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本編
1・出会った2人
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物心ついた時、ティグリスは何時も1人だった。
母親のカリスはティグリスの衣類を買う名目で毎日のように商人を呼び、ドレスを仕立てる。ただ予算の管理をされているためカリスが仕立てたつもりのドレスが届く事ない。
最初は苛立っていたカリスだったが、ティグリスにシャツを1枚仕立てるようにすれば自分の持ち物にならなくても色々な布で「着せ替えごっこ」を楽しんでいた。
しかし商人の中には「売り上げ第一」な者も紛れ込んでいる。
いつしか書類上はティグリスの衣類や小さな宝石が散りばめられた宝飾品としてカリスのドレスなどが仕立てられるようになっていた。
アレコスは朝食を食べ終わるとそそくさと執務に出掛ける。
宮の中に国王と言う父親の存在があるのは、ティグリスにとっては何の違和感もなかった。
ただ、母親のカリスだけが饒舌で食事中も話し続ける。その相手をするのはティグリス1人、アレコスは終始無言で言葉を発する相手は給仕や従者だけ。
ティグリスが話しかけても、聞こえていないのか目も合わせない。
他の誰の食卓を見た事がなかったので、ティグリスに取ってそれは「普通」だった。
ティグリスが5歳になった時、始めて見る「大人たち」が屋敷にやってきた。
王子教育が始まったのである。
エカテリニからつけられたのは従者たちだけではなく勉学の為の講師も付けられた。
マナーは堅苦しく、所作は面倒。座学はまったく面白みがない。
ティグリスは毎日講師に叱責を受けた。
「王子殿下、来週は大切な茶会が御座います」
「茶会?お茶を飲むのか?」
「表立ってはそうです。今回は王子殿下のお見合いで御座いますのでお相手のご令嬢に粗相の無いようもう一度所作のおさらいを致しましょう」
「おさらいは良いんだけど、お見合いって何だ?」
「将来ティグリス王子殿下のお妃様となられる方と会うのです」
「お妃様?母様みたいなやつ?」
「母様では御座いません。母上、若しくは側妃殿下。公の場で間違わないように日頃から呼び名については指導をしたはずですよ?」
講師はティグリスの両肩に手を置いて優しく語りかけるが、所作のおさらいと聞いてティグリスは午後から庭の木に巣を作った鳥を見に行くつもりだったので少し不貞腐れる。
「はぁい。母上みたいなやつですかっ!これで良いんだろ?」
「王子殿下、言い方。言葉は感情を乗せて相手に伝わります。そんな強い口調ではご令嬢が泣きだしてしまいますよ」
「泣く?いいんじゃないのかな。母様の部屋に来た時、父上は何時も泣いてるし」
「そっそれは‥‥色々な事情が大人にはあるのです。泣く意味が違います」
相手がいないアレコスは時折カリスの部屋を夜に訪れる。
壁一枚を隔てた隣の部屋から聞こえる獣のような声にティグリスは目が覚める事もあった。
講師は、壁の向こうで何が行われているのか。いずれ知る時は来るだろうが「節度を持て」と小さく溜息を吐き出した。
「ちっ!痛ぇなぁ。思いっきり叩きやがって」
所作の練習が2,3日続くのだが全くに身に付かないティグリスは講義が終わると庭に駆けだした。
そろそろ巣の中で親鳥に温められた卵が孵化しそうなのだ。
「もう孵化しちゃったかな」
急いで走っていくティグリスの目に、いつもにはない光景が映った。
自分によく似ているような気もするが、別人。ただ使用人や庭師の子供ではないのは着ている物が違う事で理解は出来た。
――もしかして、お見合いってやつの相手かな?――
そう思って話しかけるが、びっくりした顔でティグリスを見るとゆっくりと後ろに下がり走り始めた。
「おいっ!待てよ!お前誰だ!」
日頃から庭園の中ではあるが、木に登ったり、枝から枝に飛び移ったり、たまに見かけるウサギを追いかけ回すティグリスの方が足も速く、体力もあった。
「うわぁっ!」
躓いて転んだところにティグリスが勢い余って突っ込んでくる。
ドーン!!
