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私と僕
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深夜になりカルローディア侯爵は屋敷に返された。
侯爵家の使用人達は、【以前のように】振舞う侯爵に胸をなで下ろした。
突然、乱暴な物言いに口答えや反論をする使用人には容赦なく手を上げ、屋敷の奥にある懲罰房に数日食事抜きで閉じ込めたりで侯爵家に代々仕えている使用人達は困惑をしたものだった。
突然捕縛をされて王宮に連行された主を見送ったが深夜若い主が帰ってきた。
また暴れるのではと稀有したが杞憂に終わった。家督を継いだ頃の真面目で静かな侯爵がそこにいたのだ。
「いろいろとすまなかった」
と頭を下げた侯爵に使用人達は涙ながらに駆け寄り喜んだが、それが既にロレンツィオにより姿かたちこそ人間であっても中身はマリオネットである事に誰も気が付かない。
好きだったセンティッド・ティーの中でも、ミントティーを淹れると目じりを下げて使用人を労うと、香りと味を楽しむ侯爵に胸をなで下ろす使用人達だった。
久しぶりにカルローディア侯爵家の使用人は静かな夜を迎えたのだった。
その姿に以前のような乱暴な侯爵は夢だったのではないかと思うほどである。
連日のように深夜まで酒を飲む【客人】がいつ帰るのだろうかと付き合わされた事もある。
その中にメデレーエフ王弟がいた事は使用人は誰も知らない。
幼少の頃であれば王家の肖像画に一家で書かれている姿を見た事がある庶民はいても少年は青年となる。
兄が王位を継いだ後は、表立った場は勿論夜会にも出てこないため顔を知るものはいなかった。
肖像画と言っても王宮の幾つかの間に飾られているものは高価な魔石での写真であるが、庶民に出回るものは白い紙に黒の筆だけで書かれたものなので幼少時に遠目から王族が手を振るバルコニーに発つ王弟の髪の色は見えても瞳の色までは見えない。【同じだろう】【似ているだろう】と国王から想像するしかないのである。
王弟メデレーエフはフィオランツとは兄弟とは思えない容貌をしていた。
金髪に黒水晶と言われるような漆黒の瞳をする国王フィオランツだったが、メデレーエフの髪の色は金に見えなくもない茶髪で瞳の色は薄いグレーだった。白目の中に薄っすらと色がある程度の瞳で初見でほとんどの者は思わず息を飲む。
ぱっと見は白目だけがあるようにしか見えないからである。
先の国王には5人の側妃がいた。ギスティールの王が好色だと噂されていたのはフィオランツの事ではなく先の国王の事だった。1人の正妃に5人の側妃。実際フィオランツには11人の弟と4人の妹がいた。
おなじ父母から生まれた弟妹はいないが、母が違う弟妹は15人いたのである。
しかし成人(16歳)出来たのはフィオランツとメデレーエフだけだった。
弟妹達は何故が冬の寒い日に池に浮いていたり、避暑に行く途中馬車ごと崖から転落したりで10歳まで生きたものはいなかった。
ロレンツィオはしばらくはこのままで、22時以降にカルローディア侯爵家に目の前の人形を戻すようにと書記官と衛兵に伝えると、第三詰問室へ戻る。
書記官が辟易するほどお喋りをするコジャイル伯爵の顔はもう見られたものではなかった。
泣きながら、鼻水を垂らし、命乞いを交えながらも存分に見知った事をツバを飛ばしながら喋っている。
フっと笑って衛兵に手足を拘束している麻縄を解いてやれと言うと、衛兵はすんなりと縄を解く。
破壊魔法を施して既に2時間。そろそろお喋りも終わるころかと思って寄ってみればまだ話の最中である事に苦笑するが、コジャイル伯爵は手足の縄が解かれた事で逃げようと思ったのか椅子から転げ落ちた。
「グワァァぁ‥‥痛い‥痛いぃぃッ!」
転がされた丸太が止まりかけの動きで左右に少しだけ揺れるように胴体を揺するコジャイル伯爵だがふと自分の手が目に入ったようで叫び始める。
「痛い?そうか‥‥痒い方が好みだったか。それはすまない」
腐り落ちそうなほどに干からびて枝のように黒く細くなったコジャイル伯爵の手足はもうその機能を果たせない。浸食されていく腐敗は中央に向かって進んでいく。ひじや膝まで腐敗しているコジャイル伯爵は痛みでのた打ち回るが、ロレンツィオは氷のような温かさでその姿を見たあと、
「コジャイル伯爵。では痛みではなく痒みにしてやろう」
パチンと指を鳴らすと腐敗の進行は止まらないが、痛みに勝る痒みがコジャイル伯爵を襲う。
「うあぁぁっ、痒いッ痒いィぃ…頼むッ、首を!いや股だ、股を搔きむしってくれないか!」
その言葉に周りにいた書記官や衛兵は眉をしかめる。言葉は発しないが不快感を露わにしている。
腐り落ちた肘や膝から先の痛みは猛烈な痒みで感じないかのように、とにかく全身を掻いてくれと書記官や衛兵に懇願するが誰も手を貸すものはいない。
床についた背を必死で床に擦るが、腹やわきも痒いようで言いようのない動きでのた打ち回る。
「どうだ。何か面白い事を歌ってくれたか?」
「とりあえずはこちらに記録しております。時折叫び声などあげておりましたがそれも記載をしております」
「君はなかなか仕事に対して前向きだ」
「中将閣下にお褒め頂き光栄です」
「たっ…助けぇぇ…痒いッ…頼む…痛い方がまだ…ヌグゥゥッ…」
転がったままのコジャイル伯爵をちらりと横目で見て第三詰問室を出て行く。
無言で出て行くロレンツィオに扉が閉められてもコジャイル伯爵の懇願する声が聞こえている。
扉が閉まるとロレンツィオは衛兵に告げる。
「夜半には全てが枯れ枝のようになる。手ごろな大きさに折って暖炉にでもくべろ」
「承知いたしました」
「でっぷりと腹に脂をため込んでいるから良く燃えるだろう」
「伯爵家はどうしますか」
「取り潰しだ。すでに通達は届いて今頃使用人達は金目の物を持って出て行ってる頃だろう」
「ですが、夫人と娘2人がいたはずですが」
「散々に男遊びをしているメスブタだ。惚れた男のところに行くだろう。放っておけ」
衛兵は伯爵夫人も令嬢も見知っているが、見受けするような男はいないだろうと思った。
金を湯水のように使っている伯爵夫人、伯爵令嬢だから需要があっただけである。
明日の夜には娼館で客を取っているだろうと思うと、「お試し無料期間」でも遠慮したいと思った。
長い回廊を過ぎてエントランスホールに向かう廊下に曲がると部隊の副官が幾つかの書類が入った封筒を抱えて寄ってくる。背の高いロレンツィオの歩幅に会わせるのは小柄な副官には大変である。
「閣下。どうでしたか?」
「色々と喋ってくれたようだ。小者の中でも取りまとめは中間管理職。どこも辛い立場だな」
「人が悪いですよ。特に今の笑顔は不気味です。これから部隊に?」
「いや、帰る」
「えっ?じゃぁちょっと私の執務室へ寄ってくださいよ」
「断る」
「えぇぇっ?1カ月も休暇だから決裁書類たまってるんですよ。ちょっとでいいですから」
「これ以上待たせるわけにはいかない」
「いやいや、こっちはもうかなり待ってるんです。休暇明けまで待てませんよ」
ピタリと歩みを止めると思わず副官はロレンツィオの前に出る。しかし中将であるロレンツィオの顔は既にオフの状態だった。見た事もないくらい柔和な表情のロレンツィオに思わず頬を染めてしまう。
妙な色気を漂わせながらロレンツィオは副官の肩を叩き
「僕の為に軽食を手作りしてくれているんだ。早く帰らないと♡」
「‥‥‥‥」
副官は知っている。長い付き合いなのだ。
ロレンツィオが自分の事を【私】ではなく【僕】と言う時は完全にオフのモードである。
厩舎に向かうロレンツィオをもう呼び止める事は出来ない。見送るのが副官の務めである。
心なしか弾む足取りで去っていくロレンツィオの背中に礼をする事しか出来なかった。
侯爵家の使用人達は、【以前のように】振舞う侯爵に胸をなで下ろした。
突然、乱暴な物言いに口答えや反論をする使用人には容赦なく手を上げ、屋敷の奥にある懲罰房に数日食事抜きで閉じ込めたりで侯爵家に代々仕えている使用人達は困惑をしたものだった。
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また暴れるのではと稀有したが杞憂に終わった。家督を継いだ頃の真面目で静かな侯爵がそこにいたのだ。
「いろいろとすまなかった」
と頭を下げた侯爵に使用人達は涙ながらに駆け寄り喜んだが、それが既にロレンツィオにより姿かたちこそ人間であっても中身はマリオネットである事に誰も気が付かない。
好きだったセンティッド・ティーの中でも、ミントティーを淹れると目じりを下げて使用人を労うと、香りと味を楽しむ侯爵に胸をなで下ろす使用人達だった。
久しぶりにカルローディア侯爵家の使用人は静かな夜を迎えたのだった。
その姿に以前のような乱暴な侯爵は夢だったのではないかと思うほどである。
連日のように深夜まで酒を飲む【客人】がいつ帰るのだろうかと付き合わされた事もある。
その中にメデレーエフ王弟がいた事は使用人は誰も知らない。
幼少の頃であれば王家の肖像画に一家で書かれている姿を見た事がある庶民はいても少年は青年となる。
兄が王位を継いだ後は、表立った場は勿論夜会にも出てこないため顔を知るものはいなかった。
肖像画と言っても王宮の幾つかの間に飾られているものは高価な魔石での写真であるが、庶民に出回るものは白い紙に黒の筆だけで書かれたものなので幼少時に遠目から王族が手を振るバルコニーに発つ王弟の髪の色は見えても瞳の色までは見えない。【同じだろう】【似ているだろう】と国王から想像するしかないのである。
王弟メデレーエフはフィオランツとは兄弟とは思えない容貌をしていた。
金髪に黒水晶と言われるような漆黒の瞳をする国王フィオランツだったが、メデレーエフの髪の色は金に見えなくもない茶髪で瞳の色は薄いグレーだった。白目の中に薄っすらと色がある程度の瞳で初見でほとんどの者は思わず息を飲む。
ぱっと見は白目だけがあるようにしか見えないからである。
先の国王には5人の側妃がいた。ギスティールの王が好色だと噂されていたのはフィオランツの事ではなく先の国王の事だった。1人の正妃に5人の側妃。実際フィオランツには11人の弟と4人の妹がいた。
おなじ父母から生まれた弟妹はいないが、母が違う弟妹は15人いたのである。
しかし成人(16歳)出来たのはフィオランツとメデレーエフだけだった。
弟妹達は何故が冬の寒い日に池に浮いていたり、避暑に行く途中馬車ごと崖から転落したりで10歳まで生きたものはいなかった。
ロレンツィオはしばらくはこのままで、22時以降にカルローディア侯爵家に目の前の人形を戻すようにと書記官と衛兵に伝えると、第三詰問室へ戻る。
書記官が辟易するほどお喋りをするコジャイル伯爵の顔はもう見られたものではなかった。
泣きながら、鼻水を垂らし、命乞いを交えながらも存分に見知った事をツバを飛ばしながら喋っている。
フっと笑って衛兵に手足を拘束している麻縄を解いてやれと言うと、衛兵はすんなりと縄を解く。
破壊魔法を施して既に2時間。そろそろお喋りも終わるころかと思って寄ってみればまだ話の最中である事に苦笑するが、コジャイル伯爵は手足の縄が解かれた事で逃げようと思ったのか椅子から転げ落ちた。
「グワァァぁ‥‥痛い‥痛いぃぃッ!」
転がされた丸太が止まりかけの動きで左右に少しだけ揺れるように胴体を揺するコジャイル伯爵だがふと自分の手が目に入ったようで叫び始める。
「痛い?そうか‥‥痒い方が好みだったか。それはすまない」
腐り落ちそうなほどに干からびて枝のように黒く細くなったコジャイル伯爵の手足はもうその機能を果たせない。浸食されていく腐敗は中央に向かって進んでいく。ひじや膝まで腐敗しているコジャイル伯爵は痛みでのた打ち回るが、ロレンツィオは氷のような温かさでその姿を見たあと、
「コジャイル伯爵。では痛みではなく痒みにしてやろう」
パチンと指を鳴らすと腐敗の進行は止まらないが、痛みに勝る痒みがコジャイル伯爵を襲う。
「うあぁぁっ、痒いッ痒いィぃ…頼むッ、首を!いや股だ、股を搔きむしってくれないか!」
その言葉に周りにいた書記官や衛兵は眉をしかめる。言葉は発しないが不快感を露わにしている。
腐り落ちた肘や膝から先の痛みは猛烈な痒みで感じないかのように、とにかく全身を掻いてくれと書記官や衛兵に懇願するが誰も手を貸すものはいない。
床についた背を必死で床に擦るが、腹やわきも痒いようで言いようのない動きでのた打ち回る。
「どうだ。何か面白い事を歌ってくれたか?」
「とりあえずはこちらに記録しております。時折叫び声などあげておりましたがそれも記載をしております」
「君はなかなか仕事に対して前向きだ」
「中将閣下にお褒め頂き光栄です」
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転がったままのコジャイル伯爵をちらりと横目で見て第三詰問室を出て行く。
無言で出て行くロレンツィオに扉が閉められてもコジャイル伯爵の懇願する声が聞こえている。
扉が閉まるとロレンツィオは衛兵に告げる。
「夜半には全てが枯れ枝のようになる。手ごろな大きさに折って暖炉にでもくべろ」
「承知いたしました」
「でっぷりと腹に脂をため込んでいるから良く燃えるだろう」
「伯爵家はどうしますか」
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「ですが、夫人と娘2人がいたはずですが」
「散々に男遊びをしているメスブタだ。惚れた男のところに行くだろう。放っておけ」
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妙な色気を漂わせながらロレンツィオは副官の肩を叩き
「僕の為に軽食を手作りしてくれているんだ。早く帰らないと♡」
「‥‥‥‥」
副官は知っている。長い付き合いなのだ。
ロレンツィオが自分の事を【私】ではなく【僕】と言う時は完全にオフのモードである。
厩舎に向かうロレンツィオをもう呼び止める事は出来ない。見送るのが副官の務めである。
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