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ハンザからの手紙
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夏が過ぎ、秋が深まったある日の昼下がり。
侍女たちとベッドカバーをパッチワークで作っていると家令がやってくる。
ハンザからセレティア宛に手紙が届いたと1通の手紙を差し出す。
誰だろうと裏を向けると差出人はシーガル侯爵。クラウドの兄ジャスティンからである。
「奥様、お返事用の便箋はどうなさいますか」
封筒の表と裏を何度も交互に見ながら、「とりあえず用意をお願いします」と答え、手紙をそっとテーブルに置くと侍女たちが読んでもいいですよと声をかける。
どうしようかと迷う気持ちはあるものの、セレティアは封を切らずにまたパッチワークを始める。
気にならないと言えば噓になるが、何が書かれているのか一人で読む勇気がない。
父とジャスティンの父は同じ日に亡くなったと聞いている。もし父のせいで前シーガル侯爵が亡くなったのであればジャスティンの性格から罵倒するような内容ではないとは思うが違うとも言い切れない。
またクラウドの1回忌にも来ないのかと責められるものだったらと思うと手紙を持つ手も震えてしまう。
それは父についてもである。葬儀にすら参列をしないと咎めるものかも知れない。
悪い方向にばかり考えてしまって一人では封を切る事が出来なかった。
「奥様、顔色が悪いですが…風邪でも召されましたか」
「ううん。違います。少し考え事をしていただけです。大丈夫」
「そうですか?何かあればすぐに言ってくださいね」
「はい。その時はお願いしますね」
ワイワイと侍女たちと話をしながら進めるパッチワークは冬場になれば使用人達のベッドカバーになる。カーテンなど大きさを合わせると出てしまった端切れを捨てるのが惜しくてセレティアが提案した物である。
ここ連日サロンは侍女たちと行うパッチワークの熱気で汗ばむほどだと家令は愚痴をこぼすが、一番先に出来たベッドカバーをもらった家令は密かに愛用している。
日もすっかり落ちて暗くなるとロレンツィオが戻ってくる。
時折1週間程度の遠征はあるものの定時で王宮をでて戻ってくるロレンツィオは急いで帰ってくるのか吐く息も白くなっている。
整然と並んで使用心が出迎え、最期にセレティアを軽くハグして家令と自室に向かうのがここ最近の流れである。ロレンツィオがセレティアを迎えてからは「非常に予定が立てやすい」と好評であった。
「変わりなかったか」
「特には。ただ、奥様あてにハンザのシーガル侯爵より手紙が届きました。お渡ししてからまだ読まれてはいないようですが少し元気がないように見受けられます」
着替えていたシャツのボタンを留める手がいったん止まるが、また動きだす。
合わせて家令も話を続ける。
「ハンザで何かあったのでしょうか」
「いや、そんな報告は来ていないな。もし何かあれば話があるはずだ」
「何事もなければよろしいのですか。ここ最近はパッチワークが日課となり楽しそうでしたので」
「パッチワーク?なんだそれは」
「端切れを合わせてカバーなどを作るのです。わたくしはもう頂きました」
「えっ‥…僕はまだ貰ってないが‥‥」
じぃぃっと家令を見る目が冷たくなっていくロレンツィオは嫉妬をしている。
家令は慌てて使用人全員にくれるそうだと言うが、何かが悔しい。
「それから閨の講義ですが、侍女に任せてみてはどうでしょうか」
「えっ…それは…どうだろうか」
「ですが他家に知られるのはどうかと。中将と言うお立場もありますし専門的な技をとなると」
「ちょちょちょ‥‥ちょっと待て‥その件はまた指示をする。止めておいてくれ」
マズい事になったとロレンツィオは冷や汗を流す。良かれと思って初夜の夜細工をしたが今になって後悔しかない。素直に直ぐには手は出せませんでしたと言えばよかったと項垂れる。
確かに立場上、まだ体の関係がない事を他家に知られるのはよろしくないし、あったとしてもさらに【技】を教えてもらうのはどうかと思う。そしてそれを侍女が?となるとおそらく袋叩きくらいにつるし上げられるだろう。
閨の件については自分でセレティアと向き合おうと決心をしたのだった。
家令の報告の通り、夕食時のセレティアは元気がなかった。笑ってはいるがどことなく陰りのある笑いで、手紙が影響している事は明らかだった。
少し早めに寝所に行こうと声をかけると、はいと返事をするがロレンツィオが寝所に入ってもセレティアはまだ自室から出ていない。
あまり思い詰めてもと、セレティアの部屋への扉をノックし入室する。
湯あみが終わって髪をとかしてもらっている時だったが入って良いとの事で化粧台に向かって座り、侍女に髪をすいてもらっている後ろ姿を見ていると、セレティアは侍女に何かを告げ、侍女がロレンツィオに手紙を手渡した。
まだ封が切られていない宛名がセレティアの手紙である。夫だとは言っても勝手に開封は出来ない。
それがセレティアから託された物であっても、封を切るのはセレティアでなければと考える。
侍女が下がると、2人で寝所に行き、テーブルセットに向かい合わせて腰掛ける。
「これはセティが読むものだよ」
「ですが‥‥怖くて」
「ジルクスマ公爵の茶会みたいな感じなのか?」
「そうではなくて‥‥その…お叱りの…手紙なのかと」
「叱る?セティを?何故?」
「父の葬儀なども参列しておりませんし…一度も帰ってないので」
「それは仕方ないだろう?陛下の許しがなければ国を出る事はできないんだ」
「そうなのですが、そうだとしても・・・」
「うーん‥‥判った。じゃぁセティが封を切りなさい。先に僕が読んであげるから」
ペーパーナイフで封を切るとロレンツィオに手紙を差し出す。
静かに便箋を取り出すと広げて内容を読んでいく。正直なところロレンツィオも心臓がどきどきしていた。
クラウドの事が書かれていればどうしようかと思ったのだ。
しかし内容は多少はクラウドの事も書かれてはいたが、これはやはりセレティアが読むべきだと判断する。内容は検閲を考えてというよりは考えていなくも問題ないものだった。
「セティ。何も心配する事はないと思うよ。読んでごらん」
そういうと躊躇しながらも便箋を手に取り文字に目を走らせていく。
ロレンツィオはその様子をワインを飲みながら優しく見守る。
『セレティアへ
君がギスティールに行って最初の冬が来るが風邪などは引いていないだろうか。
ハンザではギスティール王国から色んな技術者が来たり専門家や医者も来て以前の生活が時折夢だったのではないかと思うような復興を遂げている。
エイレル卿も我が父も不幸に命を落としてしまったが、その志は有志に受け継がれている。2人の侯爵は英雄でもあり我々の心の支えでもある。誇りに思ってもらいたい。
ギスティール王国で国王の右腕だとも言われる中将閣下と結婚をしたと聞いた。おめでとう。母も妻も喜んでいるし私も大変喜ばしい事だと思っている。結婚祝いを送りたいが小包はまだ送ってはいけないのだそうだ。言葉だけとなるが、本当におめでとう。
クラウドの分まで君には幸せになって欲しいとシーガル侯爵家では皆がそう思っている。エイレル卿は亡くなる少し前に話をしてくれた。クラウドの事で塞ぎこんだ君を太陽の下にきっと引っ張り出してくれる男だと。
君が数年はギスティール王国から動けない事は承知している。エイレル侯爵夫妻の墓には君の分も花を手向ける事を約束する。勿論クラウドの墓にもだ。安心して欲しい。
いつか君がハンザに来ることがあればシーガル侯爵家は笑顔で君を抱きしめ迎えよう。その時君の子供が見られると嬉しいと思うのは僕だけではない筈だ。きっとクラウドもそう思っている。
誰よりも君には幸せになって、いつも笑っていて欲しい。
最後になるが君が贈ってくれたミトンはもうすぐ第二子にも使わせてもらうよ。僕たちの子も君の子もその世代は光あふれるものにしようじゃないか。
では。
セレティア。君の幸せを心から祈って ジャスティン・ティス・シーガル』
「読んでよかっただろう?」
「はい‥…はい…」
「泣いてはダメだ。笑っていて欲しいと書いてあっただろう?」
「はい…ぐすっ‥‥はい…(ひっく)」
ロレンツィオは席を立つとそっと後ろからセレティアを抱きしめる。
初めて見る悲しみの涙ではない涙は泣き笑いになった。
「早めにハンザに行けないか陛下にもう一度聞いてみるよ」
「いいえ…」
指で涙を拭うとセレティアは微笑んだ。
「ハンザに参る時にはこうやってお願いをしてではなく、自由に行けるようになってから参ります」
「ちょっと後悔したなぁ」
「後悔?どうしてです?」
「君の背中を押したのは僕じゃなかった。美味しいところを持っていかれた気分だ」
「いいえ。ツィオ様です。ツィオ様がいたから…手紙を読めました」
「そう言ってくれると嬉しいな」
そっと手紙を封筒に入れるとロレンツィオに促されて寝台に向かう。
寝る前のキスはいつもよりも優しいキスに感じたセレティアだった。
侍女たちとベッドカバーをパッチワークで作っていると家令がやってくる。
ハンザからセレティア宛に手紙が届いたと1通の手紙を差し出す。
誰だろうと裏を向けると差出人はシーガル侯爵。クラウドの兄ジャスティンからである。
「奥様、お返事用の便箋はどうなさいますか」
封筒の表と裏を何度も交互に見ながら、「とりあえず用意をお願いします」と答え、手紙をそっとテーブルに置くと侍女たちが読んでもいいですよと声をかける。
どうしようかと迷う気持ちはあるものの、セレティアは封を切らずにまたパッチワークを始める。
気にならないと言えば噓になるが、何が書かれているのか一人で読む勇気がない。
父とジャスティンの父は同じ日に亡くなったと聞いている。もし父のせいで前シーガル侯爵が亡くなったのであればジャスティンの性格から罵倒するような内容ではないとは思うが違うとも言い切れない。
またクラウドの1回忌にも来ないのかと責められるものだったらと思うと手紙を持つ手も震えてしまう。
それは父についてもである。葬儀にすら参列をしないと咎めるものかも知れない。
悪い方向にばかり考えてしまって一人では封を切る事が出来なかった。
「奥様、顔色が悪いですが…風邪でも召されましたか」
「ううん。違います。少し考え事をしていただけです。大丈夫」
「そうですか?何かあればすぐに言ってくださいね」
「はい。その時はお願いしますね」
ワイワイと侍女たちと話をしながら進めるパッチワークは冬場になれば使用人達のベッドカバーになる。カーテンなど大きさを合わせると出てしまった端切れを捨てるのが惜しくてセレティアが提案した物である。
ここ連日サロンは侍女たちと行うパッチワークの熱気で汗ばむほどだと家令は愚痴をこぼすが、一番先に出来たベッドカバーをもらった家令は密かに愛用している。
日もすっかり落ちて暗くなるとロレンツィオが戻ってくる。
時折1週間程度の遠征はあるものの定時で王宮をでて戻ってくるロレンツィオは急いで帰ってくるのか吐く息も白くなっている。
整然と並んで使用心が出迎え、最期にセレティアを軽くハグして家令と自室に向かうのがここ最近の流れである。ロレンツィオがセレティアを迎えてからは「非常に予定が立てやすい」と好評であった。
「変わりなかったか」
「特には。ただ、奥様あてにハンザのシーガル侯爵より手紙が届きました。お渡ししてからまだ読まれてはいないようですが少し元気がないように見受けられます」
着替えていたシャツのボタンを留める手がいったん止まるが、また動きだす。
合わせて家令も話を続ける。
「ハンザで何かあったのでしょうか」
「いや、そんな報告は来ていないな。もし何かあれば話があるはずだ」
「何事もなければよろしいのですか。ここ最近はパッチワークが日課となり楽しそうでしたので」
「パッチワーク?なんだそれは」
「端切れを合わせてカバーなどを作るのです。わたくしはもう頂きました」
「えっ‥…僕はまだ貰ってないが‥‥」
じぃぃっと家令を見る目が冷たくなっていくロレンツィオは嫉妬をしている。
家令は慌てて使用人全員にくれるそうだと言うが、何かが悔しい。
「それから閨の講義ですが、侍女に任せてみてはどうでしょうか」
「えっ…それは…どうだろうか」
「ですが他家に知られるのはどうかと。中将と言うお立場もありますし専門的な技をとなると」
「ちょちょちょ‥‥ちょっと待て‥その件はまた指示をする。止めておいてくれ」
マズい事になったとロレンツィオは冷や汗を流す。良かれと思って初夜の夜細工をしたが今になって後悔しかない。素直に直ぐには手は出せませんでしたと言えばよかったと項垂れる。
確かに立場上、まだ体の関係がない事を他家に知られるのはよろしくないし、あったとしてもさらに【技】を教えてもらうのはどうかと思う。そしてそれを侍女が?となるとおそらく袋叩きくらいにつるし上げられるだろう。
閨の件については自分でセレティアと向き合おうと決心をしたのだった。
家令の報告の通り、夕食時のセレティアは元気がなかった。笑ってはいるがどことなく陰りのある笑いで、手紙が影響している事は明らかだった。
少し早めに寝所に行こうと声をかけると、はいと返事をするがロレンツィオが寝所に入ってもセレティアはまだ自室から出ていない。
あまり思い詰めてもと、セレティアの部屋への扉をノックし入室する。
湯あみが終わって髪をとかしてもらっている時だったが入って良いとの事で化粧台に向かって座り、侍女に髪をすいてもらっている後ろ姿を見ていると、セレティアは侍女に何かを告げ、侍女がロレンツィオに手紙を手渡した。
まだ封が切られていない宛名がセレティアの手紙である。夫だとは言っても勝手に開封は出来ない。
それがセレティアから託された物であっても、封を切るのはセレティアでなければと考える。
侍女が下がると、2人で寝所に行き、テーブルセットに向かい合わせて腰掛ける。
「これはセティが読むものだよ」
「ですが‥‥怖くて」
「ジルクスマ公爵の茶会みたいな感じなのか?」
「そうではなくて‥‥その…お叱りの…手紙なのかと」
「叱る?セティを?何故?」
「父の葬儀なども参列しておりませんし…一度も帰ってないので」
「それは仕方ないだろう?陛下の許しがなければ国を出る事はできないんだ」
「そうなのですが、そうだとしても・・・」
「うーん‥‥判った。じゃぁセティが封を切りなさい。先に僕が読んであげるから」
ペーパーナイフで封を切るとロレンツィオに手紙を差し出す。
静かに便箋を取り出すと広げて内容を読んでいく。正直なところロレンツィオも心臓がどきどきしていた。
クラウドの事が書かれていればどうしようかと思ったのだ。
しかし内容は多少はクラウドの事も書かれてはいたが、これはやはりセレティアが読むべきだと判断する。内容は検閲を考えてというよりは考えていなくも問題ないものだった。
「セティ。何も心配する事はないと思うよ。読んでごらん」
そういうと躊躇しながらも便箋を手に取り文字に目を走らせていく。
ロレンツィオはその様子をワインを飲みながら優しく見守る。
『セレティアへ
君がギスティールに行って最初の冬が来るが風邪などは引いていないだろうか。
ハンザではギスティール王国から色んな技術者が来たり専門家や医者も来て以前の生活が時折夢だったのではないかと思うような復興を遂げている。
エイレル卿も我が父も不幸に命を落としてしまったが、その志は有志に受け継がれている。2人の侯爵は英雄でもあり我々の心の支えでもある。誇りに思ってもらいたい。
ギスティール王国で国王の右腕だとも言われる中将閣下と結婚をしたと聞いた。おめでとう。母も妻も喜んでいるし私も大変喜ばしい事だと思っている。結婚祝いを送りたいが小包はまだ送ってはいけないのだそうだ。言葉だけとなるが、本当におめでとう。
クラウドの分まで君には幸せになって欲しいとシーガル侯爵家では皆がそう思っている。エイレル卿は亡くなる少し前に話をしてくれた。クラウドの事で塞ぎこんだ君を太陽の下にきっと引っ張り出してくれる男だと。
君が数年はギスティール王国から動けない事は承知している。エイレル侯爵夫妻の墓には君の分も花を手向ける事を約束する。勿論クラウドの墓にもだ。安心して欲しい。
いつか君がハンザに来ることがあればシーガル侯爵家は笑顔で君を抱きしめ迎えよう。その時君の子供が見られると嬉しいと思うのは僕だけではない筈だ。きっとクラウドもそう思っている。
誰よりも君には幸せになって、いつも笑っていて欲しい。
最後になるが君が贈ってくれたミトンはもうすぐ第二子にも使わせてもらうよ。僕たちの子も君の子もその世代は光あふれるものにしようじゃないか。
では。
セレティア。君の幸せを心から祈って ジャスティン・ティス・シーガル』
「読んでよかっただろう?」
「はい‥…はい…」
「泣いてはダメだ。笑っていて欲しいと書いてあっただろう?」
「はい…ぐすっ‥‥はい…(ひっく)」
ロレンツィオは席を立つとそっと後ろからセレティアを抱きしめる。
初めて見る悲しみの涙ではない涙は泣き笑いになった。
「早めにハンザに行けないか陛下にもう一度聞いてみるよ」
「いいえ…」
指で涙を拭うとセレティアは微笑んだ。
「ハンザに参る時にはこうやってお願いをしてではなく、自由に行けるようになってから参ります」
「ちょっと後悔したなぁ」
「後悔?どうしてです?」
「君の背中を押したのは僕じゃなかった。美味しいところを持っていかれた気分だ」
「いいえ。ツィオ様です。ツィオ様がいたから…手紙を読めました」
「そう言ってくれると嬉しいな」
そっと手紙を封筒に入れるとロレンツィオに促されて寝台に向かう。
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