27 / 40
アルマ―侯爵
しおりを挟む
「棘の鎖だと?!」
深夜の2時にも関わらず、叩き起こされたフィオランツはたいそう機嫌が悪かったが、ロレンツィオからその言葉を聞くと目が覚めただけでなく、怒りのオーラを纏わせる。
唯一の治癒魔法使いであるフィオランツは幼い異母であるが弟妹をこの棘の鎖で亡くしている。
良かれと思った己の治癒魔法で数分のうちにもがき苦しんで死んでいった弟妹は4人いる。
一番可愛がっていた第4側妃の産んだ王子は5歳で兄上と縋り泣きながら血を吐き亡くなった。
「メデレーエフか」
「おそらくは。ですが現時点で諜報からの報告はありません。ジルクスマ公爵家から茶会の誘いの手紙があり、そこに胞子が仕掛けられていたと思います。探査魔法は感知できましたがそれで覆われていたと思います」
「奥方はどうだ。何もなかった…らこの時間に来るはずはないな」
「私の失態です。防御魔法を施してしまいました」
「だがまだ生きておるのだろう」
「心臓の手前ですので…いくばくもなく…しかしっ」
「言いたい事は判っている。勅命を出す。だがそれには確たる証拠が必要だ。今は状況証拠しかない上に、カルローディアに接触はまだないだろう。ジルクスマ公爵家も残っているのが探査魔法だけでは禁呪でもない上に、読んでもらえたかどうかの確認だと言われればそれまでだ」
「禁呪使いを呼ぶか…」
国王フィオランツは宰相を呼び、魔法省に保管されている魔力持ちについての報告書を全て提出するように指示をすると、アルマ―侯爵を呼ぶように告げる。
親族全てが血の誓約魔法で王家に絶対の忠誠を誓っている諜報部隊の本家でもあるアルマ―家の当主は1時間もしないうちに登城してくるだろう。
「まだ2か月にもならんだろう」
「はい…」
「子はどうだ。公爵はえらく喜んでおったが」
「子は‥‥まだ。私は待つつもりですので」
「待つ?何を?子を待つのか?腹に出来てもしばらくはかかるぞ」
「いえ、彼女の気持ちが私に向くのを待っております」
「まさかと思うが‥‥まだ…とか言うなよ?」
「そのまさかです」
ポロリと持っていた書類の束を落としてしまうほどフィオランツは驚く。
気持ちが判らんでもないと思ったが2カ月ほど手を出してない目の前の男が信じられない。
確かにフィオランツも唯一無二と望んだエカチェリーナとの初夜は失敗をした。好きすぎて勃たなかったのである。1週間ほどは触れるのも恐る恐るだったが、それでも一度繋がれば抑えが効かなかった。
確かにロレンツィオが望んだセレティアには余りにも置かれた境遇が特殊過ぎた。
物の様にギスティール王国に来た後、1カ月後には父親が殺されてしまう。
フィオランツはクラウドの事までは知らなかったが、手を出せなくても不思議ではないなと妙な小細工をしてまで妻としての立場を守ってやろうとした男を少しだけ羨ましいと思った。
エカチェリーナの事は心から愛してはいるが、自分とはまた違う深すぎる愛を持つ男が少し羨ましかった。
「陛下、お待たせいたしました」
まだ深夜の3時前だというのに突然の呼び出しにも嫌な顔をせずに1人の男が現れる。
アルマ―侯爵家の当主である。取り分けて目立つような顔つきでもなく、背格好も中肉中背。
何処にでもいるような男で印象に残りにくいというのがロレンツィオの感想である。
だが、それは一番の特徴とも言ってよいだろう。ロレンツィオの抱える諜報部隊もその様な者が多い。
対象者の印象に残ったりするようでは役に立たない。「いたような気がする」「似ている気がする」そんな曖昧な印象しか持たれない事が何よりなのだ。
裏を返せばそんな男が一番懐に入りやすく、危険だとも言える。
