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第九章 戦いの中で……
45話 メイメイの部屋にて ダート視点
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レースが昨日夕飯の時に顔を出さなかった。
今まで一緒にいる時は極力全員で食べるようにしていたから、何かがあったのかもしれない。
……昨日書庫を出る際にカエデちゃんが話があるって言ってたけどそれが原因なのかな。
「カエデちゃん、昨日レースと話があるって言ってたけどその時に何かあったの?」
「その時にですか?いえ、これと言って特には……あぁ、でもルードが攻めて来た時の事に関して軽く話し合いはしましたね」
「……んー、それでレースが夕飯を食べない何て事無いよね、じゃあ……あれかなぁまた新しい治癒術とか作るのに集中して徹夜でもした?」
「それは無いと思いますがよ?」
「……だよねぇ」
メセリーの今の家に引っ越す前までは一度集中すると、朝まで部屋まで出てこない事とか良くあったけど……今の家になってからは、一緒の部屋で過ごすようになったおかげでやらなくなった。
……一番の理由は私が体に悪いから止めて欲しいとお願いしたからかもだけど、けど今回に関しては例外があってもおかしくない。
私はまだ動けるから戦う事が出来るとはいえ、あんまり体に負担を掛ける事は出来ない……一応メイメイちゃんから貰ってる薬を飲めば日常生活を送る程度なら問題ないらしいけど、戦闘行為となったら幾ら暗示の魔術を使って戦いに適した状態になったとしても、出来る事は限られている。
一応……心器の能力を使えば音を聞かせるだけで呪術を相手に掛ける事が出来るから、首都の内部にまで攻め込まれた際には同士討ちに持ち込めるだろうけど、相手はアンデッドだから効果があるのかな……。
「……ダートお姉様?」
「ちょっと考えしてただけー、それにしてもこの部屋改めて見ると凄いね」
「メイメイさ……ちゃんの部屋ですからね、国内でも選りすぐりの職人たちの手で作られた家具の数々、そして世界でも最先端の調剤用設備があったりして凄いですよね」
「お部屋の中に無菌室って書いてある部屋があったり、何て言うかもう一つの工房みたいだよね」
「……ですね、それにしてもメイメイ……ちゃんは昨日から無菌室から出てきませんけど大丈夫でしょうか」
昨日の夜からメイメイちゃんは来るべき戦いに向けて、前線に出て戦う騎士やレース達の為に新薬を作ると言ってダリアと一緒に無菌室に入ってしまった。
何であの子も一緒に行くのだろうかと思ったけど、今現在首都に残ってる人族の中で一番若くて代謝が良いのはダリアしかいないという事で、彼女を人族のテスターにしたいという事だけど……大丈夫なのかな。
それに……この国の騎士の人達って武器を使った戦闘よりも、精霊と契約して彼らの力を借りて発動する独自の魔術を用意る方が強いらしいけど……実際に見たことが無いからどれくらい戦えるのか分からない。
カエデちゃんが言うには、精霊の力を武器に宿して戦うのが精霊騎士らしいけど……私が知ってる精霊術を使って戦うのは……レースのお姉さんである指名手配されてる元Aランク冒険者【炎精】ガイストさんと、今回アキラさんが相手をしてくれる【滅尽】アナイス・アナイアレイト位だけど、あの二人は実力が圧倒的に高いから参考にならない気がする。
「メイメイちゃんの事だから大丈夫だと思うけど……」
「一番の心配はダリアさんですよね、いくら友達だとは言え……新薬のテスターともなると、効果があったとしても副作用が大きい可能性があります、一応副作用を抑える為の薬もあるとは思いますけど」
「それならいいんだけど……ん?」
扉がノックする音が聞こえて来る。
そして暫くして扉が開き、外からランちゃんが入って来たかと思うと
「ランちゃんおかえりなさい……、あれ?その手に持ってる封筒は何?」
「カエデちゃん、外の様子を見に行ってたら冒険者ギルドの職員さんに会ってこれを渡されたの」
「冒険者ギルドの方が?」
「うん……それに部屋に戻る最中にトキに会ったの、レースに呼ばれて来たらしいの」
「トキさんに!?それにレースさんにって……」
カエデちゃんが封筒を受け取り中を確認しながらランちゃんの話を聞く。
それにしてもトキさんが首都に来るなんてレースは何をしてるのかな……、取り合えず余り喋らずに二人が会話しやすくしておいてあげようかな。
「……冒険者ギルドから栄花騎士団への、緊急依頼についての書類?」
「トキの事はどうするの?」
「これを読んでから考えるね」
「分かったの」
カエデちゃんが真剣な顔をして読んでるけど、途中で深刻な顔に変わる。
そして驚いたような仕草をしたかと思うと……
「ダートお姉様、私ちょっとだけ出てきます」
「……カエデちゃんどうしたの?」
「レースさんとトキさんに確認したい事が出来たので、ランちゃんはダートお姉様を一人にする訳にはいかないのでここに残ってください」
……そう言ってカエデちゃんが小走りに部屋を出て行く。
そしてランちゃんと二人きりになったのはいいけど、あんまり話した事が無い人だからどう接すればいいのか分からない。
