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本編
13・ニキフォロス陥落
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ニキフォロスは暫くの間、言いようのない喪失感に苛まれた。
ただ、王宮の中にいる人々を眺めて時間が過ぎるのを待つ。
母であり、王妃のエカテリニはそんなニキフォロスに厳しい声を掛けたのはティグリスの馬車を見送って2、3日だけの事で、以後は何も言わなかった。
婚約者であるソフィアと定期的な茶会の席、目の前のソフィアは静かに茶を飲む。
「君は楽しそうだな」
ポツリと呟いたニキフォロスにソフィアはにっこりと笑った。
音も無くソーサーに茶器が戻されると、口元をゆっくりとハンカチで拭く。
「ニキフォロス様は楽しく御座いませんか?わたくしは楽しいのです」
「酷い人だな…」
「そうでしょうか?こんな楽しい事は他に見当たらないと思います」
ティグリスが居なくなった事を喜ぶかのような言葉にニキフォロスは心底ソフィアを軽蔑した。1人だけ達成度は悪かったとしても、その言い草はないだろうと。
しかし、違った。
「辺境とはどのような所なのか。どの本を読んでもお決まりの言葉、定型文しかなかったのです。それが実際を知る事が出来る。大人になれば判りませんが今は誰かのこ難しい言葉で書いた本、一部だけを抜粋し描いた絵で想像をするしかないのです。同じ11歳が知らせてくれた物が御座いまして?」
「ティグリスは‥‥報告係ではないのだ」
「えぇ。違います。だからこそです。忖度のないそのままの姿の文字や絵が届くのが楽しみでならないのです。それに…ふふふっ。お気づきになりませんか?」
「何かおかしなことがあるのか?」
「あら?ニキフォロス殿下の観察対象は今だにわたくしだけですの?ティグリス殿下がチュリオス伯爵家の手を借りて辺境に旅立った事で貴族内に動きも出ましたのよ?」
ニキフォロスは先ほどまでの軽蔑の気持ちが吹き飛んだ。
代わりに心の中に渦巻いたのは畏怖。
ソフィアは見た目は11歳の少女のように見えて公爵令嬢であり、次期王妃若しくは王兄妃なのだと悟った。
ソフィアの言う通り、貴族内には動きがあった。
それまでのニキフォロスなら気が付かなかったかも知れないが、観察をしていくうちに人の顔と名前を覚え、どの派閥に属し、誰に従属をしているのか。雰囲気で感じ取る部分はあった。
チュリオス伯爵家にティグリスが世話になったのは婚約者がパスティーナだからと言うのは確かに大きい。しかし単に婚約者の伯父がいるからと第二王子を危険の多い辺境に向かわせるかとなれば違う。継承者は2人しかいないし、ニキフォロスが今後も安寧で暮らせるかとなれば首を傾げる。
平和そうに見えて、ニキフォロスの毒味役は気が付いただけでも14人交代をしている。王宮の外に出る事は滅多にないが、王宮の中ですら「従者」の名を借りた兵士が付き添う。
ソフィアのカシム公爵家はチュリオス伯爵家とは同じ派閥ではない。
少なくとも個人の感情で母親のエカテリニがティグリスを辺境に追いやったとも思えない。
珍しくソフィアがカチリと茶器の音をさせた。
小さな音はニキフォロスの耳をつんざくように駆け抜けた。
「わたくしも、驚いておりますのよ?王子妃教育、始まったばかりの王太子妃教育の賜物。そう思いませんこと?」
「これを機に、不穏分子を見極めよと?」
「あら?やっとお気づきに?ティグリス殿下の辺境行きは偶然でしょうけれど、もう一つ偶然が重なり国王陛下は病に倒れられ、側妃殿下は身罷られた。貴族の中には「すわ、疫病の再来」と口にする者がいるとかいないとか。過去の疫病。これも流行病なので特定は出来なかったけれど【敢えて持ち込んだ】者もいると父からは聞いておりますのよ?これがどういう意味か解らぬニキフォロス様では御座いませんでしょう?」
感じた事のない高揚感に似たゾワゾワとする気持ちがニキフォロスを襲う。
ニキフォロスはソフィアに対して初めて【知りたい】と感じた。
観察をする上で、ソフィアの何を見ていたかと言えば「上っ面」だった事に恥じ入り、頬を染めた。
「ソフィア。君って面白い人だったんだね」
ニキフォロスの言葉にソフィアは口角を少し上げた。
その表情がまたニキフォロスの心の中に灯されたゾクゾクとした炎を焚きつける。
