28 / 36
消えたセレスタン
しおりを挟む
王妃の宮は基本的に女性のみとされている。
今日もきゃっきゃウフフと花が飛び交うような笑い声に包まれていた。
医者からはあと3カ月はかかりそうだと言われた抜糸。医学という分野がまだまだ民間療法に頼る時代。ジクジクとした患部から抜糸の日はまた先に延びてしまったが、起き上がれるようになったシルヴェーヌは歩行訓練も兼ねて部屋を中心として疲れない範囲で歩く練習を開始していた。
今日はサロンに隣接しているテラスで廃妃となったディオンの母も交えての茶会。
無礼講で侍女やメイドも用意したテーブルで菓子を抓んでいた。
「ねぇ。シルヴェーヌ」
「はい、王妃様」
「静養も兼ねて離宮に行ってみない?敷地の中には湖もあるのよ」
「まぁ…湖が?広いんですね」
「そうね。でも貴女が育った公爵領によく似ているかも知れないわ。少しこっちではゴタゴタしそうな様相になってきたから、安全な所にいて欲しいの」
「妃殿下、この宮が一番安全なのでは?」
「ベラ、そうも言ってられなくなったの。また側妃を迎えるそうよ。貴女が抜けたからって18歳の男爵令嬢だそうよ。男って幾つになったら腐って落ちるのかしら」
側妃が廃妃となるのは比較的簡単である。それまでの使用人を他の側妃などに振り分ければいい。しかし新しい側妃となれば王妃の宮でその使用人を一定期間指導せねばならない。
側妃となる者が連れてきた使用人全員を綿密に調べながら並行で行なわれる作業。そこにシルヴェーヌを狙う間者が紛れ込んでもおかしくない。通常ならば警戒はしないが、王妃は一連の動きに国王が関与しているのではと疑っていた。
王妃が思うよりも国王がセレスタンとディオンに対しての処罰が軽いのだ。
血を分けた我が子だからと言う言い訳を加味しても、王妃は我が子であるセレスタンを婚約解消の騒ぎを起こした責任を取らせるべく、毒杯を進言した。
他国に王家の恥部を見せた罪は重い。それを払拭するのにどれほどの時間と費用、不要な働きをせねばならない有能な人間が犠牲になるかを甘く考えていると強い処分を進言したのだ。
だが、国王は公爵家の金の流れを把握しろと甘い裁定を出した。
ディオンについてはほぼお咎めなしと言っていい。立太子など到底出来る器ではなかったにも関わらずアデライドを引き合いに王子に据え置いた。
シルヴェーヌが斬りつけられた時、王妃はディオンを塔への幽閉と進言したが、国王はディオンについては、頃合いを見計らってシルヴェーヌと離縁させバイエ侯爵家に臣籍降下するとした。
【使えない2人の王子】を起用するのではないかと言う思いが捨てきれない。
王妃にとって、我が子であろうと愚鈍な王子は不要なのだ。
子の母としての倫理観を疑われても、国の母としての矜持が勝る。
調べてはいるが、どうしても限界があった。
王妃は、一旦シルヴェーヌを王都から離れた離宮に移し、その間に掃除をしようと目論んでいた。場合によっては摂政を立て、間もなく3歳になるマクスウェルの即位も持さない構えだった。
「わかりました。離宮に行きます」
「決して追い出すわけじゃないの。向こうは空気も良いしきっと良い事がある筈よ」
「わたくしも行きたいですわぁ」
「ベラはまだよ。手伝って欲しい事があるから」
「はぁい。王妃殿下の御心のままに~」
「ふざけないで頂戴」
娘が生まれていればこんな感情になったのだろうか。ふと王妃にそんな感情が沸いた。セレスタンの育て方さえ間違わなかったら…そう考えて首を小さく横に振った。
〇●〇●〇
「なんですって?所在は掴めないの?」
「申し訳ございません。なんせクディエ公爵が一切なにも‥」
「あの蛇男が出すのは舌と股間くらいよ。待っていても無駄。兎に角探しなさい」
シルヴェーヌがまもなく抜糸になる。隣国から医師もこちらに向けて出立をしたと言う知らせと同時に飛び込んできたのはクディエ公爵家の籍に入ったはずのセレスタンの所在がつかめないというものだった。
年内いっぱいもつかどうかまで傾いたクディエ公爵家。
使用人はもうほとんどを解雇し、残ったものは少ない。ランヴィルもリベイラも無い袖は振れない状態まで来ているのだろう。紳士サロンにも茶会にも顔を出さず、先日マクスウェルの母、側妃が開いた詩の朗読会にも参加がなかった。
クディエ公爵家に従者を潜り込ませていたが、過日クディエ公爵家で火事騒ぎがあった。本宅には外壁を焦がしたくらいで主だった延焼も無かったが隣接する薪を備蓄している小屋と厩舎が全焼した。
数少ない使用人として潜り込ませた従者が何もしない訳にもいかず、馬を逃がしていた。消火してみればセレスタンの姿がなかった。
当主の状況は把握していた。当主が使用するべき部屋はセレスタンが使っておりランヴェルとリベイラは客間を使っていた。セレスタンは贅沢をしている風でもなかったがクディエ公爵家はこの1年で一気に傾いた。
借金こそない状態のため査察に入る大義名分がなく調べる事は出来なかった。使用人を全て解雇しようと家の事情。泣きついてこない限り王宮は手が打てないのだ。
もしやと思いディオンの宮にも捜索が入ったが、セレスタンはいなかった。
「勘弁してくれ。正妃と子作りも出来ないんだぞ?何が嬉しくて異母兄上を匿わなきゃならないんだ?こっちは異母兄上のおかげでいい迷惑だ」
都合よくセレスタンに利用されただけのディオンは腹を立てていた。
側近のヘルベルトは口は割らなかったが終身刑となり先月懲役の場に送られた。終身刑とは言っても懲役の場で1年と生きた者はいない過酷な地である。
半年ほど窮屈な思いをしたディオンは気が付けば母親は廃妃となり、王妃によって自室に謹慎と言う名の監禁が続いたのだ。
当初ヘルベルトに襲わせる予定はなかった。
襲撃犯をクロヴィスにさせる予定だったからだ。
シルヴェーヌに思慕を寄せるクロヴィスが叶わぬ思いを拗らせてシルヴェーヌを亡き者にしようとしたが誤ってアデライドを斬ってしまう、ヘルベルトにはそのクロヴィスを片付ける役目をさせるだけだった。
アデライドは儚くなるが、ヘルベルトは功績をあげる事が出来て、クロヴィスが片付く。少なからずシルヴェーヌがクロヴィスとよく行動を共にしていた事から混乱したシルヴェーヌをディオンが慰め、王妃も認めざるを得なくなるという流れの筈だった。
セレスタンが廃嫡されている以上、第三王子のマクスウェルが子をもうけるとしても15年以上先の事になる。王妃がどう囲おうとシルヴェーヌと子を作るしかないとセレスタンはディオンに吹き込んだ。
アデライドが襲われて儚くなれば、教育は当然無くなるのだからマクスウェルが成人するまではシルヴェーヌとの間に子を作ったディオンが即位するしかないとセレスタンは言った。
「襲撃すると言えばクロヴィスは騎士団に垂れ込む可能性がある。襲撃はその場で一発勝負だから他の貴族たちにも負傷者が出ると考え、警護を固めるようにマイクあたりに連絡を取るだろう。だが誘拐となればターゲットは一人に絞られる。クロヴィスは単独で動こうとするはずだ。話に乗ってノコノコやってくれば田舎の親や弟妹を出しに使えばいい。家族愛に溢れた哀れな男に踊ってもらうだけだ」
セレスタンの計画はクロヴィスが首を縦に振らなかった時に中止するべきだったとディオンは悔いていた。ヘルベルトが口を割らなかったからいいようなものの薄氷を踏む思いの半年だったのだ。
「探したいなら天井板も全部外して探していけ!いなかった時はそれなりに責任を取ってもらうからな!」
激昂するディオンの言う通り、セレスタンはいなかった。
悪戯に時間だけが過ぎていく。
元王太子セレスタンの所在は一向に掴めなかった。
王妃の宮に来て10カ月目、負傷して7カ月目。
シルヴェーヌは背中の抜糸を済ませた。
〇●〇●〇
「元気でね。掃除が終われば連絡をするわ」
「はい。王妃様も、ベラ様もお元気で」
シルヴェーヌと抱き合ったあと、王妃はクロヴィスを跪かせた。
「クロヴィス、頼みましたよ」
「御意」
馬車で1週間ほど。治療中である事も加味して10日の旅に耐えられるよう2か月間リハビリに励み、シルヴェーヌは王妃の宮に来て1年、負傷して9カ月目の日、離宮に向けて出発をした。
今日もきゃっきゃウフフと花が飛び交うような笑い声に包まれていた。
