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第21話♡ ブランド野菜を海水で
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「凄いですね…こんなすごいところ初めてです」
ビオヘルミさんが第1王子ライオネル様の宮、通称琥珀の宮の奥深く…に足を踏み入れると感嘆の声を漏らしております。
解るわぁ。私も最初に来た時は「初めのいぃぃっぽ」が踏み出せずに小鹿の如く足をガクブルでしたもの。ですがそこで間諜のサミュエル様とお会いしまして、「威嚇の第一歩だ!」とファイティングポーズを教えて頂きましたの。
今では繰り出すパンチは猫パンチですが恰好だけは一人前ですわ。
そう、わたくし「来るなら来い!」と受け身については何時襲われてもダイジョブダイジョブ~と笑ってかわせますが、攻めることが出来ないのです。
「ところで…海側に畑を作っても大丈夫なんですか?」
「勿論!むしろ海側だからこそ!のブランド野菜を育てるのです」
私の計画では隣国で見た「アスパラガス」がイチオシで御座います。
えぇ。ルルと夜中にこっそり宿屋を抜け出し、アスパラガスのバター炒めを食しまして、虜になったのです。
このアスパラガスをピッツァのトッピングにした時のホクホク&シャクっと感!
あの味をもう一度!!あの食感をリメンバー!
切なる願いですわ。
「ブランド野菜って無理ですよ…元々パロンシン領の土地ってそんなに肥沃でもないんです」
「だから良いんですよ!今回、これでもかー!ってアミナリン様が肥料を投入されたでしょう?」
「えぇ…お恥ずかしながら兄はゼロか100かみたいなところがあるんです。何をするにも全力なのでここに来る途中も大変でした」
なんてことなの。
生き様がデッドオアアライブだなんて。
いったい何があったのかしら。
「来る途中、幌馬車の乗客が食べていたパンが奪われたです」
「まぁ。まさか幌馬車で強盗とは…驚きますわね」
「いえ、相手は人じゃないんです。ハトだったんです」
まさかのハト。
でもハトを相手に何をしたの…まさかと思うけど。
「指をバーンな形にして豆鉄砲だと…当たりませんでしたけどね」
当たったらこっちがびっくりよ。
ハトも本気で豆鉄砲ならぬバーン食らうとは思わないでしょうし。
「でも、兄は本気でして。そういう無鉄砲なところがあるんです」
ビオヘルミさん、それ無鉄砲とはちょっと違うと思うわ。
1つ間違うと本気で痛い人になるから注意して差し上げて?
「でもね、肥料を大量に投入されているからこそ、海側に畑を作って今の畑から持ってくる少しの量で事足りるのよ」
「何を栽培しようと?」
「トマト。それからキャベツにホウレンソウ。忘れてならないのはアスパラガスね」
「出来るんですか?!潮風もあるんですよ?」
「それが良いの。この他にもブロッコリーとか。実はね、野菜とか散水するでしょう?その散水する水に海水を使うのよ」
「海水を?!枯れちゃいますよ!」
「そう思うでしょう?これが違うの。確かにヒタヒタにするくらいだと枯れてしまうんだけど、散水する程度なら海水でも十分に育つの。でも海水がダメな物もあるの。トウモロコシとか豆類はダメね」
「そうなんだぁ。全然知らなかったです」
「トマトとか海水で育てると普通の水で育てたトマトより糖度が倍近くになるのよ。絶対に売れるわ。これでチーズとマッシュルーム、そして唐辛子パラパラしたピッツァを食べると最高よ。あ。トッピングはアスパラガスとほうれん草ね」
「唐辛子?唐辛子ってなんです?」
「隣国で手に入れたスパイスの1種よ。そういえば鰤を養殖されているのよね」
「はい」
「切り身を焼いてピリ辛に煮つけた魚料理もあったわね。そういうのも販促考えてみなくちゃ」
ビオヘルミさんの緊張も解けて来たようですし、この先に待ち受けるご婦人方と早速プチお茶会で融資をご相談させて頂かなくっちゃ♡
働かざる者、食うべからずですものね。
ビオヘルミさんが第1王子ライオネル様の宮、通称琥珀の宮の奥深く…に足を踏み入れると感嘆の声を漏らしております。
解るわぁ。私も最初に来た時は「初めのいぃぃっぽ」が踏み出せずに小鹿の如く足をガクブルでしたもの。ですがそこで間諜のサミュエル様とお会いしまして、「威嚇の第一歩だ!」とファイティングポーズを教えて頂きましたの。
今では繰り出すパンチは猫パンチですが恰好だけは一人前ですわ。
そう、わたくし「来るなら来い!」と受け身については何時襲われてもダイジョブダイジョブ~と笑ってかわせますが、攻めることが出来ないのです。
「ところで…海側に畑を作っても大丈夫なんですか?」
「勿論!むしろ海側だからこそ!のブランド野菜を育てるのです」
私の計画では隣国で見た「アスパラガス」がイチオシで御座います。
えぇ。ルルと夜中にこっそり宿屋を抜け出し、アスパラガスのバター炒めを食しまして、虜になったのです。
このアスパラガスをピッツァのトッピングにした時のホクホク&シャクっと感!
あの味をもう一度!!あの食感をリメンバー!
切なる願いですわ。
「ブランド野菜って無理ですよ…元々パロンシン領の土地ってそんなに肥沃でもないんです」
「だから良いんですよ!今回、これでもかー!ってアミナリン様が肥料を投入されたでしょう?」
「えぇ…お恥ずかしながら兄はゼロか100かみたいなところがあるんです。何をするにも全力なのでここに来る途中も大変でした」
なんてことなの。
生き様がデッドオアアライブだなんて。
いったい何があったのかしら。
「来る途中、幌馬車の乗客が食べていたパンが奪われたです」
「まぁ。まさか幌馬車で強盗とは…驚きますわね」
「いえ、相手は人じゃないんです。ハトだったんです」
まさかのハト。
でもハトを相手に何をしたの…まさかと思うけど。
「指をバーンな形にして豆鉄砲だと…当たりませんでしたけどね」
当たったらこっちがびっくりよ。
ハトも本気で豆鉄砲ならぬバーン食らうとは思わないでしょうし。
「でも、兄は本気でして。そういう無鉄砲なところがあるんです」
ビオヘルミさん、それ無鉄砲とはちょっと違うと思うわ。
1つ間違うと本気で痛い人になるから注意して差し上げて?
「でもね、肥料を大量に投入されているからこそ、海側に畑を作って今の畑から持ってくる少しの量で事足りるのよ」
「何を栽培しようと?」
「トマト。それからキャベツにホウレンソウ。忘れてならないのはアスパラガスね」
「出来るんですか?!潮風もあるんですよ?」
「それが良いの。この他にもブロッコリーとか。実はね、野菜とか散水するでしょう?その散水する水に海水を使うのよ」
「海水を?!枯れちゃいますよ!」
「そう思うでしょう?これが違うの。確かにヒタヒタにするくらいだと枯れてしまうんだけど、散水する程度なら海水でも十分に育つの。でも海水がダメな物もあるの。トウモロコシとか豆類はダメね」
「そうなんだぁ。全然知らなかったです」
「トマトとか海水で育てると普通の水で育てたトマトより糖度が倍近くになるのよ。絶対に売れるわ。これでチーズとマッシュルーム、そして唐辛子パラパラしたピッツァを食べると最高よ。あ。トッピングはアスパラガスとほうれん草ね」
「唐辛子?唐辛子ってなんです?」
「隣国で手に入れたスパイスの1種よ。そういえば鰤を養殖されているのよね」
「はい」
「切り身を焼いてピリ辛に煮つけた魚料理もあったわね。そういうのも販促考えてみなくちゃ」
ビオヘルミさんの緊張も解けて来たようですし、この先に待ち受けるご婦人方と早速プチお茶会で融資をご相談させて頂かなくっちゃ♡
働かざる者、食うべからずですものね。
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