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三者三様
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馬に騎乗した男が1人ブリュンヘルト公爵家の門をくぐる。
途中でジェイス伯爵家の馬車とすれ違う。広い門道だが騎乗した男は静かに馬車に頭を下げた。
馬車の中にいたのは、伯爵令嬢のティフェル。そしてその向かいには侍女のミィニャ。
「上手くやったみたいね」
「みたいですねぇ。エルネスト坊ちゃん。小さい頃は可愛かったのにまぁ腹黒くなっちゃって」
「え?ミィニャ。お腹を見たの?」
「例えですよ。例え。ちなみにミィニャは真っ白です。最近飼い始めたネコは真っ白かと思ったら黒ソックスでしたけど、ミィニャのお腹は真っ白です」
ティフェルは帰り道、学園に向かう。
あと2週間後に控えた卒業式の答辞の原稿をもらいに行くのである。
既に自由登校となった校舎にいるのは1学年の生徒くらいであるが、留年が決まった者もちらほら含まれる。
原稿を受け取ると、中身を確認して一度抑揚はつけずにその場で読み上げる。
数カ所、言葉を削除する部分はあったが、講師たちもこれ以上は手を加えない方がいいだろうと判断をした。
帰ろうとした時、渡り廊下に見知った顔がそこにあった。
誰かが聞いていようがいまいがお構いなしに聞えてくるキンキンとした声。
この声に何度叱責をされた事だろうかと懐かしくも思えるが、耳障りな声である。
「どうして来年も登校をしなくてはならないの?!卒業と言ったでしょう?」
「いえ、あの‥‥あの場ではそう言うしかないと思って」
「貴女ね!その辺の男性に言う言葉とは重みが違うのよ?あの2人は王子なの!王族なの」
「え?王子は一人ですよね?第二王子。もう一人は王太子って言ってたし」
「第一王子が王太子殿下よ!」
「えっ?一人で二人?双子なんですか?」
思わず吹き出しそうになったミィニャが自分の手で口を塞ぎ、飲み込んだ息で苦しそうに片手で胸をトントン叩いている。聞こえてくる言葉が増える度に「ヒィィ」と息を無理やり吸い込みとても苦しそうだ。
そしてもう1人。見知った顔が遠くから近寄って来た。
「母上、シェリーは病弱なんです。そんなに怒らないでください」
「何が病弱なものですか!毎晩毎晩盛りのついた猿のような声を聞くコッチの身になりなさい」
「それは仕方がないですよ。あと取りは必要ですし」
「加減と言うものがあるのです。そっちはお盛んなのに勉強になったら頭が痛い、腹が痛い。逃げてばかりでしょう。何時になったら綴りが読めるようになるの。だいたい陛下の名前をフルネームで書けないってどういうこと?民としてもあり得ないわ」
試験の答案なのだろう。国王の名前のファーストネーム。「ルリシャード」を書ければ50点という超破格の問題であるがどうやら間違ったらしい。
侯爵夫人が怒っているのは男子生徒の方で答辞を読むのがカインではない事もあるからだ。
半年ほど前まではカインだろうと誰もが言っていたが最終成績は赤点が1教科で下から数えたほうがはやい順位まで落ち込んでいた。1学年と2学年の前半はワンツーだった事からすれば信じられないくらいである。
答辞を読むのが格下も格下。男爵家の四男だという事も侯爵夫人の逆鱗に触れたようだ。
「まぁ、仕方ないわ。過去には9年で卒業した子もいるそうだし」
「え?9年も学園に?凄いですねぇ。わたくしは真似できないわ」
「当たり前です。来年で卒業してもらいますからね」
「カイも学園に行くんでしょう?」
「俺?俺はもう卒業だから行かないけど送り迎えはするよ」
「そんなっ!一人じゃ無理。絶対に無理よ」
「何を言ってるの。男子と女子は校舎も違うし会うのは登校時か放課後だけでしょうに。あぁもういいわ。今夜は夜会だから早く帰って支度をして頂戴。いい事?この前のように訳の分からない事を喋ってはダメよ」
シェリーの夜会での様子は貴族の間ではとびっきりの話題になっている。
