色目を使うような言いがかりで、屋敷にやってきても目に触れる事のない裏方に回されていた。
「あの…殿下と婚約をされていたのはエジェリナ様では?」
今度の茶会に繋ぎでエジェリナが戻るまで話し相手をしろと言うのならまだしも、婚約もすっ飛ばして結婚となればトゥトゥーリアも訳が判らない。
あとで寝取っただのと言われても堪らないし、せめて理由を聞きたかった。
しかし、トゥトゥーリアの声に反応した侯爵夫人は勢いよく立ち上がるとトゥトゥーリアの前に来て思い切り頬を張った。
「やめないか。トゥトゥーリアの顔に傷でもついたらなんと言い訳をするんだ」
――そっちの心配?!――
判っていた。それはもう解りすぎるほどに判っていた。
エジェリナも侯爵夫人もトゥトゥーリアの事は蜥蜴の如く嫌っていて、事あるごとに口撃や物理的な攻撃を何度もしてきた。目の前で3,4歳の我が娘が暴行されるその光景を見ても一度も庇ってくれなかった父親だ。
物理的な頬の痛みよりも、もう父とも思わないと心に誓った日の痛みが勝る。
そんなトゥトゥーリアに侯爵が理由をようやく告げた。
「エジェリナが何処の馬の骨とも判らん男の子を身籠った。この結婚は王太子殿下が即位される際に貴族が争う事をよしとしないためのものだ。王家はバリバ侯爵家からであれば・・・お前でも構わないと回答をもらった」
異母兄が「残念だ」とその後に付け足すが、残念なのはこっちだ!とトゥトゥーリアは言いたい。
あと10カ月で18歳の誕生日がやって来る。
蚤の汗ほども手切れ金はくれないだろうが、バリバ侯爵家を出られるのならこれ以上の幸せはないと言うのに。
余程に可愛いエジェリナの尻ぬぐいをすると言うのに、侯爵は「判っているな?」念押しをするように言って聞かせた。
「殿下は持参金をお前に与えるそうだ。我が家はお前に施す金など1ミィもない。後日従者を回収に向かわせる。手を付けないように。エジェリナの着なくなったドレス数着を持たせる。身の回りの品は王家で揃えるだろうが、極力・・・バリバ侯爵家に迷惑にならない程度の品を選ぶよう。いいな?」
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