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禁じ手
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食事も終わり、侍女の案内で部屋に戻ろうとするセレティアをロレンツィオは呼び止めた。
急ぎ戻らねばならない訳でもないセレティアは寛ぐロレンツィオの向かいに腰を掛ける。
そこに執事が色々と書類を持ってきて、説明を受けながら幾つかの書類を受け取る。
全てを渡されたわけはないので、お役目である騎士の仕事の関係なのかと思いただ待っていると、数枚の書類をセレティアの前に出した。
全てに控えと印が押されているので、署名などは必要はなさそうだが説明をするという。
「この書類はセティがこの国の国民となったという証明書の控えだ」
もう無くなった国だとは言え、書面上で言えばこの国で出生を貴族院などに届けたわけではないので婚姻と同時にこの国の国民となったのだという。
届けとしては婚姻後に出されている日付なので【ルシィド・エイレル】という文字は何処にもない。
父母の欄にも記入はなく、その代わり代理人として畏れ多くも国王陛下と王妃様の名が書かれていた。
「次に‥‥婚姻証明書になる」
先ほどの書類の上に重ねるように置いた書類はこの国の教会で婚姻が認められたというものだった。
ハンザでも届けだけという者は多いので抵抗はない。
セレティアの中にはあの日教会で誓い合うだけではなく通りすがりの者でも良いので立会人となって貰って正式に結婚をしていれば…とふいに頭をよぎった思いを打ち消すように小さく首を横に振った。
「すまない…勝手な事をした」
「いえ、そうではありません。向こうを出た時から気持ちは‥‥」
「固まってはいないよね?」
「…っ…申し訳ありません…そうです」
「謝らなくていいよ。ただこうしておかないと色々と面倒な事もあるからね」
婚姻の書類を見て何故使用人や侍女たちが自分の事を「奥様」と呼ぶのか納得をする。
届けが出されていればそう呼ばねば他に呼び名がないのである。
そして面倒な事と言われて考えてみる。ロレンツィオは三男とはいえ公爵家子息である。
その上、己の功績と力でこんなにも広い土地と大きな屋敷、沢山の使用人を養っているのである。
領地はなくてもこの先、騎士を引退しても有り余るほどの財産がある公爵家子息。
どの国でも妻の座を狙う者はいるのである。
「あの…わたくしはいつでも離縁をして頂いて構いませんので…」
「(くすっ)何を言ってるのかな。言っただろう?君を放す事など出来ないと」
「ですが…」
「多分心配をしている面倒な事が違うんだ。僕の中将という役職は兎角面倒でね。婚約者とか恋人という立ち位置では守り切れない事もあるんだ。でも妻は違う。式典なんかへの同伴はしてもらわないといけないけど中将の妻であるというだけで君の立場が守られる場所も多くなるんだ。一応…僕がどうしても一緒にいられない時は護衛もつくしね」
「護衛?わたくしにですか?」
「そう。間違いなく悪い羽虫も沢山寄ってくる。僕はそう言うのは許せないんだ」
「羽虫?…そんなに虫を寄せ付ける体質ではないと思うのですが…虫を払うだけに護衛は大げさではないでしょうか…藪などはわたくしも近寄りませんし。刺されても虫刺されの薬草は持ってきておりますが…」
プパっと笑うと、執事も咳ばらいをするように誤魔化しながらも肩が揺れている。
振り返れば侍女が残念な子を見るような目でセレティアを見ている。何かおかしなことを言ってしまったのだろうかと、思い出してみるが何がいけなかったのかはわからずである。
「そうそう、旦那様、奥様のドレスですが明後日仕立て屋が参りますがその時に帽子やバッグなどの小物も一緒に頼んでも宜しいでしょうか?」
専属侍女のジャスミンがとんでもない事を言い出したとセレティアは慌てた。
「い、いえ、違うのです。沢山クローゼットにもありま…」
「いいですよね!旦那様!」
セレティアの言葉の途中でジャスミンは言葉をかぶせてロレンツィオに迫る。
ニコニコしたロレンツィオは何でも好きな物を買えばいいし、なければ取り寄せればいいと言う。
執事や、部屋の隅に控えている使用人もうんうんと頷き、セレティアの遠慮は取り入れてはもらえそうになかった。
「さぁ、奥様は準備がありますのでもういいですよね?」
「準備?なんの準備だ?」
ロレンツィオはこれから食後の茶と、使用人が買ってきてくれたケーキでもと思ったのにと言うが、侍女に押し切られてセレティアはグイグイと背を押されて食事室を後にする。
セレティアの部屋だという部屋はとても広くて洗練された家具が置かれている。
入り口の扉とは別に隣の部屋に行く扉があり、そこは夫婦の寝所だと説明をされた。
自分の部屋だという部屋にも大きなベッドはあるが、通常はあちらをお使いくださいと言われる。
記憶にある母は寝込む前は侯爵家でも父と同じ寝台で夜は寝ていた。
病に倒れてからは母の部屋にあるベッドで寝ていたので、すんなりと受け入れた。
そこで何をするのかなどセレティアは誰からも聞いた事がなかったのである。
学院でもそのような話をする友人はいなかったし、クラウドとセレティアのように親も認めたような恋愛が許されたものはごく少数で、大抵は親が決めた家同士の政略結婚だった。
戦況も悪かったことから、異性とどこかに行った、手を繋いだなどと話していれば教師から数時間懺悔室でお説教を聞かされることになってしまうので誰もこの手の話をしなかった。
部屋では5人の侍女に囲まれてドレスを脱がされ、またもや湯殿に連れて行かれて磨き上げられる。
今度は花びらを浮かべた湯で、花の香りのする香油をたっぷりと塗られる。
あとは寝るだけなのに今度は自分でも鏡を直視できないような透けた服を着せられる。
これでは風邪をひいてしまって皆に迷惑をかけるのではないかと思い、流石にドレスで寝るのは無理だが一般的な寝間着を頼んでみる。
「あ、あの…普通の寝間着でいいのですけど…」
「普通ですよ?言ってみれば爵位としてはご実家と同じ公爵家と同じくらいの立ち位置の旦那様ですからその奥様の寝間着としてはこれでも質素なくらいです」
これで質素…と思考が追いつかないセレティア。
母も10歳になる前に亡くなっていて、思春期と呼ばれる頃は戦争の真っただ中。
当然閨教育と言うものは受けているわけもなく、ご夫人方のドレスは見た事はあっても寝間着は見た事はない。その日を生きるのにいっぱいいっぱいで通いのメイドにもそんな事を聞いた事もない。
しかし鏡に映る自分は胸も透けて見えて、その先端は少し色があるものだから余計に目立つ上に、長さは恥骨が少し隠れるほどしかない。
ショーツもつけていると思わなければならない程、布が少なく側面の紐を引けばすぐに外れてしまう。
(奥様って大変なんだわ)
セレティアは心からそう思った。
寝相には気を付けなくてはいけないと思いつつ、侍女が開けてくれた夫婦の寝所への扉から隣の部屋に入る。
向かいにはロレンツィオの部屋からの入り口だと言う扉と、廊下に出る扉があるが、この部屋にある家具は寝台である。
こじんまりとしたチェストと1組のテーブルセットがあるだけで寝るだけの部屋なのだなとセレティアは思った。侯爵家でも両親の寝室は入る事を禁止されていたためちらりとしか見た事はないが、似たようなものだったかもしれないと思った。
キョロキョロとして、テーブルセットの椅子にでも座って待っていようとした時、ドアが開く音がした。
「ツィオ様」
名を呼んだだけである。椅子に座ろうと思っていたので立ったままで失礼かとは思ったが本当に名を呼んだだけだった。
しかし、ロレンツィオは足早にセレティアの前に来て俯きがちに言った。
「待つとは言った。言ったが‥‥これは禁じ手だろう」
何が禁じ手なのかセレティアには判らなかった。
急ぎ戻らねばならない訳でもないセレティアは寛ぐロレンツィオの向かいに腰を掛ける。
そこに執事が色々と書類を持ってきて、説明を受けながら幾つかの書類を受け取る。
全てを渡されたわけはないので、お役目である騎士の仕事の関係なのかと思いただ待っていると、数枚の書類をセレティアの前に出した。
全てに控えと印が押されているので、署名などは必要はなさそうだが説明をするという。
「この書類はセティがこの国の国民となったという証明書の控えだ」
もう無くなった国だとは言え、書面上で言えばこの国で出生を貴族院などに届けたわけではないので婚姻と同時にこの国の国民となったのだという。
届けとしては婚姻後に出されている日付なので【ルシィド・エイレル】という文字は何処にもない。
父母の欄にも記入はなく、その代わり代理人として畏れ多くも国王陛下と王妃様の名が書かれていた。
「次に‥‥婚姻証明書になる」
先ほどの書類の上に重ねるように置いた書類はこの国の教会で婚姻が認められたというものだった。
ハンザでも届けだけという者は多いので抵抗はない。
セレティアの中にはあの日教会で誓い合うだけではなく通りすがりの者でも良いので立会人となって貰って正式に結婚をしていれば…とふいに頭をよぎった思いを打ち消すように小さく首を横に振った。
「すまない…勝手な事をした」
「いえ、そうではありません。向こうを出た時から気持ちは‥‥」
「固まってはいないよね?」
「…っ…申し訳ありません…そうです」
「謝らなくていいよ。ただこうしておかないと色々と面倒な事もあるからね」
婚姻の書類を見て何故使用人や侍女たちが自分の事を「奥様」と呼ぶのか納得をする。
届けが出されていればそう呼ばねば他に呼び名がないのである。
そして面倒な事と言われて考えてみる。ロレンツィオは三男とはいえ公爵家子息である。
その上、己の功績と力でこんなにも広い土地と大きな屋敷、沢山の使用人を養っているのである。
領地はなくてもこの先、騎士を引退しても有り余るほどの財産がある公爵家子息。
どの国でも妻の座を狙う者はいるのである。
「あの…わたくしはいつでも離縁をして頂いて構いませんので…」
「(くすっ)何を言ってるのかな。言っただろう?君を放す事など出来ないと」
「ですが…」
「多分心配をしている面倒な事が違うんだ。僕の中将という役職は兎角面倒でね。婚約者とか恋人という立ち位置では守り切れない事もあるんだ。でも妻は違う。式典なんかへの同伴はしてもらわないといけないけど中将の妻であるというだけで君の立場が守られる場所も多くなるんだ。一応…僕がどうしても一緒にいられない時は護衛もつくしね」
「護衛?わたくしにですか?」
「そう。間違いなく悪い羽虫も沢山寄ってくる。僕はそう言うのは許せないんだ」
「羽虫?…そんなに虫を寄せ付ける体質ではないと思うのですが…虫を払うだけに護衛は大げさではないでしょうか…藪などはわたくしも近寄りませんし。刺されても虫刺されの薬草は持ってきておりますが…」
プパっと笑うと、執事も咳ばらいをするように誤魔化しながらも肩が揺れている。
振り返れば侍女が残念な子を見るような目でセレティアを見ている。何かおかしなことを言ってしまったのだろうかと、思い出してみるが何がいけなかったのかはわからずである。
「そうそう、旦那様、奥様のドレスですが明後日仕立て屋が参りますがその時に帽子やバッグなどの小物も一緒に頼んでも宜しいでしょうか?」
専属侍女のジャスミンがとんでもない事を言い出したとセレティアは慌てた。
「い、いえ、違うのです。沢山クローゼットにもありま…」
「いいですよね!旦那様!」
セレティアの言葉の途中でジャスミンは言葉をかぶせてロレンツィオに迫る。
ニコニコしたロレンツィオは何でも好きな物を買えばいいし、なければ取り寄せればいいと言う。
執事や、部屋の隅に控えている使用人もうんうんと頷き、セレティアの遠慮は取り入れてはもらえそうになかった。
「さぁ、奥様は準備がありますのでもういいですよね?」
「準備?なんの準備だ?」
ロレンツィオはこれから食後の茶と、使用人が買ってきてくれたケーキでもと思ったのにと言うが、侍女に押し切られてセレティアはグイグイと背を押されて食事室を後にする。
セレティアの部屋だという部屋はとても広くて洗練された家具が置かれている。
入り口の扉とは別に隣の部屋に行く扉があり、そこは夫婦の寝所だと説明をされた。
自分の部屋だという部屋にも大きなベッドはあるが、通常はあちらをお使いくださいと言われる。
記憶にある母は寝込む前は侯爵家でも父と同じ寝台で夜は寝ていた。
病に倒れてからは母の部屋にあるベッドで寝ていたので、すんなりと受け入れた。
そこで何をするのかなどセレティアは誰からも聞いた事がなかったのである。
学院でもそのような話をする友人はいなかったし、クラウドとセレティアのように親も認めたような恋愛が許されたものはごく少数で、大抵は親が決めた家同士の政略結婚だった。
戦況も悪かったことから、異性とどこかに行った、手を繋いだなどと話していれば教師から数時間懺悔室でお説教を聞かされることになってしまうので誰もこの手の話をしなかった。
部屋では5人の侍女に囲まれてドレスを脱がされ、またもや湯殿に連れて行かれて磨き上げられる。
今度は花びらを浮かべた湯で、花の香りのする香油をたっぷりと塗られる。
あとは寝るだけなのに今度は自分でも鏡を直視できないような透けた服を着せられる。
これでは風邪をひいてしまって皆に迷惑をかけるのではないかと思い、流石にドレスで寝るのは無理だが一般的な寝間着を頼んでみる。
「あ、あの…普通の寝間着でいいのですけど…」
「普通ですよ?言ってみれば爵位としてはご実家と同じ公爵家と同じくらいの立ち位置の旦那様ですからその奥様の寝間着としてはこれでも質素なくらいです」
これで質素…と思考が追いつかないセレティア。
母も10歳になる前に亡くなっていて、思春期と呼ばれる頃は戦争の真っただ中。
当然閨教育と言うものは受けているわけもなく、ご夫人方のドレスは見た事はあっても寝間着は見た事はない。その日を生きるのにいっぱいいっぱいで通いのメイドにもそんな事を聞いた事もない。
しかし鏡に映る自分は胸も透けて見えて、その先端は少し色があるものだから余計に目立つ上に、長さは恥骨が少し隠れるほどしかない。
ショーツもつけていると思わなければならない程、布が少なく側面の紐を引けばすぐに外れてしまう。
(奥様って大変なんだわ)
セレティアは心からそう思った。
寝相には気を付けなくてはいけないと思いつつ、侍女が開けてくれた夫婦の寝所への扉から隣の部屋に入る。
向かいにはロレンツィオの部屋からの入り口だと言う扉と、廊下に出る扉があるが、この部屋にある家具は寝台である。
こじんまりとしたチェストと1組のテーブルセットがあるだけで寝るだけの部屋なのだなとセレティアは思った。侯爵家でも両親の寝室は入る事を禁止されていたためちらりとしか見た事はないが、似たようなものだったかもしれないと思った。
キョロキョロとして、テーブルセットの椅子にでも座って待っていようとした時、ドアが開く音がした。
「ツィオ様」
名を呼んだだけである。椅子に座ろうと思っていたので立ったままで失礼かとは思ったが本当に名を呼んだだけだった。
しかし、ロレンツィオは足早にセレティアの前に来て俯きがちに言った。
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