亡き侯爵夫人の偉業を称える会では、火事になった教会から孤児を救い出した時に肩から背中にかけて大きな火傷を負った夫人。称える会では女性はハイネックになったほぼ全身の肌をみせないドレスを着てくるのが事前に知らされている場に、大きく尻まで開いたドレスを着て来たり、ファーストダンスまでにウェルカムドリンクを10杯以上飲んで中央で吐いてしまったり。
来年には伯爵位になるだろうと言われている伯爵家の夜会では「わたくしは侯爵夫人なのよ」と侯爵夫人が隣にいるのに大声で叫び、子爵令嬢にワインを浴びせた事もある。
そして、功績が第二王子主導の事業だったため訪れていた第二王子に「この前はどうも」と友達のノリでシェリーの方から第二王子の肩を叩いて声を掛けたりと話題に事欠かない。
今夜の夜会にはティフェルも参加をするようになっている。
エスコートは勿論エルネストで、待ちきれないエルネストは今日の夜会で婚約を発表するのである。
先ほどまで公爵家では衣装を合わせていた。
「今夜の夜会はあいつらも来るが気にするな」
「大丈夫よ。だってエル兄さまが隣にいてくれるでしょう?」
「そろそろ、その兄さまは止めないか?」
「ウサタンのお願いなら聞いてもいいけど?」
「ウサタンかぁ。裏声が少々キツイんだよなぁ。手もきついし」
「新しく作ればいいのですよ。ニューウサタン」
「ま、パペットより先に子供を作るけどな」
「・・・・・」
「おい、黙るな。収拾がつかなくなる」
話をしていると、エルネストに来客だと執事が知らせに来る。
そのまま通してくれと言うと、部屋に来たのは父くらいの年齢の男性だった。
「ベンさん。どうでしたか?」
「上手くやったよ。これでみんな安泰だ。ありがとう世話をかけたね」
「大丈夫ですよ。あとあとは侯爵家が尻拭いをしてくれるでしょうから」
「もうすぐハイゲンも到着すると思います」
「ハイゲンの婚約者もよく堪えてくれたな。祝いを奮発せねばならんな」
笑いながら話をしているとミィニャがプンスカ怒り出してしまった。
「そろそろ伯爵家に戻らないと夜会の準備が間に合いませんよぅ!」
「ティはそのままでも十分に綺麗だけどなぁ」
「私のお嬢様ですからね!エルネスト様の好きにはさせませんよっ」
「そういうな。ミィニャを乳母にしてやるから」
「ホントに?約束ですよ?って‥あぁお嬢様っ早くっ」
「馬車まで送ろう」
「私もよろしいですか?そろそろハイゲンが着くと思うので」
「ベン様、ありがとうございます。ハイゲン様にもまた夜会でとお伝えくださいませ」
仕事の早いエルネストだが、ティフェルを見送る前は優しい目をしていた。
馬車が玄関から遠ざかると、ベンと共に表情が変わる。
屋敷の中に入ろうとした時、ハイゲンが騎乗した馬が見えた。
「到着しましたね。これで役者は揃いましたかね」
「役者などと。ベンさんも人が悪い」
「エルネスト様には言われたくはないですが、ようやくでしたね」
「あぁ。目を付けて6年?7年か」
「ハハハ。7年ですよ。難攻不落かと思いましたが棚から牡丹餅でしたね」
「親族に屑がいると大変だな」
「軽く言わんで下さい。本当に大変だったんですから」
「まぁこれで王家にも貸しが作れた。屑とハサミは使いようだな」
「侯爵家は持ち直したとでも思っているでしょうねぇ」
馬を馬番に預けてハイゲンが走ってくる。頬を紅潮させて笑みを浮かべているとなれば上手くいったのだろう。
「エルネスト様っ!上々ですっ!」
「ハイゲン、早くお前も夜会の準備をしろ。婚約者も迎えに行くんだろう?」
「父上、着いたばかりですよ。休ませてください」
「若いんだから大丈夫だ。着替えながら話を聞かせてくれ」
「そうだぞ。先ずはお前から聞きたい。さぁ入れ」
肩を組んで屋敷の中に入っていくとブリュンヘルト公爵夫人も迎えてくれる。
「上手くいったようねぇ。まぁ貴方の小遣いにすればいいわ」
「国に半分は持っていかれるでしょうけどね」
「屑侯爵家にティフェルの答辞を聞かせてやることはないわ。今日叩きのめしてやりなさい」
「今日は陛下も来るんでしょう?」
「えぇ。ちゃんと見届け人になってくださるわ」
「吹いて飛ぶような侯爵家。あれ?侯爵家に空きが出来るじゃないですか?」
「黒いな…ハイゲン。欲しいか?やるぞ?」
「いや、高位貴族は色々面倒そうなんで、いらないっす」
ハイゲンの報告を聞いて4人は茶を飲み干すとそれぞれ動き出した。
途中でジェイス伯爵家の馬車とすれ違う。広い門道だが騎乗した男は静かに馬車に頭を下げた。
馬車の中にいたのは、伯爵令嬢のティフェル。そしてその向かいには侍女のミィニャ。
「上手くやったみたいね」
「みたいですねぇ。エルネスト坊ちゃん。小さい頃は可愛かったのにまぁ腹黒くなっちゃって」
「え?ミィニャ。お腹を見たの?」
「例えですよ。例え。ちなみにミィニャは真っ白です。最近飼い始めたネコは真っ白かと思ったら黒ソックスでしたけど、ミィニャのお腹は真っ白です」
ティフェルは帰り道、学園に向かう。
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既に自由登校となった校舎にいるのは1学年の生徒くらいであるが、留年が決まった者もちらほら含まれる。
原稿を受け取ると、中身を確認して一度抑揚はつけずにその場で読み上げる。
数カ所、言葉を削除する部分はあったが、講師たちもこれ以上は手を加えない方がいいだろうと判断をした。
帰ろうとした時、渡り廊下に見知った顔がそこにあった。
誰かが聞いていようがいまいがお構いなしに聞えてくるキンキンとした声。
この声に何度叱責をされた事だろうかと懐かしくも思えるが、耳障りな声である。
「どうして来年も登校をしなくてはならないの?!卒業と言ったでしょう?」
「いえ、あの‥‥あの場ではそう言うしかないと思って」
「貴女ね!その辺の男性に言う言葉とは重みが違うのよ?あの2人は王子なの!王族なの」
「え?王子は一人ですよね?第二王子。もう一人は王太子って言ってたし」
「第一王子が王太子殿下よ!」
「えっ?一人で二人?双子なんですか?」
思わず吹き出しそうになったミィニャが自分の手で口を塞ぎ、飲み込んだ息で苦しそうに片手で胸をトントン叩いている。聞こえてくる言葉が増える度に「ヒィィ」と息を無理やり吸い込みとても苦しそうだ。
そしてもう1人。見知った顔が遠くから近寄って来た。
「母上、シェリーは病弱なんです。そんなに怒らないでください」
「何が病弱なものですか!毎晩毎晩盛りのついた猿のような声を聞くコッチの身になりなさい」
「それは仕方がないですよ。あと取りは必要ですし」
「加減と言うものがあるのです。そっちはお盛んなのに勉強になったら頭が痛い、腹が痛い。逃げてばかりでしょう。何時になったら綴りが読めるようになるの。だいたい陛下の名前をフルネームで書けないってどういうこと?民としてもあり得ないわ」
試験の答案なのだろう。国王の名前のファーストネーム。「ルリシャード」を書ければ50点という超破格の問題であるがどうやら間違ったらしい。
侯爵夫人が怒っているのは男子生徒の方で答辞を読むのがカインではない事もあるからだ。
半年ほど前まではカインだろうと誰もが言っていたが最終成績は赤点が1教科で下から数えたほうがはやい順位まで落ち込んでいた。1学年と2学年の前半はワンツーだった事からすれば信じられないくらいである。
答辞を読むのが格下も格下。男爵家の四男だという事も侯爵夫人の逆鱗に触れたようだ。
「まぁ、仕方ないわ。過去には9年で卒業した子もいるそうだし」
「え?9年も学園に?凄いですねぇ。わたくしは真似できないわ」
「当たり前です。来年で卒業してもらいますからね」
「カイも学園に行くんでしょう?」
「俺?俺はもう卒業だから行かないけど送り迎えはするよ」
「そんなっ!一人じゃ無理。絶対に無理よ」
「何を言ってるの。男子と女子は校舎も違うし会うのは登校時か放課後だけでしょうに。あぁもういいわ。今夜は夜会だから早く帰って支度をして頂戴。いい事?この前のように訳の分からない事を喋ってはダメよ」
シェリーの夜会での様子は貴族の間ではとびっきりの話題になっている。
亡き侯爵夫人の偉業を称える会では、火事になった教会から孤児を救い出した時に肩から背中にかけて大きな火傷を負った夫人。称える会では女性はハイネックになったほぼ全身の肌をみせないドレスを着てくるのが事前に知らされている場に、大きく尻まで開いたドレスを着て来たり、ファーストダンスまでにウェルカムドリンクを10杯以上飲んで中央で吐いてしまったり。
来年には伯爵位になるだろうと言われている伯爵家の夜会では「わたくしは侯爵夫人なのよ」と侯爵夫人が隣にいるのに大声で叫び、子爵令嬢にワインを浴びせた事もある。
そして、功績が第二王子主導の事業だったため訪れていた第二王子に「この前はどうも」と友達のノリでシェリーの方から第二王子の肩を叩いて声を掛けたりと話題に事欠かない。
今夜の夜会にはティフェルも参加をするようになっている。
エスコートは勿論エルネストで、待ちきれないエルネストは今日の夜会で婚約を発表するのである。
先ほどまで公爵家では衣装を合わせていた。
「今夜の夜会はあいつらも来るが気にするな」
「大丈夫よ。だってエル兄さまが隣にいてくれるでしょう?」
「そろそろ、その兄さまは止めないか?」
「ウサタンのお願いなら聞いてもいいけど?」
「ウサタンかぁ。裏声が少々キツイんだよなぁ。手もきついし」
「新しく作ればいいのですよ。ニューウサタン」
「ま、パペットより先に子供を作るけどな」
「・・・・・」
「おい、黙るな。収拾がつかなくなる」
話をしていると、エルネストに来客だと執事が知らせに来る。
そのまま通してくれと言うと、部屋に来たのは父くらいの年齢の男性だった。
「ベンさん。どうでしたか?」
「上手くやったよ。これでみんな安泰だ。ありがとう世話をかけたね」
「大丈夫ですよ。あとあとは侯爵家が尻拭いをしてくれるでしょうから」
「もうすぐハイゲンも到着すると思います」
「ハイゲンの婚約者もよく堪えてくれたな。祝いを奮発せねばならんな」
笑いながら話をしているとミィニャがプンスカ怒り出してしまった。
「そろそろ伯爵家に戻らないと夜会の準備が間に合いませんよぅ!」
「ティはそのままでも十分に綺麗だけどなぁ」
「私のお嬢様ですからね!エルネスト様の好きにはさせませんよっ」
「そういうな。ミィニャを乳母にしてやるから」
「ホントに?約束ですよ?って‥あぁお嬢様っ早くっ」
「馬車まで送ろう」
「私もよろしいですか?そろそろハイゲンが着くと思うので」
「ベン様、ありがとうございます。ハイゲン様にもまた夜会でとお伝えくださいませ」
仕事の早いエルネストだが、ティフェルを見送る前は優しい目をしていた。
馬車が玄関から遠ざかると、ベンと共に表情が変わる。
屋敷の中に入ろうとした時、ハイゲンが騎乗した馬が見えた。
「到着しましたね。これで役者は揃いましたかね」
「役者などと。ベンさんも人が悪い」
「エルネスト様には言われたくはないですが、ようやくでしたね」
「あぁ。目を付けて6年?7年か」
「ハハハ。7年ですよ。難攻不落かと思いましたが棚から牡丹餅でしたね」
「親族に屑がいると大変だな」
「軽く言わんで下さい。本当に大変だったんですから」
「まぁこれで王家にも貸しが作れた。屑とハサミは使いようだな」
「侯爵家は持ち直したとでも思っているでしょうねぇ」
馬を馬番に預けてハイゲンが走ってくる。頬を紅潮させて笑みを浮かべているとなれば上手くいったのだろう。
「エルネスト様っ!上々ですっ!」
「ハイゲン、早くお前も夜会の準備をしろ。婚約者も迎えに行くんだろう?」
「父上、着いたばかりですよ。休ませてください」
「若いんだから大丈夫だ。着替えながら話を聞かせてくれ」
「そうだぞ。先ずはお前から聞きたい。さぁ入れ」
肩を組んで屋敷の中に入っていくとブリュンヘルト公爵夫人も迎えてくれる。
「上手くいったようねぇ。まぁ貴方の小遣いにすればいいわ」
「国に半分は持っていかれるでしょうけどね」
「屑侯爵家にティフェルの答辞を聞かせてやることはないわ。今日叩きのめしてやりなさい」
「今日は陛下も来るんでしょう?」
「えぇ。ちゃんと見届け人になってくださるわ」
「吹いて飛ぶような侯爵家。あれ?侯爵家に空きが出来るじゃないですか?」
「黒いな…ハイゲン。欲しいか?やるぞ?」
「いや、高位貴族は色々面倒そうなんで、いらないっす」
ハイゲンの報告を聞いて4人は茶を飲み干すとそれぞれ動き出した。
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