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ジークハルトの見栄は洗って落とせない
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「何か大きく勘違いをしているようだが、大量生産されているからな?」
「大量‥‥生産…ベルトニール帝国は超大国なんですね…」
「超がつくかと言われれば…うーん…ま、まぁ、そんな下着ならいっぱいあるし気にせずやってくれていいから」
――ジークハルト様、見栄っ張りですのね――
ディッドも付き合っていた頃は見栄を張る事もあった。
『よく利用するんだ』と言って連れていかれたレストランでディッドはメニューが読めなかったのだ。そして会計の時も贅沢税が加算される事も、チップが必要だと言う事も知らずカツカツの現金しか持ち合わせがなかった事もあった。後で足りない分は持って来るからと剣を預けて騎士団に金を借りに走った事があったのだ。
「解りました。ではムクロジを取ってきますね」
「えっ?ちょ、ちょっと待って。ムクロジって何だ?」
「洗剤です。服を洗う時に使いますでしょう?」
「いやいや、そんなの聞いた事がないよ!」
コレットは洗濯をする際はムクロジの実を採ってきて泡立てて石鹸とするのが「当たり前」だった。コレットの生きてきた時代に「洗剤」などと言うものは存在しない。
ムクロジの実がない時は、竈の灰の灰汁を使って洗濯をする。
しかし、ジークハルトは違った。コレットの時代から900年ほど先なのだ。
色柄物を一緒にしてしまうと、白いシャツが薄いピンクや薄い水色になったりしてしまうが洗剤がある。木の実を使って洗濯をするなど聞いた事もなかった。
「洗剤はある。使った事は数回しかないから湿気てしまって固まっていると思うが使えるはずだ」
戸棚の奥から「青い宝石」と書かれたかなり大きめの紙箱を出してきた。
箱の上蓋の一部分が剥ぎ取られているのは、隣の奥さんが「マークを集めて金銀パール懸賞に応募するから」だと言う。
「金銀パール?!貰えるのですか?!」
「当たればね。このマークと交換で玄関前に植えてるミントを千切ってもいい許可を貰ったんだ。今朝はヨモギだったけどな…」
コレットの時代には「懸賞」はなかった。時折おまけで傷がついたり折れたりしたナスやキュウリ、虫食いのリンゴを貰うくらいが関の山だった。
「中に軽量スプーンが入ってるから目安にすると良いよ」
「そうですか…色々と…すみません。では川に行ってきますので場所を教えてくださいませ」
「はっ?川??川って、皮じゃなくて革でもなくてリヴァーな川?」
「はい、そうです」
「なんで?泳ぎたいのか?かなり遠いぞ」
「いえ、洗濯をしますので」
「いやいや、チョーっと待て。川で洗濯?!いつの時代だ!」
「今の時代?ですが…あ、でも仕上げは桶に水を入れますから玄関先で出来ます」
――そういう事ではない!――
ジークハルトはちらりとコレットを見る。
間違いなく本気だ。
「色々と錯誤があるようだが、洗濯は共同の洗濯場がある」
「はい、川でも洗濯場、食器洗い場、水汲み場とありますよね」
サッとジークハルトはコレットに背を向けた。
ジークハルトの顔は困惑で1人百面相状態である。
――そんな種別な場が川にあるのか?――
ジークハルトが困惑するのも無理はない。確かに昔、本当に大昔。曾祖母の時代よりもずっと前には川から生活用水を汲んで水瓶に入れる事もあったと習った記憶はある。
だが、今は大型の水車が幾つも作られて川から引いた水路からそれぞれの家に配分をされているのだ。
キッチンの簡易水栓も蛇口の上部に水道栓カギがあり、水栓の凸に鍵の凹を差し込んで回せば水が出る。天井裏にタンクがありそのタンクに水車から減った分だけ水が自動で供給されるのだ。
不浄も便座横に垂れ下がっている紐を引けば便器に水が流れる。こちらは簡易水洗である。
流れる水は同じく使って減った分は水車を動力とした水が汲みあげられて貯まる。
人が井戸や川から水を汲んで貯めて置くなんていうのは帝都ではあり得ないのだ。
洗濯はだいたい1日の午前中に大量の水を使うので共同の洗濯場で行なう。
富裕層では各家庭に手動洗濯機を購入する事もあるが、共同洗濯場では順番にそれを使えるのだ。
ジークハルトは洗濯物の入った籠と洗剤の紙箱を手に取ると、コレットに「こっちおいで」と声をかけた。行った先は勿論共同の洗濯場である。
時間が早かった事もあって誰もまだ使用していない。
洗濯機に洗濯物を放り込み、計量スプーンで1匙すくって洗剤を放り込む。
あとはキッチンの水栓から取ってきた水道栓鍵を洗濯場の水栓に差し込んで回す。
ジャー‥
「えぇっ?!」
指先で金具を回しただけで触れてもいないのに洗濯物を入れた大きな箱に水が出てくる事にコレットは数歩下がって、ゆっくりと下がった歩数を補うように前に進み、不思議そうにジークハルトの顔と交互に眺めた。
水が貯まるとジークハルトは洗濯機の横についたレバーをグルグルと回す。
すると洗濯物が水と共にグルグルと回り始め、洗剤がブクブクと泡の山を作り出す。
「わぁぁぁ♡」
「回ってるだろ。これで綺麗になるから」
「すごいですっ!凄い!凄い!」
「そんなに凄い事でもないんだが…で、この水栓の鍵は部屋の鍵より大事な物だから無くさないようにな」
「えぇっと…この次はどうしたらいいんですか?」
「グルグルしたら、ほら、水が‥‥うわぁ…汚ねぇ…」
洗剤が無ければ汚れを他に移しそうなほどに黒くなった水が見える。
ジークハルトは排水レバーを教え、その後は水栓の水から桶に水を入れて濯ぎ、手で絞って干す事を教える。大量の洗濯ものである。現在が第一陣。軽く見繕っても第8陣まである筈だ。
「やってみますね」
そんなに楽しいかな?と思うがコレットは目を輝かせて大量の洗濯物を持ってきては水栓をひねって水が出るたびに手を叩いて喜び、なんなら鼻歌も歌いながら洗濯機のレバーをグルグル回す。
まぁいいか。とジークハルトは1人部屋に戻り脱ぎ散らかした服がないだけで広く見える部屋を見渡した。ついでだからと天井についた照明の傘を外し、ランプを拭いて油を継ぎ足す。
王宮では発電設備があり、電気による照明があるが一般庶民であるジークハルトはまだランプである。どうしても油から出る煤で曇ってしまうのだ。
ジークハルトも鼻歌を歌いながら幾つかある天井の照明用ランプを磨いていると、隣の奥さんを筆頭に数人の奥様方がバーン!っと玄関を開けて入ってきた。
「ジークハルトさんっ!大変だよ」
「何が大変なんスか?」
「あ、アンタの洗濯物を女の子が洗ってて…聞いたらジークハルトさんの名前を言うじゃないか。あの女の子はいったい…アンタ妹とか姉さんはいなかっただろう?!」
ジークハルトは手にしていたランプをゴトリと足の上に落としてしまった。
ゴトン!!
「痛った!!」
「痛いじゃないよ。誰なんだい?」
――しまった…――
ジークハルトはここが安アパートメントとは言え騎士団の寮扱いである事をすっかり忘れていた。ここは三親等以内の家族でなければ異性を連れ込む事は禁じられているのだ。
婚約者も証明できない限り規約違反である。以前に婚約者だと言って愛人を連れ込んだ不届き者がいて禁止になったのだ。
従姉妹は4親等なので規約違反になる。ジークハルトに女の姉妹はいない事は皆知っている。
折角引いたと思った冷や汗がダラダラとまた流れ出した。もう脱水寸前である。
ジークハルトが絞り出した答えは…
「嫁だ。俺、結婚したんだ」
<< えぇぇぇっ?! >>
奥様方の驚きようにジークハルトはイラっとしてしまった。
確かに非モテな男である事は自負しているが、そんなに驚かなくてもいいだろうと。
「いつぞやの遠征で見染めてプ、プ、プロポーズしたんだ!」
<< なんですってぇ?! >>
「だ、だから!カタコトだけど、い、い、虐めないでくれよっ!」
バタバタと奥様方が部屋の外に出ていくが、雄叫びのような声にジークハルトは最大の失言を悟った。
「聞いとくれ~!!ジークハルトさん、結婚したってぇぇぇ」
近所の奥様方のネットワークを侮ってしまった事はジークハルト人生最大の失敗である。
数分のうちに「ジークハルトついに結婚!」というワードを知らぬ者はこの界隈にいなくなったのだ。
「大量‥‥生産…ベルトニール帝国は超大国なんですね…」
「超がつくかと言われれば…うーん…ま、まぁ、そんな下着ならいっぱいあるし気にせずやってくれていいから」
――ジークハルト様、見栄っ張りですのね――
ディッドも付き合っていた頃は見栄を張る事もあった。
『よく利用するんだ』と言って連れていかれたレストランでディッドはメニューが読めなかったのだ。そして会計の時も贅沢税が加算される事も、チップが必要だと言う事も知らずカツカツの現金しか持ち合わせがなかった事もあった。後で足りない分は持って来るからと剣を預けて騎士団に金を借りに走った事があったのだ。
「解りました。ではムクロジを取ってきますね」
「えっ?ちょ、ちょっと待って。ムクロジって何だ?」
「洗剤です。服を洗う時に使いますでしょう?」
「いやいや、そんなの聞いた事がないよ!」
コレットは洗濯をする際はムクロジの実を採ってきて泡立てて石鹸とするのが「当たり前」だった。コレットの生きてきた時代に「洗剤」などと言うものは存在しない。
ムクロジの実がない時は、竈の灰の灰汁を使って洗濯をする。
しかし、ジークハルトは違った。コレットの時代から900年ほど先なのだ。
色柄物を一緒にしてしまうと、白いシャツが薄いピンクや薄い水色になったりしてしまうが洗剤がある。木の実を使って洗濯をするなど聞いた事もなかった。
「洗剤はある。使った事は数回しかないから湿気てしまって固まっていると思うが使えるはずだ」
戸棚の奥から「青い宝石」と書かれたかなり大きめの紙箱を出してきた。
箱の上蓋の一部分が剥ぎ取られているのは、隣の奥さんが「マークを集めて金銀パール懸賞に応募するから」だと言う。
「金銀パール?!貰えるのですか?!」
「当たればね。このマークと交換で玄関前に植えてるミントを千切ってもいい許可を貰ったんだ。今朝はヨモギだったけどな…」
コレットの時代には「懸賞」はなかった。時折おまけで傷がついたり折れたりしたナスやキュウリ、虫食いのリンゴを貰うくらいが関の山だった。
「中に軽量スプーンが入ってるから目安にすると良いよ」
「そうですか…色々と…すみません。では川に行ってきますので場所を教えてくださいませ」
「はっ?川??川って、皮じゃなくて革でもなくてリヴァーな川?」
「はい、そうです」
「なんで?泳ぎたいのか?かなり遠いぞ」
「いえ、洗濯をしますので」
「いやいや、チョーっと待て。川で洗濯?!いつの時代だ!」
「今の時代?ですが…あ、でも仕上げは桶に水を入れますから玄関先で出来ます」
――そういう事ではない!――
ジークハルトはちらりとコレットを見る。
間違いなく本気だ。
「色々と錯誤があるようだが、洗濯は共同の洗濯場がある」
「はい、川でも洗濯場、食器洗い場、水汲み場とありますよね」
サッとジークハルトはコレットに背を向けた。
ジークハルトの顔は困惑で1人百面相状態である。
――そんな種別な場が川にあるのか?――
ジークハルトが困惑するのも無理はない。確かに昔、本当に大昔。曾祖母の時代よりもずっと前には川から生活用水を汲んで水瓶に入れる事もあったと習った記憶はある。
だが、今は大型の水車が幾つも作られて川から引いた水路からそれぞれの家に配分をされているのだ。
キッチンの簡易水栓も蛇口の上部に水道栓カギがあり、水栓の凸に鍵の凹を差し込んで回せば水が出る。天井裏にタンクがありそのタンクに水車から減った分だけ水が自動で供給されるのだ。
不浄も便座横に垂れ下がっている紐を引けば便器に水が流れる。こちらは簡易水洗である。
流れる水は同じく使って減った分は水車を動力とした水が汲みあげられて貯まる。
人が井戸や川から水を汲んで貯めて置くなんていうのは帝都ではあり得ないのだ。
洗濯はだいたい1日の午前中に大量の水を使うので共同の洗濯場で行なう。
富裕層では各家庭に手動洗濯機を購入する事もあるが、共同洗濯場では順番にそれを使えるのだ。
ジークハルトは洗濯物の入った籠と洗剤の紙箱を手に取ると、コレットに「こっちおいで」と声をかけた。行った先は勿論共同の洗濯場である。
時間が早かった事もあって誰もまだ使用していない。
洗濯機に洗濯物を放り込み、計量スプーンで1匙すくって洗剤を放り込む。
あとはキッチンの水栓から取ってきた水道栓鍵を洗濯場の水栓に差し込んで回す。
ジャー‥
「えぇっ?!」
指先で金具を回しただけで触れてもいないのに洗濯物を入れた大きな箱に水が出てくる事にコレットは数歩下がって、ゆっくりと下がった歩数を補うように前に進み、不思議そうにジークハルトの顔と交互に眺めた。
水が貯まるとジークハルトは洗濯機の横についたレバーをグルグルと回す。
すると洗濯物が水と共にグルグルと回り始め、洗剤がブクブクと泡の山を作り出す。
「わぁぁぁ♡」
「回ってるだろ。これで綺麗になるから」
「すごいですっ!凄い!凄い!」
「そんなに凄い事でもないんだが…で、この水栓の鍵は部屋の鍵より大事な物だから無くさないようにな」
「えぇっと…この次はどうしたらいいんですか?」
「グルグルしたら、ほら、水が‥‥うわぁ…汚ねぇ…」
洗剤が無ければ汚れを他に移しそうなほどに黒くなった水が見える。
ジークハルトは排水レバーを教え、その後は水栓の水から桶に水を入れて濯ぎ、手で絞って干す事を教える。大量の洗濯ものである。現在が第一陣。軽く見繕っても第8陣まである筈だ。
「やってみますね」
そんなに楽しいかな?と思うがコレットは目を輝かせて大量の洗濯物を持ってきては水栓をひねって水が出るたびに手を叩いて喜び、なんなら鼻歌も歌いながら洗濯機のレバーをグルグル回す。
まぁいいか。とジークハルトは1人部屋に戻り脱ぎ散らかした服がないだけで広く見える部屋を見渡した。ついでだからと天井についた照明の傘を外し、ランプを拭いて油を継ぎ足す。
王宮では発電設備があり、電気による照明があるが一般庶民であるジークハルトはまだランプである。どうしても油から出る煤で曇ってしまうのだ。
ジークハルトも鼻歌を歌いながら幾つかある天井の照明用ランプを磨いていると、隣の奥さんを筆頭に数人の奥様方がバーン!っと玄関を開けて入ってきた。
「ジークハルトさんっ!大変だよ」
「何が大変なんスか?」
「あ、アンタの洗濯物を女の子が洗ってて…聞いたらジークハルトさんの名前を言うじゃないか。あの女の子はいったい…アンタ妹とか姉さんはいなかっただろう?!」
ジークハルトは手にしていたランプをゴトリと足の上に落としてしまった。
ゴトン!!
「痛った!!」
「痛いじゃないよ。誰なんだい?」
――しまった…――
ジークハルトはここが安アパートメントとは言え騎士団の寮扱いである事をすっかり忘れていた。ここは三親等以内の家族でなければ異性を連れ込む事は禁じられているのだ。
婚約者も証明できない限り規約違反である。以前に婚約者だと言って愛人を連れ込んだ不届き者がいて禁止になったのだ。
従姉妹は4親等なので規約違反になる。ジークハルトに女の姉妹はいない事は皆知っている。
折角引いたと思った冷や汗がダラダラとまた流れ出した。もう脱水寸前である。
ジークハルトが絞り出した答えは…
「嫁だ。俺、結婚したんだ」
<< えぇぇぇっ?! >>
奥様方の驚きようにジークハルトはイラっとしてしまった。
確かに非モテな男である事は自負しているが、そんなに驚かなくてもいいだろうと。
「いつぞやの遠征で見染めてプ、プ、プロポーズしたんだ!」
<< なんですってぇ?! >>
「だ、だから!カタコトだけど、い、い、虐めないでくれよっ!」
バタバタと奥様方が部屋の外に出ていくが、雄叫びのような声にジークハルトは最大の失言を悟った。
「聞いとくれ~!!ジークハルトさん、結婚したってぇぇぇ」
近所の奥様方のネットワークを侮ってしまった事はジークハルト人生最大の失敗である。
数分のうちに「ジークハルトついに結婚!」というワードを知らぬ者はこの界隈にいなくなったのだ。
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