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第24話 なんの記念日?★最終話★
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期待していた鉄扇は飛んでこなかったが、チェサピックが考えていたよりも事はトントンと進む。ピレニーの両親からも許しをもらえば、翌日ピレニーはチェサピックの母であるゲルニカ妃の元を訪れていた。
「護衛の仕事って諜報のような事をしているとつまらないものなのに、簡単に引き受けるからこれはもしやご縁があるかも?と思ってたのよ」
社交らしい社交をしない王子妃のゲルニカ。
それもそのはず、なんとドレスは式典の際に着用する「ローブ・デコルテ」と「ローブ・モンタント」の2着のみ。
夫であるドベールが面割れをしないようにしているのに、その妻が茶会だ夜会だと足繁く出向いていれば話にならない。ドベールと結婚を決めたのはドベールが自身を庇って死んだ夫への償いへの気持ちに応えたのもあっただろうが、20年を超える年月でちゃんと夫婦となってドベールの立場も考えてのこと。
ゲルニカ妃の残る心配は身分は王族ではないチェサピックの事だったが、これで肩の荷が下り、あとはドベールが引退をするのを待つだけだと笑った。
「あの子は昔から落ち着きがないから、どうしてもって時は指輪じゃなくて首輪とリードをつけておくといいわ」
「そんな・・・首輪とリードだなんて」
「それくらいの管理も必要よ。褒められると必要以上に喜ぶから騒がしいのよ」
幼い頃に使っていたと言うボロボロの「散歩用ハーネス」もゲルニカ妃は「宝物なの」と見せてくれた。
ピレニーはチェサピックの好物もこっそりと教えてもらった。
「実は肉の中でもシカ肉が好きなの。野菜はブロッコリーが好きよ。他には・・・インゲンが好きなの。沢山は食べないけど肉に、2、3本添えてあげると顔がね、ぱぁぁっとなるのよ?」
領地は鶏は卵を産む事が仕事なので、鶏肉が食卓に上がるのは滅多にない。
牛も乳を搾るし、豚はいないので肉と言えばイノシシかシカというジビエが主。
シカ肉は王都育ちのチェサピックには香りが合わないだろうと出さなかったのだが、好物だと知ってピレニーは早速領地に戻ったらソテーを出す事を決めた。
ピレニーの王位継承権が結婚により消えて子供に引き渡される事や、どんな理由があっても婚約破棄をした令嬢という立場もあり、結婚式は行わなかった2人は領地までの道中を前回よりも多くとる事を「新婚旅行」の代わりとする事で先ずはモコ伯爵家で皆に見送られて出立をした後、ドベールの宮にいき王太子夫妻も含め王族にも挨拶をした後、領地に向かった。
レオカディオはあれからは届けを修正され、アエラと共に部屋からは出られない生活になったと聞く。子供は生まれればサレス侯爵が親類に養子にだし、サレス侯爵家はまた別の親戚筋から後継を養子に迎えると言う。
「出口は開きっ放しなのに扉は閉じられたままなのか」
チェサピックの言葉が気になるが、レオカディオの事なので放っておけばアエラと幸せに暮らすだろうとそれ以上考えるのをピレニーは止めた。
跨るのはグルーミング号とトリミング号。
「くれぐれも!」と念押しをされて今回の道中に野宿はない。
「ハチノコは旨いんだけどな」
「もう刺されたら危険だからダメです」
蜂は何度も刺されるとアナフィラキシーショックを起こす可能性がある。1度目でも起こす可能性はあるがチェサピックは前回、8カ所も刺されている。
「結婚したばかりで寡婦はごめんですからね」
「判ってるって。おっ!ピレニー!あの木に生えてる白いのはキノコか?!」
「寄り道はしません!キノコも領地に戻るまで禁止!それよりも発注は幾つありましたの?」
「全部で3200・・・ごめん。細かい数字は覚えてない」
茶会でポラニアンが淹れた茶は招いたご夫人の舌をうならせた。
家に帰れば騎士団に夫や息子がいる家から注文が相次ぎ、領地だけでは砂が足らなくなる恐れがあったため、隣接する小さな子爵領から砂を購入する手続きも終えた。
