12 / 43
バロビン国に到着
しおりを挟む
ゆっくりと進む馬車。先導をしてくれるのは嫁ぎ先であるバロビン国の第二騎兵隊。
家族もいる使用人を連れて行くにはバロビン国はあまりにも遠い地である。
早馬で駆け抜けるにしても女性侍女では馬に乗る事は出来ても数十分全速力で走らせる事も無謀に近い。死にたいのかと言われても不思議ではない。
エリザベートは心配する両親や兄夫婦に笑顔で大丈夫だと告げて1人で旅立った。
途中までは馬車の中でも一人。本を読むにも街道は舗装はある程度しかしておらず馬車酔いをしてしまいそうなほどに上下に揺れる。出来る事は眠る事くらいである。
それでも途中の宿屋では足を伸ばせるからかしっかりと寝てしまう。
今日の昼過ぎあたりには国境付近だと言う声が聞こえる。
入国になればその先の宿場町で侍女が1人同乗するとかなんとか。
帝国からの道のりでバロビン国に入国をしたあたりから景色が一変する。
茶色く土がむき出しになった山。伐採をしたのかと思ったが切り株などもない事から木、そのものがないのだろう。雨も少ない国だというから地滑りも少ないのだ。
バロビン国に入り入国審査などがあるかと思ったがこれだけの騎兵隊に囲まれているのである。
「そんなものは帝国を出発する時に終わっています」と告げられてしまった。
侍女が1人同乗すると聞いたきがしたが、出発する時に乗り込むのはあエリザベート一人であった。色々と話が聞けるかと思ったがいないのであれば仕方がない。
休憩時にバロビン国の王都まではあとどれくらいかと聞くと3日はかかると言われ、何故かと聞けば「女性はゆっくりと進む馬車でないと機嫌を損ねるから」と言われたエリザベートはその言葉に機嫌を損ねた。
確かに道はお世辞にも良いとは言えないが、そこまで過保護にしてもらう必要はない。
その旨を告げると聊か馬車の速度が上がった気がした。
流れていく景色を見て思ったことは、【想像以上に何もない】と言う事である。
地理、地学の本でバロビン国の事は知ってはいたが【見ると聞く】では大違いと世間でいうように【読むと見る】では全く違っていた。
時折見える人は農民かと思ったが農作物を育てられるような土地ではない。
着ている服もお世辞にもまあまあとも言えないような粗末な服。体つきも背格好の割に細い。
本に書かれていた通りだと実感をしたのは翌日予定より早く王都に入ってからである。
貧困にあえぐ国とは聞いていたがまさにその通りだった。
メインロードと言われる通りでも商店に活気はなく木枯らしが吹く夕暮れを思わせる。
思わず時計を見て時刻を確かめるとまだ15時。
石畳みとは騎兵隊の団長が言っていたがところどころ浮き上がり、めくれ上がり。
中には思わず車輪が脱輪するのではと思うほどの穴が開いている場所もある。
改めて馬車の隣を騎乗して並走する騎士を見てみれば甲冑も傷だらけで彼の祖父か曾祖父が購入した物かと思うような年代物を感じさせるものだった。
――思った以上に大変かも知れない――
そう思ったのが間違いではなかった事はもうすぐ夕刻という時間に王宮に到着してから思い知った。
出迎えは確かに多かった。全員が歓迎をしていない事も直ぐに感じ取れた。
聞けばこの国は一夫多妻の国で国王には8人の妻がいると言う。
お相手の第一王子は?と探してみるが【いない】と言われてしまった。
しかし、国の長である国王、そして夫となる男性の実母(王妃)が出迎えてくれている。
完全に孤立したり冷遇をされるわけではなさそうだが、他の王子や王子妃の視線が痛い。
明らかに値踏みをするような視線を感じるのだ。
――こんな所で怯む事は出来ない!背筋を伸ばし胸を張るのよ――
自分自身を叱咤激励し、堂々と国王、王妃の前でカーテシーを取る。
おそらくは今までで一番優雅に姿勢が取れたと思うほどに。
「遠いところをよく来て下さった。今日はお疲れであろう。宴は明日に予定をしているのでゆっくりと休まれるがよい」
「直々のお出迎え、並びにお心遣い感謝いたします」
「ごめんなさいね。ミカエルには来るように言っておいたのだけれど」
「いえ、殿下もお忙しい身と聞いております。この先幾らでも会えますので」
「そう言って頂けるとありがたいわ」
