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第07-1話 国外追放
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ファティーナは否定をしたままだったが、捕縛され1か月後、臨時に招集された議員の前で有罪ありきの裁判が開かれた。
議場に連行される際、ファティーナは久しぶりに陽の光と風を感じた。
シンと静まり返る貴族院の議事場に議長の言葉が響く。
異を唱える者は1人もおらず、ファティーナはゆっくりと瞼を閉じると短く息を吐き出した。
「ファティーナ・シード。貴族籍の剝奪及び国外追放を命じる」
罪状の認否など一切ない。作り上げられた罪状が読み上げられ、そのまま判決。
しかし、ファティーナは死罪を覚悟したのに身分の剥奪と国外追放となった事に疑問を抱き唯一牢に面会に来た第1王子の姿を探した。
チラリと視線をやれば壇上の1席に腰掛ける第1王子と目が合う。
第1王子は小さく頷いた気がした。
――殿下はこれが冤罪と言ったけど認めろということ?――
だとしても、何故それならば審議差し止めなどの措置を取ってくれないのだろう。
考えたが1人で答えの出る話ではないし、時間は長くは取れない。思いつくのは第1王子はこの事件について調査はしているのだろうが、情報を集め、突き詰め、全てを詳らかにするには圧倒的に時間が足らない。
今、第1王子の采配で出来ることは死罪を回避する事だけだろう。
――信じるしかないってことよね――
思い返せば罪状は官吏により読み上げられたが、判決を言い渡す際に議長は「何の罪で」とは言及しなかった。通常なら「この罪に対しこの罪状」とするのに議長も第1王子と同じで含みを持たせたのだ。
この場で濡れ衣を着るのは屈辱だが、現時点で出来る最善でもある。
ならば…。ファティーナは覚悟を決めた。
「温情ある判決に感謝いたします」
ファティーナの言葉も議事場の隅に届いたのか、数人の貴族が視線を移した。
視線の先には特別席として設けられた区画に陣取るファティーナの元婚約者アロンツォ、そしてファティーナの従妹マリアがいる。
アロンツォは予定されていた判決に理解をしてもファティーナがすんなり認めた事に言葉を失い、マリアは眉を顰めた。ずっと否認をしていたのだからここでも抗うと思ったのだろう。
官吏に両脇を付き添われてファティーナが議事場を出ていく時、アロンツォは席を立ち何かを言いかけたがファティーナはアロンツォには視線を向けずその前を無言で通り過ぎた。
★~★
この回、短いので同時刻に第08話も公開になっています(*^-^*)
議場に連行される際、ファティーナは久しぶりに陽の光と風を感じた。
シンと静まり返る貴族院の議事場に議長の言葉が響く。
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しかし、ファティーナは死罪を覚悟したのに身分の剥奪と国外追放となった事に疑問を抱き唯一牢に面会に来た第1王子の姿を探した。
チラリと視線をやれば壇上の1席に腰掛ける第1王子と目が合う。
第1王子は小さく頷いた気がした。
――殿下はこれが冤罪と言ったけど認めろということ?――
だとしても、何故それならば審議差し止めなどの措置を取ってくれないのだろう。
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今、第1王子の采配で出来ることは死罪を回避する事だけだろう。
――信じるしかないってことよね――
思い返せば罪状は官吏により読み上げられたが、判決を言い渡す際に議長は「何の罪で」とは言及しなかった。通常なら「この罪に対しこの罪状」とするのに議長も第1王子と同じで含みを持たせたのだ。
この場で濡れ衣を着るのは屈辱だが、現時点で出来る最善でもある。
ならば…。ファティーナは覚悟を決めた。
「温情ある判決に感謝いたします」
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官吏に両脇を付き添われてファティーナが議事場を出ていく時、アロンツォは席を立ち何かを言いかけたがファティーナはアロンツォには視線を向けずその前を無言で通り過ぎた。
★~★
この回、短いので同時刻に第08話も公開になっています(*^-^*)
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