「これで領地の濾過装置も何とかできそうね。チェサピック君のおかげだわ」
「ピレニーが義母上に話をしてくれたからだよ」
「チェサピック君も騎士団に働きかけてくれたんでしょう?伯父さまから聞いたわ。食事に関する事は野菜一つでも産地なんかの選定で揉めるそうなのに、濾過装置を置かせてもらったおかげよ」
やはり褒められると嬉しい。
父のドベールからも褒められたけれど、ピレニーから褒められるとチェサピックは体に力が漲る気がした。
★~★
「ふぅ~今日はここまでね」
額の汗を拭い、インゲンやソラマメなどを収穫したピレニーが腰をトントンとしながら立ち上がる。
「奥様、結構取れましたね。今年は出来がいい」
「そうね。シカ肉を頂いているから持ち帰って。今夜は皆、ジビエ料理ね」
「若旦那様にもインゲン添えるの忘れないでくださいよ」
2人分と少しのインゲンとソラマメを籠に入れると遠くで呼ぶ声がどんどん近くなる。
「ピレニー!」
「もう!ちょっと井戸の掃除をしてる間にいなくなるから探したよ」
「畑に行くって言ったわよ?」
「え?いつ?」
「朝食の時に言ったわよ?」
「無理だよ。朝食を食べてるピレニーの可愛さで頭も心もいっぱいだったから覚えてないよ」
領地での生活は穏やかでチェサピックがいるからか、何事もなく過ごせていた。時折、深夜に寝台を抜け出したチェサピックが傭兵と共に野盗を摘発するために明け方に帰って来る以外は朝まで一緒に眠る。
「若旦那様、ちょっと奥様離れしたらどうです?」
「無理だよ。もう離れろったって懐きすぎて離れられないよ」
領民の笑い声が響く畑で、チェサピックに籠を手渡すとインゲンがあるのをみてチェサピックの顔がパッと綻んだ。屋敷の使用人は通いにしてもらい、食事を作るのも2人で行なう。
「帰ろうか」
「うん」
チェサピックは農作業の道具も持ち、空いた手でピレニーと手を繋ぐ。
「ピレニー。インゲンがあるって事は今日はジビエ?」
「ウフフ。そうよ。シカ肉を貰って臭みを抜いたから」
「やった!あれ?今日は何か記念日だったっけ?」
「う~ん。記念日になるのかなぁ」
「どういうこと?結婚記念日は再来月だし…ピレニーの誕生日は終わったし‥俺の誕生日もまだ先だし‥」
「そうねぇ。しいて言えばチェサピック君が父親になるのが決まった日?」
バサッと音を立てて持っていた籠が落ちて見る間にチェサピックの顔がくしゃりと歪んだ。
「ほん・・・本当に?」
「うん。お腹が変だなぁと思ってみて貰ったら胎動だって。ほら。泣かないの」
ハンカチにチェサピックの涙を吸わせるのだが次から次に溢れて来てハンカチが搾れそうになる。
「ありがっ…ありがとう・・・ピレニー」
「って、事で今晩から生まれて暫くまでは禁止ね」
しゅぅぅ~っと音がするように涙が引いていくが、「任せろ!」と右手をグッと差し出すチェサピック。落とした籠に散らばったインゲンを拾いながら嬉しさを噛み締めた。
「生まれるまで離れないからな」
「えぇーっ!?なんで?一緒に住んでるじゃないの」
「子供が生まれたら取られるじゃないか」
「取られません。大きな子供はもう卒業して頂戴。なんでもピレニー!って呼ぶのも禁止!父親になるんだから甘えないの!」
そしてまた屋敷まで歩き始めた。
Fin
★~★
お付き合いいただきありがとうございました。
この後、数日掛けてコメントの返信を致します。まだかな~と待って頂けると嬉しいです(*^-^*)
「護衛の仕事って諜報のような事をしているとつまらないものなのに、簡単に引き受けるからこれはもしやご縁があるかも?と思ってたのよ」
社交らしい社交をしない王子妃のゲルニカ。
それもそのはず、なんとドレスは式典の際に着用する「ローブ・デコルテ」と「ローブ・モンタント」の2着のみ。
夫であるドベールが面割れをしないようにしているのに、その妻が茶会だ夜会だと足繁く出向いていれば話にならない。ドベールと結婚を決めたのはドベールが自身を庇って死んだ夫への償いへの気持ちに応えたのもあっただろうが、20年を超える年月でちゃんと夫婦となってドベールの立場も考えてのこと。
