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第05話♡ 他人の心配よりも
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「間違いがないか確認をしてくれ」
差し出された書面を私は確認いたします。
何を置いても3年後の離縁が最優先で約束をされている。OKで御座います。
そして2枚目。
王子妃としての支度金はゼロ。
つまり何かをしようとする時には私財を利用するしかないため、買い物は個人の判断となります。
数年に1度しか着用しない正装用ドレスなど一切必要御座いません。
婚姻時の利益、不利益共に全てにおいて干渉しない。
OKで御座います。
さらに3枚目。
レアンドロ様には現在ルシェルという最愛がおりますが、私にはいません。
なので、公にしない範囲で愛を育むのは結構な事ですが、互いの迷惑にならない範囲で。
つまり私の眼に入る範囲でイチャコラはない。OKで御座います。
他人様のイチャコラなど、小説や挿絵本、歌劇ではキュンキュン致しますがリアルは「勝手にやって」と観たくも御座いませんしね。
同じものを3つ。面倒では御座いますが敢えてレアンドロ様に作成頂きます。
同じ人が書いた。これ大事。
出来上がった書類を確認し、角を揃えてトントン揃えた後は乾杯で御座います。
国王陛下がご用意くださった年代物のワインをグラスに注ぎ、軽く持ち上げて乾杯をし明日は夫婦で最初で最後となる共同作業。正教会に予備の1部を金庫に預けて来るのです。
どちらか片方で金庫を開ける事が出来ると中身をすり替えたり、廃棄や改竄の可能性があります。
金庫を解錠する時は2人が揃わないといけないとしておくのです。
フンフフン♪鼻歌まで飛び出してしまいご機嫌な私にレアンドロ様は仰います。
「王子妃と言う立場を利用せずただのんびりと3年過ごすのか?」
「いいえ?3年も無駄には出来ません。個人的な活動は致します。だって3年から後にも私は生きていかねばなりませんので」
「それもそうだな。何をするんだ?」
「日頃と同じ、いえ、これまでよりも気合を入れねばなりませんわ。なんせ3年後に無一文ですと生活にも困りますもの。殿下だって頼られても困りますでしょう?」
「当たり前だ。3年後には私の隣にはルシェルがいるのだからな」
「えぇ。ダニも蛭も面倒な生き物ですものね」
「そこまで自分の事を卑下なくてもいいんじゃないのか?」
いやだわ。ここも直球のほうが良かったのかしら。
間違いなくルシェルの事だとは思っていないようね。
あぁでも、愛しい人とバラ色の生活と思えば苦にもならないのかも。
そうね。バラの大好きなロージー伯爵夫人もアブラムシやイラガの駆除はお手の物だったもの。
好きなら害虫すら怯むことなく立ち向かえるというものだわ。
「早速明日から大忙しですわ」
「何か予定があるのか?」
「大したことではないのです。ただ役目を1つ任せていた人を交代させますので新しく引きうけてくださる方にお願いもせねばなりませんの」
「大変だな。まぁ妃という立場になれば侯爵令嬢からの頼みと違って簡単な事でも引き受けてくれる者はいなくなるからな」
そうでしょうか?
今までは父のイサミア氏に任せていたので手間ばかり。
今度はブルベーリ公爵家御推薦で大商会の引退した会頭夫妻にお任せするのでむしろ丸投げで良くなって手間が省けますのに。
ですが、それも考え方次第ですわね。
これまでは父のイサミア氏に多方面から見ると法外な料金を払っていたのが、年に2回の贈り物に替わるんですもの。お相手が何か好きか悩みますわ。
海産物?お酒?あぁ絹の寝台用シーツもいいわね。
相手の好みなど考えるよりも現金を渡した方がよっぽど楽とも言えますものね。
ですが、レアンドロ様。
他人の心配よりご自分の心配をされた方がよろしくてよ?
あら、いけない。老婆心も行き過ぎるとお節介と言われてしまうわ。
金を出さないなら口も出さない。鉄則ですわね。
私はワインを飲み干し、「では、明日10時に正教会、お忘れなく」と時間と場所を念押しし私室に引き上げたのです。
差し出された書面を私は確認いたします。
何を置いても3年後の離縁が最優先で約束をされている。OKで御座います。
そして2枚目。
王子妃としての支度金はゼロ。
つまり何かをしようとする時には私財を利用するしかないため、買い物は個人の判断となります。
数年に1度しか着用しない正装用ドレスなど一切必要御座いません。
婚姻時の利益、不利益共に全てにおいて干渉しない。
OKで御座います。
さらに3枚目。
レアンドロ様には現在ルシェルという最愛がおりますが、私にはいません。
なので、公にしない範囲で愛を育むのは結構な事ですが、互いの迷惑にならない範囲で。
つまり私の眼に入る範囲でイチャコラはない。OKで御座います。
他人様のイチャコラなど、小説や挿絵本、歌劇ではキュンキュン致しますがリアルは「勝手にやって」と観たくも御座いませんしね。
同じものを3つ。面倒では御座いますが敢えてレアンドロ様に作成頂きます。
同じ人が書いた。これ大事。
出来上がった書類を確認し、角を揃えてトントン揃えた後は乾杯で御座います。
国王陛下がご用意くださった年代物のワインをグラスに注ぎ、軽く持ち上げて乾杯をし明日は夫婦で最初で最後となる共同作業。正教会に予備の1部を金庫に預けて来るのです。
どちらか片方で金庫を開ける事が出来ると中身をすり替えたり、廃棄や改竄の可能性があります。
金庫を解錠する時は2人が揃わないといけないとしておくのです。
フンフフン♪鼻歌まで飛び出してしまいご機嫌な私にレアンドロ様は仰います。
「王子妃と言う立場を利用せずただのんびりと3年過ごすのか?」
「いいえ?3年も無駄には出来ません。個人的な活動は致します。だって3年から後にも私は生きていかねばなりませんので」
「それもそうだな。何をするんだ?」
「日頃と同じ、いえ、これまでよりも気合を入れねばなりませんわ。なんせ3年後に無一文ですと生活にも困りますもの。殿下だって頼られても困りますでしょう?」
「当たり前だ。3年後には私の隣にはルシェルがいるのだからな」
「えぇ。ダニも蛭も面倒な生き物ですものね」
「そこまで自分の事を卑下なくてもいいんじゃないのか?」
いやだわ。ここも直球のほうが良かったのかしら。
間違いなくルシェルの事だとは思っていないようね。
あぁでも、愛しい人とバラ色の生活と思えば苦にもならないのかも。
そうね。バラの大好きなロージー伯爵夫人もアブラムシやイラガの駆除はお手の物だったもの。
好きなら害虫すら怯むことなく立ち向かえるというものだわ。
「早速明日から大忙しですわ」
「何か予定があるのか?」
「大したことではないのです。ただ役目を1つ任せていた人を交代させますので新しく引きうけてくださる方にお願いもせねばなりませんの」
「大変だな。まぁ妃という立場になれば侯爵令嬢からの頼みと違って簡単な事でも引き受けてくれる者はいなくなるからな」
そうでしょうか?
今までは父のイサミア氏に任せていたので手間ばかり。
今度はブルベーリ公爵家御推薦で大商会の引退した会頭夫妻にお任せするのでむしろ丸投げで良くなって手間が省けますのに。
ですが、それも考え方次第ですわね。
これまでは父のイサミア氏に多方面から見ると法外な料金を払っていたのが、年に2回の贈り物に替わるんですもの。お相手が何か好きか悩みますわ。
海産物?お酒?あぁ絹の寝台用シーツもいいわね。
相手の好みなど考えるよりも現金を渡した方がよっぽど楽とも言えますものね。
ですが、レアンドロ様。
他人の心配よりご自分の心配をされた方がよろしくてよ?
あら、いけない。老婆心も行き過ぎるとお節介と言われてしまうわ。
金を出さないなら口も出さない。鉄則ですわね。
私はワインを飲み干し、「では、明日10時に正教会、お忘れなく」と時間と場所を念押しし私室に引き上げたのです。
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