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父の死
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「大丈夫でございますか?無理をして食べられたのでは…」
「いや、違う。その‥‥嬉しくて…」
「菓子を食べられたことがなかったのですか?」
「そう言う訳ではないが‥‥とても美味かった。また食べたい」
「菓子は日持ちをするものですので明日も食べられますよ」
やっとソファに腰を掛けたものの、セレティアが隣で冷たいタオルをあてるものだからさらに頬が紅潮してしまう。初日の馬車の様に、名前を連呼されながら隣で微かに動くたびに鼻腔を擽る甘い香り。
自分は絶対に聖職者にはなれないと心から思うロレンツィオ。
「ツィオ様、お願いがあります」
「お願い?セティの頼みなら何でも聞くが…ドレスが欲しいのか?」
「いいえ。モップでミルクワックスをさせてくださいませ」
「へっ?」
「ですから、モップで床をミルクワックスしたいのです。わたくしがモップでこういう感じに」
手でモップを持って床を磨く真似をするセレティアを見てロレンツィオは瞬きが止まらなくなった。
「セ。セティがそんな事をしなくてもいいんだ。使用人にさせればいい」
「お願いでございます。ツィオ様のお部屋には入りません」
「いや。はいって貰っても全然構わないんだけど、手が汚れるだろう?」
「汚れれば洗えばいいのです。使用人さん達に交じってミルクワックスがしたいのです」
「いや、でもなぁ…セティは夫人なわけで…」
「やはり‥‥ダメですわね(シュン)」
「そ、そう言う訳じゃ…あぁもうっ‥‥判った。やっていい。でもちょっとだよ?」
「本当ですか?!嬉しいッ!」
(うわぁ…もうそんな笑顔で…可愛いけど…可愛いんだけどッ!)
「本当にちょっとだけだよ?手が荒れるようなのはダメだからね」
「大丈夫です。手は元々荒れておりましたが今はすっかり良くなりました」
「えっ?ならダメじゃないか。良くなったなら掃除なんて」
「大丈夫です。わたくしお掃除は得意ではないのですが好きなんです」
――好きなんです‥‥好きなんです――
都合の良い部分だけが頭の中で反復してしまうロレンツィオ。
いかんいかんと首をフルフルとすると。
「それから、ツィオ様はもうすぐご出仕されますからお昼にお弁当を作りたいのです。シェフさんには補助を頂きますがわたくしが作っても宜しいですか?」
包丁で何かを切る真似をしながら首をコテンと傾げてロレンツィオを見る。
「フォゴッ」っと口元を押えて思わず横を向いてしまう。心臓が早鐘を打つのは気のせいだと言い聞かせる。
「お弁当は使用人さんに頼んで王宮に持って行ってもらいますが、わたくしがお届けに上がった方がよろしいでしょうか?」
「はっ?いや、それはダメだ。絶対に。ダメ!絶対!」
「馬車も酔いませんし大丈夫だと思いますが…」
「いや、王宮はすごく危険な所なんだ。間違いなくセティを視界に入れた男たちが…いやそれは許せない。セティを視界に入れる事など国家反逆罪に問うてもいいくらいだ」
「では、使用人さんに持って行って頂くと言う事に致しましょう」
「えっ…ちょっと待て。弁当と言っても…刃物を持つのはダメだ」
「ツィオ様。お願いでございます。わたくしに作らせてくださいませ」
「それは良いんだ。むしろウェルカム・イン・ザ・大歓迎。でも…」
「補助の補助は嫌なんです。見ているだけは辛いのです」
上目使いでお願いと至近距離で言われて、ダメだと言えるほどロレンツィオには経験がない。
まして好きで好きで堪らないセレティアのお願いである。無体な事を頼んでいるわけでも贅沢をしたいと言ってるわけでもない。ロレンツィオの昼食を作りたいとなんとありがたい申し出なのか!
「わかった。絶対に無茶と無理をしないと言うのならセティが好きなように作っていいよ」
「ありがとうございます!わたくし頑張ります」
許しを出すと喜ぶセレティアを見て揺らいでいた決心がさらに揺らぐ。
いつかは伝えねばならない。特にこのような事(身内の死亡)は傷の深さは同じでも治癒するに一番の薬は「時」なのである。今までも嫌と言うほど部下の死亡をその家族に伝えてきた経験がそうしろと訴える。
「セティ。大事な話があるんだ。部屋に行こうか」
その声に家令は姿勢を直し、使用人達も水を打ったように居並ぶ。
なんだろうかと思いつつも周りの雰囲気から良い事ではなさそうだとセレティアは感じる。
「ツィオ様。ここで構いません。もしかするとその話で皆さんに助けて頂かねばならない事もあるでしょうから。機密に関する事でしたらお部屋で伺いますが、そうでないならここでお願いいたします」
周りを見ると、セレティアに付けた専属侍女15名は全員が壁際に揃って立っている。
家令も執事も小さくロレンツィオに頷いた。
セレティアとソファに並んで腰かけていたロレンツィオは体を捻りセレティアと向き合う。
「セティ。手に触れても?」
「えっ?…あ、はい…どうぞ」
「僕は事実だけをちゃんと伝えるがそれは良い知らせだけではない」
「承知しております」
「何があっても、僕は君を守るし全てを受け止めるから、そこは安心していい」
「ありがとうございます」
そっとセレティアの手をロレンツィオは両手で優しく握る。
少しの間だけ目を閉じて、小さく息を吸い込み目を開ける。
「昨夜、エイレル侯爵が亡くなられた。そして今朝、シーガル侯爵も亡くなられた」
握った手がピクリと動くと続いて小さく震えだす。しかしセレティアの目はロレンツィオから逸らされず次の言葉を待っている。
「葬儀には参列させてあげられないが、時期を見てセティをハンザに連れて行く。それから賊は既に捕縛されている。全容が明らかになるのは少し先になるが全てを伝えるようにする」
「‥‥はい‥‥判りました」
「泣いても良いんだ。誰も何も言わないし怒ったりもしない」
「いいえ。王宮で父と別れた日から死に目には会えない事は判っておりました。ただ…」
「ただ?」
「出来れば…母と同じ墓地に埋葬をして頂ければと」
「わかった。必ずその願いは叶えよう」
「ありがとうご‥‥います‥」
そう言って頭を下げたセレティアだが、握ったロレンツィオの手の甲にポタリと雫が落ちる。
小さく肩を震わせ、声を押し殺しても、雫は1滴、また1滴と手の甲を濡らしていく。
「セティ、いやセレティア。こんな時は声を挙げて泣いても良いんだ。叫んだっていいんだよ。聞かれたくないなら僕は耳を塞ぐし、泣いている姿を見られたくないのなら胸を貸すよ。腕で隠すから誰にも見えない」
「ううっ‥‥ングッ…っっ‥‥」
手を解いてセレティアの頭に手をやると、自分の胸に押し当てる。
優しく抱きしめるとセレティアは声を挙げてやっと泣いた。溢れだした涙はもう堰き止めていたものが何もなくなったかのようにとめどなく目から流れ出る。
「うあぁぁっ…アァァ…父さま‥‥お父様ぁぁぁ…」
父は母が亡くなり義母と義妹が来てからはしばらく経つと家にも戻らず王宮に詰めて時折帰ってきても着替えを持ってそそくさと出て行く。
それでも幼い頃は父が大好きで駄々をこねて執務をする父に抱き着いて眠ったりもした。
優しい母と王宮で働く父に弁当を持っていくと、父はセレティアが好きなトマトのサンドをいつも半分こしてくれた。大きな方をいつも渡してくれて笑いながら一緒に食べたのである。
どうでもいいと思った事もあったがやはり父の事は嫌いにはなれなかった。不器用ながらも父は父なりに精一杯セレティアを愛してくれたのだ。
クラウドも失い、父も失った。そしてクラウドの父も亡くなった。
ロレンツィオはただ泣くセレティアをそっと抱きしめると、使用人達に向かって小さく頷いた。
使用人達はそっとサロンを去り、長い時間セレティアはロレンツィオの胸を借り、腕の中で泣いた。
慰めるような言葉はなかったけれど、広くて大きく温かな胸としっかり抱きしめてくれる腕の温かさは、クラウドを埋葬した日、肩を抱いてくれた父をまた思い出させ涙はまた止まらなくなった。
「いや、違う。その‥‥嬉しくて…」
「菓子を食べられたことがなかったのですか?」
「そう言う訳ではないが‥‥とても美味かった。また食べたい」
「菓子は日持ちをするものですので明日も食べられますよ」
やっとソファに腰を掛けたものの、セレティアが隣で冷たいタオルをあてるものだからさらに頬が紅潮してしまう。初日の馬車の様に、名前を連呼されながら隣で微かに動くたびに鼻腔を擽る甘い香り。
自分は絶対に聖職者にはなれないと心から思うロレンツィオ。
「ツィオ様、お願いがあります」
「お願い?セティの頼みなら何でも聞くが…ドレスが欲しいのか?」
「いいえ。モップでミルクワックスをさせてくださいませ」
「へっ?」
「ですから、モップで床をミルクワックスしたいのです。わたくしがモップでこういう感じに」
手でモップを持って床を磨く真似をするセレティアを見てロレンツィオは瞬きが止まらなくなった。
「セ。セティがそんな事をしなくてもいいんだ。使用人にさせればいい」
「お願いでございます。ツィオ様のお部屋には入りません」
「いや。はいって貰っても全然構わないんだけど、手が汚れるだろう?」
「汚れれば洗えばいいのです。使用人さん達に交じってミルクワックスがしたいのです」
「いや、でもなぁ…セティは夫人なわけで…」
「やはり‥‥ダメですわね(シュン)」
「そ、そう言う訳じゃ…あぁもうっ‥‥判った。やっていい。でもちょっとだよ?」
「本当ですか?!嬉しいッ!」
(うわぁ…もうそんな笑顔で…可愛いけど…可愛いんだけどッ!)
「本当にちょっとだけだよ?手が荒れるようなのはダメだからね」
「大丈夫です。手は元々荒れておりましたが今はすっかり良くなりました」
「えっ?ならダメじゃないか。良くなったなら掃除なんて」
「大丈夫です。わたくしお掃除は得意ではないのですが好きなんです」
――好きなんです‥‥好きなんです――
都合の良い部分だけが頭の中で反復してしまうロレンツィオ。
いかんいかんと首をフルフルとすると。
「それから、ツィオ様はもうすぐご出仕されますからお昼にお弁当を作りたいのです。シェフさんには補助を頂きますがわたくしが作っても宜しいですか?」
包丁で何かを切る真似をしながら首をコテンと傾げてロレンツィオを見る。
「フォゴッ」っと口元を押えて思わず横を向いてしまう。心臓が早鐘を打つのは気のせいだと言い聞かせる。
「お弁当は使用人さんに頼んで王宮に持って行ってもらいますが、わたくしがお届けに上がった方がよろしいでしょうか?」
「はっ?いや、それはダメだ。絶対に。ダメ!絶対!」
「馬車も酔いませんし大丈夫だと思いますが…」
「いや、王宮はすごく危険な所なんだ。間違いなくセティを視界に入れた男たちが…いやそれは許せない。セティを視界に入れる事など国家反逆罪に問うてもいいくらいだ」
「では、使用人さんに持って行って頂くと言う事に致しましょう」
「えっ…ちょっと待て。弁当と言っても…刃物を持つのはダメだ」
「ツィオ様。お願いでございます。わたくしに作らせてくださいませ」
「それは良いんだ。むしろウェルカム・イン・ザ・大歓迎。でも…」
「補助の補助は嫌なんです。見ているだけは辛いのです」
上目使いでお願いと至近距離で言われて、ダメだと言えるほどロレンツィオには経験がない。
まして好きで好きで堪らないセレティアのお願いである。無体な事を頼んでいるわけでも贅沢をしたいと言ってるわけでもない。ロレンツィオの昼食を作りたいとなんとありがたい申し出なのか!
「わかった。絶対に無茶と無理をしないと言うのならセティが好きなように作っていいよ」
「ありがとうございます!わたくし頑張ります」
許しを出すと喜ぶセレティアを見て揺らいでいた決心がさらに揺らぐ。
いつかは伝えねばならない。特にこのような事(身内の死亡)は傷の深さは同じでも治癒するに一番の薬は「時」なのである。今までも嫌と言うほど部下の死亡をその家族に伝えてきた経験がそうしろと訴える。
「セティ。大事な話があるんだ。部屋に行こうか」
その声に家令は姿勢を直し、使用人達も水を打ったように居並ぶ。
なんだろうかと思いつつも周りの雰囲気から良い事ではなさそうだとセレティアは感じる。
「ツィオ様。ここで構いません。もしかするとその話で皆さんに助けて頂かねばならない事もあるでしょうから。機密に関する事でしたらお部屋で伺いますが、そうでないならここでお願いいたします」
周りを見ると、セレティアに付けた専属侍女15名は全員が壁際に揃って立っている。
家令も執事も小さくロレンツィオに頷いた。
セレティアとソファに並んで腰かけていたロレンツィオは体を捻りセレティアと向き合う。
「セティ。手に触れても?」
「えっ?…あ、はい…どうぞ」
「僕は事実だけをちゃんと伝えるがそれは良い知らせだけではない」
「承知しております」
「何があっても、僕は君を守るし全てを受け止めるから、そこは安心していい」
「ありがとうございます」
そっとセレティアの手をロレンツィオは両手で優しく握る。
少しの間だけ目を閉じて、小さく息を吸い込み目を開ける。
「昨夜、エイレル侯爵が亡くなられた。そして今朝、シーガル侯爵も亡くなられた」
握った手がピクリと動くと続いて小さく震えだす。しかしセレティアの目はロレンツィオから逸らされず次の言葉を待っている。
「葬儀には参列させてあげられないが、時期を見てセティをハンザに連れて行く。それから賊は既に捕縛されている。全容が明らかになるのは少し先になるが全てを伝えるようにする」
「‥‥はい‥‥判りました」
「泣いても良いんだ。誰も何も言わないし怒ったりもしない」
「いいえ。王宮で父と別れた日から死に目には会えない事は判っておりました。ただ…」
「ただ?」
「出来れば…母と同じ墓地に埋葬をして頂ければと」
「わかった。必ずその願いは叶えよう」
「ありがとうご‥‥います‥」
そう言って頭を下げたセレティアだが、握ったロレンツィオの手の甲にポタリと雫が落ちる。
小さく肩を震わせ、声を押し殺しても、雫は1滴、また1滴と手の甲を濡らしていく。
「セティ、いやセレティア。こんな時は声を挙げて泣いても良いんだ。叫んだっていいんだよ。聞かれたくないなら僕は耳を塞ぐし、泣いている姿を見られたくないのなら胸を貸すよ。腕で隠すから誰にも見えない」
「ううっ‥‥ングッ…っっ‥‥」
手を解いてセレティアの頭に手をやると、自分の胸に押し当てる。
優しく抱きしめるとセレティアは声を挙げてやっと泣いた。溢れだした涙はもう堰き止めていたものが何もなくなったかのようにとめどなく目から流れ出る。
「うあぁぁっ…アァァ…父さま‥‥お父様ぁぁぁ…」
父は母が亡くなり義母と義妹が来てからはしばらく経つと家にも戻らず王宮に詰めて時折帰ってきても着替えを持ってそそくさと出て行く。
それでも幼い頃は父が大好きで駄々をこねて執務をする父に抱き着いて眠ったりもした。
優しい母と王宮で働く父に弁当を持っていくと、父はセレティアが好きなトマトのサンドをいつも半分こしてくれた。大きな方をいつも渡してくれて笑いながら一緒に食べたのである。
どうでもいいと思った事もあったがやはり父の事は嫌いにはなれなかった。不器用ながらも父は父なりに精一杯セレティアを愛してくれたのだ。
クラウドも失い、父も失った。そしてクラウドの父も亡くなった。
ロレンツィオはただ泣くセレティアをそっと抱きしめると、使用人達に向かって小さく頷いた。
使用人達はそっとサロンを去り、長い時間セレティアはロレンツィオの胸を借り、腕の中で泣いた。
慰めるような言葉はなかったけれど、広くて大きく温かな胸としっかり抱きしめてくれる腕の温かさは、クラウドを埋葬した日、肩を抱いてくれた父をまた思い出させ涙はまた止まらなくなった。
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