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第23話 人口分布は砂時計型
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ピプペポ領の朝は早い。
午前2時過ぎになると空が白み始めるし、日の出は午前4時前。
当然日の入りも早くて19時ころにはもう真夜中の様相になってしまう。
王都との時差はなんと4時間もある。
ただ、時差ボケも狂わせてしまうのが灼熱の暑さと極寒の寒さだった。
「暑い…暑いわ」
「窓際にいるからだ。ここにいればいいだろう?」
「遠慮しとくわ」
ウィザードがここにおいでとポンポン。示すのは寝台の隣。
じゃぁ昼寝でもと隣に横になると昼寝どころではない事はここ数日で学んだ。
ソシャリーは部位的に休息日が欲しいと思っている今日この頃。
うっかり外に出てしまうと滅茶苦茶暑いので、領民もほぼ家の中で過ごす。
なので~。
田舎なのに年間で生まれる子供の数は国内3番目。何故なのかは言うまでもない。
「ねぇウィド」
「なんだ?」
「みんな家の中で何をして過ごすの?」
「そりゃ‥‥愛を確か――」
「却下、それ以外!!」
「・・・・」
「何故黙るの?!」
ピプペポ領の問題点はここにあった。人口が多いのは良い事である。
昨年生まれた子供の数がなんと5万2千人である。
それは良いのだが、兵士にならければ働き盛りの世代は領地を出て行ってしまうので人口分布は砂時計型になっている。
この気候が問題で夏と冬は外に出て働けない。冬用に食料や薪などを備蓄するのは王都でも同じだが、ピプペポ領はちょっと足らないから買い足しに店に出ることもなく完全に引き籠る。
その上、それが冬だけなく夏場もなので1年のうち半分は働けないのである。
何とか現金収入を得るために領民でも家の中には作業場があり、引きこもる間はなんと内職で書籍を作っている。
国内だけでなく辺境なので国境を越えれば隣国。
国内は6割、隣国で発刊される書物の3割をこの領地で作成をしているがこれが大変な作業。
春は領民たちが一斉に他の領や隣国に出向く。
平民の衣類は主に麻なので古着になった衣類を回収。同時に間伐などで伐採した木材を運んでくる。
夏場のこの灼熱の暑さを利用して乾燥させるため、せっせと家の中の作業場で裁断し雪解け水で水洗いし干す。
秋になると干したものを紙漉きして紙にして、冬場に作った紙に1枚1枚手書きで見本となる本を書き写す。
春になれば納品がてらに出向いてまた、古着や間伐材を運んでくるのだ。
「ねぇ。ウィド。本を1冊作っても銅貨1枚でしょう?」
「そうだな。だからどの家も冬の間に少ない家で200冊、多い家で千冊を作るんだ」
価格にすれば1冊おおよそ200ページを作って銅貨1枚。パン1個の値段だ。
通貨単位に直せば1冊作って200ルル。そこに紙代も入って400ルル。
春と秋に材料仕入れから全てを行って4万ルル~40万ルル。
しかし全てが収入ではない。
古着や間伐材を購入する費用もあるのだから労力に見合う金額を得ようとすれば作る単位を「万冊」にしなければ儲けにもならない。
王都で働く初級文官の月給が16万ルル。
比べればしないよりマシな子供の小遣いレベルである。
「全部手書きなのよね。間違ったらどうするの?」
「廃棄だな。インクを落としまた紙漉きからやり直さないといけない」
「同じ本を何万冊も作るのよね」
ウィザードは待っていてもソシャリーが寝台に来てくれないので、寝台から抜け出しソシャリーの隣に腰かけた。
ソシャリーはふと思った。
ピプペポ領にもカタス木と言う木材がある。
何か産業を興せないかと思ったのだが、夏場のこの暑さで水分がほぼないので非常に硬い。
木なのに石かと思うくらいに固くて薪割りをしようとすれば、兵士ですら5本が限界で加工がし辛い。
利点はある。非常に硬く水分量が極端に少ないので暖炉にくべれば石炭のように少ない量で長い時間燃焼をしてくれる。尤も燃焼させるまでが大変なのは間違いない。一長一短である。
加工が大変なのでかなり高価な品にはなるが、その木を使った日用品も販売はされている。
その品がなんと木で作った鍋である。
竈にかけっぱなしになるのだが、継ぎ足し、継ぎ足しをすれば燃え尽きるのが3,4か月後。
春や秋には兵士たちは討伐に出るので、材料運びから始まって紙漉きなども含め力仕事を女性や子供、高齢者が行う。
調理をする暇もないくらい出入りも激しいので、領民たちはそうやって調理の時短をしている。
「ウィド。冬の作業って簡素化出来たらみんな、もっと楽よね」
「そうだな。家族総出で1冊出来るごとに間違っていないか確認もしなきゃいけないからな」
見本となる本と出来たばかりの本を1ページ、1ページ確認するのも大変な作業である。
「なぁ…することないし、昼寝、しねぇ?」
「しませんって!昼間からこうやって寝るから夜に眠くならないの!」
「えぇーっ。ソシャリーが隣にいないと寂しいじゃんか」
「枕でも抱いて寝ればいいでしょ!‥‥ん?ウィドはどうして内職しないの?」
「してるけど?」
ウィザードも夏の間には秋に向けての配置計画や決定したことを兵士全員に伝えるための各種仕事がある。
