僕の姉はブラコン?

ゆうちゃん

文字の大きさ
上 下
4 / 26

お姉ちゃんと副会長?

しおりを挟む
 午後の授業も全て終わり、僕は帰りの支度をして、校門前に向かおうとする。いつもお姉ちゃんと一緒に帰る時は校門前で待ち合わせする事になっているのだ。今日は、お姉ちゃんと一緒に登校だけじゃなくて、下校もできるなんて、僕はやっぱり幸せ者だ。僕は教室を1番に出る。他のクラスはまだ、SHRを終えてないらしい。僕が校門前まで来ると、お姉ちゃんが既にいた。僕がお姉ちゃんに声を掛けようとすると、誰かがお姉ちゃんの名前を呼ぶ。その声の正体は、イケメン副会長だった。イケメン副会長はお姉ちゃんに近づくと声を掛ける。
「荒井さん、今帰り? 帰るなら俺の家と荒井さんの家の方向が一緒だったような気がするから、俺と一緒に帰らない?」
イケメン副会長は僕がいる事に気がついて無いのか、僕に声も掛けずにお姉ちゃんと話す。
「え、えーと、本田君 私、実は先に一緒に帰るのを約束してる人がいて… あっ…良弥、来たのね 帰るわよ そういう訳だから本田君、せっかく誘ってくれたのにごめんなさいね」
お姉ちゃんは僕に気付くと、イケメン副会長に断りの言葉を入れて、校門前を後にしようとする。イケメン副会長の名前は、本田って言うのか…
「ま、待ってくれよ! 荒井さん! それなら弟さんと俺と3人で一緒に帰らないか?」
イケメン副会長の本田先輩は、慌ててお姉ちゃんを引き止めて、そんな提案をする。
「あら 良弥と本田君は知り合いだったの? 本田君、私は今日は家に帰ったらしないと行けない事があるから、早く帰りたいのよ 本田君を急がせるのも悪いし、やっぱり今日は遠慮させてもらうわね」
「だ、大丈夫だ! 荒井さん! 俺歩くの結構速いし、だから、荒井さんの歩くスピードに合わせる事もできると思うし… 問題ないと思う!!」
本田先輩は、どうやらお姉ちゃんと一緒に帰りたくてしょうがないらしい。でも、本田先輩しつこい男は嫌われますよ?
 お姉ちゃんと本田先輩が話合ってる間に他の生徒が集まってきた。他のクラスもSHRが終わったらしい。お姉ちゃんは人気があるため、人が集まって来る。本田先輩も人気なのか、彼の周りにも人が集まって来る。これ以上人が集まると、周りの迷惑になるので、結局、僕とお姉ちゃんと本田先輩の3人で帰る事になった。お姉ちゃんの機嫌が悪そうに見えたのは気のせいだろう。

 私、荒井愛梨は怒っていた。理由は、今日はせっかく2人で一緒に良ちゃんと帰れると思ったのに、こんな言い方は悪いけど邪魔が入ったからだ。私は、今日は頑張ったら良ちゃんと2人っきりで帰れると思ったから、今日の学校での1日は頑張れたのに、それが何!? 本田君とも一緒に帰るってどういう事なの? 校門前で良ちゃんを待ってたら、何故か、本田君が先に来て、一緒に帰ろうとか言い出すし、良ちゃんが後から来たから、私は良ちゃんと2人で帰りたかったから、本田君には悪いけどそのために嘘も付いたのに!! それが今度は何!? 今度は他の生徒達が校門前に私と本田君の周りを囲い出すし、これ以上私達が居たら、周りの人とか、近所の人の迷惑になっちゃうと思うから、私はしょうがなく、本田君と良ちゃんと私との3人で一緒に帰る事にした。あーもう!! 本田君のバカ!! 私は本当に良ちゃんと2人っきりで帰りたかったのに!! そんな私の気持ちを知らないであろう本田君が私に話掛けてきた。今は、私と良ちゃんと、本田君とで3人で一緒に帰っている。
「あ、荒井さん、よ、良かったら今から俺と一緒にカラオケに行かないか?」
本田君は、私の話を聞いてなかったのかしら? 嘘だけど、今日は私は家に帰ったらやらなくちゃいけない事があるから、早く帰りたいと言っているのに、何故か本田君は私をカラオケに誘って来た。
「本田君、さっきも言った通り、私は家に帰ったらやらないといけない事があるから早く帰りたいのだけど?」
「そ、それって、生徒会絡みの仕事か?それなら、俺も手伝うよ 俺も副会長だしね!!だから俺と一緒にカラオケに行こう!!」
「違うわよ お家で、やらないといけない事なのよ、だから今日は悪いけど、お家に真っ直ぐ帰らせてもらうわね ごめんなさいね」
私はそう言って、本田君の誘いを断った。すると、良ちゃんからこんな提案がきた。
「お姉ちゃん、お家でやらないといけない事って、もしかして、お母さんに家事の手伝いを頼まれてるのか? それなら僕も一緒に手伝うよ お姉ちゃんも生徒会長の仕事ばかりで疲れてるだろうし お姉ちゃんだって遊びたいだろうし、だから、僕と本田先輩と3人で一緒に行こう!!」
良ちゃんがそんな提案をしてきた。それだと、本田君がいるけど、良ちゃんと一緒にいれるし、良ちゃんの素敵な歌声が聞けるものね!! っていうか良ちゃん、あなたは何て良い子なの? 私の嘘だけど、私の家事の手伝いをしてくれるって? キャーーー!! 何その超魅力的な話!? 明日、わざと生徒会の仕事を溜めて、家に持ち帰る事にして、それで、良ちゃんと一緒に2人っきりで生徒会の仕事をやる事にしよう!! 良ちゃん、悪いけど明日よろしくね? 私が良ちゃんと2人っきりで一緒に居たいだけだから許してね? 私は良ちゃんの提案に乗った。こうして、私達3人はカラオケに行く事になった。
「何で、弟まで来るんだよ…!! 俺は荒井さんと2人で行きたかったのに!!」ボソッ
本田君が何か言ったような気がするが、気のせいだろう。それよりも良ちゃんの歌声が聞けるの楽しみだな~!!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

私が愛する王子様は、幼馴染を側妃に迎えるそうです

こことっと
恋愛
それは奇跡のような告白でした。 まさか王子様が、社交会から逃げ出した私を探しだし妃に選んでくれたのです。 幸せな結婚生活を迎え3年、私は幸せなのに不安から逃れられずにいました。 「子供が欲しいの」 「ごめんね。 もう少しだけ待って。 今は仕事が凄く楽しいんだ」 それから間もなく……彼は、彼の幼馴染を側妃に迎えると告げたのです。

婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました

Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。 順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。 特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。 そんなアメリアに対し、オスカーは… とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。

【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った

五色ひわ
恋愛
 辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。真実を確かめるため、アメリアは3年ぶりに王都へと旅立った。 ※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話

夫を愛することはやめました。

杉本凪咲
恋愛
私はただ夫に好かれたかった。毎日多くの時間をかけて丹念に化粧を施し、豊富な教養も身につけた。しかし夫は私を愛することはなく、別の女性へと愛を向けた。夫と彼女の不倫現場を目撃した時、私は強いショックを受けて、自分が隣国の王女であった時の記憶が蘇る。それを知った夫は手のひらを返したように愛を囁くが、もう既に彼への愛は尽きていた。

あなたなんて大嫌い

みおな
恋愛
 私の婚約者の侯爵子息は、義妹のことばかり優先して、私はいつも我慢ばかり強いられていました。  そんなある日、彼が幼馴染だと言い張る伯爵令嬢を抱きしめて愛を囁いているのを聞いてしまいます。  そうですか。 私の婚約者は、私以外の人ばかりが大切なのですね。  私はあなたのお財布ではありません。 あなたなんて大嫌い。

側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります。

とうや
恋愛
「私はシャーロットを妻にしようと思う。君は側妃になってくれ」 成婚の儀を迎える半年前。王太子セオドアは、15年も婚約者だったエマにそう言った。微笑んだままのエマ・シーグローブ公爵令嬢と、驚きの余り硬直する近衛騎士ケイレブ・シェパード。幼馴染だった3人の関係は、シャーロットという少女によって崩れた。 「側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります」 ********************************************        ATTENTION ******************************************** *世界軸は『側近候補を外されて覚醒したら〜』あたりの、なんちゃってヨーロッパ風。魔法はあるけれど魔王もいないし神様も遠い存在。そんなご都合主義で設定うすうすの世界です。 *いつものような残酷な表現はありませんが、倫理観に難ありで軽い胸糞です。タグを良くご覧ください。 *R-15は保険です。

彼女が望むなら

mios
恋愛
公爵令嬢と王太子殿下の婚約は円満に解消された。揉めるかと思っていた男爵令嬢リリスは、拍子抜けした。男爵令嬢という身分でも、王妃になれるなんて、予定とは違うが高位貴族は皆好意的だし、王太子殿下の元婚約者も応援してくれている。 リリスは王太子妃教育を受ける為、王妃と会い、そこで常に身につけるようにと、ある首飾りを渡される。

(完結)親友の未亡人がそれほど大事ですか?

青空一夏
恋愛
「お願いだよ。リーズ。わたしはあなただけを愛すると誓う。これほど君を愛しているのはわたしだけだ」  婚約者がいる私に何度も言い寄ってきたジャンはルース伯爵家の4男だ。 私には家族ぐるみでお付き合いしている婚約者エルガー・バロワ様がいる。彼はバロワ侯爵家の三男だ。私の両親はエルガー様をとても気に入っていた。優秀で冷静沈着、理想的なお婿さんになってくれるはずだった。  けれどエルガー様が女性と抱き合っているところを目撃して以来、私はジャンと仲良くなっていき婚約解消を両親にお願いしたのだった。その後、ジャンと結婚したが彼は・・・・・・ ※この世界では女性は爵位が継げない。跡継ぎ娘と結婚しても婿となっただけでは当主にはなれない。婿養子になって始めて当主の立場と爵位継承権や財産相続権が与えられる。西洋の史実には全く基づいておりません。独自の異世界のお話しです。 ※現代的言葉遣いあり。現代的機器や商品など出てくる可能性あり。

処理中です...