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第八章 戦いの先にある未来
19話 メイメイの薬
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ダート達に合流するまでの間にメイメイの作った薬について教えて貰う事になり、後は実際に使ってみた方がいいと言われて薬を貰ったけど、エルフ用に作られた薬だから人族が使った場合の副作用に対してはデータが取れてないらしい。
「――じゃから、もし余の作った薬を使った時に副作用が出た場合、こちらも服用するのじゃよ?」
「ありがとう、でもメイメイこれは何の薬?」
「重い副作用が出た時に薬の効果を打ち消す薬じゃ、余が作った以上命の危険は無いとは思うが万が一があるかもじゃからな」
万が一の事があるかもしれない、そう思うと使った後にどうなるのか心配ではあるけど、上手く使う事が出来れば【怪力】のデメリットを消す事が出来るようになるから試す価値がある。
「ところでレース殿よ、おぬしが道中で教えてくれた【怪力】という能力についてなのじゃが……、渡した薬を使えば問題無く使う事が出来ると思うぞ?」
「確か服用する事で体内の魔力が骨を強化してくれるんだよね?」
「そうじゃ、体が耐えきれずに壊れてしまうのなら、耐えきれるように作り変えてしまえば良い、少しずつ薬の量を減らす事で能力に身体を慣らして行けば?」
「……デメリット無く能力を使えるようになる?」
「そうなれば何れ体が能力に耐えられるようになり、使い続けている内にやがて限界に至る事も出来よう……、とはいえレース殿ただ余と同じ境地に至ってからが本番じゃぞ?なんせこの世界は……あぁいやこれは今は言わない方が良さそうじゃな、こちら側に来たら嫌でも知る事になるじゃろうからのぅ」
知る事のなると言われても、それがいつになるのか分からない以上どう反応すればいいのか分からない。
とは言え……何となくこうではないかなと思う所はあるけど、確証があるわけでは無いから言葉にしない方が良いだろう。
「……くふふ、レース殿は良い子じゃな」
「余計な事を言わない方がいいかなって思っただけだよ」
「そうやって冷静な判断が出来るのは立派じゃよ」
ぼくの予想が間違えで無ければSランク冒険者という存在は抑止力なんだと思う。
現にメイメイが話してくれた神々の事に関してもそうだ、例えばストラフィリアの神【ディザスティア】は強い者を見る事で満たされる。
これに関してゴスペルやカーティスが該当する、個人として圧倒的な戦力を持つ【福音】と傭兵団を率いて群としての力を持った【死絶】、この二人がいる事で満たされて力を失って行ったのかもしれない。
長い歴史の中で兄と同じ強さを持つ人物もいたと思うからあっている筈。
「……さて話はここまでじゃな」
「うん、色々と教えてくれてありがとう」
話をしている内に遠くにダート達の姿が見えて来る。
思いの外長い時間待たせてしまったから謝らないとなぁって重いっていると何やら様子がおかしい。
「何かあったのかな」
「分からぬが何やら様子が変じゃのぅ」
「ん?これは……?」
……急いで合流する為に走ろうとした時だった。
人の腕の形をした黒い何かが落ちていて拾おうとしたら、触れた瞬間に形が崩れて落ち灰になってしまう。
「……走るよメイメイ」
「じゃな、どう見てもこの状況は異常じゃし急いだ方が良さそうじゃ」
走ってダート達の所に向かうが徐々に地面が灰に覆われて行き足首まで埋まってしまう。
やはりこれは何かがあったのは確実だ、早く合流する為に肉体強化を使い走る速度を上げると、後ろの方で『んぎゃっ!』というメイメイの声と共にボフッという音が聞こえたが、多分転んだのかもしれない。
「皆っ!……これは何があったの!?」
「レ、レースっ!?あ、ちょっと待って!?」
「待たない、今は君達に怪我が無いか確認するのが最優先だから」
ダートに近づいて怪我をしてないか確認する為に治癒術を使って全身を触りながら確かめるが、体温が少しだけ高いのと腹部に原因不明の違和感がある以外は問題は無い。
続いてカエデを確かめようとするが……
「……レースさん、私達は大丈夫ですのでそんな焦ったような顔をしないで落ち着いてください」
「落ち着いてってこんな異様な光景を見たら、冷静になれって言う方が難しいよ」
「父さん、俺達はこの通り怪我はねぇし、何方かというと色々とあって凄い調子が良い位だから気にすんな」
「……分かった、なら何があったか教えてくれるかな」
「あぁ、それについては色々とあったんだけどよ……、説明が難しいからこういう時にまとめるのが得意なカエデに任せて俺はメイメイを起こしてくるわ」
ダリアが苦笑いをしながらぼく達から離れて行くと『のじゃー!灰が口に入ったのじゃ!気持ち悪いのじゃぁ!』とメイメイの悲鳴が聞こえる。
……これは確かに直ぐに助けてあげた方が良さそうだ。
「カエデ、何があったか説明してくれる?」
「えぇ、実はですね……」
……カエデが落ち着いた声でゆっくりと説明してくれる。
【死人使い】ルード・フェレスが放ったであろうアンデッドの集団に襲われた事と、敵だと思っていたSランク冒険者【滅尽】焔の炎姫が助けに来てくれた事、そして事情を説明したらこの国の王の元へ飛んで行ってしまったという一連の流れに少しだけ違和感を感じる。
まるで仕組まれたように襲撃を受けと、都合よくSランク冒険者が来て助けに入ったという事実に不穏な気配を感じるのだった。
「――じゃから、もし余の作った薬を使った時に副作用が出た場合、こちらも服用するのじゃよ?」
「ありがとう、でもメイメイこれは何の薬?」
「重い副作用が出た時に薬の効果を打ち消す薬じゃ、余が作った以上命の危険は無いとは思うが万が一があるかもじゃからな」
万が一の事があるかもしれない、そう思うと使った後にどうなるのか心配ではあるけど、上手く使う事が出来れば【怪力】のデメリットを消す事が出来るようになるから試す価値がある。
「ところでレース殿よ、おぬしが道中で教えてくれた【怪力】という能力についてなのじゃが……、渡した薬を使えば問題無く使う事が出来ると思うぞ?」
「確か服用する事で体内の魔力が骨を強化してくれるんだよね?」
「そうじゃ、体が耐えきれずに壊れてしまうのなら、耐えきれるように作り変えてしまえば良い、少しずつ薬の量を減らす事で能力に身体を慣らして行けば?」
「……デメリット無く能力を使えるようになる?」
「そうなれば何れ体が能力に耐えられるようになり、使い続けている内にやがて限界に至る事も出来よう……、とはいえレース殿ただ余と同じ境地に至ってからが本番じゃぞ?なんせこの世界は……あぁいやこれは今は言わない方が良さそうじゃな、こちら側に来たら嫌でも知る事になるじゃろうからのぅ」
知る事のなると言われても、それがいつになるのか分からない以上どう反応すればいいのか分からない。
とは言え……何となくこうではないかなと思う所はあるけど、確証があるわけでは無いから言葉にしない方が良いだろう。
「……くふふ、レース殿は良い子じゃな」
「余計な事を言わない方がいいかなって思っただけだよ」
「そうやって冷静な判断が出来るのは立派じゃよ」
ぼくの予想が間違えで無ければSランク冒険者という存在は抑止力なんだと思う。
現にメイメイが話してくれた神々の事に関してもそうだ、例えばストラフィリアの神【ディザスティア】は強い者を見る事で満たされる。
これに関してゴスペルやカーティスが該当する、個人として圧倒的な戦力を持つ【福音】と傭兵団を率いて群としての力を持った【死絶】、この二人がいる事で満たされて力を失って行ったのかもしれない。
長い歴史の中で兄と同じ強さを持つ人物もいたと思うからあっている筈。
「……さて話はここまでじゃな」
「うん、色々と教えてくれてありがとう」
話をしている内に遠くにダート達の姿が見えて来る。
思いの外長い時間待たせてしまったから謝らないとなぁって重いっていると何やら様子がおかしい。
「何かあったのかな」
「分からぬが何やら様子が変じゃのぅ」
「ん?これは……?」
……急いで合流する為に走ろうとした時だった。
人の腕の形をした黒い何かが落ちていて拾おうとしたら、触れた瞬間に形が崩れて落ち灰になってしまう。
「……走るよメイメイ」
「じゃな、どう見てもこの状況は異常じゃし急いだ方が良さそうじゃ」
走ってダート達の所に向かうが徐々に地面が灰に覆われて行き足首まで埋まってしまう。
やはりこれは何かがあったのは確実だ、早く合流する為に肉体強化を使い走る速度を上げると、後ろの方で『んぎゃっ!』というメイメイの声と共にボフッという音が聞こえたが、多分転んだのかもしれない。
「皆っ!……これは何があったの!?」
「レ、レースっ!?あ、ちょっと待って!?」
「待たない、今は君達に怪我が無いか確認するのが最優先だから」
ダートに近づいて怪我をしてないか確認する為に治癒術を使って全身を触りながら確かめるが、体温が少しだけ高いのと腹部に原因不明の違和感がある以外は問題は無い。
続いてカエデを確かめようとするが……
「……レースさん、私達は大丈夫ですのでそんな焦ったような顔をしないで落ち着いてください」
「落ち着いてってこんな異様な光景を見たら、冷静になれって言う方が難しいよ」
「父さん、俺達はこの通り怪我はねぇし、何方かというと色々とあって凄い調子が良い位だから気にすんな」
「……分かった、なら何があったか教えてくれるかな」
「あぁ、それについては色々とあったんだけどよ……、説明が難しいからこういう時にまとめるのが得意なカエデに任せて俺はメイメイを起こしてくるわ」
ダリアが苦笑いをしながらぼく達から離れて行くと『のじゃー!灰が口に入ったのじゃ!気持ち悪いのじゃぁ!』とメイメイの悲鳴が聞こえる。
……これは確かに直ぐに助けてあげた方が良さそうだ。
「カエデ、何があったか説明してくれる?」
「えぇ、実はですね……」
……カエデが落ち着いた声でゆっくりと説明してくれる。
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