医者からはあと3カ月はかかりそうだと言われた抜糸。医学という分野がまだまだ民間療法に頼る時代。ジクジクとした患部から抜糸の日はまた先に延びてしまったが、起き上がれるようになったシルヴェーヌは歩行訓練も兼ねて部屋を中心として疲れない範囲で歩く練習を開始していた。
今日はサロンに隣接しているテラスで廃妃となったディオンの母も交えての茶会。
無礼講で侍女やメイドも用意したテーブルで菓子を抓んでいた。
「ねぇ。シルヴェーヌ」
「はい、王妃様」
「静養も兼ねて離宮に行ってみない?敷地の中には湖もあるのよ」
「まぁ…湖が?広いんですね」
「そうね。でも貴女が育った公爵領によく似ているかも知れないわ。少しこっちではゴタゴタしそうな様相になってきたから、安全な所にいて欲しいの」
「妃殿下、この宮が一番安全なのでは?」
「ベラ、そうも言ってられなくなったの。また側妃を迎えるそうよ。貴女が抜けたからって18歳の男爵令嬢だそうよ。男って幾つになったら腐って落ちるのかしら」
側妃が廃妃となるのは比較的簡単である。それまでの使用人を他の側妃などに振り分ければいい。しかし新しい側妃となれば王妃の宮でその使用人を一定期間指導せねばならない。
側妃となる者が連れてきた使用人全員を綿密に調べながら並行で行なわれる作業。そこにシルヴェーヌを狙う間者が紛れ込んでもおかしくない。通常ならば警戒はしないが、王妃は一連の動きに国王が関与しているのではと疑っていた。
王妃が思うよりも国王がセレスタンとディオンに対しての処罰が軽いのだ。
血を分けた我が子だからと言う言い訳を加味しても、王妃は我が子であるセレスタンを婚約解消の騒ぎを起こした責任を取らせるべく、毒杯を進言した。
他国に王家の恥部を見せた罪は重い。それを払拭するのにどれほどの時間と費用、不要な働きをせねばならない有能な人間が犠牲になるかを甘く考えていると強い処分を進言したのだ。
だが、国王は公爵家の金の流れを把握しろと甘い裁定を出した。
ディオンについてはほぼお咎めなしと言っていい。立太子など到底出来る器ではなかったにも関わらずアデライドを引き合いに王子に据え置いた。
シルヴェーヌが斬りつけられた時、王妃はディオンを塔への幽閉と進言したが、国王はディオンについては、頃合いを見計らってシルヴェーヌと離縁させバイエ侯爵家に臣籍降下するとした。
【使えない2人の王子】を起用するのではないかと言う思いが捨てきれない。
王妃にとって、我が子であろうと愚鈍な王子は不要なのだ。
子の母としての倫理観を疑われても、国の母としての矜持が勝る。
調べてはいるが、どうしても限界があった。
王妃は、一旦シルヴェーヌを王都から離れた離宮に移し、その間に掃除をしようと目論んでいた。場合によっては摂政を立て、間もなく3歳になるマクスウェルの即位も持さない構えだった。
「わかりました。離宮に行きます」
「決して追い出すわけじゃないの。向こうは空気も良いしきっと良い事がある筈よ」
「わたくしも行きたいですわぁ」
「ベラはまだよ。手伝って欲しい事があるから」
「はぁい。王妃殿下の御心のままに~」
「ふざけないで頂戴」
娘が生まれていればこんな感情になったのだろうか。ふと王妃にそんな感情が沸いた。セレスタンの育て方さえ間違わなかったら…そう考えて首を小さく横に振った。
〇●〇●〇
「なんですって?所在は掴めないの?」
「申し訳ございません。なんせクディエ公爵が一切なにも‥」
「あの蛇男が出すのは舌と股間くらいよ。待っていても無駄。兎に角探しなさい」
シルヴェーヌがまもなく抜糸になる。隣国から医師もこちらに向けて出立をしたと言う知らせと同時に飛び込んできたのはクディエ公爵家の籍に入ったはずのセレスタンの所在がつかめないというものだった。
年内いっぱいもつかどうかまで傾いたクディエ公爵家。
使用人はもうほとんどを解雇し、残ったものは少ない。ランヴィルもリベイラも無い袖は振れない状態まで来ているのだろう。紳士サロンにも茶会にも顔を出さず、先日マクスウェルの母、側妃が開いた詩の朗読会にも参加がなかった。
クディエ公爵家に従者を潜り込ませていたが、過日クディエ公爵家で火事騒ぎがあった。本宅には外壁を焦がしたくらいで主だった延焼も無かったが隣接する薪を備蓄している小屋と厩舎が全焼した。