「お暇を感じる事がないのは何よりですわ」
「そうだね。死ぬまでこの気持ちが抱けるかと思うと空恐ろしいよ」
ニキフォロスは目の前にあった果実水のグラスを手に取った。
心の熱さを感じたのかグラスの表面もびっしりと汗をかいている。
一口流し込んだ果実水はとても冷たかったが、頬の火照りは収まらない。
「改めて…僕の婚約者になってくれてありがとう」
その言葉には、ソフィアが年相応の笑顔を見せた。
ニキフォロスはそのギャップに顎を天に向けて殴りつけられたような心地。
「今更ですわよ?」
「ソ、ソフィアは何時から?いや驕りだな。僕が選ばれたのは大人たちであって君じゃない」
「御謙遜もニキフォロス様らしいですわね。ですがお気をつけ遊ばせ。この婚約に個人の感情や意思は不要。お父様は土壇場で婚約者の入れ替えも模索しております。国の都合と言えば聞こえは良いですが、わたくし二度も大人の都合に振り回されたくは御座いませんの」
【嫁ぐ相手は貴方で腹を括っている】とも取れるソフィアの言葉にニキフォロスはソフィアは実父ですら客観的に見ているのかと驚く。同時に嬉しかった。
ニキフォロスは立ち上がり、向かいのソフィアの元まで歩くと椅子の隣に跪いた。
「妃は未来永劫ソフィア嬢。貴女だけだ。隣に立ち共に未来を歩む権利を与えてくれないか」
「殿下、貴方は簡単に膝をついたり、頭を下げていい人間ではありません」
「いいんだ。これは変わらない私の気持ちを知って欲しいから」
「お父様は心変わりしましたのに、どうしてそう言い切れるのです?それに人の心は変わりやすいのです。常に何が自分にとって益となるか。簡単に靡きますもの」
「反面教師だからだ。結果的にその選択で自身は病に伏したとされ、愛した女性は先に神の御許に旅立ったとされている。共に学んだ教育は一朝一夕で成し得るものではない。何より君ほど僕の射幸心を煽る女性には‥先は長くても出会えないと思う」
「では、更に飽きさせないようわたくしも精進いたしますわ」
ニキフォロスの差し出した手にソフィアは自分の手を重ねた。
「庭を案内するよ」
「今更ですの?婚約して何年目だと思ってますの!」
「あ~‥‥。まぁ今まで心を込めた案内はしてなかったから」
「それを言います?信じられませんわ」
ギュッと握った手は離れることなく、この先を歩んでいく。
そして、2人は19歳となり「運命の日」を迎えるのだった。
ただ、王宮の中にいる人々を眺めて時間が過ぎるのを待つ。
母であり、王妃のエカテリニはそんなニキフォロスに厳しい声を掛けたのはティグリスの馬車を見送って2、3日だけの事で、以後は何も言わなかった。
婚約者であるソフィアと定期的な茶会の席、目の前のソフィアは静かに茶を飲む。
「君は楽しそうだな」
ポツリと呟いたニキフォロスにソフィアはにっこりと笑った。
音も無くソーサーに茶器が戻されると、口元をゆっくりとハンカチで拭く。
「ニキフォロス様は楽しく御座いませんか?わたくしは楽しいのです」
「酷い人だな…」
「そうでしょうか?こんな楽しい事は他に見当たらないと思います」
ティグリスが居なくなった事を喜ぶかのような言葉にニキフォロスは心底ソフィアを軽蔑した。1人だけ達成度は悪かったとしても、その言い草はないだろうと。
しかし、違った。
「辺境とはどのような所なのか。どの本を読んでもお決まりの言葉、定型文しかなかったのです。それが実際を知る事が出来る。大人になれば判りませんが今は誰かのこ難しい言葉で書いた本、一部だけを抜粋し描いた絵で想像をするしかないのです。同じ11歳が知らせてくれた物が御座いまして?」
「ティグリスは‥‥報告係ではないのだ」
「えぇ。違います。だからこそです。忖度のないそのままの姿の文字や絵が届くのが楽しみでならないのです。それに…ふふふっ。お気づきになりませんか?」
「何かおかしなことがあるのか?」
「あら?ニキフォロス殿下の観察対象は今だにわたくしだけですの?ティグリス殿下がチュリオス伯爵家の手を借りて辺境に旅立った事で貴族内に動きも出ましたのよ?」
ニキフォロスは先ほどまでの軽蔑の気持ちが吹き飛んだ。
代わりに心の中に渦巻いたのは畏怖。
ソフィアは見た目は11歳の少女のように見えて公爵令嬢であり、次期王妃若しくは王兄妃なのだと悟った。
ソフィアの言う通り、貴族内には動きがあった。
それまでのニキフォロスなら気が付かなかったかも知れないが、観察をしていくうちに人の顔と名前を覚え、どの派閥に属し、誰に従属をしているのか。雰囲気で感じ取る部分はあった。
チュリオス伯爵家にティグリスが世話になったのは婚約者がパスティーナだからと言うのは確かに大きい。しかし単に婚約者の伯父がいるからと第二王子を危険の多い辺境に向かわせるかとなれば違う。継承者は2人しかいないし、ニキフォロスが今後も安寧で暮らせるかとなれば首を傾げる。
平和そうに見えて、ニキフォロスの毒味役は気が付いただけでも14人交代をしている。王宮の外に出る事は滅多にないが、王宮の中ですら「従者」の名を借りた兵士が付き添う。
ソフィアのカシム公爵家はチュリオス伯爵家とは同じ派閥ではない。
少なくとも個人の感情で母親のエカテリニがティグリスを辺境に追いやったとも思えない。
珍しくソフィアがカチリと茶器の音をさせた。
小さな音はニキフォロスの耳をつんざくように駆け抜けた。
「わたくしも、驚いておりますのよ?王子妃教育、始まったばかりの王太子妃教育の賜物。そう思いませんこと?」
「これを機に、不穏分子を見極めよと?」
「あら?やっとお気づきに?ティグリス殿下の辺境行きは偶然でしょうけれど、もう一つ偶然が重なり国王陛下は病に倒れられ、側妃殿下は身罷られた。貴族の中には「すわ、疫病の再来」と口にする者がいるとかいないとか。過去の疫病。これも流行病なので特定は出来なかったけれど【敢えて持ち込んだ】者もいると父からは聞いておりますのよ?これがどういう意味か解らぬニキフォロス様では御座いませんでしょう?」
感じた事のない高揚感に似たゾワゾワとする気持ちがニキフォロスを襲う。
ニキフォロスはソフィアに対して初めて【知りたい】と感じた。
観察をする上で、ソフィアの何を見ていたかと言えば「上っ面」だった事に恥じ入り、頬を染めた。
「ソフィア。君って面白い人だったんだね」
ニキフォロスの言葉にソフィアは口角を少し上げた。
その表情がまたニキフォロスの心の中に灯されたゾクゾクとした炎を焚きつける。
「お暇を感じる事がないのは何よりですわ」
「そうだね。死ぬまでこの気持ちが抱けるかと思うと空恐ろしいよ」
ニキフォロスは目の前にあった果実水のグラスを手に取った。
心の熱さを感じたのかグラスの表面もびっしりと汗をかいている。
一口流し込んだ果実水はとても冷たかったが、頬の火照りは収まらない。
「改めて…僕の婚約者になってくれてありがとう」
その言葉には、ソフィアが年相応の笑顔を見せた。
ニキフォロスはそのギャップに顎を天に向けて殴りつけられたような心地。
「今更ですわよ?」
「ソ、ソフィアは何時から?いや驕りだな。僕が選ばれたのは大人たちであって君じゃない」
「御謙遜もニキフォロス様らしいですわね。ですがお気をつけ遊ばせ。この婚約に個人の感情や意思は不要。お父様は土壇場で婚約者の入れ替えも模索しております。国の都合と言えば聞こえは良いですが、わたくし二度も大人の都合に振り回されたくは御座いませんの」
【嫁ぐ相手は貴方で腹を括っている】とも取れるソフィアの言葉にニキフォロスはソフィアは実父ですら客観的に見ているのかと驚く。同時に嬉しかった。
ニキフォロスは立ち上がり、向かいのソフィアの元まで歩くと椅子の隣に跪いた。
「妃は未来永劫ソフィア嬢。貴女だけだ。隣に立ち共に未来を歩む権利を与えてくれないか」
「殿下、貴方は簡単に膝をついたり、頭を下げていい人間ではありません」
「いいんだ。これは変わらない私の気持ちを知って欲しいから」
「お父様は心変わりしましたのに、どうしてそう言い切れるのです?それに人の心は変わりやすいのです。常に何が自分にとって益となるか。簡単に靡きますもの」
「反面教師だからだ。結果的にその選択で自身は病に伏したとされ、愛した女性は先に神の御許に旅立ったとされている。共に学んだ教育は一朝一夕で成し得るものではない。何より君ほど僕の射幸心を煽る女性には‥先は長くても出会えないと思う」
「では、更に飽きさせないようわたくしも精進いたしますわ」
ニキフォロスの差し出した手にソフィアは自分の手を重ねた。
「庭を案内するよ」
「今更ですの?婚約して何年目だと思ってますの!」
「あ~‥‥。まぁ今まで心を込めた案内はしてなかったから」
「それを言います?信じられませんわ」
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