「痛てて…お前、こんなところで転ぶなよ。こっちまで転んだじゃないか」
「うぅぅ…ぐすっ…うわぁぁん。痛いよぅ痛いよぅ‥あぁぁん」
「男の癖に泣くなよ!弱っちぃやつだな!」
転んで泣き出したのはニキフォロス。
ティグリスはポケットに数日入れっぱなしのハンカチを差し出した。
「貸してやるよ」
「うぁ…汚い…。持ってるからいいよ」
ハンカチを見てニキフォロスの涙がピタリと止まる。
エヘっと笑ってポケットからハンカチを取り出した。
ティグリスは差し出したハンカチを見て、パタパタと振った。
昨日、カリスがケーキを食べながらくしゃみをしたものだから、色々と飛び散ってしまったものをふき取ってポケットに捩じ込んだままだった事をティグリスは思い出したのである。
「持ってるんだったら最初から出せよ」
「だって、痛くて。ハンカチ出す前に涙が出たんだもん」
「だからハンカチで拭くんだろ!泣いてないならハンカチ要らねぇし!」
ニキフォロスはハンカチで涙を拭うとポケットに仕舞いこむ。
ティグリスはニキフォロスを起こそうと手を差し出した。
「お前誰だ?ここは遊びに来て良いところじゃないって使用人は言ってるぞ」
「母上はそんな事は言わないよ?庭で遊びなさいって言うけど庭は虫とかいるからあまり行かないけど今日は‥」
「虫が嫌いなのか?それなりに可愛いぞ?ま、追い払う虫もいるけどな」
「君は虫が好きなんだね。僕は苦手なんだ」
「誰にだって好き嫌いはあるさ。俺もパプリカは苦手だ。で?どうしてここに来た?お見合いって奴の前に俺を見に来たのか?」
ニキフォロスはびっくりした顔でティグリスを見る。
エカテリニから母親の違う兄弟がいる事は知らされていて、何時かは会いたいと思っていた。年齢は同じだと言うし、一緒にいろんな本を貸し借りし合って遊べると思ったのだ。
勿論、見合いの事も聞いている。ただ、今日はそれが嫌で逃げて来てしまっただけだ。
ニキフォロスもティグリスと同じように所作やマナーのおさらいで厳しく叱責された。
椅子に腰かければ足が床に届かないのに揺らしてはいけないと叱られ、テーブルの真ん中に置かれている菓子には手が届かないので前のめりになり菓子を取れば叱られる。
出来るまで続けられるのでお茶は何杯も飲まなければいけないのに、不浄に行くことは許して貰えない。昨日はそれで粗相をしてさらに激しく叱責を受けた。
「お前も大変だなぁ。てっきりお前がお見合いってやつの相手かと思ったよ」
「まさか!男同士で?!男同士はダメだって乳母が言ってたよ?」
「そう言えばそんな事を聞いた気もする。ま、お前も明日はお見合いってのをするのかぁ」
「うん。失礼がないようにってすごく怒られるからしたくないんだけど。だって失礼なのかどうかなんてわからないじゃないか。なのに「察するんです」って。無理だよそんなの。母上だって判らないのに」
ニキフォロスがまた泣き出しそうになるのにティグリスは、「うーん?」と考えて卵の孵化を見せる事を思いついた。
「いいもの見せてやるよ」
「いいもの?何?」
「こっち来いよ!」
小さな手を握って走り出す。ティグリスは走るスピードをニキフォロスにあわせた。
しかし、ニキフォロスは10メルトも走らないうちに息が切れて足がもつれだす。
「もうちょっとだ。走れるか?」
「無理っ…ぜぇぜぇ…先に…ハァハァ…いってて」
「俺が連れて行かないと場所、わかんないだろ?」
ニキフォロスが落ち着くのを待って、今度は歩いて巣に向かう。
だが、巣のある木の前まで来てやはり問題が起きた。
ニキフォロスは木に登った事がないのである。
「しかたないな。木の登り方教えてやるよ。でも今日はダメだ。教えてたら母様が帰りが遅いって怒るんだ」
「僕もだよ。でも今日は遅くならなくても叱られるかなぁ」
「なんで?」
「行き先を言わないでここに来ちゃったから。不浄に行くにも言わなきゃいけなんだ」
「まさか!そんな事まで言わないといけないのか?!」
「そうだよ。君は違うの?僕は不浄も湯殿も時間が決められていて、お腹が痛い時とか大変だよ」
「そんな事まで時間が決められるのか?俺なら絶対にブースから出ねぇな」
結局、日が暮れるまで話し込んでしまった2人は探しに来た従者に見つけられる。
それぞれの宮に戻った後、ティグリスは何故か上機嫌のカリスに叱られずに済んだが、ニキフォロスは食事中も、湯あみ中も、そして寝台に入る直前までエカテリニにお説教をされたのだった。
母親のカリスはティグリスの衣類を買う名目で毎日のように商人を呼び、ドレスを仕立てる。ただ予算の管理をされているためカリスが仕立てたつもりのドレスが届く事ない。
最初は苛立っていたカリスだったが、ティグリスにシャツを1枚仕立てるようにすれば自分の持ち物にならなくても色々な布で「着せ替えごっこ」を楽しんでいた。
しかし商人の中には「売り上げ第一」な者も紛れ込んでいる。
いつしか書類上はティグリスの衣類や小さな宝石が散りばめられた宝飾品としてカリスのドレスなどが仕立てられるようになっていた。
アレコスは朝食を食べ終わるとそそくさと執務に出掛ける。
宮の中に国王と言う父親の存在があるのは、ティグリスにとっては何の違和感もなかった。
ただ、母親のカリスだけが饒舌で食事中も話し続ける。その相手をするのはティグリス1人、アレコスは終始無言で言葉を発する相手は給仕や従者だけ。
ティグリスが話しかけても、聞こえていないのか目も合わせない。
他の誰の食卓を見た事がなかったので、ティグリスに取ってそれは「普通」だった。
ティグリスが5歳になった時、始めて見る「大人たち」が屋敷にやってきた。
王子教育が始まったのである。
エカテリニからつけられたのは従者たちだけではなく勉学の為の講師も付けられた。
マナーは堅苦しく、所作は面倒。座学はまったく面白みがない。
ティグリスは毎日講師に叱責を受けた。
「王子殿下、来週は大切な茶会が御座います」
「茶会?お茶を飲むのか?」
「表立ってはそうです。今回は王子殿下のお見合いで御座いますのでお相手のご令嬢に粗相の無いようもう一度所作のおさらいを致しましょう」
「おさらいは良いんだけど、お見合いって何だ?」
「将来ティグリス王子殿下のお妃様となられる方と会うのです」
「お妃様?母様みたいなやつ?」
「母様では御座いません。母上、若しくは側妃殿下。公の場で間違わないように日頃から呼び名については指導をしたはずですよ?」
講師はティグリスの両肩に手を置いて優しく語りかけるが、所作のおさらいと聞いてティグリスは午後から庭の木に巣を作った鳥を見に行くつもりだったので少し不貞腐れる。
「はぁい。母上みたいなやつですかっ!これで良いんだろ?」
「王子殿下、言い方。言葉は感情を乗せて相手に伝わります。そんな強い口調ではご令嬢が泣きだしてしまいますよ」
「泣く?いいんじゃないのかな。母様の部屋に来た時、父上は何時も泣いてるし」
「そっそれは‥‥色々な事情が大人にはあるのです。泣く意味が違います」
相手がいないアレコスは時折カリスの部屋を夜に訪れる。
壁一枚を隔てた隣の部屋から聞こえる獣のような声にティグリスは目が覚める事もあった。
講師は、壁の向こうで何が行われているのか。いずれ知る時は来るだろうが「節度を持て」と小さく溜息を吐き出した。
「ちっ!痛ぇなぁ。思いっきり叩きやがって」
所作の練習が2,3日続くのだが全くに身に付かないティグリスは講義が終わると庭に駆けだした。
そろそろ巣の中で親鳥に温められた卵が孵化しそうなのだ。
「もう孵化しちゃったかな」
急いで走っていくティグリスの目に、いつもにはない光景が映った。
自分によく似ているような気もするが、別人。ただ使用人や庭師の子供ではないのは着ている物が違う事で理解は出来た。
――もしかして、お見合いってやつの相手かな?――
そう思って話しかけるが、びっくりした顔でティグリスを見るとゆっくりと後ろに下がり走り始めた。
「おいっ!待てよ!お前誰だ!」
日頃から庭園の中ではあるが、木に登ったり、枝から枝に飛び移ったり、たまに見かけるウサギを追いかけ回すティグリスの方が足も速く、体力もあった。
「うわぁっ!」
躓いて転んだところにティグリスが勢い余って突っ込んでくる。
ドーン!!
「痛てて…お前、こんなところで転ぶなよ。こっちまで転んだじゃないか」
「うぅぅ…ぐすっ…うわぁぁん。痛いよぅ痛いよぅ‥あぁぁん」
「男の癖に泣くなよ!弱っちぃやつだな!」
転んで泣き出したのはニキフォロス。
ティグリスはポケットに数日入れっぱなしのハンカチを差し出した。
「貸してやるよ」
「うぁ…汚い…。持ってるからいいよ」
ハンカチを見てニキフォロスの涙がピタリと止まる。
エヘっと笑ってポケットからハンカチを取り出した。
ティグリスは差し出したハンカチを見て、パタパタと振った。
昨日、カリスがケーキを食べながらくしゃみをしたものだから、色々と飛び散ってしまったものをふき取ってポケットに捩じ込んだままだった事をティグリスは思い出したのである。
「持ってるんだったら最初から出せよ」
「だって、痛くて。ハンカチ出す前に涙が出たんだもん」
「だからハンカチで拭くんだろ!泣いてないならハンカチ要らねぇし!」
ニキフォロスはハンカチで涙を拭うとポケットに仕舞いこむ。
ティグリスはニキフォロスを起こそうと手を差し出した。
「お前誰だ?ここは遊びに来て良いところじゃないって使用人は言ってるぞ」
「母上はそんな事は言わないよ?庭で遊びなさいって言うけど庭は虫とかいるからあまり行かないけど今日は‥」
「虫が嫌いなのか?それなりに可愛いぞ?ま、追い払う虫もいるけどな」
「君は虫が好きなんだね。僕は苦手なんだ」
「誰にだって好き嫌いはあるさ。俺もパプリカは苦手だ。で?どうしてここに来た?お見合いって奴の前に俺を見に来たのか?」
ニキフォロスはびっくりした顔でティグリスを見る。
エカテリニから母親の違う兄弟がいる事は知らされていて、何時かは会いたいと思っていた。年齢は同じだと言うし、一緒にいろんな本を貸し借りし合って遊べると思ったのだ。
勿論、見合いの事も聞いている。ただ、今日はそれが嫌で逃げて来てしまっただけだ。
ニキフォロスもティグリスと同じように所作やマナーのおさらいで厳しく叱責された。
椅子に腰かければ足が床に届かないのに揺らしてはいけないと叱られ、テーブルの真ん中に置かれている菓子には手が届かないので前のめりになり菓子を取れば叱られる。
出来るまで続けられるのでお茶は何杯も飲まなければいけないのに、不浄に行くことは許して貰えない。昨日はそれで粗相をしてさらに激しく叱責を受けた。
「お前も大変だなぁ。てっきりお前がお見合いってやつの相手かと思ったよ」
「まさか!男同士で?!男同士はダメだって乳母が言ってたよ?」
「そう言えばそんな事を聞いた気もする。ま、お前も明日はお見合いってのをするのかぁ」
「うん。失礼がないようにってすごく怒られるからしたくないんだけど。だって失礼なのかどうかなんてわからないじゃないか。なのに「察するんです」って。無理だよそんなの。母上だって判らないのに」
ニキフォロスがまた泣き出しそうになるのにティグリスは、「うーん?」と考えて卵の孵化を見せる事を思いついた。
「いいもの見せてやるよ」
「いいもの?何?」
「こっち来いよ!」
小さな手を握って走り出す。ティグリスは走るスピードをニキフォロスにあわせた。
しかし、ニキフォロスは10メルトも走らないうちに息が切れて足がもつれだす。
「もうちょっとだ。走れるか?」
「無理っ…ぜぇぜぇ…先に…ハァハァ…いってて」
「俺が連れて行かないと場所、わかんないだろ?」
ニキフォロスが落ち着くのを待って、今度は歩いて巣に向かう。
だが、巣のある木の前まで来てやはり問題が起きた。
ニキフォロスは木に登った事がないのである。
「しかたないな。木の登り方教えてやるよ。でも今日はダメだ。教えてたら母様が帰りが遅いって怒るんだ」
「僕もだよ。でも今日は遅くならなくても叱られるかなぁ」
「なんで?」
「行き先を言わないでここに来ちゃったから。不浄に行くにも言わなきゃいけなんだ」
「まさか!そんな事まで言わないといけないのか?!」
「そうだよ。君は違うの?僕は不浄も湯殿も時間が決められていて、お腹が痛い時とか大変だよ」
「そんな事まで時間が決められるのか?俺なら絶対にブースから出ねぇな」
結局、日が暮れるまで話し込んでしまった2人は探しに来た従者に見つけられる。
それぞれの宮に戻った後、ティグリスは何故か上機嫌のカリスに叱られずに済んだが、ニキフォロスは食事中も、湯あみ中も、そして寝台に入る直前までエカテリニにお説教をされたのだった。
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