「皆の者。エリザベート・ブランチェスカ・アルトーレ殿に礼を」
国王の一声で一糸乱れずにザっという音と共に居並ぶ一同が礼をする。
ドレス姿の女性がいなければ軍隊と間違いそうである。
こうやって礼をするのはおそらくはエリザベートの持参金なのだろうと推測出来た。
礼をする前とした後の他の王子と思われる者の顔つき、目つきは険しい。
だがたかが1人の女が嫁入りに他国からの支援金の倍以上を持参金として持ち込むのだ。
頭の一つでも下げておけと言う事なのだろう。
結局馬車に同乗する聞いた侍女は来なかった。
生きた情報いや、生の声を例え正確な情報でなくとも馬車で得られるかと思ったがその機会はなかった。
ピリリとした空気をかき消すかのように王妃の言葉に2人の侍女と1人の従者がやってくる。
「パンジー」と「デイジー」という双子の侍女と「リジー」という従者であった。
部屋に案内をされると、これはまた…となんと言葉をかければ良いか迷ってしまった。
――一言でいえば‥…質素?――
何もない部屋である。テーブルセットもなく家具もない。
衣類はクローゼットに仕舞えば良いか、そのほかは見事に寝台しかない。
窓の景色は?と言うと5つある窓の内3つは城壁しか見えなかった。
「あ、その窓は開けないでください。枠が城壁に当たってしまうので」
――道理で日当たりも良くない訳だ――
そして残り2つの内1つも開けたすぐそばの木に蜂が巣を作っていると言う。
甘味は自給自足か?と思ったがこの国の蜂は蜜は集めない肉食系の蜂だと言われる。
刺されると死に至る事もあるサバクバチという種類なのだそうだ。
刺されれば腫れあがり熱も出ると言う。最悪死に至る事もあるとか。
残り一つの窓は開ける事は出来る。出来るのだが景色に問題があった。
「見えるのは男性の公衆浴場になります」
つまりは窓は開けるな、カーテンは閉めておけと言う事なのだろう。
――前途多難ね。でもまぁ第一王子が来れば話してみればいいでしょう――
「多分、似ていると思います」
そう言って絵姿を1枚渡されるが【多分、似ている】とはどういうことなのだろう?
エリザベートはそれでも楽観視していたが、かなり考えが甘かった。
第一王子ミカエルはこの国に来て結婚式までの3カ月の間、一度も訪れなかったのだ。
家族もいる使用人を連れて行くにはバロビン国はあまりにも遠い地である。
早馬で駆け抜けるにしても女性侍女では馬に乗る事は出来ても数十分全速力で走らせる事も無謀に近い。死にたいのかと言われても不思議ではない。
エリザベートは心配する両親や兄夫婦に笑顔で大丈夫だと告げて1人で旅立った。
途中までは馬車の中でも一人。本を読むにも街道は舗装はある程度しかしておらず馬車酔いをしてしまいそうなほどに上下に揺れる。出来る事は眠る事くらいである。
それでも途中の宿屋では足を伸ばせるからかしっかりと寝てしまう。
今日の昼過ぎあたりには国境付近だと言う声が聞こえる。
入国になればその先の宿場町で侍女が1人同乗するとかなんとか。
帝国からの道のりでバロビン国に入国をしたあたりから景色が一変する。
茶色く土がむき出しになった山。伐採をしたのかと思ったが切り株などもない事から木、そのものがないのだろう。雨も少ない国だというから地滑りも少ないのだ。
バロビン国に入り入国審査などがあるかと思ったがこれだけの騎兵隊に囲まれているのである。
「そんなものは帝国を出発する時に終わっています」と告げられてしまった。
侍女が1人同乗すると聞いたきがしたが、出発する時に乗り込むのはあエリザベート一人であった。色々と話が聞けるかと思ったがいないのであれば仕方がない。
休憩時にバロビン国の王都まではあとどれくらいかと聞くと3日はかかると言われ、何故かと聞けば「女性はゆっくりと進む馬車でないと機嫌を損ねるから」と言われたエリザベートはその言葉に機嫌を損ねた。
確かに道はお世辞にも良いとは言えないが、そこまで過保護にしてもらう必要はない。
その旨を告げると聊か馬車の速度が上がった気がした。
流れていく景色を見て思ったことは、【想像以上に何もない】と言う事である。
地理、地学の本でバロビン国の事は知ってはいたが【見ると聞く】では大違いと世間でいうように【読むと見る】では全く違っていた。
時折見える人は農民かと思ったが農作物を育てられるような土地ではない。
着ている服もお世辞にもまあまあとも言えないような粗末な服。体つきも背格好の割に細い。
本に書かれていた通りだと実感をしたのは翌日予定より早く王都に入ってからである。
貧困にあえぐ国とは聞いていたがまさにその通りだった。
メインロードと言われる通りでも商店に活気はなく木枯らしが吹く夕暮れを思わせる。
思わず時計を見て時刻を確かめるとまだ15時。
石畳みとは騎兵隊の団長が言っていたがところどころ浮き上がり、めくれ上がり。
中には思わず車輪が脱輪するのではと思うほどの穴が開いている場所もある。
改めて馬車の隣を騎乗して並走する騎士を見てみれば甲冑も傷だらけで彼の祖父か曾祖父が購入した物かと思うような年代物を感じさせるものだった。
――思った以上に大変かも知れない――
そう思ったのが間違いではなかった事はもうすぐ夕刻という時間に王宮に到着してから思い知った。
出迎えは確かに多かった。全員が歓迎をしていない事も直ぐに感じ取れた。
聞けばこの国は一夫多妻の国で国王には8人の妻がいると言う。
お相手の第一王子は?と探してみるが【いない】と言われてしまった。
しかし、国の長である国王、そして夫となる男性の実母(王妃)が出迎えてくれている。
完全に孤立したり冷遇をされるわけではなさそうだが、他の王子や王子妃の視線が痛い。
明らかに値踏みをするような視線を感じるのだ。
――こんな所で怯む事は出来ない!背筋を伸ばし胸を張るのよ――
自分自身を叱咤激励し、堂々と国王、王妃の前でカーテシーを取る。
おそらくは今までで一番優雅に姿勢が取れたと思うほどに。
「遠いところをよく来て下さった。今日はお疲れであろう。宴は明日に予定をしているのでゆっくりと休まれるがよい」
「直々のお出迎え、並びにお心遣い感謝いたします」
「ごめんなさいね。ミカエルには来るように言っておいたのだけれど」
「いえ、殿下もお忙しい身と聞いております。この先幾らでも会えますので」
「そう言って頂けるとありがたいわ」
「皆の者。エリザベート・ブランチェスカ・アルトーレ殿に礼を」
国王の一声で一糸乱れずにザっという音と共に居並ぶ一同が礼をする。
ドレス姿の女性がいなければ軍隊と間違いそうである。
こうやって礼をするのはおそらくはエリザベートの持参金なのだろうと推測出来た。
礼をする前とした後の他の王子と思われる者の顔つき、目つきは険しい。
だがたかが1人の女が嫁入りに他国からの支援金の倍以上を持参金として持ち込むのだ。
頭の一つでも下げておけと言う事なのだろう。
結局馬車に同乗する聞いた侍女は来なかった。
生きた情報いや、生の声を例え正確な情報でなくとも馬車で得られるかと思ったがその機会はなかった。
ピリリとした空気をかき消すかのように王妃の言葉に2人の侍女と1人の従者がやってくる。
「パンジー」と「デイジー」という双子の侍女と「リジー」という従者であった。
部屋に案内をされると、これはまた…となんと言葉をかければ良いか迷ってしまった。
――一言でいえば‥…質素?――
何もない部屋である。テーブルセットもなく家具もない。
衣類はクローゼットに仕舞えば良いか、そのほかは見事に寝台しかない。
窓の景色は?と言うと5つある窓の内3つは城壁しか見えなかった。
「あ、その窓は開けないでください。枠が城壁に当たってしまうので」
――道理で日当たりも良くない訳だ――
そして残り2つの内1つも開けたすぐそばの木に蜂が巣を作っていると言う。
甘味は自給自足か?と思ったがこの国の蜂は蜜は集めない肉食系の蜂だと言われる。
刺されると死に至る事もあるサバクバチという種類なのだそうだ。
刺されれば腫れあがり熱も出ると言う。最悪死に至る事もあるとか。
残り一つの窓は開ける事は出来る。出来るのだが景色に問題があった。
「見えるのは男性の公衆浴場になります」
つまりは窓は開けるな、カーテンは閉めておけと言う事なのだろう。
――前途多難ね。でもまぁ第一王子が来れば話してみればいいでしょう――
「多分、似ていると思います」
そう言って絵姿を1枚渡されるが【多分、似ている】とはどういうことなのだろう?
エリザベートはそれでも楽観視していたが、かなり考えが甘かった。
第一王子ミカエルはこの国に来て結婚式までの3カ月の間、一度も訪れなかったのだ。
36
お気に入りに追加
3,311
あなたにおすすめの小説

出生の秘密は墓場まで
しゃーりん
恋愛
20歳で公爵になったエスメラルダには13歳離れた弟ザフィーロがいる。
だが実はザフィーロはエスメラルダが産んだ子。この事実を知っている者は墓場まで口を噤むことになっている。
ザフィーロに跡を継がせるつもりだったが、特殊な性癖があるのではないかという恐れから、もう一人子供を産むためにエスメラルダは25歳で結婚する。
3年後、出産したばかりのエスメラルダに自分の出生についてザフィーロが確認するというお話です。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
【完結】私が王太子殿下のお茶会に誘われたからって、今更あわてても遅いんだからね
江崎美彩
恋愛
王太子殿下の婚約者候補を探すために開かれていると噂されるお茶会に招待された、伯爵令嬢のミンディ・ハーミング。
幼馴染のブライアンが好きなのに、当のブライアンは「ミンディみたいなじゃじゃ馬がお茶会に出ても恥をかくだけだ」なんて揶揄うばかり。
「私が王太子殿下のお茶会に誘われたからって、今更あわてても遅いんだからね! 王太子殿下に見染められても知らないんだから!」
ミンディはブライアンに告げ、お茶会に向かう……
〜登場人物〜
ミンディ・ハーミング
元気が取り柄の伯爵令嬢。
幼馴染のブライアンに揶揄われてばかりだが、ブライアンが自分にだけ向けるクシャクシャな笑顔が大好き。
ブライアン・ケイリー
ミンディの幼馴染の伯爵家嫡男。
天邪鬼な性格で、ミンディの事を揶揄ってばかりいる。
ベリンダ・ケイリー
ブライアンの年子の妹。
ミンディとブライアンの良き理解者。
王太子殿下
婚約者が決まらない事に対して色々な噂を立てられている。
『小説家になろう』にも投稿しています
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
離婚した彼女は死ぬことにした
まとば 蒼
恋愛
2日に1回更新(希望)です。
-----------------
事故で命を落とす瞬間、政略結婚で結ばれた夫のアルバートを愛していたことに気づいたエレノア。
もう一度彼との結婚生活をやり直したいと願うと、四年前に巻き戻っていた。
今度こそ彼に相応しい妻になりたいと、これまでの臆病な自分を脱ぎ捨て奮闘するエレノア。しかし、
「前にも言ったけど、君は妻としての役目を果たさなくていいんだよ」
返ってくるのは拒絶を含んだ鉄壁の笑みと、表面的で義務的な優しさ。
それでも夫に想いを捧げ続けていたある日のこと、アルバートの大事にしている弟妹が原因不明の体調不良に襲われた。
神官から、二人の体調不良はエレノアの体内に宿る瘴気が原因だと告げられる。
大切な人を守るために離婚して彼らから離れることをエレノアは決意するが──。
-----------------
とあるコンテストに応募するためにひっそり書いていた作品ですが、最近ダレてきたので公開してみることにしました。
まだまだ荒くて調整が必要な話ですが、どんなに些細な内容でも反応を頂けると大変励みになります。
書きながら色々修正していくので、読み返したら若干展開が変わってたりするかもしれません。
作風が好みじゃない場合は回れ右をして自衛をお願いいたします。
【完結】お飾りの妻からの挑戦状
おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。
「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」
しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ……
◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています
◇全18話で完結予定

失った真実の愛を息子にバカにされて口車に乗せられた
しゃーりん
恋愛
20数年前、婚約者ではない令嬢を愛し、結婚した現国王。
すぐに産まれた王太子は2年前に結婚したが、まだ子供がいなかった。
早く後継者を望まれる王族として、王太子に側妃を娶る案が出る。
この案に王太子の返事は?
王太子である息子が国王である父を口車に乗せて側妃を娶らせるお話です。

侍女から第2夫人、そして……
しゃーりん
恋愛
公爵家の2歳のお嬢様の侍女をしているルイーズは、酔って夢だと思い込んでお嬢様の父親であるガレントと関係を持ってしまう。
翌朝、現実だったと知った2人は親たちの話し合いの結果、ガレントの第2夫人になることに決まった。
ガレントの正妻セルフィが病弱でもう子供を望めないからだった。
一日で侍女から第2夫人になってしまったルイーズ。
正妻セルフィからは、娘を義母として可愛がり、夫を好きになってほしいと頼まれる。
セルフィの残り時間は少なく、ルイーズがやがて正妻になるというお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる