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第十章 魔導国学園騒動
36話 二手に分かれて
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ロドリゲスの研究室に転移したぼく達は、二手に分かれて行動をする事にした。
ぼくとソフィア、セイランとキュー、この組み合わせで動きつつ、途中で母さんと合流したら3人で行動をする。
正直あの二人を別行動させるのはどうかと思ったうけど……
「レースさん?何だか不満がありそうな表情をしてますけど……?」
「いや、別行動する必要があるのかなって」
「ちゃんとありますよ?あの二人がいると、心器を使えないでしょう?」
「あぁ……」
確かに学園にいる間は、心器の使用を止められているから、二人が別行動させる事で使えるようにしてくれるのは嬉しいけど、……キュー、いやグロウフェレスをセイランと二人きりにする事の危険性をソフィアは分かっていないのかもしれない。
シャルネと別行動をしているとはいえ、彼女の仲間である以上、完全に信用する訳のは危険だ。
あの時の二人のやり取りを思い出してみると……セイランはダートのように異世界から転移してきた又は、ミオラームと同じ転生者だろう。
彼女達の目的を考えると、正直最悪の組み合わせでしかない。
「それよりも、ソフィアはキューの正体を知ってるの?」
「あぁ……やっぱりあれ、中身が違うんですね」
「うん、彼はグロウフェレスって言うぼく達の……え?中身が違う?」
「はい、学園の教師としてスカウトした時と比べて、余りにも性格や態度が違うので、気にはなっていたのですけど、確信に至る情報が無かったので」
「それなら聞いてくれたら良かったと思うんだけど?」
怪しいと思ってるなら、調べられるんだから……学園長という立場を利用すればいいのに
「……レースさん、それは無茶ぶりですよ?私がキュー、いえグロウフェレスさんでしたか?その人とあなたの関係を知らないのに、聞いてくれたら良かったと言われても、無理がありますよね?」
「……あぁ、うん、ぼくが悪かったよ」
「分かればよろしいのですよ、さて……そのグロウフェレスさんとはどういう関係かお話して貰って良いですか?ここまで話して、何もないとかはないですよね?」
「うん……実は──」
ソフィアに、辺境都市クイストやストラフィリアで起きた事を話す。
すると、面白い物語に耳を傾けるような仕草をしたかと思うと
「……つまり、キューさんのご先祖に当たる人物がグロウフェレスさんなのかもしれませんね」
「え?それってどういう」
「召喚術を使う事で、任意の場所に契約した生物を呼び出せるのは、レースさんもご存じだとは思います」
「まぁ、実際にこの目で見てるからある程度は理解しているけど……」
「私の想像の範囲を過ぎないのですけど、キューさんがご先祖様から要請を受けて精神を自分の中に召喚したのかもしれませんよ?」
そんな事が本当に出来るのかと疑問に思ってしまうけど、ソフィアが実際に見たキューと、現在の印象の違いを考えるとありえるのではないか感じる。
けど、その場合本来の人格は何処に行ってしまったのだろうか、精神……いや、人格は脳が司っているけど、そこに二つの精神が存在する事になった場合、何が起きるのか分からない以上危険だ。
もうかなり前のように感じるけど、暗示の魔術を使い別の人格を作り出していたダートの事を思い出してしまう。
「それって大丈夫なの?」
「専門外な術に関する知識なので自信はありませんけど、術者と召喚される側は利害関係が一致している事が多いそうですから、問題無いと思いますよ?現にキューさ……いえ、グロウフェレスさんは学園にいる間、問題を起こしていませんし、診療所に尋ねに来た時も友好的だったのでしょう?」
「そうだけど……、それってケイスニルからの手紙のせいなんじゃ」
「それだけで敵対関係にある人が、あなたと友好関係を築くと思いますか?少なからず相手はレースさんと比べたら格上の相手ですよ?」
「けど、あの時と比べたらぼくも結構強くなった……ん!?」
ソフィアが急にぼくの口に指を当てると、まるで叱るような仕草でおでこを軽く叩く。
痛くは無いけど……何か悪い事をしてしまったような気がして、反射的に黙ってしまう。
「もう……レースさんはそういう所が良くないですね、あなたが強くなるという事は相手も成長してると言う事ですよ?それに私達と比べたら遥かに長い時を生きているのですから、自分が強さを過信するとそのうち痛い目を見ますよって……その顔は既に経験したみたいですね」
「……まぁ、メイディにいた時に、栄花騎士団最高幹部の人と喧嘩する事になって、その際に色々とね」
「なら、分かる筈ですよね?レースさんの年齢的にそろそろ自分の考えが固まって来て、自分を変える事が難しくなってくる年頃ですからね、今みたいに同じ事を繰り返す前に失敗から学んだ事はちゃんとやらないように意識しないと、お嫁さんや婚約者さんに嫌われてしまいますよ?、まぁ……カエデ様は駄目な人がタイプでしょうから大丈夫だと思いますけど、ダートさんはお子さんが産まれるんですからちゃんと気を付けないと」
……ソフィアが弟に注意を促すような仕草をすると、『私なら反省する事があったらメモを取って自分を見つめ直すようにしてますよ?』と言葉にする。
そんな会話をしながらロドリゲスの研究室を探索していると、何処からか何かが倒れたり割れるような音がしたかと思うと、聞き覚えのある声が遠くから響くのだった。
ぼくとソフィア、セイランとキュー、この組み合わせで動きつつ、途中で母さんと合流したら3人で行動をする。
正直あの二人を別行動させるのはどうかと思ったうけど……
「レースさん?何だか不満がありそうな表情をしてますけど……?」
「いや、別行動する必要があるのかなって」
「ちゃんとありますよ?あの二人がいると、心器を使えないでしょう?」
「あぁ……」
確かに学園にいる間は、心器の使用を止められているから、二人が別行動させる事で使えるようにしてくれるのは嬉しいけど、……キュー、いやグロウフェレスをセイランと二人きりにする事の危険性をソフィアは分かっていないのかもしれない。
シャルネと別行動をしているとはいえ、彼女の仲間である以上、完全に信用する訳のは危険だ。
あの時の二人のやり取りを思い出してみると……セイランはダートのように異世界から転移してきた又は、ミオラームと同じ転生者だろう。
彼女達の目的を考えると、正直最悪の組み合わせでしかない。
「それよりも、ソフィアはキューの正体を知ってるの?」
「あぁ……やっぱりあれ、中身が違うんですね」
「うん、彼はグロウフェレスって言うぼく達の……え?中身が違う?」
「はい、学園の教師としてスカウトした時と比べて、余りにも性格や態度が違うので、気にはなっていたのですけど、確信に至る情報が無かったので」
「それなら聞いてくれたら良かったと思うんだけど?」
怪しいと思ってるなら、調べられるんだから……学園長という立場を利用すればいいのに
「……レースさん、それは無茶ぶりですよ?私がキュー、いえグロウフェレスさんでしたか?その人とあなたの関係を知らないのに、聞いてくれたら良かったと言われても、無理がありますよね?」
「……あぁ、うん、ぼくが悪かったよ」
「分かればよろしいのですよ、さて……そのグロウフェレスさんとはどういう関係かお話して貰って良いですか?ここまで話して、何もないとかはないですよね?」
「うん……実は──」
ソフィアに、辺境都市クイストやストラフィリアで起きた事を話す。
すると、面白い物語に耳を傾けるような仕草をしたかと思うと
「……つまり、キューさんのご先祖に当たる人物がグロウフェレスさんなのかもしれませんね」
「え?それってどういう」
「召喚術を使う事で、任意の場所に契約した生物を呼び出せるのは、レースさんもご存じだとは思います」
「まぁ、実際にこの目で見てるからある程度は理解しているけど……」
「私の想像の範囲を過ぎないのですけど、キューさんがご先祖様から要請を受けて精神を自分の中に召喚したのかもしれませんよ?」
そんな事が本当に出来るのかと疑問に思ってしまうけど、ソフィアが実際に見たキューと、現在の印象の違いを考えるとありえるのではないか感じる。
けど、その場合本来の人格は何処に行ってしまったのだろうか、精神……いや、人格は脳が司っているけど、そこに二つの精神が存在する事になった場合、何が起きるのか分からない以上危険だ。
もうかなり前のように感じるけど、暗示の魔術を使い別の人格を作り出していたダートの事を思い出してしまう。
「それって大丈夫なの?」
「専門外な術に関する知識なので自信はありませんけど、術者と召喚される側は利害関係が一致している事が多いそうですから、問題無いと思いますよ?現にキューさ……いえ、グロウフェレスさんは学園にいる間、問題を起こしていませんし、診療所に尋ねに来た時も友好的だったのでしょう?」
「そうだけど……、それってケイスニルからの手紙のせいなんじゃ」
「それだけで敵対関係にある人が、あなたと友好関係を築くと思いますか?少なからず相手はレースさんと比べたら格上の相手ですよ?」
「けど、あの時と比べたらぼくも結構強くなった……ん!?」
ソフィアが急にぼくの口に指を当てると、まるで叱るような仕草でおでこを軽く叩く。
痛くは無いけど……何か悪い事をしてしまったような気がして、反射的に黙ってしまう。
「もう……レースさんはそういう所が良くないですね、あなたが強くなるという事は相手も成長してると言う事ですよ?それに私達と比べたら遥かに長い時を生きているのですから、自分が強さを過信するとそのうち痛い目を見ますよって……その顔は既に経験したみたいですね」
「……まぁ、メイディにいた時に、栄花騎士団最高幹部の人と喧嘩する事になって、その際に色々とね」
「なら、分かる筈ですよね?レースさんの年齢的にそろそろ自分の考えが固まって来て、自分を変える事が難しくなってくる年頃ですからね、今みたいに同じ事を繰り返す前に失敗から学んだ事はちゃんとやらないように意識しないと、お嫁さんや婚約者さんに嫌われてしまいますよ?、まぁ……カエデ様は駄目な人がタイプでしょうから大丈夫だと思いますけど、ダートさんはお子さんが産まれるんですからちゃんと気を付けないと」
……ソフィアが弟に注意を促すような仕草をすると、『私なら反省する事があったらメモを取って自分を見つめ直すようにしてますよ?』と言葉にする。
そんな会話をしながらロドリゲスの研究室を探索していると、何処からか何かが倒れたり割れるような音がしたかと思うと、聞き覚えのある声が遠くから響くのだった。
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