しかし暇さえあればソシャリーを寝台に引き込もうとするので忙しそうに見えないのだ。
話をしていると丁度部下の兵士が報告書を持ってきた。
午前2時過ぎになると空が白み始めるし、日の出は午前4時前。
当然日の入りも早くて19時ころにはもう真夜中の様相になってしまう。
王都との時差はなんと4時間もある。
ただ、時差ボケも狂わせてしまうのが灼熱の暑さと極寒の寒さだった。
「暑い…暑いわ」
「窓際にいるからだ。ここにいればいいだろう?」
「遠慮しとくわ」
ウィザードがここにおいでとポンポン。示すのは寝台の隣。
じゃぁ昼寝でもと隣に横になると昼寝どころではない事はここ数日で学んだ。
ソシャリーは部位的に休息日が欲しいと思っている今日この頃。
うっかり外に出てしまうと滅茶苦茶暑いので、領民もほぼ家の中で過ごす。
なので~。
田舎なのに年間で生まれる子供の数は国内3番目。何故なのかは言うまでもない。
「ねぇウィド」
「なんだ?」
「みんな家の中で何をして過ごすの?」
「そりゃ‥‥愛を確か――」
「却下、それ以外!!」
「・・・・」
「何故黙るの?!」
ピプペポ領の問題点はここにあった。人口が多いのは良い事である。
昨年生まれた子供の数がなんと5万2千人である。
それは良いのだが、兵士にならければ働き盛りの世代は領地を出て行ってしまうので人口分布は砂時計型になっている。
この気候が問題で夏と冬は外に出て働けない。冬用に食料や薪などを備蓄するのは王都でも同じだが、ピプペポ領はちょっと足らないから買い足しに店に出ることもなく完全に引き籠る。
その上、それが冬だけなく夏場もなので1年のうち半分は働けないのである。
何とか現金収入を得るために領民でも家の中には作業場があり、引きこもる間はなんと内職で書籍を作っている。
国内だけでなく辺境なので国境を越えれば隣国。
国内は6割、隣国で発刊される書物の3割をこの領地で作成をしているがこれが大変な作業。
春は領民たちが一斉に他の領や隣国に出向く。
平民の衣類は主に麻なので古着になった衣類を回収。同時に間伐などで伐採した木材を運んでくる。
夏場のこの灼熱の暑さを利用して乾燥させるため、せっせと家の中の作業場で裁断し雪解け水で水洗いし干す。
秋になると干したものを紙漉きして紙にして、冬場に作った紙に1枚1枚手書きで見本となる本を書き写す。
春になれば納品がてらに出向いてまた、古着や間伐材を運んでくるのだ。
「ねぇ。ウィド。本を1冊作っても銅貨1枚でしょう?」
「そうだな。だからどの家も冬の間に少ない家で200冊、多い家で千冊を作るんだ」
価格にすれば1冊おおよそ200ページを作って銅貨1枚。パン1個の値段だ。
通貨単位に直せば1冊作って200ルル。そこに紙代も入って400ルル。
春と秋に材料仕入れから全てを行って4万ルル~40万ルル。
しかし全てが収入ではない。
古着や間伐材を購入する費用もあるのだから労力に見合う金額を得ようとすれば作る単位を「万冊」にしなければ儲けにもならない。
王都で働く初級文官の月給が16万ルル。
比べればしないよりマシな子供の小遣いレベルである。
「全部手書きなのよね。間違ったらどうするの?」
「廃棄だな。インクを落としまた紙漉きからやり直さないといけない」
「同じ本を何万冊も作るのよね」
ウィザードは待っていてもソシャリーが寝台に来てくれないので、寝台から抜け出しソシャリーの隣に腰かけた。
ソシャリーはふと思った。
ピプペポ領にもカタス木と言う木材がある。
何か産業を興せないかと思ったのだが、夏場のこの暑さで水分がほぼないので非常に硬い。
木なのに石かと思うくらいに固くて薪割りをしようとすれば、兵士ですら5本が限界で加工がし辛い。
利点はある。非常に硬く水分量が極端に少ないので暖炉にくべれば石炭のように少ない量で長い時間燃焼をしてくれる。尤も燃焼させるまでが大変なのは間違いない。一長一短である。
加工が大変なのでかなり高価な品にはなるが、その木を使った日用品も販売はされている。
その品がなんと木で作った鍋である。
竈にかけっぱなしになるのだが、継ぎ足し、継ぎ足しをすれば燃え尽きるのが3,4か月後。
春や秋には兵士たちは討伐に出るので、材料運びから始まって紙漉きなども含め力仕事を女性や子供、高齢者が行う。
調理をする暇もないくらい出入りも激しいので、領民たちはそうやって調理の時短をしている。
「ウィド。冬の作業って簡素化出来たらみんな、もっと楽よね」
「そうだな。家族総出で1冊出来るごとに間違っていないか確認もしなきゃいけないからな」
見本となる本と出来たばかりの本を1ページ、1ページ確認するのも大変な作業である。
「なぁ…することないし、昼寝、しねぇ?」
「しませんって!昼間からこうやって寝るから夜に眠くならないの!」
「えぇーっ。ソシャリーが隣にいないと寂しいじゃんか」
「枕でも抱いて寝ればいいでしょ!‥‥ん?ウィドはどうして内職しないの?」
「してるけど?」
ウィザードも夏の間には秋に向けての配置計画や決定したことを兵士全員に伝えるための各種仕事がある。
しかし暇さえあればソシャリーを寝台に引き込もうとするので忙しそうに見えないのだ。
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