取り合えず『ランちゃんはこの国出身なんだよね?お茶しながら話さない?』と彼女の事を聞いて仲良くなることから始めるのだった。
今まで一緒にいる時は極力全員で食べるようにしていたから、何かがあったのかもしれない。
……昨日書庫を出る際にカエデちゃんが話があるって言ってたけどそれが原因なのかな。
「カエデちゃん、昨日レースと話があるって言ってたけどその時に何かあったの?」
「その時にですか?いえ、これと言って特には……あぁ、でもルードが攻めて来た時の事に関して軽く話し合いはしましたね」
「……んー、それでレースが夕飯を食べない何て事無いよね、じゃあ……あれかなぁまた新しい治癒術とか作るのに集中して徹夜でもした?」
「それは無いと思いますがよ?」
「……だよねぇ」
メセリーの今の家に引っ越す前までは一度集中すると、朝まで部屋まで出てこない事とか良くあったけど……今の家になってからは、一緒の部屋で過ごすようになったおかげでやらなくなった。
……一番の理由は私が体に悪いから止めて欲しいとお願いしたからかもだけど、けど今回に関しては例外があってもおかしくない。
私はまだ動けるから戦う事が出来るとはいえ、あんまり体に負担を掛ける事は出来ない……一応メイメイちゃんから貰ってる薬を飲めば日常生活を送る程度なら問題ないらしいけど、戦闘行為となったら幾ら暗示の魔術を使って戦いに適した状態になったとしても、出来る事は限られている。
一応……心器の能力を使えば音を聞かせるだけで呪術を相手に掛ける事が出来るから、首都の内部にまで攻め込まれた際には同士討ちに持ち込めるだろうけど、相手はアンデッドだから効果があるのかな……。
「……ダートお姉様?」
「ちょっと考えしてただけー、それにしてもこの部屋改めて見ると凄いね」
「メイメイさ……ちゃんの部屋ですからね、国内でも選りすぐりの職人たちの手で作られた家具の数々、そして世界でも最先端の調剤用設備があったりして凄いですよね」
「お部屋の中に無菌室って書いてある部屋があったり、何て言うかもう一つの工房みたいだよね」
「……ですね、それにしてもメイメイ……ちゃんは昨日から無菌室から出てきませんけど大丈夫でしょうか」
昨日の夜からメイメイちゃんは来るべき戦いに向けて、前線に出て戦う騎士やレース達の為に新薬を作ると言ってダリアと一緒に無菌室に入ってしまった。
何であの子も一緒に行くのだろうかと思ったけど、今現在首都に残ってる人族の中で一番若くて代謝が良いのはダリアしかいないという事で、彼女を人族のテスターにしたいという事だけど……大丈夫なのかな。
それに……この国の騎士の人達って武器を使った戦闘よりも、精霊と契約して彼らの力を借りて発動する独自の魔術を用意る方が強いらしいけど……実際に見たことが無いからどれくらい戦えるのか分からない。
カエデちゃんが言うには、精霊の力を武器に宿して戦うのが精霊騎士らしいけど……私が知ってる精霊術を使って戦うのは……レースのお姉さんである指名手配されてる元Aランク冒険者【炎精】ガイストさんと、今回アキラさんが相手をしてくれる【滅尽】アナイス・アナイアレイト位だけど、あの二人は実力が圧倒的に高いから参考にならない気がする。
「メイメイちゃんの事だから大丈夫だと思うけど……」
「一番の心配はダリアさんですよね、いくら友達だとは言え……新薬のテスターともなると、効果があったとしても副作用が大きい可能性があります、一応副作用を抑える為の薬もあるとは思いますけど」
「それならいいんだけど……ん?」
扉がノックする音が聞こえて来る。
そして暫くして扉が開き、外からランちゃんが入って来たかと思うと
「ランちゃんおかえりなさい……、あれ?その手に持ってる封筒は何?」
「カエデちゃん、外の様子を見に行ってたら冒険者ギルドの職員さんに会ってこれを渡されたの」
「冒険者ギルドの方が?」
「うん……それに部屋に戻る最中にトキに会ったの、レースに呼ばれて来たらしいの」
「トキさんに!?それにレースさんにって……」
カエデちゃんが封筒を受け取り中を確認しながらランちゃんの話を聞く。
それにしてもトキさんが首都に来るなんてレースは何をしてるのかな……、取り合えず余り喋らずに二人が会話しやすくしておいてあげようかな。
「……冒険者ギルドから栄花騎士団への、緊急依頼についての書類?」
「トキの事はどうするの?」
「これを読んでから考えるね」
「分かったの」
カエデちゃんが真剣な顔をして読んでるけど、途中で深刻な顔に変わる。
そして驚いたような仕草をしたかと思うと……
「ダートお姉様、私ちょっとだけ出てきます」
「……カエデちゃんどうしたの?」
「レースさんとトキさんに確認したい事が出来たので、ランちゃんはダートお姉様を一人にする訳にはいかないのでここに残ってください」
……そう言ってカエデちゃんが小走りに部屋を出て行く。
そしてランちゃんと二人きりになったのはいいけど、あんまり話した事が無い人だからどう接すればいいのか分からない。
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