「アルマ―。突然にすまない。1つ目メデレーエフについて。2つ目ジルクスマ公爵家について。3つ目禁呪についての使い手についてが知りたい」
「陛下、3つでよろしいのですか?いえ、陛下は介さず…でしょうか」
「アルマ―。何かあるのか」
「いえ、借りを作りたくないのは判りますが、わたくしとしてはこの中将閣下に貸しを作りたいのです」
ニヤリと口元に笑みを浮かべるアルマ―侯爵はロレンツィオの顔を見て貸しを作りたいと言う。
ギっと睨みつけるが、流されてしまう。
「わたくしは陛下いえ、王家との血の誓約をした者。陛下の命とあらばこの身に変えてもご要望ににはお応えしたい。そして、同時に有能である者とはパイプを繋ぎたい。それだけです」
「なるほど。アルマ―侯爵は私を有望だと?買い被りではないか」
「いえ、ご謙遜を。フッフッフ」
「アルマ―。中将とのやり取りは自由にすればよいが、まずは3つ。行けそうか」
「陛下、我が家は建国よりの忠実な臣下。常に打てば響くを心がけております。調べるまでもなく」
座っても良いかとフィオランツに許可を求めたアルマ―侯爵は椅子に腰を下ろすとフィオランツから提示された案件について説明を始める。
「3つの事項は関連しておりますので、それはお含みください。
まずメデレーエフ王弟殿下とジルクスマ公爵家には繫がりがございます。ハンザで発見された鉱脈を巡り利権をジルクスマ公爵家が持つことで後ろ盾となってメデレーエフ王弟殿下を担ぎ上げ、陛下と玉座を入れ替わる。その際、単に後ろ盾だけでは弱いとカルローディア侯爵を取り込み、王妃を断罪する事に当初の計画は進んでおりました。ここまではおそらくご承知かと存じます。
が、ここにきてカルローディア侯爵が豹変致しました。際どい取引から一切手を引き、既に侯爵領の一部は教皇側に払い下げなどをしており、その代金を寄付すると言う事で王妃の実家の評判は右肩上がり。
侯爵家は既に所有していた土地のほぼ全てを教皇側に払い下げて、残っている使用人も少数。爵位を返上し猫の額ほどしかない地へ引きこもると専らの噂、いえ真実でしょう
次にハンザで彼らには面倒な事が起こっております。シーガル侯爵、エイレル侯爵が暗殺をされた件で旧騎士団が動き、その拠点が鉱脈のある地に移されました。陣頭に立っているのは新しく爵位を継いだシーガル侯爵令息。現時点ではシーガル侯爵となっております。
ギスティール王国に反旗を翻す心づもりはなく、公平な統治を求め間もなく陛下に直訴に上がるでしょう。
面倒だと彼らが思ったのは、シーガル侯爵は肝心な地の統治をカルローディア侯爵に指名をしようとしている点です。既に領地のほとんどを払下げ、寄付しているカルローディア侯爵は呼び寄せやすい。
だが、そうなってしまえば王妃の実家がとてつもない資産を抱えるわけです。
真意は定かではありませんがカルローディア侯爵は不能と考えられております。御年29歳。離婚歴も2回ありますが子がおりません。白い結婚でもなかったとの事ですから、そうなれば後継者問題が出てくる。唯一の姉は王妃。そのお子はハンザの統治にするには年若い。送ったとしても後見人として不仲のメデレーエフ王弟殿下を陛下が指名する事はない。消去法で身軽に動ける上に配置する事で近隣諸国への威嚇となる中将。あなたが後見人となるとしても、統治する領主となるとしても筆頭となる」
「なるほどな。当たらずしも遠からずか…だが俺が懐刀を手放すと思ったのが解せぬ」
「その懐刀に最近、アキレス腱が出来たでしょう」
「えっ?セレティアが?何故」
「簡単です。ハンザは奥方の故郷。貢物としてこの国に送られましたが中将閣下。あなたが陛下に直訴してまで望んだ褒賞である事は周知の事実。その奥方の故郷となれば陛下も送り出すと考えたのでしょう。
ですから‥‥陛下の言う3つ目です。禁呪を使い奥方を亡き者とすれば中将閣下はギスティールから動くという選択肢が消える。今まで弱点がなかった貴方ですからね」
「裏の書き合いか‥‥」
フィオランツは唸った。
深夜の2時にも関わらず、叩き起こされたフィオランツはたいそう機嫌が悪かったが、ロレンツィオからその言葉を聞くと目が覚めただけでなく、怒りのオーラを纏わせる。
唯一の治癒魔法使いであるフィオランツは幼い異母であるが弟妹をこの棘の鎖で亡くしている。
良かれと思った己の治癒魔法で数分のうちにもがき苦しんで死んでいった弟妹は4人いる。
一番可愛がっていた第4側妃の産んだ王子は5歳で兄上と縋り泣きながら血を吐き亡くなった。
「メデレーエフか」
「おそらくは。ですが現時点で諜報からの報告はありません。ジルクスマ公爵家から茶会の誘いの手紙があり、そこに胞子が仕掛けられていたと思います。探査魔法は感知できましたがそれで覆われていたと思います」
「奥方はどうだ。何もなかった…らこの時間に来るはずはないな」
「私の失態です。防御魔法を施してしまいました」
「だがまだ生きておるのだろう」
「心臓の手前ですので…いくばくもなく…しかしっ」
「言いたい事は判っている。勅命を出す。だがそれには確たる証拠が必要だ。今は状況証拠しかない上に、カルローディアに接触はまだないだろう。ジルクスマ公爵家も残っているのが探査魔法だけでは禁呪でもない上に、読んでもらえたかどうかの確認だと言われればそれまでだ」
「禁呪使いを呼ぶか…」
国王フィオランツは宰相を呼び、魔法省に保管されている魔力持ちについての報告書を全て提出するように指示をすると、アルマ―侯爵を呼ぶように告げる。
親族全てが血の誓約魔法で王家に絶対の忠誠を誓っている諜報部隊の本家でもあるアルマ―家の当主は1時間もしないうちに登城してくるだろう。
「まだ2か月にもならんだろう」
「はい…」
「子はどうだ。公爵はえらく喜んでおったが」
「子は‥‥まだ。私は待つつもりですので」
「待つ?何を?子を待つのか?腹に出来てもしばらくはかかるぞ」
「いえ、彼女の気持ちが私に向くのを待っております」
「まさかと思うが‥‥まだ…とか言うなよ?」
「そのまさかです」
ポロリと持っていた書類の束を落としてしまうほどフィオランツは驚く。
気持ちが判らんでもないと思ったが2カ月ほど手を出してない目の前の男が信じられない。
確かにフィオランツも唯一無二と望んだエカチェリーナとの初夜は失敗をした。好きすぎて勃たなかったのである。1週間ほどは触れるのも恐る恐るだったが、それでも一度繋がれば抑えが効かなかった。
確かにロレンツィオが望んだセレティアには余りにも置かれた境遇が特殊過ぎた。
物の様にギスティール王国に来た後、1カ月後には父親が殺されてしまう。
フィオランツはクラウドの事までは知らなかったが、手を出せなくても不思議ではないなと妙な小細工をしてまで妻としての立場を守ってやろうとした男を少しだけ羨ましいと思った。
エカチェリーナの事は心から愛してはいるが、自分とはまた違う深すぎる愛を持つ男が少し羨ましかった。
「陛下、お待たせいたしました」
まだ深夜の3時前だというのに突然の呼び出しにも嫌な顔をせずに1人の男が現れる。
アルマ―侯爵家の当主である。取り分けて目立つような顔つきでもなく、背格好も中肉中背。
何処にでもいるような男で印象に残りにくいというのがロレンツィオの感想である。
だが、それは一番の特徴とも言ってよいだろう。ロレンツィオの抱える諜報部隊もその様な者が多い。
対象者の印象に残ったりするようでは役に立たない。「いたような気がする」「似ている気がする」そんな曖昧な印象しか持たれない事が何よりなのだ。
裏を返せばそんな男が一番懐に入りやすく、危険だとも言える。
「アルマ―。突然にすまない。1つ目メデレーエフについて。2つ目ジルクスマ公爵家について。3つ目禁呪についての使い手についてが知りたい」
「陛下、3つでよろしいのですか?いえ、陛下は介さず…でしょうか」
「アルマ―。何かあるのか」
「いえ、借りを作りたくないのは判りますが、わたくしとしてはこの中将閣下に貸しを作りたいのです」
ニヤリと口元に笑みを浮かべるアルマ―侯爵はロレンツィオの顔を見て貸しを作りたいと言う。
ギっと睨みつけるが、流されてしまう。
「わたくしは陛下いえ、王家との血の誓約をした者。陛下の命とあらばこの身に変えてもご要望ににはお応えしたい。そして、同時に有能である者とはパイプを繋ぎたい。それだけです」
「なるほど。アルマ―侯爵は私を有望だと?買い被りではないか」
「いえ、ご謙遜を。フッフッフ」
「アルマ―。中将とのやり取りは自由にすればよいが、まずは3つ。行けそうか」
「陛下、我が家は建国よりの忠実な臣下。常に打てば響くを心がけております。調べるまでもなく」
座っても良いかとフィオランツに許可を求めたアルマ―侯爵は椅子に腰を下ろすとフィオランツから提示された案件について説明を始める。
「3つの事項は関連しておりますので、それはお含みください。
まずメデレーエフ王弟殿下とジルクスマ公爵家には繫がりがございます。ハンザで発見された鉱脈を巡り利権をジルクスマ公爵家が持つことで後ろ盾となってメデレーエフ王弟殿下を担ぎ上げ、陛下と玉座を入れ替わる。その際、単に後ろ盾だけでは弱いとカルローディア侯爵を取り込み、王妃を断罪する事に当初の計画は進んでおりました。ここまではおそらくご承知かと存じます。
が、ここにきてカルローディア侯爵が豹変致しました。際どい取引から一切手を引き、既に侯爵領の一部は教皇側に払い下げなどをしており、その代金を寄付すると言う事で王妃の実家の評判は右肩上がり。
侯爵家は既に所有していた土地のほぼ全てを教皇側に払い下げて、残っている使用人も少数。爵位を返上し猫の額ほどしかない地へ引きこもると専らの噂、いえ真実でしょう
次にハンザで彼らには面倒な事が起こっております。シーガル侯爵、エイレル侯爵が暗殺をされた件で旧騎士団が動き、その拠点が鉱脈のある地に移されました。陣頭に立っているのは新しく爵位を継いだシーガル侯爵令息。現時点ではシーガル侯爵となっております。
ギスティール王国に反旗を翻す心づもりはなく、公平な統治を求め間もなく陛下に直訴に上がるでしょう。
面倒だと彼らが思ったのは、シーガル侯爵は肝心な地の統治をカルローディア侯爵に指名をしようとしている点です。既に領地のほとんどを払下げ、寄付しているカルローディア侯爵は呼び寄せやすい。
だが、そうなってしまえば王妃の実家がとてつもない資産を抱えるわけです。
真意は定かではありませんがカルローディア侯爵は不能と考えられております。御年29歳。離婚歴も2回ありますが子がおりません。白い結婚でもなかったとの事ですから、そうなれば後継者問題が出てくる。唯一の姉は王妃。そのお子はハンザの統治にするには年若い。送ったとしても後見人として不仲のメデレーエフ王弟殿下を陛下が指名する事はない。消去法で身軽に動ける上に配置する事で近隣諸国への威嚇となる中将。あなたが後見人となるとしても、統治する領主となるとしても筆頭となる」
「なるほどな。当たらずしも遠からずか…だが俺が懐刀を手放すと思ったのが解せぬ」
「その懐刀に最近、アキレス腱が出来たでしょう」
「えっ?セレティアが?何故」
「簡単です。ハンザは奥方の故郷。貢物としてこの国に送られましたが中将閣下。あなたが陛下に直訴してまで望んだ褒賞である事は周知の事実。その奥方の故郷となれば陛下も送り出すと考えたのでしょう。
ですから‥‥陛下の言う3つ目です。禁呪を使い奥方を亡き者とすれば中将閣下はギスティールから動くという選択肢が消える。今まで弱点がなかった貴方ですからね」
「裏の書き合いか‥‥」
フィオランツは唸った。
112
お気に入りに追加
4,872
あなたにおすすめの小説

出生の秘密は墓場まで
しゃーりん
恋愛
20歳で公爵になったエスメラルダには13歳離れた弟ザフィーロがいる。
だが実はザフィーロはエスメラルダが産んだ子。この事実を知っている者は墓場まで口を噤むことになっている。
ザフィーロに跡を継がせるつもりだったが、特殊な性癖があるのではないかという恐れから、もう一人子供を産むためにエスメラルダは25歳で結婚する。
3年後、出産したばかりのエスメラルダに自分の出生についてザフィーロが確認するというお話です。

政略結婚の指南書
編端みどり
恋愛
【完結しました。ありがとうございました】
貴族なのだから、政略結婚は当たり前。両親のように愛がなくても仕方ないと諦めて結婚式に臨んだマリア。母が持たせてくれたのは、政略結婚の指南書。夫に愛されなかった母は、指南書を頼りに自分の役目を果たし、マリア達を立派に育ててくれた。
母の背中を見て育ったマリアは、愛されなくても自分の役目を果たそうと覚悟を決めて嫁いだ。お相手は、女嫌いで有名な辺境伯。
愛されなくても良いと思っていたのに、マリアは結婚式で初めて会った夫に一目惚れしてしまう。
屈強な見た目で女性に怖がられる辺境伯も、小動物のようなマリアに一目惚れ。
惹かれ合うふたりを引き裂くように、結婚式直後に辺境伯は出陣する事になってしまう。
戻ってきた辺境伯は、上手く妻と距離を縮められない。みかねた使用人達の手配で、ふたりは視察という名のデートに赴く事に。そこで、事件に巻き込まれてしまい……
※R15は保険です
※別サイトにも掲載しています

一途な皇帝は心を閉ざした令嬢を望む
浅海 景
恋愛
幼い頃からの婚約者であった王太子より婚約解消を告げられたシャーロット。傷心の最中に心無い言葉を聞き、信じていたものが全て偽りだったと思い込み、絶望のあまり心を閉ざしてしまう。そんな中、帝国から皇帝との縁談がもたらされ、侯爵令嬢としての責任を果たすべく承諾する。
「もう誰も信じない。私はただ責務を果たすだけ」
一方、皇帝はシャーロットを愛していると告げると、言葉通りに溺愛してきてシャーロットの心を揺らす。
傷つくことに怯えて心を閉ざす令嬢と一途に想い続ける青年皇帝の物語
冤罪を受けたため、隣国へ亡命します
しろねこ。
恋愛
「お父様が投獄?!」
呼び出されたレナンとミューズは驚きに顔を真っ青にする。
「冤罪よ。でも事は一刻も争うわ。申し訳ないけど、今すぐ荷づくりをして頂戴。すぐにこの国を出るわ」
突如母から言われたのは生活を一変させる言葉だった。
友人、婚約者、国、屋敷、それまでの生活をすべて捨て、令嬢達は手を差し伸べてくれた隣国へと逃げる。
冤罪を晴らすため、奮闘していく。
同名主人公にて様々な話を書いています。
立場やシチュエーションを変えたりしていますが、他作品とリンクする場所も多々あります。
サブキャラについてはスピンオフ的に書いた話もあったりします。
変わった作風かと思いますが、楽しんで頂けたらと思います。
ハピエンが好きなので、最後は必ずそこに繋げます!
小説家になろうさん、カクヨムさんでも投稿中。

【完結】消された第二王女は隣国の王妃に熱望される
風子
恋愛
ブルボマーナ国の第二王女アリアンは絶世の美女だった。
しかし側妃の娘だと嫌われて、正妃とその娘の第一王女から虐げられていた。
そんな時、隣国から王太子がやって来た。
王太子ヴィルドルフは、アリアンの美しさに一目惚れをしてしまう。
すぐに婚約を結び、結婚の準備を進める為に帰国したヴィルドルフに、突然の婚約解消の連絡が入る。
アリアンが王宮を追放され、修道院に送られたと知らされた。
そして、新しい婚約者に第一王女のローズが決まったと聞かされるのである。
アリアンを諦めきれないヴィルドルフは、お忍びでアリアンを探しにブルボマーナに乗り込んだ。
そしてある夜、2人は運命の再会を果たすのである。
あなたの愛が正しいわ
来須みかん
恋愛
旧題:あなたの愛が正しいわ~夫が私の悪口を言っていたので理想の妻になってあげたのに、どうしてそんな顔をするの?~
夫と一緒に訪れた夜会で、夫が男友達に私の悪口を言っているのを聞いてしまった。そのことをきっかけに、私は夫の理想の妻になることを決める。それまで夫を心の底から愛して尽くしていたけど、それがうっとうしかったそうだ。夫に付きまとうのをやめた私は、生まれ変わったように清々しい気分になっていた。
一方、夫は妻の変化に戸惑い、誤解があったことに気がつき、自分の今までの酷い態度を謝ったが、妻は美しい笑みを浮かべてこういった。
「いいえ、間違っていたのは私のほう。あなたの愛が正しいわ」

【完結】あなたに抱きしめられたくてー。
彩華(あやはな)
恋愛
細い指が私の首を絞めた。泣く母の顔に、私は自分が生まれてきたことを後悔したー。
そして、母の言われるままに言われ孤児院にお世話になることになる。
やがて学園にいくことになるが、王子殿下にからまれるようになり・・・。
大きな秘密を抱えた私は、彼から逃げるのだった。
同時に母の事実も知ることになってゆく・・・。
*ヤバめの男あり。ヒーローの出現は遅め。
もやもや(いつもながら・・・)、ポロポロありになると思います。初めから重めです。
根暗令嬢の華麗なる転身
しろねこ。
恋愛
「来なきゃよかったな」
ミューズは茶会が嫌いだった。
茶会デビューを果たしたものの、人から不細工と言われたショックから笑顔になれず、しまいには根暗令嬢と陰で呼ばれるようになった。
公爵家の次女に産まれ、キレイな母と実直な父、優しい姉に囲まれ幸せに暮らしていた。
何不自由なく、暮らしていた。
家族からも愛されて育った。
それを壊したのは悪意ある言葉。
「あんな不細工な令嬢見たことない」
それなのに今回の茶会だけは断れなかった。
父から絶対に参加してほしいという言われた茶会は特別で、第一王子と第二王子が来るものだ。
婚約者選びのものとして。
国王直々の声掛けに娘思いの父も断れず…
応援して頂けると嬉しいです(*´ω`*)
ハピエン大好き、完全自己満、ご都合主義の作者による作品です。
同名主人公にてアナザーワールド的に別な作品も書いています。
立場や環境が違えども、幸せになって欲しいという思いで作品を書いています。
一部リンクしてるところもあり、他作品を見て頂ければよりキャラへの理解が深まって楽しいかと思います。
描写的なものに不安があるため、お気をつけ下さい。
ゆるりとお楽しみください。
こちら小説家になろうさん、カクヨムさんにも投稿させてもらっています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる