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第八章 戦いの先にある未来
60話 喧嘩の勝利条件
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訓練場の中央に行く前に薬を飲んでから心器の大剣と長杖を顕現させる。
それ等を手に取りハスの前に立つと……
「ハスは心器を顕現させなくていいの?」
「あぁ?俺が最初から全力を出したら、あんたが実力を出し切る前に終わっちまうだろ?」
「悪いけどそうやって油断してると怪我するよ?今のぼくはアキラさんに認めて貰える程に強いからさ」
「ん?あぁ……もしかしてだけど、自分が強くなって調子に乗ってるのか?」
「調子に乗ってはいないよ、ぼくの切り札を使えば危ないよって言いたいんだ」
アキラさんとの戦いで思いつきから生まれたあの切り札、あれさえ決まれば怪我だけでは済まないだろう。
本来なら喧嘩でそんな物を使わない方が良いのだろうけど、相手は栄花騎士団の最高幹部だ。
皆ぼくよりも遥かに格上だと思うし……そんな人達の前で使える物を使わずに戦って勝てるなんて思えない。
それにハスの手に持っている銃を見て思うけど、銃という物は離れた距離からこちらを攻撃できる便利な武器だけどその弱点を今のぼくは知っている、一度弾を全て撃った後に次の弾を銃の中に入れるのに時間が掛かるし、こちらに攻撃する時も標準を合わせなければ行けない。
Sランク冒険者【宵闇】フィリアみたいに熟練した使い手ならその隙さえも武器にしそうだけど、両手に銃を持っている以上はこちらを精確に狙う何て無理だと思うし、何よりも撃たれる前に相手の懐に入り込んでしまった方が良い筈だ。
「自覚ねぇってやべぇぞ、今のレースが戦場に出たら死ぬなぁ……、なぁダリア、あんたの父さんの事一方的に叩き潰す事になるかもしれねぇけどいいか?」
「俺に聞くまでもねぇだろ、けどまぁ冒険者に良くある強くなったと実感した奴特有の病気だろ?、父さんに悪いがやっちまってくれ」
「おうよっ!じゃあそうだな……、ここは一つ賭けをしようぜ?その方がレースも本気に成らざるおえないだろ?」
「……賭けって?ハスは何を賭けるつもりなの?」
「ん?あぁそうだな、俺が負けたらレースの言う事を何でも一つ聞いてやるよ、変わりに俺が勝ったら……やっべそこまで考えて無かったな」
ハスが悩んだ顔をしたかと思うと、暫くして何かを思い付いたかのようにダリアの方を見る。
そしてぼくの方を見て笑顔を作ると……
「よっし決めたっ!あんたの娘を俺にくれっ!」
「はぁっ!?何で俺!?」
「さっきのやり取りでこうなんつうの?ビビィっと来たんだよ、俺を尻に敷けるのはダリアしかいねぇって、だから嫁にすんならこいつかなぁって……、それにさ双子の妹のアキから言われてんだ、いい加減結婚してくれないと私が心配で誰にも嫁げないってよ、だからレース、悪いけど俺が勝ったら娘さんの事貰うから宜しくなっ!」
「まっ!まだ俺はそれで良いって言って……あ?」
顔を真っ赤にして焦るダリアに耳元に顔近づけてハスが何かを呟くと、何か納得が出来たようで面白そうな顔をすると……
「父さん、悪いけど負けたら嫁に行くから頑張ってくれよなっ!」
「……ダリアが納得してるなら止めないよ、でもさ親としては出会ったばかりの人に求婚されて答えるのはどうかと思うから、何が何でも勝たせて貰うよ」
「どうやらやる気になったようだな、取り合えず勝利条件は俺に心器を使わせた上で参ったと言わせる事だ、あんたの方はそうだな気を失ったらって事にしとくか、それでいいか?」
「うん、それでいいよ」
「よっし決まりだな、んじゃ!行くぞ!」
ハスが銃をぼくへと向けると狙いを定める事無く引き金を引く。
すると耳が痛くなるような音と共に銃口から炎の塊が飛び出しぼくへと向かってくる。
咄嗟に大剣で受けると何かが付着して燃え上がって行き……。
「あっつっ!?」
「熱がってる場合じゃねぇだろっ!」
「え?あ、ちょっと!」
「喧嘩にちょっとも無いんだよ、バカかあんたはっ!」
大剣を消して、再び顕現させるとゼリー状の何かが床に落ちて燃え上がる。
何が燃えているのか分からないけどもしこれが体に当たっていたらと思うと、一瞬で戦いが終わっていただろう。
そんな事を思いながら何故か銃を手に持ったまま走って来て銃を上に投げたかと思うとそのままの勢いで大剣を殴りつけて来た。
「ちょ、凄い力っ!?」
「銃を使ってるから近距離が苦手だとあんた思ったろ?悪いけど俺は殴った方が強いっ!」
「じゃあ何でそんな武器を使ってるの!?」
「そりゃあ当然、かっこいいからだっ!」
「無茶苦茶だこの人っ!」
あまりの力に耐えきれず大剣を手放しそうになったけど、【怪力】を発動させて持ちこたえる。
すると落ちて来た銃を器用に空いている手で掴むと勢い良く大剣を殴ると同時に引き金を引く。
その瞬間打撃とは違う衝撃が襲い、義肢の左手の感覚が無くなり武器を落としてしまう。
「ばっかだなぁ、今は殴られた時に武器を手放さないと不利になる所だろうが、読み合いが出来てねぇ証拠だな」
「大剣が無くったってぼくには長杖があるっ!」
「ならやってみろよっ!」
……大剣が消えてしまう前に魔力の糸を繋げると、【大雪原】を発動し訓練場全体を雪で覆いつくす。
そして【氷雪狼】を使い、大剣を取り込ませて雪で出来た狼を作り上げると長杖の【自動迎撃】の力で、殴る蹴るを繰り返しながら器用に銃から燃える弾を撃ち出すハスの攻撃を受け止める。
ただ本来なら攻撃に反応して魔術が発動する筈なのに全てが一撃で壊され、溶かされて行くのを見て改めて相手が自分よりも格上である事を自覚するのだった。
それ等を手に取りハスの前に立つと……
「ハスは心器を顕現させなくていいの?」
「あぁ?俺が最初から全力を出したら、あんたが実力を出し切る前に終わっちまうだろ?」
「悪いけどそうやって油断してると怪我するよ?今のぼくはアキラさんに認めて貰える程に強いからさ」
「ん?あぁ……もしかしてだけど、自分が強くなって調子に乗ってるのか?」
「調子に乗ってはいないよ、ぼくの切り札を使えば危ないよって言いたいんだ」
アキラさんとの戦いで思いつきから生まれたあの切り札、あれさえ決まれば怪我だけでは済まないだろう。
本来なら喧嘩でそんな物を使わない方が良いのだろうけど、相手は栄花騎士団の最高幹部だ。
皆ぼくよりも遥かに格上だと思うし……そんな人達の前で使える物を使わずに戦って勝てるなんて思えない。
それにハスの手に持っている銃を見て思うけど、銃という物は離れた距離からこちらを攻撃できる便利な武器だけどその弱点を今のぼくは知っている、一度弾を全て撃った後に次の弾を銃の中に入れるのに時間が掛かるし、こちらに攻撃する時も標準を合わせなければ行けない。
Sランク冒険者【宵闇】フィリアみたいに熟練した使い手ならその隙さえも武器にしそうだけど、両手に銃を持っている以上はこちらを精確に狙う何て無理だと思うし、何よりも撃たれる前に相手の懐に入り込んでしまった方が良い筈だ。
「自覚ねぇってやべぇぞ、今のレースが戦場に出たら死ぬなぁ……、なぁダリア、あんたの父さんの事一方的に叩き潰す事になるかもしれねぇけどいいか?」
「俺に聞くまでもねぇだろ、けどまぁ冒険者に良くある強くなったと実感した奴特有の病気だろ?、父さんに悪いがやっちまってくれ」
「おうよっ!じゃあそうだな……、ここは一つ賭けをしようぜ?その方がレースも本気に成らざるおえないだろ?」
「……賭けって?ハスは何を賭けるつもりなの?」
「ん?あぁそうだな、俺が負けたらレースの言う事を何でも一つ聞いてやるよ、変わりに俺が勝ったら……やっべそこまで考えて無かったな」
ハスが悩んだ顔をしたかと思うと、暫くして何かを思い付いたかのようにダリアの方を見る。
そしてぼくの方を見て笑顔を作ると……
「よっし決めたっ!あんたの娘を俺にくれっ!」
「はぁっ!?何で俺!?」
「さっきのやり取りでこうなんつうの?ビビィっと来たんだよ、俺を尻に敷けるのはダリアしかいねぇって、だから嫁にすんならこいつかなぁって……、それにさ双子の妹のアキから言われてんだ、いい加減結婚してくれないと私が心配で誰にも嫁げないってよ、だからレース、悪いけど俺が勝ったら娘さんの事貰うから宜しくなっ!」
「まっ!まだ俺はそれで良いって言って……あ?」
顔を真っ赤にして焦るダリアに耳元に顔近づけてハスが何かを呟くと、何か納得が出来たようで面白そうな顔をすると……
「父さん、悪いけど負けたら嫁に行くから頑張ってくれよなっ!」
「……ダリアが納得してるなら止めないよ、でもさ親としては出会ったばかりの人に求婚されて答えるのはどうかと思うから、何が何でも勝たせて貰うよ」
「どうやらやる気になったようだな、取り合えず勝利条件は俺に心器を使わせた上で参ったと言わせる事だ、あんたの方はそうだな気を失ったらって事にしとくか、それでいいか?」
「うん、それでいいよ」
「よっし決まりだな、んじゃ!行くぞ!」
ハスが銃をぼくへと向けると狙いを定める事無く引き金を引く。
すると耳が痛くなるような音と共に銃口から炎の塊が飛び出しぼくへと向かってくる。
咄嗟に大剣で受けると何かが付着して燃え上がって行き……。
「あっつっ!?」
「熱がってる場合じゃねぇだろっ!」
「え?あ、ちょっと!」
「喧嘩にちょっとも無いんだよ、バカかあんたはっ!」
大剣を消して、再び顕現させるとゼリー状の何かが床に落ちて燃え上がる。
何が燃えているのか分からないけどもしこれが体に当たっていたらと思うと、一瞬で戦いが終わっていただろう。
そんな事を思いながら何故か銃を手に持ったまま走って来て銃を上に投げたかと思うとそのままの勢いで大剣を殴りつけて来た。
「ちょ、凄い力っ!?」
「銃を使ってるから近距離が苦手だとあんた思ったろ?悪いけど俺は殴った方が強いっ!」
「じゃあ何でそんな武器を使ってるの!?」
「そりゃあ当然、かっこいいからだっ!」
「無茶苦茶だこの人っ!」
あまりの力に耐えきれず大剣を手放しそうになったけど、【怪力】を発動させて持ちこたえる。
すると落ちて来た銃を器用に空いている手で掴むと勢い良く大剣を殴ると同時に引き金を引く。
その瞬間打撃とは違う衝撃が襲い、義肢の左手の感覚が無くなり武器を落としてしまう。
「ばっかだなぁ、今は殴られた時に武器を手放さないと不利になる所だろうが、読み合いが出来てねぇ証拠だな」
「大剣が無くったってぼくには長杖があるっ!」
「ならやってみろよっ!」
……大剣が消えてしまう前に魔力の糸を繋げると、【大雪原】を発動し訓練場全体を雪で覆いつくす。
そして【氷雪狼】を使い、大剣を取り込ませて雪で出来た狼を作り上げると長杖の【自動迎撃】の力で、殴る蹴るを繰り返しながら器用に銃から燃える弾を撃ち出すハスの攻撃を受け止める。
ただ本来なら攻撃に反応して魔術が発動する筈なのに全てが一撃で壊され、溶かされて行くのを見て改めて相手が自分よりも格上である事を自覚するのだった。
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