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序章
7・2人の王子
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春一番が残った雪を吹き飛ばす勢いで吹き荒れる頃、エカテリニは男児を出産した。
憎らしいほどにアレコスの全てを受け継いだ見た目にエカテリニはしばらく子を抱く事も出来なかった。乳母はいるものの産褥のあり寝台から起き上がれない日々が続く。
アレコスはエカテリニが産気づいたとの知らせに駆け付けようとした。
「痛たたた‥‥痛いですわぁ」
「寝ていればいいだろう?この時期は安定していると聞いたのだがな」
「人それぞれなんですよ?エカテリニ様は色んな人が助けてくれるし穏かに過ごせた時期なんでしょうけど、私は…今月はもう終ろうと言うのに商人も来なければ役者も来ない。何もする事がないんですよ?これでレックまでいなくなったら、もう生きてはいけないかも。寂しくて死んでしまうわ」
はらはらと涙を溢し手を掴んで離さないカリス。
過去の男も事も問いただされて誤魔化してはみたもののアレコスはカリスの言葉をそのまま信用はしなくなっていた。する事もなく宮にいてもカリスの隣に来るわけでもない。
明らかに距離を取りたがっているアレコスの気持ちを引き戻そうとカリスは自死騒ぎも起こすようになり、益々アレコスはカリスを重荷に感じていた。
――この子は貴方の子供なのに!――
出掛けようとするとナイフを手にしたり、叫びながら池に飛び込もうとするカリスをアレコスは面倒に思いながらも放ってはおけず宮を出る事が出来なかった。
アレコスにも僅かな希望はあった。カリスとの子が本当に自分の子ならまだ生きていられる可能性がある。王子がいや王女であっても子供が2人ともなれば継承権の問題が発生する。
エカテリニの子供だけであれば、即位する年齢までに幽閉される可能性がある。
しかし2人なら、その時はカリスとカリスの子を利用し、側にいる事で幽閉は免れる事が出来る。運よくカリスとの子のほうが出来が良ければ「国王の父」を処刑したり幽閉する事を子供に回避させればいい。
――ただし、我が子であればの話だが――
小さく溜息を吐きながらアレコスは出かける支度を止めた。
「エカテリニ様、今日は上手にミルクも飲めましたよ?」
「そう…」
「抱いてみますか?」
「いいわ。あなた達を信用しているから」
「赤子を抱く事で産褥も癒えると言いますよ?ものは試しで御座いますよ?」
「侍医でもあるまいし。迷信よ」
しかし、扉の向こうから微かに泣き声が聞こえてくると、胸がツキンと痛み始める。ハッと気が付けば乳房の周りが湿っていて、エカテリニは例えるならば「切なさ」で息をするのも苦しくなった。
「母乳が滲んでいますね。吸っていなくても…母になったという証ですよ」
「吸って?赤子に胸を吸わせると言うの?」
「えぇ。習いませんでしたか?」
「教本にはあったけれど、牛じゃあるまいしと思っていたわ」
「乳を飲ませると言う事は不思議なもので、赤子だけではなく母体にもいい影響があるのですよ?産褥も軽減されると聞きますし、イライラした感情も抑えられるとも聞きます」
やんわりと乳母に諭され、エカテリニは我が子に会う事を決めた。
「ふぁぁぁん…ふぁぁぁん」
少しグズっていたが、乳母からそっと手渡された我が子は直ぐに泣き止んだ。
「ニック殿下はいつも泣き虫さんなのにお母様だと判るのね。賢い子」
「そうかしら…」
「目元が少しエカテリニ様に似てきました」
「わたくし、こんな目をしているかしら?」
「えぇ。興味のある政策などをする時の好奇心に溢れた目元によく似ております」
我が子の世話を全て乳母任せとする王妃は歴代でも少ない。
アレコスは夜泣きが酷く、食も細かったので先代の王妃は怖くて乳母に丸投げしたと聞く。エカテリニは出産直後の産湯で綺麗に洗った後のニキフォロスを見て「小さなアレコス」だと感じ抱く事も拒否をしてしまった。
しかし、今、腕の中で初めての母乳をご馳走と思ったのか必死に吸い付くニキフォロスが愛おしくて堪らなくなった。その気持ちは涙となってとめどなく頬を流れる。
「悲しくもないのに…変ね」
「そんな事御座いませんよ?きっとニック殿下はエカテリニ様の心に詰まっていた思いも吸いだされたのかも知れませんね」
エカテリニがやっと我が子、第一王子ニキフォロスを抱いたのは生まれて3カ月が過ぎようとした頃だった。それからは毎日乳を吸わせ飲ませる事で、乳房の張りと少しの発熱に悩まされたが日に日にふっくらとしていくニキフォロスへの愛情は高まるばかりだった。
心のどこかで、カリスの子がアレコスの子であればどうしてくれようか。
憎しみと怒りも感じた事はあったが、ニキフォロスと過ごす日々でどうでもよくなってしまった。
だからかも知れない。
カリスがエカテリニより遅れる事4カ月半で男児を出産し、アレコスの子で間違いないだろうという侍医の言葉を聞いても心が騒めく事も、気持ちが乱高下する事もなかった。
ただ、カリスが子供を産んだ事で「やっと自由な時間が出来た」とやってきたアレコスにだけは腹が立って仕方がなかった。
「妊娠するって大変なんだな。もう毎日のようにカリスは甘い物や飲み物ばかりで侍医から注意をされて止めるのに大変だったんだ。腹の中は子供じゃなくてケーキが詰まってるんじゃないかと思ったよ」
「そう」
「それで、足がつるとか腰が痛いとか。ずっと揉まされて大変だったんだ」
「それはご愁傷様」
「一昨日、カリスにも子供が生まれてね。子供を出したばかりなのに腹がまだ出ているんだよ。不摂生の証拠だ。みっともなくて何処にも連れて行けやしない。で、驚いてしまったんだよ」
「何をですの」
「生まれたばかりの赤ん坊って猿みたいだろう?カリスは猿とも――」
「はぁ…帰ってくださる?」
のこのことやってきたアレコスは労いの言葉一つかける事もなく、惚気とも取れるようなカリスの話をした挙句に生まれた子供を猿だとヘラヘラ笑う。
まるで何かの勝負に勝ったかのように。
エカテリニは久しぶりに怒りという感情を覚えた。
「そんなに怒るな。で?子供は?えぇっと…名前は何だったかな」
部屋を見回し、立ち上がると空席のベビーベットに向かい掛布を無造作に捲りあげる。
「ニロフェロスだったっけ?」
アレコスに応える者は部屋に誰一人いない。
我が子の名前も覚えていないアレコスに誰もが呆れているのだ。
「そうそう、カリスの子にも名前を付けたんだ。第二王子だからね。名前だけはカッコよくしないといけないと思って。ティグリスと名前を付けたんだが、まだ見た目が猿でね。失敗したなぁ」
「帰ってくださる?疲れたのよ」
「は?寝てばかりなのに?エナまでカリスみたいなことを言わないでくれよ。もう4カ月過ぎだろう?そろそろ2人目の事も執務の件も相談をしようと思ってきたのに」
「誰か!お帰りだそうよ。扉を開けて差し上げて」
「畏まりました」
「待ってくれよ。まだ全然話をしていないだろう?子供の事、勿論ニルシーファの事も――」
「殿下、お帰りはこちらで御座います」
アレコスはグイと腕を掴まれて、部屋の外に追い出された。
扉が閉まる直前従者はアレコスに向かって小さな声で告げた。
「王子殿下のお名前はニロフェロスでもニルシーファでも御座いません」
バタンと扉が閉じるとアレコスは周りにいた従者を捕まえ、エカテリニの産んだ子の名前を聞いた。従者たちは口を揃えて同じ返事をアレコスに返す。
「畏れ多くもわたくしの口から申し上げる事は出来ません」
翌月、エカテリニは公務に復帰をした。
アレコスとカリスにいずれは何らかの処分を下そうとは考えていたが、子供には罪はない。親を選んで生まれてきたわけではないからだ。ティグリスを第二王子と認め衣食住には困らないよう手配をした。
アレコスを簡単な執務にも復帰をさせた。
と言っても、謁見などの際に同伴させる程度の政務で利のある役目ではない。
子供の為を思えば、多少なりとも役目を果たす人間である事は大事だとエカテリニは考えた。
アレコスはと言えば、市井へ平民となっても厭わないと言ったカリスの我儘にも四六時中付き合わされたのもあるが、カリスにはウンザリしていた。
内容のない薄い会話。下品な言動。産褥がまだ続くのに2人目をせがんでくる浅ましさ。
簡単な執務であっても離れられる時間はアレコスの癒しでもあった。
前向きに公務に勤しめば、エカテリニも絆されて怒りもとけるだろうと考えたのだ。
アレコスに取ってカリスは全てを失っても添い遂げたい相手ではなくなり、むしろ目障りで存在を消してしまいたい相手に成り下がっていた。
そしてカリス。
何時も宮にいたアレコスが留守となれば「奪われた」と強い嫉妬を見せる。
その怒りの矛先は派遣された使用人と幼いティグリスに向けられてしまった。
捻じれて歪な夫婦の間に出来た2人の王子。
その歪みが表面化するのは、2人が6歳となり婚約者が選ばれた頃からだった。
☆~☆
次回から本編となります(*^-^*)
こんな両親(一緒なのは父親だけですが)の元で育ってりゃぁねぇ…。
という恐ろしく長い補足になってしまいました<(_ _)>
憎らしいほどにアレコスの全てを受け継いだ見た目にエカテリニはしばらく子を抱く事も出来なかった。乳母はいるものの産褥のあり寝台から起き上がれない日々が続く。
アレコスはエカテリニが産気づいたとの知らせに駆け付けようとした。
「痛たたた‥‥痛いですわぁ」
「寝ていればいいだろう?この時期は安定していると聞いたのだがな」
「人それぞれなんですよ?エカテリニ様は色んな人が助けてくれるし穏かに過ごせた時期なんでしょうけど、私は…今月はもう終ろうと言うのに商人も来なければ役者も来ない。何もする事がないんですよ?これでレックまでいなくなったら、もう生きてはいけないかも。寂しくて死んでしまうわ」
はらはらと涙を溢し手を掴んで離さないカリス。
過去の男も事も問いただされて誤魔化してはみたもののアレコスはカリスの言葉をそのまま信用はしなくなっていた。する事もなく宮にいてもカリスの隣に来るわけでもない。
明らかに距離を取りたがっているアレコスの気持ちを引き戻そうとカリスは自死騒ぎも起こすようになり、益々アレコスはカリスを重荷に感じていた。
――この子は貴方の子供なのに!――
出掛けようとするとナイフを手にしたり、叫びながら池に飛び込もうとするカリスをアレコスは面倒に思いながらも放ってはおけず宮を出る事が出来なかった。
アレコスにも僅かな希望はあった。カリスとの子が本当に自分の子ならまだ生きていられる可能性がある。王子がいや王女であっても子供が2人ともなれば継承権の問題が発生する。
エカテリニの子供だけであれば、即位する年齢までに幽閉される可能性がある。
しかし2人なら、その時はカリスとカリスの子を利用し、側にいる事で幽閉は免れる事が出来る。運よくカリスとの子のほうが出来が良ければ「国王の父」を処刑したり幽閉する事を子供に回避させればいい。
――ただし、我が子であればの話だが――
小さく溜息を吐きながらアレコスは出かける支度を止めた。
「エカテリニ様、今日は上手にミルクも飲めましたよ?」
「そう…」
「抱いてみますか?」
「いいわ。あなた達を信用しているから」
「赤子を抱く事で産褥も癒えると言いますよ?ものは試しで御座いますよ?」
「侍医でもあるまいし。迷信よ」
しかし、扉の向こうから微かに泣き声が聞こえてくると、胸がツキンと痛み始める。ハッと気が付けば乳房の周りが湿っていて、エカテリニは例えるならば「切なさ」で息をするのも苦しくなった。
「母乳が滲んでいますね。吸っていなくても…母になったという証ですよ」
「吸って?赤子に胸を吸わせると言うの?」
「えぇ。習いませんでしたか?」
「教本にはあったけれど、牛じゃあるまいしと思っていたわ」
「乳を飲ませると言う事は不思議なもので、赤子だけではなく母体にもいい影響があるのですよ?産褥も軽減されると聞きますし、イライラした感情も抑えられるとも聞きます」
やんわりと乳母に諭され、エカテリニは我が子に会う事を決めた。
「ふぁぁぁん…ふぁぁぁん」
少しグズっていたが、乳母からそっと手渡された我が子は直ぐに泣き止んだ。
「ニック殿下はいつも泣き虫さんなのにお母様だと判るのね。賢い子」
「そうかしら…」
「目元が少しエカテリニ様に似てきました」
「わたくし、こんな目をしているかしら?」
「えぇ。興味のある政策などをする時の好奇心に溢れた目元によく似ております」
我が子の世話を全て乳母任せとする王妃は歴代でも少ない。
アレコスは夜泣きが酷く、食も細かったので先代の王妃は怖くて乳母に丸投げしたと聞く。エカテリニは出産直後の産湯で綺麗に洗った後のニキフォロスを見て「小さなアレコス」だと感じ抱く事も拒否をしてしまった。
しかし、今、腕の中で初めての母乳をご馳走と思ったのか必死に吸い付くニキフォロスが愛おしくて堪らなくなった。その気持ちは涙となってとめどなく頬を流れる。
「悲しくもないのに…変ね」
「そんな事御座いませんよ?きっとニック殿下はエカテリニ様の心に詰まっていた思いも吸いだされたのかも知れませんね」
エカテリニがやっと我が子、第一王子ニキフォロスを抱いたのは生まれて3カ月が過ぎようとした頃だった。それからは毎日乳を吸わせ飲ませる事で、乳房の張りと少しの発熱に悩まされたが日に日にふっくらとしていくニキフォロスへの愛情は高まるばかりだった。
心のどこかで、カリスの子がアレコスの子であればどうしてくれようか。
憎しみと怒りも感じた事はあったが、ニキフォロスと過ごす日々でどうでもよくなってしまった。
だからかも知れない。
カリスがエカテリニより遅れる事4カ月半で男児を出産し、アレコスの子で間違いないだろうという侍医の言葉を聞いても心が騒めく事も、気持ちが乱高下する事もなかった。
ただ、カリスが子供を産んだ事で「やっと自由な時間が出来た」とやってきたアレコスにだけは腹が立って仕方がなかった。
「妊娠するって大変なんだな。もう毎日のようにカリスは甘い物や飲み物ばかりで侍医から注意をされて止めるのに大変だったんだ。腹の中は子供じゃなくてケーキが詰まってるんじゃないかと思ったよ」
「そう」
「それで、足がつるとか腰が痛いとか。ずっと揉まされて大変だったんだ」
「それはご愁傷様」
「一昨日、カリスにも子供が生まれてね。子供を出したばかりなのに腹がまだ出ているんだよ。不摂生の証拠だ。みっともなくて何処にも連れて行けやしない。で、驚いてしまったんだよ」
「何をですの」
「生まれたばかりの赤ん坊って猿みたいだろう?カリスは猿とも――」
「はぁ…帰ってくださる?」
のこのことやってきたアレコスは労いの言葉一つかける事もなく、惚気とも取れるようなカリスの話をした挙句に生まれた子供を猿だとヘラヘラ笑う。
まるで何かの勝負に勝ったかのように。
エカテリニは久しぶりに怒りという感情を覚えた。
「そんなに怒るな。で?子供は?えぇっと…名前は何だったかな」
部屋を見回し、立ち上がると空席のベビーベットに向かい掛布を無造作に捲りあげる。
「ニロフェロスだったっけ?」
アレコスに応える者は部屋に誰一人いない。
我が子の名前も覚えていないアレコスに誰もが呆れているのだ。
「そうそう、カリスの子にも名前を付けたんだ。第二王子だからね。名前だけはカッコよくしないといけないと思って。ティグリスと名前を付けたんだが、まだ見た目が猿でね。失敗したなぁ」
「帰ってくださる?疲れたのよ」
「は?寝てばかりなのに?エナまでカリスみたいなことを言わないでくれよ。もう4カ月過ぎだろう?そろそろ2人目の事も執務の件も相談をしようと思ってきたのに」
「誰か!お帰りだそうよ。扉を開けて差し上げて」
「畏まりました」
「待ってくれよ。まだ全然話をしていないだろう?子供の事、勿論ニルシーファの事も――」
「殿下、お帰りはこちらで御座います」
アレコスはグイと腕を掴まれて、部屋の外に追い出された。
扉が閉まる直前従者はアレコスに向かって小さな声で告げた。
「王子殿下のお名前はニロフェロスでもニルシーファでも御座いません」
バタンと扉が閉じるとアレコスは周りにいた従者を捕まえ、エカテリニの産んだ子の名前を聞いた。従者たちは口を揃えて同じ返事をアレコスに返す。
「畏れ多くもわたくしの口から申し上げる事は出来ません」
翌月、エカテリニは公務に復帰をした。
アレコスとカリスにいずれは何らかの処分を下そうとは考えていたが、子供には罪はない。親を選んで生まれてきたわけではないからだ。ティグリスを第二王子と認め衣食住には困らないよう手配をした。
アレコスを簡単な執務にも復帰をさせた。
と言っても、謁見などの際に同伴させる程度の政務で利のある役目ではない。
子供の為を思えば、多少なりとも役目を果たす人間である事は大事だとエカテリニは考えた。
アレコスはと言えば、市井へ平民となっても厭わないと言ったカリスの我儘にも四六時中付き合わされたのもあるが、カリスにはウンザリしていた。
内容のない薄い会話。下品な言動。産褥がまだ続くのに2人目をせがんでくる浅ましさ。
簡単な執務であっても離れられる時間はアレコスの癒しでもあった。
前向きに公務に勤しめば、エカテリニも絆されて怒りもとけるだろうと考えたのだ。
アレコスに取ってカリスは全てを失っても添い遂げたい相手ではなくなり、むしろ目障りで存在を消してしまいたい相手に成り下がっていた。
そしてカリス。
何時も宮にいたアレコスが留守となれば「奪われた」と強い嫉妬を見せる。
その怒りの矛先は派遣された使用人と幼いティグリスに向けられてしまった。
捻じれて歪な夫婦の間に出来た2人の王子。
その歪みが表面化するのは、2人が6歳となり婚約者が選ばれた頃からだった。
☆~☆
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