数少ない使用人として潜り込ませた従者が何もしない訳にもいかず、馬を逃がしていた。消火してみればセレスタンの姿がなかった。
当主の状況は把握していた。当主が使用するべき部屋はセレスタンが使っておりランヴェルとリベイラは客間を使っていた。セレスタンは贅沢をしている風でもなかったがクディエ公爵家はこの1年で一気に傾いた。
借金こそない状態のため査察に入る大義名分がなく調べる事は出来なかった。使用人を全て解雇しようと家の事情。泣きついてこない限り王宮は手が打てないのだ。
もしやと思いディオンの宮にも捜索が入ったが、セレスタンはいなかった。
「勘弁してくれ。正妃と子作りも出来ないんだぞ?何が嬉しくて異母兄上を匿わなきゃならないんだ?こっちは異母兄上のおかげでいい迷惑だ」
都合よくセレスタンに利用されただけのディオンは腹を立てていた。
側近のヘルベルトは口は割らなかったが終身刑となり先月懲役の場に送られた。終身刑とは言っても懲役の場で1年と生きた者はいない過酷な地である。
半年ほど窮屈な思いをしたディオンは気が付けば母親は廃妃となり、王妃によって自室に謹慎と言う名の監禁が続いたのだ。
当初ヘルベルトに襲わせる予定はなかった。
襲撃犯をクロヴィスにさせる予定だったからだ。
シルヴェーヌに思慕を寄せるクロヴィスが叶わぬ思いを拗らせてシルヴェーヌを亡き者にしようとしたが誤ってアデライドを斬ってしまう、ヘルベルトにはそのクロヴィスを片付ける役目をさせるだけだった。
アデライドは儚くなるが、ヘルベルトは功績をあげる事が出来て、クロヴィスが片付く。少なからずシルヴェーヌがクロヴィスとよく行動を共にしていた事から混乱したシルヴェーヌをディオンが慰め、王妃も認めざるを得なくなるという流れの筈だった。
セレスタンが廃嫡されている以上、第三王子のマクスウェルが子をもうけるとしても15年以上先の事になる。王妃がどう囲おうとシルヴェーヌと子を作るしかないとセレスタンはディオンに吹き込んだ。
アデライドが襲われて儚くなれば、教育は当然無くなるのだからマクスウェルが成人するまではシルヴェーヌとの間に子を作ったディオンが即位するしかないとセレスタンは言った。
「襲撃すると言えばクロヴィスは騎士団に垂れ込む可能性がある。襲撃はその場で一発勝負だから他の貴族たちにも負傷者が出ると考え、警護を固めるようにマイクあたりに連絡を取るだろう。だが誘拐となればターゲットは一人に絞られる。クロヴィスは単独で動こうとするはずだ。話に乗ってノコノコやってくれば田舎の親や弟妹を出しに使えばいい。家族愛に溢れた哀れな男に踊ってもらうだけだ」
セレスタンの計画はクロヴィスが首を縦に振らなかった時に中止するべきだったとディオンは悔いていた。ヘルベルトが口を割らなかったからいいようなものの薄氷を踏む思いの半年だったのだ。
「探したいなら天井板も全部外して探していけ!いなかった時はそれなりに責任を取ってもらうからな!」
激昂するディオンの言う通り、セレスタンはいなかった。
悪戯に時間だけが過ぎていく。
元王太子セレスタンの所在は一向に掴めなかった。
王妃の宮に来て10カ月目、負傷して7カ月目。
シルヴェーヌは背中の抜糸を済ませた。
〇●〇●〇
「元気でね。掃除が終われば連絡をするわ」
「はい。王妃様も、ベラ様もお元気で」
シルヴェーヌと抱き合ったあと、王妃はクロヴィスを跪かせた。
「クロヴィス、頼みましたよ」
「御意」
馬車で1週間ほど。治療中である事も加味して10日の旅に耐えられるよう2か月間リハビリに励み、シルヴェーヌは王妃の宮に来て1年、負傷して9カ月目の日、離宮に向けて出発をした。
82
お気に入りに追加
2,634
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
あなたの側にいられたら、それだけで
椎名さえら
恋愛
目を覚ましたとき、すべての記憶が失われていた。
私の名前は、どうやらアデルと言うらしい。
傍らにいた男性はエリオットと名乗り、甲斐甲斐しく面倒をみてくれる。
彼は一体誰?
そして私は……?
