34 / 40
騙された呪術師
しおりを挟む
不敵に笑うジョゼリーヌは喉をクックックと慣らすとフィオランツに向かって言う。
「一度でいいからロレンツィオ様に抱かれて精を注がれたいの」
「バカな、何故私がお前などを抱かねばならんのだ」
「だって‥‥ずっと見てたんだもの。お父様やあの糞おやじに何度も突かれながら少尉の頃からロレンツィオ様に抱かれていると思って我慢してきたの。今もロレンツィオ様の魔法で縛られているかと思うとゾクゾクしちゃってるの」
「どうする」とフィオランツはロレンツィオに問う。
確かなのは、目の前にいる女でないとセレティアの棘の鎖は抜けないと言う事である。
そしてもう幾ばくも時間がないと言う事だ。
「私がお前を抱く事で解呪するという保証は何処にある」
「私、約束は守るわよ?そこだけは自慢なの。それにね。許せないの」
「何が許せない」
「私がいるのにあんな敗戦国の令嬢を毎晩抱いて、イカせてると思ったらあの女が憎くて仕方ないの。だから身体強化までしてカルローディア侯爵にロレンツィオ様を連れてくるようにしたのに失敗しちゃうし、糞おやじなんかあの女と侍女は始末してロレンツィオ様を生け捕りにしてやるって言ったのに逆に掴まっちゃうし。ホント使えないやつばっかり」
「ほぅ。貴様の望みはそのロレンツィオだったという事か」
「そうよ。私は正妻にはなれないけど純潔をくれるならロレンツィオ様の愛人にしてやるってお父様は言ったのに全然愛人にはなれないし、固くもないもので擦られても気持ちよくなかったんだから」
「どうする。中将。随分とご執心だが」
殴り殺したいと思う気持ちを抑えて、ロレンツィオはジョゼリーヌの元に歩く。
近寄ってくるロレンツィオに頬を染めるジョゼリーヌ。
背に腹は代えられない。何よりもセレティアから棘の鎖を抜かねばならないのだ。
「わかった。抱いて欲しいという頼みは確かに聞いた」
「ホントに?」
「あぁ、私はよく頼み事は聞く方なんだ」
「アはぁ‥‥もうイキそう…」
「術をかけた君が一番判っていると思うが時間はあまりない。確証が得られなければ私も動けない。今から私の屋敷に向かってもらい解呪をしてもらう」
「アハッ、お安い御用よ」
「ならば話は決まりだ」
先に退室したロレンツィオは屋敷に連絡用の烏を飛ばせてセレティアを本館に移すように指示をする。
馬に乗って多くの護衛兵がついた馬車に乗せられたジョゼリーヌは拘束魔法は解かれていないが小窓の外に見えるロレンツィオがまるで姫を守るように馬車の横を進むのを見てほくそ笑んだ。
本館の玄関から入ると家令が待っていた。小さく頷いたロレンツィオに返すように頷く。
「本日の侍女はラズベリーとチャイムでございます」
なるほどよく選んだなとロレンツィオは考えた。ラズベリーは日頃セレティアが起きた時に洗面をさせる係である。目覚める前からそっと部屋に入り、目覚めと同時に声をかけちゃんと起きればベッドの上で洗面をさせる。
そして得意なのは攻撃よりも守りで盾の名手と言われた父を持ち、瞬発力に優れたラズベリーは数回であればトレイで魔力を弾く事が出来る。
次にチャイムである。チャイムは主にセレティアの足回りを担当する侍女でヒールもであるが土いじりをするセレティアが動きやすく作業用の靴などを選んで履かせる。
得意なのは多角攻撃である。森の中なら木を横跳びしながら土に足をつけずに進み、部屋の中なら天井や壁をまるで床のように踏みしめて最後は突きで相手を仕留める。
本来であれば客を迎える一番豪華な客室であるが、急ぎの知らせに使用人達は夫婦の寝所からゆっくりとセレティアを本館の客室まで運び、いかにも通常使っているようにクローゼットなどにもドレスを詰め込む。
引き出しにも書類を丁寧にいれ、化粧台にも化粧品を並べる。
宝飾品の箱にも青系統の宝石を並べ、日頃からセレティアが使っていると見せかけた。
扉を開けると奥の寝台に静かに寝ているセレティアが見える。
思わず駆け寄って手を握り話しかけたい衝動を押えつつ、使用人を外に出し、侍女2人を寝台の横に配置する。扉の外には判定をする魔導士も控えている。
「えぇー。見られながらって興奮するぅ。侍女にも見られるの?」
「ちゃんと解呪出来たのが確認できれば所定の位置に付ける」
「なるほどね。ま、いいけど。で、これを解いてくれないと出来ないんだけど」
「これは失礼をした」
ロレンツィオが拘束魔法を解くと、腕を何度かグルグルと回し、ジョゼリーヌはセレティアの寝台に近寄っていく。ロレンツィオも侍女のラズベリー、チャイムも緊張が走る。
ジョゼリーヌはセレティアの胸元に手を翳すと詠唱を始めた。小さな魔法陣がその上をクルクルと舞い始める。
「くっ」っとセレティアの表情が歪む。あの夜苦しんでいた時のように眉をひそめ、指先がピクピクと手を握りたそうに小刻みに動いている。
ズルリと赤黒いモヤのような塊が詠唱をしているジョゼリーヌの手の中に吸い込まれていく。
詠唱する声がやみ、魔法陣が消えるとジョゼリーヌはニヤリと笑って「抜いたけど」と言う。
その声に扉の外に待機していた魔導士がゆっくりと丁寧にセレティアを視ていく。
「疑うなら、ロレンツィオ様も見ていいけど?その代わり…お口でもお願いね」
入れ替わる様にセレティアの元に行き、魔導士と一緒に再度丁寧に視ていく。
「良いようです」「そうだな」小さく声をかけ、侍女2人に目くばせをする。
ロレンツィオが振り向き、
「確かに解呪されている。礼を言うよ。ありがとう」
そう言うと同時に拘束魔法をジョゼリーヌに向けて放った!しかし咄嗟で意表を突かれつつも寸前で避けたジョゼリーヌは般若のような表情になる。
「騙したわね…ファイヤーストームッ!」
振りかざした手を振ると円弧を描くように炎が飛んでくる。向かった先はセレティアのベッドである。
ラズベリーは銀製の洗面器でそれを斜めに弾くとセレティアを抱えてベッドの逆側に転がり庇うように上に覆いかぶさった。
「チっ…ブリザードフローズン!」
壁に当たった氷が絵画を貫き、壁に穴が開く。チャイムは横っ飛びに壁を蹴り上げるとその反動でジョゼリーヌの頭部をめがけて先ずは蹴りを入れるが、またもや鼻先をかすめてしまう。
「鬱陶しいわねっ…ファイヤーストームッ!」
ベッドの方に飛んでいく円弧の炎にラズベリーはトレイをフリスビーのように投げる。
軌道上でトレイの側面に円弧の先があたった魔力は回転を始めて天井に突き刺さる。
カーテンに燃え移ってしまう炎を魔導士が水魔法で消火をするがジョゼリーヌは魔導士めがけて火魔法を投げつけた。
「チャイムッ!」
「はいよっ!」
セレティアに覆いかぶさっていたラズベリーは体を起こし、転がったトレイをチャイムに投げるとチャイムは壁を蹴り上げてトレイをオーバーヘッドキックし魔導士の前に飛んでくる火魔法を弾く。
攻撃が次々と侍女に跳ね返され、瞬間動きを止めたジョゼリーヌに蜘蛛の拘束魔法を展開しまた声帯に蜘蛛を陣取らせると転がったジョゼリーヌは声帯を押えられ、出ない声で必死に何かを叫ぶ。
転がるジョゼリーヌをロレンツィオは顔をつま先で蹴り上げる。吹き出る鼻血を押さえる事も出来ずもがくジョゼリーヌを見下ろし凍り付くような視線を浴びせる。
「お前の言う事は確かに聞いてやっただろう?頼み事はよく聞くからな。聞くだけとも言うが」
そういうと衛兵に連れて行けと指示を出し、セレティアの元に歩く。
覆いかぶさったラズベリーに上体を起こしてもらったがまだ目覚めてはいない。
しかし、頬に赤みがほんのりさしていて、手も指先はまだ冷たいが温もりを感じられた。
大事そうに頭に手を回し胸にその頬を付けると、別館までセレティアを横抱きにして歩く。
夫婦の寝所の寝台に寝かせて、乱れた髪をそっと指で横に流すと優しく微笑んだ。
「ごめんな。汚いところを見せてしまった。直ぐ帰るから」
そう言うとまた王宮に向かって馬を走らせた。
「一度でいいからロレンツィオ様に抱かれて精を注がれたいの」
「バカな、何故私がお前などを抱かねばならんのだ」
「だって‥‥ずっと見てたんだもの。お父様やあの糞おやじに何度も突かれながら少尉の頃からロレンツィオ様に抱かれていると思って我慢してきたの。今もロレンツィオ様の魔法で縛られているかと思うとゾクゾクしちゃってるの」
「どうする」とフィオランツはロレンツィオに問う。
確かなのは、目の前にいる女でないとセレティアの棘の鎖は抜けないと言う事である。
そしてもう幾ばくも時間がないと言う事だ。
「私がお前を抱く事で解呪するという保証は何処にある」
「私、約束は守るわよ?そこだけは自慢なの。それにね。許せないの」
「何が許せない」
「私がいるのにあんな敗戦国の令嬢を毎晩抱いて、イカせてると思ったらあの女が憎くて仕方ないの。だから身体強化までしてカルローディア侯爵にロレンツィオ様を連れてくるようにしたのに失敗しちゃうし、糞おやじなんかあの女と侍女は始末してロレンツィオ様を生け捕りにしてやるって言ったのに逆に掴まっちゃうし。ホント使えないやつばっかり」
「ほぅ。貴様の望みはそのロレンツィオだったという事か」
「そうよ。私は正妻にはなれないけど純潔をくれるならロレンツィオ様の愛人にしてやるってお父様は言ったのに全然愛人にはなれないし、固くもないもので擦られても気持ちよくなかったんだから」
「どうする。中将。随分とご執心だが」
殴り殺したいと思う気持ちを抑えて、ロレンツィオはジョゼリーヌの元に歩く。
近寄ってくるロレンツィオに頬を染めるジョゼリーヌ。
背に腹は代えられない。何よりもセレティアから棘の鎖を抜かねばならないのだ。
「わかった。抱いて欲しいという頼みは確かに聞いた」
「ホントに?」
「あぁ、私はよく頼み事は聞く方なんだ」
「アはぁ‥‥もうイキそう…」
「術をかけた君が一番判っていると思うが時間はあまりない。確証が得られなければ私も動けない。今から私の屋敷に向かってもらい解呪をしてもらう」
「アハッ、お安い御用よ」
「ならば話は決まりだ」
先に退室したロレンツィオは屋敷に連絡用の烏を飛ばせてセレティアを本館に移すように指示をする。
馬に乗って多くの護衛兵がついた馬車に乗せられたジョゼリーヌは拘束魔法は解かれていないが小窓の外に見えるロレンツィオがまるで姫を守るように馬車の横を進むのを見てほくそ笑んだ。
本館の玄関から入ると家令が待っていた。小さく頷いたロレンツィオに返すように頷く。
「本日の侍女はラズベリーとチャイムでございます」
なるほどよく選んだなとロレンツィオは考えた。ラズベリーは日頃セレティアが起きた時に洗面をさせる係である。目覚める前からそっと部屋に入り、目覚めと同時に声をかけちゃんと起きればベッドの上で洗面をさせる。
そして得意なのは攻撃よりも守りで盾の名手と言われた父を持ち、瞬発力に優れたラズベリーは数回であればトレイで魔力を弾く事が出来る。
次にチャイムである。チャイムは主にセレティアの足回りを担当する侍女でヒールもであるが土いじりをするセレティアが動きやすく作業用の靴などを選んで履かせる。
得意なのは多角攻撃である。森の中なら木を横跳びしながら土に足をつけずに進み、部屋の中なら天井や壁をまるで床のように踏みしめて最後は突きで相手を仕留める。
本来であれば客を迎える一番豪華な客室であるが、急ぎの知らせに使用人達は夫婦の寝所からゆっくりとセレティアを本館の客室まで運び、いかにも通常使っているようにクローゼットなどにもドレスを詰め込む。
引き出しにも書類を丁寧にいれ、化粧台にも化粧品を並べる。
宝飾品の箱にも青系統の宝石を並べ、日頃からセレティアが使っていると見せかけた。
扉を開けると奥の寝台に静かに寝ているセレティアが見える。
思わず駆け寄って手を握り話しかけたい衝動を押えつつ、使用人を外に出し、侍女2人を寝台の横に配置する。扉の外には判定をする魔導士も控えている。
「えぇー。見られながらって興奮するぅ。侍女にも見られるの?」
「ちゃんと解呪出来たのが確認できれば所定の位置に付ける」
「なるほどね。ま、いいけど。で、これを解いてくれないと出来ないんだけど」
「これは失礼をした」
ロレンツィオが拘束魔法を解くと、腕を何度かグルグルと回し、ジョゼリーヌはセレティアの寝台に近寄っていく。ロレンツィオも侍女のラズベリー、チャイムも緊張が走る。
ジョゼリーヌはセレティアの胸元に手を翳すと詠唱を始めた。小さな魔法陣がその上をクルクルと舞い始める。
「くっ」っとセレティアの表情が歪む。あの夜苦しんでいた時のように眉をひそめ、指先がピクピクと手を握りたそうに小刻みに動いている。
ズルリと赤黒いモヤのような塊が詠唱をしているジョゼリーヌの手の中に吸い込まれていく。
詠唱する声がやみ、魔法陣が消えるとジョゼリーヌはニヤリと笑って「抜いたけど」と言う。
その声に扉の外に待機していた魔導士がゆっくりと丁寧にセレティアを視ていく。
「疑うなら、ロレンツィオ様も見ていいけど?その代わり…お口でもお願いね」
入れ替わる様にセレティアの元に行き、魔導士と一緒に再度丁寧に視ていく。
「良いようです」「そうだな」小さく声をかけ、侍女2人に目くばせをする。
ロレンツィオが振り向き、
「確かに解呪されている。礼を言うよ。ありがとう」
そう言うと同時に拘束魔法をジョゼリーヌに向けて放った!しかし咄嗟で意表を突かれつつも寸前で避けたジョゼリーヌは般若のような表情になる。
「騙したわね…ファイヤーストームッ!」
振りかざした手を振ると円弧を描くように炎が飛んでくる。向かった先はセレティアのベッドである。
ラズベリーは銀製の洗面器でそれを斜めに弾くとセレティアを抱えてベッドの逆側に転がり庇うように上に覆いかぶさった。
「チっ…ブリザードフローズン!」
壁に当たった氷が絵画を貫き、壁に穴が開く。チャイムは横っ飛びに壁を蹴り上げるとその反動でジョゼリーヌの頭部をめがけて先ずは蹴りを入れるが、またもや鼻先をかすめてしまう。
「鬱陶しいわねっ…ファイヤーストームッ!」
ベッドの方に飛んでいく円弧の炎にラズベリーはトレイをフリスビーのように投げる。
軌道上でトレイの側面に円弧の先があたった魔力は回転を始めて天井に突き刺さる。
カーテンに燃え移ってしまう炎を魔導士が水魔法で消火をするがジョゼリーヌは魔導士めがけて火魔法を投げつけた。
「チャイムッ!」
「はいよっ!」
セレティアに覆いかぶさっていたラズベリーは体を起こし、転がったトレイをチャイムに投げるとチャイムは壁を蹴り上げてトレイをオーバーヘッドキックし魔導士の前に飛んでくる火魔法を弾く。
攻撃が次々と侍女に跳ね返され、瞬間動きを止めたジョゼリーヌに蜘蛛の拘束魔法を展開しまた声帯に蜘蛛を陣取らせると転がったジョゼリーヌは声帯を押えられ、出ない声で必死に何かを叫ぶ。
転がるジョゼリーヌをロレンツィオは顔をつま先で蹴り上げる。吹き出る鼻血を押さえる事も出来ずもがくジョゼリーヌを見下ろし凍り付くような視線を浴びせる。
「お前の言う事は確かに聞いてやっただろう?頼み事はよく聞くからな。聞くだけとも言うが」
そういうと衛兵に連れて行けと指示を出し、セレティアの元に歩く。
覆いかぶさったラズベリーに上体を起こしてもらったがまだ目覚めてはいない。
しかし、頬に赤みがほんのりさしていて、手も指先はまだ冷たいが温もりを感じられた。
大事そうに頭に手を回し胸にその頬を付けると、別館までセレティアを横抱きにして歩く。
夫婦の寝所の寝台に寝かせて、乱れた髪をそっと指で横に流すと優しく微笑んだ。
「ごめんな。汚いところを見せてしまった。直ぐ帰るから」
そう言うとまた王宮に向かって馬を走らせた。
113
お気に入りに追加
4,872
あなたにおすすめの小説

出生の秘密は墓場まで
しゃーりん
恋愛
20歳で公爵になったエスメラルダには13歳離れた弟ザフィーロがいる。
だが実はザフィーロはエスメラルダが産んだ子。この事実を知っている者は墓場まで口を噤むことになっている。
ザフィーロに跡を継がせるつもりだったが、特殊な性癖があるのではないかという恐れから、もう一人子供を産むためにエスメラルダは25歳で結婚する。
3年後、出産したばかりのエスメラルダに自分の出生についてザフィーロが確認するというお話です。

政略結婚の指南書
編端みどり
恋愛
【完結しました。ありがとうございました】
貴族なのだから、政略結婚は当たり前。両親のように愛がなくても仕方ないと諦めて結婚式に臨んだマリア。母が持たせてくれたのは、政略結婚の指南書。夫に愛されなかった母は、指南書を頼りに自分の役目を果たし、マリア達を立派に育ててくれた。
母の背中を見て育ったマリアは、愛されなくても自分の役目を果たそうと覚悟を決めて嫁いだ。お相手は、女嫌いで有名な辺境伯。
愛されなくても良いと思っていたのに、マリアは結婚式で初めて会った夫に一目惚れしてしまう。
屈強な見た目で女性に怖がられる辺境伯も、小動物のようなマリアに一目惚れ。
惹かれ合うふたりを引き裂くように、結婚式直後に辺境伯は出陣する事になってしまう。
戻ってきた辺境伯は、上手く妻と距離を縮められない。みかねた使用人達の手配で、ふたりは視察という名のデートに赴く事に。そこで、事件に巻き込まれてしまい……
※R15は保険です
※別サイトにも掲載しています

一途な皇帝は心を閉ざした令嬢を望む
浅海 景
恋愛
幼い頃からの婚約者であった王太子より婚約解消を告げられたシャーロット。傷心の最中に心無い言葉を聞き、信じていたものが全て偽りだったと思い込み、絶望のあまり心を閉ざしてしまう。そんな中、帝国から皇帝との縁談がもたらされ、侯爵令嬢としての責任を果たすべく承諾する。
「もう誰も信じない。私はただ責務を果たすだけ」
一方、皇帝はシャーロットを愛していると告げると、言葉通りに溺愛してきてシャーロットの心を揺らす。
傷つくことに怯えて心を閉ざす令嬢と一途に想い続ける青年皇帝の物語
冤罪を受けたため、隣国へ亡命します
しろねこ。
恋愛
「お父様が投獄?!」
呼び出されたレナンとミューズは驚きに顔を真っ青にする。
「冤罪よ。でも事は一刻も争うわ。申し訳ないけど、今すぐ荷づくりをして頂戴。すぐにこの国を出るわ」
突如母から言われたのは生活を一変させる言葉だった。
友人、婚約者、国、屋敷、それまでの生活をすべて捨て、令嬢達は手を差し伸べてくれた隣国へと逃げる。
冤罪を晴らすため、奮闘していく。
同名主人公にて様々な話を書いています。
立場やシチュエーションを変えたりしていますが、他作品とリンクする場所も多々あります。
サブキャラについてはスピンオフ的に書いた話もあったりします。
変わった作風かと思いますが、楽しんで頂けたらと思います。
ハピエンが好きなので、最後は必ずそこに繋げます!
小説家になろうさん、カクヨムさんでも投稿中。

【完結】消された第二王女は隣国の王妃に熱望される
風子
恋愛
ブルボマーナ国の第二王女アリアンは絶世の美女だった。
しかし側妃の娘だと嫌われて、正妃とその娘の第一王女から虐げられていた。
そんな時、隣国から王太子がやって来た。
王太子ヴィルドルフは、アリアンの美しさに一目惚れをしてしまう。
すぐに婚約を結び、結婚の準備を進める為に帰国したヴィルドルフに、突然の婚約解消の連絡が入る。
アリアンが王宮を追放され、修道院に送られたと知らされた。
そして、新しい婚約者に第一王女のローズが決まったと聞かされるのである。
アリアンを諦めきれないヴィルドルフは、お忍びでアリアンを探しにブルボマーナに乗り込んだ。
そしてある夜、2人は運命の再会を果たすのである。
あなたの愛が正しいわ
来須みかん
恋愛
旧題:あなたの愛が正しいわ~夫が私の悪口を言っていたので理想の妻になってあげたのに、どうしてそんな顔をするの?~
夫と一緒に訪れた夜会で、夫が男友達に私の悪口を言っているのを聞いてしまった。そのことをきっかけに、私は夫の理想の妻になることを決める。それまで夫を心の底から愛して尽くしていたけど、それがうっとうしかったそうだ。夫に付きまとうのをやめた私は、生まれ変わったように清々しい気分になっていた。
一方、夫は妻の変化に戸惑い、誤解があったことに気がつき、自分の今までの酷い態度を謝ったが、妻は美しい笑みを浮かべてこういった。
「いいえ、間違っていたのは私のほう。あなたの愛が正しいわ」

【完結】あなたに抱きしめられたくてー。
彩華(あやはな)
恋愛
細い指が私の首を絞めた。泣く母の顔に、私は自分が生まれてきたことを後悔したー。
そして、母の言われるままに言われ孤児院にお世話になることになる。
やがて学園にいくことになるが、王子殿下にからまれるようになり・・・。
大きな秘密を抱えた私は、彼から逃げるのだった。
同時に母の事実も知ることになってゆく・・・。
*ヤバめの男あり。ヒーローの出現は遅め。
もやもや(いつもながら・・・)、ポロポロありになると思います。初めから重めです。
根暗令嬢の華麗なる転身
しろねこ。
恋愛
「来なきゃよかったな」
ミューズは茶会が嫌いだった。
茶会デビューを果たしたものの、人から不細工と言われたショックから笑顔になれず、しまいには根暗令嬢と陰で呼ばれるようになった。
公爵家の次女に産まれ、キレイな母と実直な父、優しい姉に囲まれ幸せに暮らしていた。
何不自由なく、暮らしていた。
家族からも愛されて育った。
それを壊したのは悪意ある言葉。
「あんな不細工な令嬢見たことない」
それなのに今回の茶会だけは断れなかった。
父から絶対に参加してほしいという言われた茶会は特別で、第一王子と第二王子が来るものだ。
婚約者選びのものとして。
国王直々の声掛けに娘思いの父も断れず…
応援して頂けると嬉しいです(*´ω`*)
ハピエン大好き、完全自己満、ご都合主義の作者による作品です。
同名主人公にてアナザーワールド的に別な作品も書いています。
立場や環境が違えども、幸せになって欲しいという思いで作品を書いています。
一部リンクしてるところもあり、他作品を見て頂ければよりキャラへの理解が深まって楽しいかと思います。
描写的なものに不安があるため、お気をつけ下さい。
ゆるりとお楽しみください。
こちら小説家になろうさん、カクヨムさんにも投稿させてもらっています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる