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奥様のお手製菓子
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ロレンツィオが突然の出仕で王宮に出かけたあと、セレティアはシェフと共にトルティーヤの他に焼き菓子を作った。元々セレティアは使用人に菓子でもと思ってロレンツィオに許可をもらった事もあり、ハンザでは少ない材料でしか作れなかったスコーンもどきがせいぜいであった。
だが、ここには驚くほどに素材にこだわった食材があった。
その中でも日持ちするドライフルーツはシェフが行軍の料理当番が多かった事もあって色んな種類のものが並べられている。隣国でしか取れないそのままの方が瑞々しく美味しいと思われるライチなどもあった。
「ショコラーデ シュトレンを作ってみてもよいですか?」
「ショコラーデシュシュ??なんですそれは」
「クルミやドライフルーツを生地に練り込んでチョコレートでコーティングした焼き菓子です。意外と日持ちしますので1か月くらいは食べれます。日を追うごとに味が違ってくるので面白い焼き菓子なんですよ」
「面白そうですね。1カ月も日持ちするなら遠征にも持たせられそうだ」
「遠征…パンとして食べる地域もあるそうですから良いかもしれませんね」
「パンとして菓子を食べるところもあるんですか?いや菓子は贅沢だとか軟弱だとか言われるんですがパンなら次の遠征に皆に持って行ってもらえますよ」
「それでしたらパネトーネにしましょうか。ドライフルーツも使えるし高温多湿でない場所でなら常温で1カ月よりも長い期間保存も出来ますし」
「そんな菓子もあるんですか。面白そうですね。教えて頂けますか」
「いえ、シェフさんのほうがもっと知っていると思いますが…」
「私は腹に入るものが専門でして‥‥入隊したころは焼いただけとか塩水に浸しただけなんてのが多かったので香辛料なんかを使って色々作っていたら…こうなってたんですけど菓子は…門外漢でして」
「ではパネトーネをカップケーキ風にして皆さんで楽しんでみましょうか」
「えっ?何?さっきケーキとかって魅惑のワードが聞こえましたけど?」
トルティーヤは直ぐに出来てしまうのでロレンツィオが戻るまでの間に厨房の料理人総出でパネトーネを作り、女性の使用人にはカップケーキ風に。男性の使用人にはパンの様に生地をかたどって石窯で焼いていく。
侯爵令嬢と聞いていたので疎いかと思っていたセレティアが器用に調理道具を使いこなしていくのもであるが、手が汚れるのも厭わずに柔らかい生地からこねていくのを見て使用人達は大いに驚く。
「奥様、手が汚れてしまいます」
「えっ?いえ。先程綺麗な井戸水で洗った後、食用酢でしたが殺菌しましたけど…」
「いえいえ、奥様の手が汚れているのではなくて、生地を捏ねれば汚れてしまうでしょう?」
「でも、生地はこうやって手で捏ねるのが一番なんですよ?都度都度の過程で柔らかさを確認していってもらうにはわたくしが捏ねたほうが早いと思うのですけど…」
そう言って生地と真剣勝負という顔をしながら捏ねていくセレティアを見て使用人達は更に親近感を高める。
カップに生地を入れる時にはジャスミンも加わり、こっちが大きい、こっちにはドライフルーツが多すぎる!と和気藹々で焼き上がりを待つ。
「驚きましたよ。簡単な物だけかと思っていたんですが…」
「ハンザではもう通いのメイドしかおりませんでしたし、わたくし暖炉に火を入れたりも出来ますよ?」
「や、やめてください。そんなの閣下に知られたらこっちが丸焦げになります」
「えっ?」
「いや、比喩です。比喩」
「奥様、手が荒れていたのはそのせいだったんですか?」
「そうかも知れません。水仕事もしなくては着る物もありませんでしたし」
「えぇぇっ??」
使用人達の想像していた【侯爵令嬢】の日々の生活に驚き、中には泣いてしまうものまで出る始末である。
ここにきてもうすぐ1か月であるが、過保護すぎるロレンツィオは許可はしたものの、調理補助の補助を助ける程度の事しかセレティアにはさせなかったので、出かける時もシェフを手伝ってはいたが、切っている様子を見るだけ、焼き上がりを見るだけ、並べられる皿を見るだけと厨房にいる事が邪魔でしかないのでは?と思うほどだった。
セレティアは思い切って使用人達にお願いをしてみる事にする。
ロレンツィオは許可はくれるが、それは思っているよりもかなり遠い場面での許可ばかりで、ちょっと違うではなく【かなり違う】のである。
今はロレンツィオがいる事から、庭の散策や歩いて行ける範囲の散歩には行く事はあるがほとんどが本を読む、侍女たちに磨き上げられる、ロレンツィオと茶を飲む。他には食事と睡眠である。
あくせく働いた事はないが、体を動かすのは好きだし、美味しいかどうかは別として料理を作るのも嫌いではない。掃除も現状に不満は全くないが、モップ掛けをしている侍女を見ると羨ましいのである。
「わたくし、お掃除もお洗濯も出来ますし簡単な前菜でしたらお手伝いも出来るのでさせて頂けませんか?」
他ならぬ奥様の頼みでもかなり使用人にしてみればハードルの高いお願いである。
しかし、神に祈る様に手を組み合わせて、「お願いします」と目の前の奥様に懇願をされてしまう。
目の前の庇護欲駆り立てるウサギを取るか、背後の慈悲を知らぬ冷血な狼を取るか。
使用人には究極の選択と言っても良いだろう。
苦渋の決断で留守を預かる家令が出した答えは
「奥様のお望みは十分に判るのですが、やはり閣下の許可がないとわたくし達にはどうする事も出来ません。意外と別邸に限ってですが屋敷の事については閣下は無頓着ですので、具体的にお願いをすれば許してくださるかも知れません」
「それは料理がしたいという大まかなものではなく、芋の皮が向きたいとか、魚のうろこを取りたいとか…そんなに具体的に言うということでしょうか?」
「そうです。遠征や行軍もしておりますから調理の過程は一定の事は閣下もご存じです。あとは何処まで譲歩くださるかでございます」
「そうなのですね。判りました。わたくし譲歩して頂きますわ」
心の中で使用人達は声を揃えて<<無理だと思います>>と呟くがセレティアはグッと拳を握った。
焼きあがったパネトーネが良い香りを漂わせているところにロレンツィオが戻ったと知らせが来る。
一斉に出迎えの使用人達は出かける時と同じように両脇に整列し頭を下げる。
中央部をゆっくりと歩き、隊服の上着を家令に渡すロレンツィオ。
「変わった匂いがするな。香ばしい香りだが」
「はい。先程焼きあがった菓子の香りでございます」
「菓子?茶請けはトルティーヤではなかったか?」
「はい。トルティーヤもご用意をしております。奥様がサロンにてお待ちでございます」
「そうか。直ぐに行くと伝えてくれ」
そう言うと階段を駆け上がる勢いで登り、自室に着替えに戻るロレンツィオ。
一礼すると家令はサロンに行き、着替えてからサロンに来ると伝えた。
程なくして、ラフな服装に着替えたロレンツィオがサロンに入ってくる。
セレティアに事実を何時告げようかと悩むが、
「ツィオ様。お帰りなさいませ」
と軽く頭を下げているセレティアを見ると決心が揺らいでしまう。
まずは約束通り午後の軽食を取ろうと席につくと、野菜がふんだんに盛られたトルティーヤの向こうに香りのよい焼き菓子があるのが目に入る。
腹も空いていたロレンツィオはトルティーヤを3つ4つと腹に入れる。
「美味いな。いつもと生地の触感が違う。腕を上げたな」
そういうロレンツィオを目の前のセレティアは微笑んで見ていて、思わず喉に詰まりそうになりながらも完食すると、シェフ自らがパネトーネを1人分のサイズに切り分ける。
甘いものはあまり食べないロレンツィオだったが、一口食べると「これは旨いな」とおかわりを頼む。
「なかなか旨い。何時の間にこんな菓子が作れるようになった?」
「それは‥‥あの‥‥」
口ごもるシェフに首を傾げるロレンツィオ。セレティアはシェフから切り分けるナイフをもらうと先程より小さめにパネトーネを切り分け、ロレンツィオの皿に載せた。
「ツィオ様。わたくしがシェフさんに無理を押し通し、作りました」
思わず菓子と、セレティア、シェフと3つを順番にグルグルと見るロレンツィオ。
「どうぞ。召し上がれ」
と皿を前に出されると、「キュゥゥ…」と途端に顔を真っ赤にして卒倒してしまった。
まさかナッツ類のアレルギーかとセレティアは慌てたが、使用人達は大きく首を横に振る。
目が覚めたロレンツィオは自身の額や首元に冷たいタオルをあてるセレティアと目が合ってしまう。
目覚めた事に嬉しそうな顔をするセレティアに今度は本当に昇天するのではと使用人達は主の顔の赤さを心配するのだった。
だが、ここには驚くほどに素材にこだわった食材があった。
その中でも日持ちするドライフルーツはシェフが行軍の料理当番が多かった事もあって色んな種類のものが並べられている。隣国でしか取れないそのままの方が瑞々しく美味しいと思われるライチなどもあった。
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「面白そうですね。1カ月も日持ちするなら遠征にも持たせられそうだ」
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「いえ、シェフさんのほうがもっと知っていると思いますが…」
「私は腹に入るものが専門でして‥‥入隊したころは焼いただけとか塩水に浸しただけなんてのが多かったので香辛料なんかを使って色々作っていたら…こうなってたんですけど菓子は…門外漢でして」
「ではパネトーネをカップケーキ風にして皆さんで楽しんでみましょうか」
「えっ?何?さっきケーキとかって魅惑のワードが聞こえましたけど?」
トルティーヤは直ぐに出来てしまうのでロレンツィオが戻るまでの間に厨房の料理人総出でパネトーネを作り、女性の使用人にはカップケーキ風に。男性の使用人にはパンの様に生地をかたどって石窯で焼いていく。
侯爵令嬢と聞いていたので疎いかと思っていたセレティアが器用に調理道具を使いこなしていくのもであるが、手が汚れるのも厭わずに柔らかい生地からこねていくのを見て使用人達は大いに驚く。
「奥様、手が汚れてしまいます」
「えっ?いえ。先程綺麗な井戸水で洗った後、食用酢でしたが殺菌しましたけど…」
「いえいえ、奥様の手が汚れているのではなくて、生地を捏ねれば汚れてしまうでしょう?」
「でも、生地はこうやって手で捏ねるのが一番なんですよ?都度都度の過程で柔らかさを確認していってもらうにはわたくしが捏ねたほうが早いと思うのですけど…」
そう言って生地と真剣勝負という顔をしながら捏ねていくセレティアを見て使用人達は更に親近感を高める。
カップに生地を入れる時にはジャスミンも加わり、こっちが大きい、こっちにはドライフルーツが多すぎる!と和気藹々で焼き上がりを待つ。
「驚きましたよ。簡単な物だけかと思っていたんですが…」
「ハンザではもう通いのメイドしかおりませんでしたし、わたくし暖炉に火を入れたりも出来ますよ?」
「や、やめてください。そんなの閣下に知られたらこっちが丸焦げになります」
「えっ?」
「いや、比喩です。比喩」
「奥様、手が荒れていたのはそのせいだったんですか?」
「そうかも知れません。水仕事もしなくては着る物もありませんでしたし」
「えぇぇっ??」
使用人達の想像していた【侯爵令嬢】の日々の生活に驚き、中には泣いてしまうものまで出る始末である。
ここにきてもうすぐ1か月であるが、過保護すぎるロレンツィオは許可はしたものの、調理補助の補助を助ける程度の事しかセレティアにはさせなかったので、出かける時もシェフを手伝ってはいたが、切っている様子を見るだけ、焼き上がりを見るだけ、並べられる皿を見るだけと厨房にいる事が邪魔でしかないのでは?と思うほどだった。
セレティアは思い切って使用人達にお願いをしてみる事にする。
ロレンツィオは許可はくれるが、それは思っているよりもかなり遠い場面での許可ばかりで、ちょっと違うではなく【かなり違う】のである。
今はロレンツィオがいる事から、庭の散策や歩いて行ける範囲の散歩には行く事はあるがほとんどが本を読む、侍女たちに磨き上げられる、ロレンツィオと茶を飲む。他には食事と睡眠である。
あくせく働いた事はないが、体を動かすのは好きだし、美味しいかどうかは別として料理を作るのも嫌いではない。掃除も現状に不満は全くないが、モップ掛けをしている侍女を見ると羨ましいのである。
「わたくし、お掃除もお洗濯も出来ますし簡単な前菜でしたらお手伝いも出来るのでさせて頂けませんか?」
他ならぬ奥様の頼みでもかなり使用人にしてみればハードルの高いお願いである。
しかし、神に祈る様に手を組み合わせて、「お願いします」と目の前の奥様に懇願をされてしまう。
目の前の庇護欲駆り立てるウサギを取るか、背後の慈悲を知らぬ冷血な狼を取るか。
使用人には究極の選択と言っても良いだろう。
苦渋の決断で留守を預かる家令が出した答えは
「奥様のお望みは十分に判るのですが、やはり閣下の許可がないとわたくし達にはどうする事も出来ません。意外と別邸に限ってですが屋敷の事については閣下は無頓着ですので、具体的にお願いをすれば許してくださるかも知れません」
「それは料理がしたいという大まかなものではなく、芋の皮が向きたいとか、魚のうろこを取りたいとか…そんなに具体的に言うということでしょうか?」
「そうです。遠征や行軍もしておりますから調理の過程は一定の事は閣下もご存じです。あとは何処まで譲歩くださるかでございます」
「そうなのですね。判りました。わたくし譲歩して頂きますわ」
心の中で使用人達は声を揃えて<<無理だと思います>>と呟くがセレティアはグッと拳を握った。
焼きあがったパネトーネが良い香りを漂わせているところにロレンツィオが戻ったと知らせが来る。
一斉に出迎えの使用人達は出かける時と同じように両脇に整列し頭を下げる。
中央部をゆっくりと歩き、隊服の上着を家令に渡すロレンツィオ。
「変わった匂いがするな。香ばしい香りだが」
「はい。先程焼きあがった菓子の香りでございます」
「菓子?茶請けはトルティーヤではなかったか?」
「はい。トルティーヤもご用意をしております。奥様がサロンにてお待ちでございます」
「そうか。直ぐに行くと伝えてくれ」
そう言うと階段を駆け上がる勢いで登り、自室に着替えに戻るロレンツィオ。
一礼すると家令はサロンに行き、着替えてからサロンに来ると伝えた。
程なくして、ラフな服装に着替えたロレンツィオがサロンに入ってくる。
セレティアに事実を何時告げようかと悩むが、
「ツィオ様。お帰りなさいませ」
と軽く頭を下げているセレティアを見ると決心が揺らいでしまう。
まずは約束通り午後の軽食を取ろうと席につくと、野菜がふんだんに盛られたトルティーヤの向こうに香りのよい焼き菓子があるのが目に入る。
腹も空いていたロレンツィオはトルティーヤを3つ4つと腹に入れる。
「美味いな。いつもと生地の触感が違う。腕を上げたな」
そういうロレンツィオを目の前のセレティアは微笑んで見ていて、思わず喉に詰まりそうになりながらも完食すると、シェフ自らがパネトーネを1人分のサイズに切り分ける。
甘いものはあまり食べないロレンツィオだったが、一口食べると「これは旨いな」とおかわりを頼む。
「なかなか旨い。何時の間にこんな菓子が作れるようになった?」
「それは‥‥あの‥‥」
口ごもるシェフに首を傾げるロレンツィオ。セレティアはシェフから切り分けるナイフをもらうと先程より小さめにパネトーネを切り分け、ロレンツィオの皿に載せた。
「ツィオ様。わたくしがシェフさんに無理を押し通し、作りました」
思わず菓子と、セレティア、シェフと3つを順番にグルグルと見るロレンツィオ。
「どうぞ。召し上がれ」
と皿を前に出されると、「キュゥゥ…」と途端に顔を真っ赤にして卒倒してしまった。
まさかナッツ類のアレルギーかとセレティアは慌てたが、使用人達は大きく首を横に振る。
目が覚めたロレンツィオは自身の額や首元に冷たいタオルをあてるセレティアと目が合ってしまう。
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