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朝食と案内係~アルバートの企み~
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パッツィオ家に出向く日の朝は一同が集まっての朝食会。
国王夫妻の向かいには帝国の皇帝と皇后。以下は王子の出生順である。エリザベートとミカエルの向かいにはエリザベートの両親。以下は母の親族が並んでいる。
アリザベートの隣はミカエルと逆は第2王子の母(側妃)である。
その隣には第3王子の母(側妃)、第3王子アルバート、妃のサリア。
基本的に女性の隣にいる男性は夫となる人である。
(第2王子だけは実母と義母)
とても静かな朝食‥‥のように思えるが。
「リゼ。パン食う?」
「結構です」
「あっ!グレープフルーツじゃん!取ってあげようか?」
「結構です」
「おっと、パンにはバター?ピーナツクリーム?塗ってあげようか」
「結構です」
至って通常運転なのである。冷たい返しもミカエルにはご褒美でしかない。
そしてミカエルと違って声は出さないが音を立てる者がいる。
第3王子アルバートの妃サリア、第4王子レオナルドの妃ミリアーナである。
ミリアーナは、カチャカチャと兎に角、食器の音を立てる。
サリアはクチャクチャと咀嚼する音がするのである。
サリアも元々は騎士爵の出自でギリギリ貴族であるが、ミリアーナも出自は決して高くない。
ミリアーナは伯爵令嬢だが、伯爵がメイドに手を出して生まれた子である。
ただ、躾はしっかりとされており養女に迎えられていて爵位は問題ない。
食器の音をさせてしまうのは事前に侯爵夫妻、帝国側には了承済みである。
ミリアーナは生まれつき両手の指が極端に短いのである。
通常の人の関節1つ分の長さもない指だがそれでも努力をする女性である。
そんな努力を笑うような人間は帝国にはいないし、その女性を娶ったその点において第4王子の評価は高い。
だが、夫婦共通の大きな欠点があった。
ミリアーナは自身は努力をする女性なのだが妃となり覚える事に手いっぱいで使用人にまで気を配る余裕がなかった。
エリザベートのもとに派遣する使用人を選んだのは宮の侍女頭だった。
だからと言って責任がないわけではない。
謝罪をと思いつつ結婚式のホストを第4王子が引き受けている最中だったため【そのうち】と思いつつそのままになってしまっているのである。
結局、第4王子も王の器ではない。
目先の事はキッチリと仕上げられるが同時進行する幾つかの事業を整理するのが苦手なのである。夫婦でいっぱいいっぱいになってしまったのである。
エリザベートが来ることが決まった日から式前の3日間ホストを頼まれた事で完璧を追求するあまり他の事が一切手につかない。たった3日の為に4カ月ほど必死になった夫婦なのだった。
ちなみに第5王子カサリウスの妃はディオール。侯爵令嬢でここは血統書付である。
「皇帝陛下に置かれましてはご予定通り明後日ご出立でよろしいですかな」
「そうだな。今日、明日はゆっくりとバロビン国を堪能させてもらおう」
「では本日はこの第2王子サージェスに案内をさせましょう」
「ほぅ…よろしく頼むよ」
「はい。楽しめる場所をご用意致しました。後ほどお迎えに上がります」
「まぁ。楽しみだわ。ウフフ」
順番から言えば第1王子なのだろうが、侯爵夫妻、帝国側から新婚夫婦は朝が遅いからと事前に断りを入れられているため、第2王子が抜擢をされたのである。
決してミカエルとエリザベートの朝は遅くはないのだがそこは一般論である。
「では、明日はわたくしが!ご案内を致しましょう」
声をあげたのは第3王子アルバート。順番で言えば当然である。しかし・・・。
「アルバート兄上。申し訳ない。明日は私がご案内の役を仰せつかっている」
「なんだと?」
アルバートが思わず睨んでしまったのは第5王子のカサリウスである。
第4王子は出遅れたのではない。第4王子は結婚式前の出迎え時ホストを務めた。
結婚式の前3日間のホストを第4王子はしっかりと務め上げたのである。
アルバートは苦虫を嚙み潰したように顔を歪める。
出迎えの時は第二街道の事業計画で手が離せなかったのだ。
昨日は結婚式翌日であったため、国王夫妻が案内役を行った。
残り2日のうち、どちらかは第2王子だろうと思っていたが既に決まっていたとは。
ギロリとサリアを睨むがサリアはデザートのフルーツを食べて気がつかない。
――あれほど予定を確認しておけと言ったのに――
アルバートは忙しさもあり、式後の案内役を誰がするのかを文官に確認しておけとサリアに頼んでいた。しかしサリアは文官のいる部屋に行き、ボードだけを確認した。
案内をする場所で安全が確認をされた建物や地名(観光地)をかきだしたボードには第2王子が担当する日しかまだ書かれてはいなかった。
結婚式の当日であった事も災いして、文官たちも空いた時間に書き込むしかなかった。
なので出立の前日となる日は空白のまま。式の後には書き込まれたがサリアは確認に行かなかった。
式の後で見たミカエルの美しさに頭がいっぱいになりそれどころではなかったのだ。
「予定は入ってないみたい」
そう言われたアルバートは自分でも確認することなく、自分が案内をしようと思う場所の確認を急いだ。どっちが悪いと言えばアルバートだろう。
正直、サリアのおつむには荷が重い。確認と言う作業すら適当なのだから。
サリアに舌打ちをしながら離縁できないか?ふとアルバートは考えた。
バロビン国では国王が側妃を持つこともだが、貴族に限らず一般の庶民でさえも愛人を持つことに異を唱えるのは妻くらいである。
だが、もつのは簡単だが別れるとなるとこれが難しい。
契約的な愛人であれば金の切れ目が縁の切れ目でもあり、ある程度の金を握らせてやれば別れる事は可能である。だが【情】が絡んだ愛人は別れるのは難しい。
愛人以上に別れるのが難しいのが「妻」である。基本的に離縁は認められていない。
アルバートのように再婚が出来るのは妻が死亡した場合。
妻が失踪してしまい10年間探し続けたが見つかならない場合である。
男女共通なのは配偶者が犯罪者となった場合である。
失踪で離縁をすると失踪したとされる女性は死亡と言う事になるので日陰の人生を送る事になる。
ちなみに一度愛人となれば契約愛人でない限り女性側から愛人の解消は出来ない。
つまり、犯罪者となった男の為に生涯を捧げる事になる。
2人の男性と同時進行で関係を持つことは禁止されているからである。
無論、重婚、浮気については無差別殺人と同等の刑が言い渡される。
なので浮気と言われる前にバロビン国の男性は女性を【愛人】として妻に紹介をする。
紹介される前に浮気がバレると犯罪者である。
サリアは当初、妻が妊娠した事により性欲処理のために契約した愛人である。
妻が出産し数か月すれば解消する【契約愛人】だった。
だが、突然の妻の死、腹の中の子の死でアルバートは酒に溺れ、公務もおざなりになった。
仕方なく参加する公務、その時に隣にいたのがサリアだった。
どうでもいいと思っているうちに何故かサリアが後妻になるという話が流れた。
程なくしてサリアが吐き気を訴えた事により妃に召し上げられた。
子が出来たと思われたからである。
妃となった後、1か月ほどで月のものがあり子は出来ていないとされたが結婚は無効にならなかった。
離縁は出来ないからである。
寂しさがあったとはいえ、サリアを抱いた事をアルバートは後悔した。
だが離縁は出来ない。ならば妃として仕事をと言えばサリアは何も出来ないのだ。
サリアに毒を盛る事も考えたが、妻が2度も亡くなれば夫の管理能力を疑われる。
不貞をするような女を妃にしたとなれば、王への道に障害が出来る。
アルバートは考えた。10年経ってもまだ33歳である。
「使えない女は要らないな」
隣で最後のオレンジを頬張るサリアを見て口元を歪めた。
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その隣には第3王子の母(側妃)、第3王子アルバート、妃のサリア。
基本的に女性の隣にいる男性は夫となる人である。
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とても静かな朝食‥‥のように思えるが。
「リゼ。パン食う?」
「結構です」
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そしてミカエルと違って声は出さないが音を立てる者がいる。
第3王子アルバートの妃サリア、第4王子レオナルドの妃ミリアーナである。
ミリアーナは、カチャカチャと兎に角、食器の音を立てる。
サリアはクチャクチャと咀嚼する音がするのである。
サリアも元々は騎士爵の出自でギリギリ貴族であるが、ミリアーナも出自は決して高くない。
ミリアーナは伯爵令嬢だが、伯爵がメイドに手を出して生まれた子である。
ただ、躾はしっかりとされており養女に迎えられていて爵位は問題ない。
食器の音をさせてしまうのは事前に侯爵夫妻、帝国側には了承済みである。
ミリアーナは生まれつき両手の指が極端に短いのである。
通常の人の関節1つ分の長さもない指だがそれでも努力をする女性である。
そんな努力を笑うような人間は帝国にはいないし、その女性を娶ったその点において第4王子の評価は高い。
だが、夫婦共通の大きな欠点があった。
ミリアーナは自身は努力をする女性なのだが妃となり覚える事に手いっぱいで使用人にまで気を配る余裕がなかった。
エリザベートのもとに派遣する使用人を選んだのは宮の侍女頭だった。
だからと言って責任がないわけではない。
謝罪をと思いつつ結婚式のホストを第4王子が引き受けている最中だったため【そのうち】と思いつつそのままになってしまっているのである。
結局、第4王子も王の器ではない。
目先の事はキッチリと仕上げられるが同時進行する幾つかの事業を整理するのが苦手なのである。夫婦でいっぱいいっぱいになってしまったのである。
エリザベートが来ることが決まった日から式前の3日間ホストを頼まれた事で完璧を追求するあまり他の事が一切手につかない。たった3日の為に4カ月ほど必死になった夫婦なのだった。
ちなみに第5王子カサリウスの妃はディオール。侯爵令嬢でここは血統書付である。
「皇帝陛下に置かれましてはご予定通り明後日ご出立でよろしいですかな」
「そうだな。今日、明日はゆっくりとバロビン国を堪能させてもらおう」
「では本日はこの第2王子サージェスに案内をさせましょう」
「ほぅ…よろしく頼むよ」
「はい。楽しめる場所をご用意致しました。後ほどお迎えに上がります」
「まぁ。楽しみだわ。ウフフ」
順番から言えば第1王子なのだろうが、侯爵夫妻、帝国側から新婚夫婦は朝が遅いからと事前に断りを入れられているため、第2王子が抜擢をされたのである。
決してミカエルとエリザベートの朝は遅くはないのだがそこは一般論である。
「では、明日はわたくしが!ご案内を致しましょう」
声をあげたのは第3王子アルバート。順番で言えば当然である。しかし・・・。
「アルバート兄上。申し訳ない。明日は私がご案内の役を仰せつかっている」
「なんだと?」
アルバートが思わず睨んでしまったのは第5王子のカサリウスである。
第4王子は出遅れたのではない。第4王子は結婚式前の出迎え時ホストを務めた。
結婚式の前3日間のホストを第4王子はしっかりと務め上げたのである。
アルバートは苦虫を嚙み潰したように顔を歪める。
出迎えの時は第二街道の事業計画で手が離せなかったのだ。
昨日は結婚式翌日であったため、国王夫妻が案内役を行った。
残り2日のうち、どちらかは第2王子だろうと思っていたが既に決まっていたとは。
ギロリとサリアを睨むがサリアはデザートのフルーツを食べて気がつかない。
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案内をする場所で安全が確認をされた建物や地名(観光地)をかきだしたボードには第2王子が担当する日しかまだ書かれてはいなかった。
結婚式の当日であった事も災いして、文官たちも空いた時間に書き込むしかなかった。
なので出立の前日となる日は空白のまま。式の後には書き込まれたがサリアは確認に行かなかった。
式の後で見たミカエルの美しさに頭がいっぱいになりそれどころではなかったのだ。
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正直、サリアのおつむには荷が重い。確認と言う作業すら適当なのだから。
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離縁は出来ないからである。
寂しさがあったとはいえ、サリアを抱いた事をアルバートは後悔した。
だが離縁は出来ない。ならば妃として仕事をと言えばサリアは何も出来ないのだ。
サリアに毒を盛る事も考えたが、妻が2度も亡くなれば夫の管理能力を疑われる。
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