アデルの記憶が戻るとき、すべての真実がわかる。
_____________________________
私らしい作品になっているかと思います。
ご都合主義ですが、雰囲気を楽しんでいただければ嬉しいです。
※私の商業2周年記念にネップリで配布した短編小説になります
※表紙イラストは 由乃嶋 眞亊先生に有償依頼いたしました(投稿の許可を得ています)
殿下の婚約者は、記憶喪失です。
有沢真尋
恋愛
王太子の婚約者である公爵令嬢アメリアは、いつも微笑みの影に疲労を蓄えているように見えた。
王太子リチャードは、アメリアがその献身を止めたら烈火の如く怒り狂うのは想像に難くない。自分の行動にアメリアが口を出すのも絶対に許さない。たとえば結婚前に派手な女遊びはやめて欲しい、という願いでさえも。
たとえ王太子妃になれるとしても、幸せとは無縁そうに見えたアメリア。
彼女は高熱にうなされた後、すべてを忘れてしまっていた。
※ざまあ要素はありません。
※表紙はかんたん表紙メーカーさま
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
この罰は永遠に
豆狸
恋愛
「オードリー、そなたはいつも私達を見ているが、一体なにが楽しいんだ?」
「クロード様の黄金色の髪が光を浴びて、キラキラ輝いているのを見るのが好きなのです」
「……ふうん」
その灰色の瞳には、いつもクロードが映っていた。
なろう様でも公開中です。
大好きなあなたを忘れる方法
山田ランチ
恋愛
あらすじ
王子と婚約関係にある侯爵令嬢のメリベルは、訳あってずっと秘密の婚約者のままにされていた。学園へ入学してすぐ、メリベルの魔廻が(魔術を使う為の魔素を貯めておく器官)が限界を向かえようとしている事に気が付いた大魔術師は、魔廻を小さくする事を提案する。その方法は、魔素が好むという悲しい記憶を失くしていくものだった。悲しい記憶を引っ張り出しては消していくという日々を過ごすうち、徐々に王子との記憶を失くしていくメリベル。そんな中、魔廻を奪う謎の者達に大魔術師とメリベルが襲われてしまう。
魔廻を奪おうとする者達は何者なのか。王子との婚約が隠されている訳と、重大な秘密を抱える大魔術師の正体が、メリベルの記憶に導かれ、やがて世界の始まりへと繋がっていく。
登場人物
・メリベル・アークトュラス 17歳、アークトゥラス侯爵の一人娘。ジャスパーの婚約者。
・ジャスパー・オリオン 17歳、第一王子。メリベルの婚約者。
・イーライ 学園の園芸員。
クレイシー・クレリック 17歳、クレリック侯爵の一人娘。
・リーヴァイ・ブルーマー 18歳、ブルーマー子爵家の嫡男でジャスパーの側近。
・アイザック・スチュアート 17歳、スチュアート侯爵の嫡男でジャスパーの側近。
・ノア・ワード 18歳、ワード騎士団長の息子でジャスパーの従騎士。
・シア・ガイザー 17歳、ガイザー男爵の娘でメリベルの友人。
・マイロ 17歳、メリベルの友人。
魔素→世界に漂っている物質。触れれば精神を侵され、生き物は主に凶暴化し魔獣となる。
魔廻→体内にある魔廻(まかい)と呼ばれる器官、魔素を取り込み貯める事が出来る。魔術師はこの器官がある事が必須。
ソル神とルナ神→太陽と月の男女神が魔素で満ちた混沌の大地に現れ、世界を二つに分けて浄化した。ソル神は昼間を、ルナ神は夜を受け持った。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】ええと?あなたはどなたでしたか?
ここ
恋愛
アリサの婚約者ミゲルは、婚約のときから、平凡なアリサが気に入らなかった。
アリサはそれに気づいていたが、政略結婚に逆らえない。
15歳と16歳になった2人。ミゲルには恋人ができていた。マーシャという綺麗な令嬢だ。邪魔なアリサにこわい思いをさせて、婚約解消をねらうが、事態は思わぬ方向に。
夫が「愛していると言ってくれ」とうるさいのですが、残念ながら結婚した記憶がございません
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
【完結しました】
王立騎士団団長を務めるランスロットと事務官であるシャーリーの結婚式。
しかしその結婚式で、ランスロットに恨みを持つ賊が襲い掛かり、彼を庇ったシャーリーは階段から落ちて気を失ってしまった。
「君は俺と結婚したんだ」
「『愛している』と、言ってくれないだろうか……」
目を覚ましたシャーリーには、目の前の男と結婚した記憶が無かった。
どうやら、今から二年前までの記憶を失ってしまったらしい――。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる