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王弟と公爵の罪と断罪
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王宮ではフィオランツがロレンツィオの到着を待ちわびていた。
隊列が見えると、急ぎ謁見の間に行きロレンツィオの入室を待った。
「陛下、只今戻りました」
「大儀であった。とんでもない物を捕まえたと報告があったが本当か」
「はい。私も見た時は思わず戸惑いましたが‥‥」
「噂の域を出ない話だと長年思っていたが、噂ではなかったという事か」
「そのようですね。心中お察しいたします」
「いや、思い入れもなにもないからそれは構わない」
ダンっと衛兵が槍を床に付け持ち替える音に2人は離れ、フィオランツは玉座に。ロレンツィオは臣下としての位置に並んで入室してくるものを待った。
先に入ってきたのはメデレーエフ王弟殿下。続いてジルクスマ公爵だった。
「兄上、これはいったい何の余興ですか。急ぎだと言うからあわてて登城すれば何時間も待たされ、臣下のように何故私がここに立たねばならんのです」
「メデレーエフ。非常に残念だがお前は先刻我の弟では無くなった。ここに連れてきたのは31年という間、弟だったという事実は消えぬ故に、引導を渡してやろうと思うてな」
「引導?なんの話です。もしそれが兄上のお心なのであれば目を覚まして頂きたいッ」
「黙れ。問う事に答えよ。隣におる者を知っておるか」
メデレーエフはチラリと横にいるジルクスマ公爵を見て、フっと笑う。
「ジルクスマ公爵です。我が国の3家ある1つの公爵家当主です」
隣にいるジルクスマ公爵はメデレーエフ王弟とこの場で立たされている事で全てを諦めている。
本来ならば壇上の陛下の近くに並ぶ者が自分の隣に立たされているという事は全てがバレているという事である。ここでどんなに足掻こうと証拠は揃っているという事である。
そして刺客に襲わせたはずの中将がかすり傷一つなく、隊服の汚れもなく立っているのは襲撃の失敗を示唆するものである。残っているのは聞かれれば全てを白状し慈悲を願う事のみだった。
「メデレーエフ。お遊びが過ぎたようだな。お前は欲をかきすぎた。あれを。」
フィオランツの言葉に幾つかの魔石が運び込まれる。
「どれでもいいぞ。1つ選べ。楽しい会話と映像が見られる魔石だ。1話から15話まである。選べないなら時系列にならんだこれらを1話から順に見せてやるが?」
「そ、そんなもの‥‥」
「仕方ない。一番の見せ場である11話を流してやってくれ。特別出演のゲストも出ているしな」
「特別‥‥まさかっ!」
「流してやれ」
従者が魔石を取り、魔術師に手渡すと、メデレーエフは「やめろ」と叫び出す。
しかし、謁見の間に聞こえるのはメデレーエフの叫び声だけである。
程なくして映像が先に流れ出す。寝台の上でメデレーエフと女性が行為に勤しんでいる様子が壁いっぱいに広がっていく。
「いいな…お前のナカはいつも最高だ。イクぞ‥‥出すぞ…」
映像とリンクした声が流れ始めるとかき消すかのようにメデレーエフが「とめろ!」「やめてくれ!」と更に叫んで暴れ出し衛兵に押さえつけられるが映像の中の女性の声に膝から崩れ落ちた。
「あぁっ‥‥お父様‥‥いくぅぅぅ」
暫くはメデレーエフが行為後に女性を寝台で髪を撫でたりキスをしていたが、服を着て退出する。ここで終わるかと思ったメデレーエフだったが、フィオランツは「ここからが見せ場だ」と告げる。
なんだ?という表情で壁に映し出された映像に顔をあげると画面の隅から出てきた男に驚愕する。
その男は隣にいるジルクスマ公爵。事も有ろうかジルクスマ公爵は寝台に横たわる女性を立たせ、股の間に顔をうずめると、先程メデレーエフが吐き出した精液を口で吸い取り、ペっと床に吐き出す。
それを繰り返していると立っていられなくなった女性を反転させて下半身を開放すると腰を打ちつけ出した。
女性の奇声が響く謁見の間で、メデレーエフは信じられないという顔から突然隣にいた男を殴りつけた。
頬を殴られたジルクスマ公爵はそのまま床に転がる。
映像が消え、静寂の中フィオランツが声を発する。
「鬼畜だな」
そういうと玉座を立ち上がり、杖をメデレーエフに向ける。
「お前が14の時に妙な噂があった。市井の女が孕んだという噂だ。数か月でその話は聞かなくなったが年のころから見て先程の女がお前の娘だろう。自分の娘に盛るとは鬼畜そのものだな。お前がこの王と言う立場を欲していたのは知っている。そのジルクスマが娘と愉しんでいる事も知らずにお前は最後まで踊らされたんだ」
「んぐっ…ふぐっ…」
「泣くな。見苦しい。お前にはほとほとに失望した。せめて娘が魔力持ちだと言ってくれればもっと立場も扱いも変わっただろうにな。そんな年若い娘相手に腰をふるような男につかずともそれなりの地位は確保してやったものを」
「‥‥」
言葉なく座り込んだメデレーエフと殴られ転がったままだったジルクスマは衛兵によって退室をする。
この先は絞首刑を待つだけとなる地下牢で数日を過ごすのみである。
ジルクスマ公爵家も同時に取り潰しとなり、夫人は既に成人した子であったが実家に戻った。
だが実家も受け入れを拒否。拒否された事で身分がなくなった母子は平民となった。
そして呪術師が入ってくる。
ロレンツィオの魔法により拘束された呪術師はローブを被っていない状態で引き出された。
「ほぅ…よく似ておる。ロレンツィオ、話が出来るようにしてやってくれ」
「承知いたしました」
声帯に巣食った蜘蛛を回収すると、ゴホゴホと少し咳きこんだが落ち着くと前を向きカーテシーを取る。
「名は何という」
「ジョゼリーヌです」
「そうか。メデレーエフはまもなく処刑となる。言いたい事は」
「特にないですね」
「ジルクスマも処刑となるが?言いたい事は?」
「糞おやじ」
「なるほどな。お前にはやってもらう事がある」
フィオランツの言葉に、ふふっと笑うとジョゼリーヌはロレンツィオを見る。
その視線は手慣れた娼婦のようにベロリと舐めるような淫靡な目線だった。
「棘の鎖を抜いて欲しいんでしょう?」
「話が早いな」
「条件があるわ。聞いてくれるなら抜くけど」
「条件?どんな条件だ。減刑か、金…といったところか」
「まさか。今更刑を減刑してもらって断頭台に立っても仕方ないし、金はあの世に持っていけないからいらないわ」
蜘蛛の拘束は解かれていないままでジョゼリーヌは不敵に笑った。
隊列が見えると、急ぎ謁見の間に行きロレンツィオの入室を待った。
「陛下、只今戻りました」
「大儀であった。とんでもない物を捕まえたと報告があったが本当か」
「はい。私も見た時は思わず戸惑いましたが‥‥」
「噂の域を出ない話だと長年思っていたが、噂ではなかったという事か」
「そのようですね。心中お察しいたします」
「いや、思い入れもなにもないからそれは構わない」
ダンっと衛兵が槍を床に付け持ち替える音に2人は離れ、フィオランツは玉座に。ロレンツィオは臣下としての位置に並んで入室してくるものを待った。
先に入ってきたのはメデレーエフ王弟殿下。続いてジルクスマ公爵だった。
「兄上、これはいったい何の余興ですか。急ぎだと言うからあわてて登城すれば何時間も待たされ、臣下のように何故私がここに立たねばならんのです」
「メデレーエフ。非常に残念だがお前は先刻我の弟では無くなった。ここに連れてきたのは31年という間、弟だったという事実は消えぬ故に、引導を渡してやろうと思うてな」
「引導?なんの話です。もしそれが兄上のお心なのであれば目を覚まして頂きたいッ」
「黙れ。問う事に答えよ。隣におる者を知っておるか」
メデレーエフはチラリと横にいるジルクスマ公爵を見て、フっと笑う。
「ジルクスマ公爵です。我が国の3家ある1つの公爵家当主です」
隣にいるジルクスマ公爵はメデレーエフ王弟とこの場で立たされている事で全てを諦めている。
本来ならば壇上の陛下の近くに並ぶ者が自分の隣に立たされているという事は全てがバレているという事である。ここでどんなに足掻こうと証拠は揃っているという事である。
そして刺客に襲わせたはずの中将がかすり傷一つなく、隊服の汚れもなく立っているのは襲撃の失敗を示唆するものである。残っているのは聞かれれば全てを白状し慈悲を願う事のみだった。
「メデレーエフ。お遊びが過ぎたようだな。お前は欲をかきすぎた。あれを。」
フィオランツの言葉に幾つかの魔石が運び込まれる。
「どれでもいいぞ。1つ選べ。楽しい会話と映像が見られる魔石だ。1話から15話まである。選べないなら時系列にならんだこれらを1話から順に見せてやるが?」
「そ、そんなもの‥‥」
「仕方ない。一番の見せ場である11話を流してやってくれ。特別出演のゲストも出ているしな」
「特別‥‥まさかっ!」
「流してやれ」
従者が魔石を取り、魔術師に手渡すと、メデレーエフは「やめろ」と叫び出す。
しかし、謁見の間に聞こえるのはメデレーエフの叫び声だけである。
程なくして映像が先に流れ出す。寝台の上でメデレーエフと女性が行為に勤しんでいる様子が壁いっぱいに広がっていく。
「いいな…お前のナカはいつも最高だ。イクぞ‥‥出すぞ…」
映像とリンクした声が流れ始めるとかき消すかのようにメデレーエフが「とめろ!」「やめてくれ!」と更に叫んで暴れ出し衛兵に押さえつけられるが映像の中の女性の声に膝から崩れ落ちた。
「あぁっ‥‥お父様‥‥いくぅぅぅ」
暫くはメデレーエフが行為後に女性を寝台で髪を撫でたりキスをしていたが、服を着て退出する。ここで終わるかと思ったメデレーエフだったが、フィオランツは「ここからが見せ場だ」と告げる。
なんだ?という表情で壁に映し出された映像に顔をあげると画面の隅から出てきた男に驚愕する。
その男は隣にいるジルクスマ公爵。事も有ろうかジルクスマ公爵は寝台に横たわる女性を立たせ、股の間に顔をうずめると、先程メデレーエフが吐き出した精液を口で吸い取り、ペっと床に吐き出す。
それを繰り返していると立っていられなくなった女性を反転させて下半身を開放すると腰を打ちつけ出した。
女性の奇声が響く謁見の間で、メデレーエフは信じられないという顔から突然隣にいた男を殴りつけた。
頬を殴られたジルクスマ公爵はそのまま床に転がる。
映像が消え、静寂の中フィオランツが声を発する。
「鬼畜だな」
そういうと玉座を立ち上がり、杖をメデレーエフに向ける。
「お前が14の時に妙な噂があった。市井の女が孕んだという噂だ。数か月でその話は聞かなくなったが年のころから見て先程の女がお前の娘だろう。自分の娘に盛るとは鬼畜そのものだな。お前がこの王と言う立場を欲していたのは知っている。そのジルクスマが娘と愉しんでいる事も知らずにお前は最後まで踊らされたんだ」
「んぐっ…ふぐっ…」
「泣くな。見苦しい。お前にはほとほとに失望した。せめて娘が魔力持ちだと言ってくれればもっと立場も扱いも変わっただろうにな。そんな年若い娘相手に腰をふるような男につかずともそれなりの地位は確保してやったものを」
「‥‥」
言葉なく座り込んだメデレーエフと殴られ転がったままだったジルクスマは衛兵によって退室をする。
この先は絞首刑を待つだけとなる地下牢で数日を過ごすのみである。
ジルクスマ公爵家も同時に取り潰しとなり、夫人は既に成人した子であったが実家に戻った。
だが実家も受け入れを拒否。拒否された事で身分がなくなった母子は平民となった。
そして呪術師が入ってくる。
ロレンツィオの魔法により拘束された呪術師はローブを被っていない状態で引き出された。
「ほぅ…よく似ておる。ロレンツィオ、話が出来るようにしてやってくれ」
「承知いたしました」
声帯に巣食った蜘蛛を回収すると、ゴホゴホと少し咳きこんだが落ち着くと前を向きカーテシーを取る。
「名は何という」
「ジョゼリーヌです」
「そうか。メデレーエフはまもなく処刑となる。言いたい事は」
「特にないですね」
「ジルクスマも処刑となるが?言いたい事は?」
「糞おやじ」
「なるほどな。お前にはやってもらう事がある」
フィオランツの言葉に、ふふっと笑うとジョゼリーヌはロレンツィオを見る。
その視線は手慣れた娼婦のようにベロリと舐めるような淫靡な目線だった。
「棘の鎖を抜いて欲しいんでしょう?」
「話が早いな」
「条件があるわ。聞いてくれるなら抜くけど」
「条件?どんな条件だ。減刑か、金…といったところか」
「まさか。今更刑を減刑してもらって断頭台に立っても仕方ないし、金はあの世に持っていけないからいらないわ」
蜘蛛の拘束は解かれていないままでジョゼリーヌは不敵に笑った。
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