ゲルニカ妃の残る心配は身分は王族ではないチェサピックの事だったが、これで肩の荷が下り、あとはドベールが引退をするのを待つだけだと笑った。
「あの子は昔から落ち着きがないから、どうしてもって時は指輪じゃなくて首輪とリードをつけておくといいわ」
「そんな・・・首輪とリードだなんて」
「それくらいの管理も必要よ。褒められると必要以上に喜ぶから騒がしいのよ」
幼い頃に使っていたと言うボロボロの「散歩用ハーネス」もゲルニカ妃は「宝物なの」と見せてくれた。
ピレニーはチェサピックの好物もこっそりと教えてもらった。
「実は肉の中でもシカ肉が好きなの。野菜はブロッコリーが好きよ。他には・・・インゲンが好きなの。沢山は食べないけど肉に、2、3本添えてあげると顔がね、ぱぁぁっとなるのよ?」
領地は鶏は卵を産む事が仕事なので、鶏肉が食卓に上がるのは滅多にない。
牛も乳を搾るし、豚はいないので肉と言えばイノシシかシカというジビエが主。
シカ肉は王都育ちのチェサピックには香りが合わないだろうと出さなかったのだが、好物だと知ってピレニーは早速領地に戻ったらソテーを出す事を決めた。
ピレニーの王位継承権が結婚により消えて子供に引き渡される事や、どんな理由があっても婚約破棄をした令嬢という立場もあり、結婚式は行わなかった2人は領地までの道中を前回よりも多くとる事を「新婚旅行」の代わりとする事で先ずはモコ伯爵家で皆に見送られて出立をした後、ドベールの宮にいき王太子夫妻も含め王族にも挨拶をした後、領地に向かった。
レオカディオはあれからは届けを修正され、アエラと共に部屋からは出られない生活になったと聞く。子供は生まれればサレス侯爵が親類に養子にだし、サレス侯爵家はまた別の親戚筋から後継を養子に迎えると言う。
「出口は開きっ放しなのに扉は閉じられたままなのか」
チェサピックの言葉が気になるが、レオカディオの事なので放っておけばアエラと幸せに暮らすだろうとそれ以上考えるのをピレニーは止めた。
跨るのはグルーミング号とトリミング号。
「くれぐれも!」と念押しをされて今回の道中に野宿はない。
「ハチノコは旨いんだけどな」
「もう刺されたら危険だからダメです」
蜂は何度も刺されるとアナフィラキシーショックを起こす可能性がある。1度目でも起こす可能性はあるがチェサピックは前回、8カ所も刺されている。
「結婚したばかりで寡婦はごめんですからね」
「判ってるって。おっ!ピレニー!あの木に生えてる白いのはキノコか?!」
「寄り道はしません!キノコも領地に戻るまで禁止!それよりも発注は幾つありましたの?」
「全部で3200・・・ごめん。細かい数字は覚えてない」
茶会でポラニアンが淹れた茶は招いたご夫人の舌をうならせた。
家に帰れば騎士団に夫や息子がいる家から注文が相次ぎ、領地だけでは砂が足らなくなる恐れがあったため、隣接する小さな子爵領から砂を購入する手続きも終えた。
「これで領地の濾過装置も何とかできそうね。チェサピック君のおかげだわ」
「ピレニーが義母上に話をしてくれたからだよ」
「チェサピック君も騎士団に働きかけてくれたんでしょう?伯父さまから聞いたわ。食事に関する事は野菜一つでも産地なんかの選定で揉めるそうなのに、濾過装置を置かせてもらったおかげよ」
やはり褒められると嬉しい。
父のドベールからも褒められたけれど、ピレニーから褒められるとチェサピックは体に力が漲る気がした。
★~★
「ふぅ~今日はここまでね」
額の汗を拭い、インゲンやソラマメなどを収穫したピレニーが腰をトントンとしながら立ち上がる。
「奥様、結構取れましたね。今年は出来がいい」
「そうね。シカ肉を頂いているから持ち帰って。今夜は皆、ジビエ料理ね」
「若旦那様にもインゲン添えるの忘れないでくださいよ」
2人分と少しのインゲンとソラマメを籠に入れると遠くで呼ぶ声がどんどん近くなる。
「ピレニー!」
「もう!ちょっと井戸の掃除をしてる間にいなくなるから探したよ」
「畑に行くって言ったわよ?」
「え?いつ?」
「朝食の時に言ったわよ?」
「無理だよ。朝食を食べてるピレニーの可愛さで頭も心もいっぱいだったから覚えてないよ」
領地での生活は穏やかでチェサピックがいるからか、何事もなく過ごせていた。時折、深夜に寝台を抜け出したチェサピックが傭兵と共に野盗を摘発するために明け方に帰って来る以外は朝まで一緒に眠る。
「若旦那様、ちょっと奥様離れしたらどうです?」
「無理だよ。もう離れろったって懐きすぎて離れられないよ」
領民の笑い声が響く畑で、チェサピックに籠を手渡すとインゲンがあるのをみてチェサピックの顔がパッと綻んだ。屋敷の使用人は通いにしてもらい、食事を作るのも2人で行なう。
「帰ろうか」
「うん」
チェサピックは農作業の道具も持ち、空いた手でピレニーと手を繋ぐ。
「ピレニー。インゲンがあるって事は今日はジビエ?」
「ウフフ。そうよ。シカ肉を貰って臭みを抜いたから」
「やった!あれ?今日は何か記念日だったっけ?」
「う~ん。記念日になるのかなぁ」
「どういうこと?結婚記念日は再来月だし…ピレニーの誕生日は終わったし‥俺の誕生日もまだ先だし‥」
「そうねぇ。しいて言えばチェサピック君が父親になるのが決まった日?」
バサッと音を立てて持っていた籠が落ちて見る間にチェサピックの顔がくしゃりと歪んだ。
「ほん・・・本当に?」
「うん。お腹が変だなぁと思ってみて貰ったら胎動だって。ほら。泣かないの」
ハンカチにチェサピックの涙を吸わせるのだが次から次に溢れて来てハンカチが搾れそうになる。
「ありがっ…ありがとう・・・ピレニー」
「って、事で今晩から生まれて暫くまでは禁止ね」
しゅぅぅ~っと音がするように涙が引いていくが、「任せろ!」と右手をグッと差し出すチェサピック。落とした籠に散らばったインゲンを拾いながら嬉しさを噛み締めた。
「生まれるまで離れないからな」
「えぇーっ!?なんで?一緒に住んでるじゃないの」
「子供が生まれたら取られるじゃないか」
「取られません。大きな子供はもう卒業して頂戴。なんでもピレニー!って呼ぶのも禁止!父親になるんだから甘えないの!」
そしてまた屋敷まで歩き始めた。
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ほっこりしました。
気は優しくて力持ち。理想ですね。
ちゃんと子供できたんだね〜
シアワセのお裾分けもらいました(^^)
コメントありがとうございます。<(_ _)>
チェサピックは控えめな所もありつつ・・・意外とロックオンしたら逃がさないぜ!っていう猟犬的なところもあります(*^-^*)
国の暗部も担っていた仕事もしていますので、これ以上の番犬はピレニーも探せないかも??
ですけどもチェサピックは血を引いている訳じゃないので自分は駄犬だと思い込んでもいました。養父となった人が出来る人だと超える壁も大きいし高いのでついつい自虐しちゃいますかねぇ‥。
それでも持ち前の努力でしっかり力を付けたのがチェサピックです(*^-^*)
ワンコは小型犬も可愛いですけども、大型犬も「この大きさなのに!!」っと思わず萌えを刺激されてしまうこともあるワシ(笑)
お散歩する時にグイグイと引っ張られる散歩もいいなぁっとついついチェサピックとか大型犬にしてしまいました(;^_^A
レオカディオはピレニーを赤ちゃんの時から虐めている性悪…。こっちはついつい意地悪しちゃうじゃすまないくらいの悪さをしておりましたので、ピレニーも体が拒否反応(笑)
チェサピックに守って貰っていそうで、チェサピックを守るピレニー。
数年後にはわさわさ大量にチェサピックジュニアが周りを走り回ってるかな(*^-^*)
楽しんで頂けて良かったです(*^-^*)
ラストまでお付き合いいただきありがとうございました。<(_ _)>
最終話
後半からピオニーとなってしまっとりやす。
完結、お疲れ様ですた!
コメントありがとうございます。<(_ _)>
うわぁぁ!!Σ( ̄□ ̄|||) 最後の最後でもやらかしてたー!!
急いで訂正を致しましたよ~これ。師匠のコメントみるまで全然気が付いてなかった!
ピレニーでPIと入力したら予測変換出てたんでピレニーになってるつもりでした!!
ありがとぉ~やっぱ師匠頼りになるぅ♡
教えて頂きありがとうで御座いますよぅ~ヾ(@⌒ー⌒@)ノ
今回は内容紹介から誤字が吹き荒れてヒロインの名前を最後に間違うと言う・・・
おそらく外道昇格試験・・・落ちたな(笑)
外道10級をまた頑張ります!!
ラストまでお付き合いいただきありがとうございました。<(_ _)>
★~★欄を拝借★~★
今回も52件(うち3件非承認ご希望)もコメントを頂きありがとうございます!
慌ただしい投稿でしたが、読んで頂けただけでなくコメントも頂き、誤字も教えて頂いてMAXスペシャルに感謝しております(*^-^*)
また、いつのもニャン揃いだけでなく、今回の11月11日11時11分開始というワン(1)で揃えたい!というだけの話にもお付き合い頂いて感謝感激!
本当にありがとうございました。(*´▽`*人)
完結ですね。
ピレニーのママ、なんで伯爵家に降嫁したのかと思っていたら、こっちも『約束』だったんですね。
こっちは上手くいったけどピレニーは解消を目論んでいました。
相手がアレじゃあねぇ。
レオは破棄される時になってようやくピレニーの価値に気づくなんて遅すぎる。
幼少期から生理的嫌悪を抱かれているから所詮無理だったかも。ピレニー、本能で悟っていたの?
第2王子親子は、いい仕事をしていましたね。
特に婚約破棄。
慰謝料もガッポリ。慰謝料だけで済む話では無いんですけどね。立場も回復してくれたということでOKかな。
そして駄犬は忠犬になりました。
従兄弟と言えど顔も知らなかったとは驚きでした。
ビスケット一枚あったら、あったらジョリーとぼくとで半分こ
これを聞くたびにもう一匹いるじゃんとツッコミをいれていました。
プッチーだったかな?
コメントありがとうございます。<(_ _)>
そうなんですよ。ポメリアン(ピレニーママ)も王家とモコ伯爵家の約束があったのです(*^-^*)
まぁ、モコ伯爵は元王女でちょっと怖いけどポメリアンの事が大好きなので、引退までまだまだなのに引退後の家を自分で手入れしようとしたりします(浮気疑惑を持たれましたが。笑)
1代前に王家が約束を果たしているので、サレス家としてはピレニーの価値と言うのをかなり高く評価しているんですよ。子供が生まれれば国王すら手出しできない人間を2人もサレス家が取り込めるので、下手すると影の摂政くらいはなれるかも??ですしね。(*^-^*)
なので、レオカディオがかなりやらかしてもピレニーさえサレス家に来てくれればどうでも良かったってのもあります(*^-^*)
レオカディオは幼い時からずっとピレニーを虐めてて、ピレニーも我慢の限界を精神的に迎えちゃったので領地に療養として行くんですけども、そんなトラウマがある相手なんて絶対に嫌だし、王都に戻って来てからは領地でもまれて図太くなってますけども、それでもアエラと共有とかアエラのお古なんて・・・。
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夫であり父親でありですけども、最強の護衛になるかな(*^▽^*)
ま、キノコはかなり注意して食べるでしょうけども(爆)
プッチ―いましたねぇ…ジョリーとだけ半分こだと‥プッチ―はポケットの縫い目に嵌ったクズクズになったやつ???それアカーン!!(笑)
ラストまでお付き合いいただきありがとうございました。<(_ _)>