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第六章 明かされた出自と失われた時間
間章 血縁同士の会話 ダリア視点
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ほんと何なんだろうな……、どうして人質になっている俺達がヴィーニとガイスト、そしてゴスペルと一緒に同じ部屋で夕食を取っているのか全く持って理解が出来ない。
これが百歩譲ってヴィーニから誘いに来るなら分からないでは無いけど何故かガイストが
『折角血を分けた家族と姪っ子がおるんじゃから、飯位家族で囲もうではないかっ』
と言った結果、何故か五人で皆で飯を食べる事になったわけだけど……
「いや、どう考えてもおかしくねぇか!?俺とルミィは人質なのに何でお前たちと飯食ってんだよ!」
「ダリアよ、お主はストラフィリアの王女なのだぞ?口調に気を付けんと品位を疑われるぞ?」
「いやだからさ、普通はこんな扱いされないと思うんだけどおかしくないか?」
「おかしいも何も、我が恨んでおるのはヴォルフガングだけじゃ、子や孫であるお主らには何の罪も無かろう?」
確かにそうかもしれないけど、なら国中に悪い噂を広めたり等して反乱を起こそうとするとかっていう周りくどい事や俺達を誘拐しないで直接【覇王ヴォルフガング】を襲撃すればいいんじゃねぇかと思うけど、何でこいつらはこんな事してんだろうな……
「ルミィよ、食事の味はどうじゃ?この領地一番の料理人が作っているらしいのじゃが……」
「んー、美味しいけどヴィー兄様がいるから美味しくないっ!」
「……ルミィはそんなに私の事が嫌いかな?」
「大嫌いっ!ルミィとダリアお姉ちゃんを無理矢理連れて来て、ミュラッカお姉ちゃんとレースお兄ちゃんからバイバイさせたから嫌いっ!」
「……それなら我もお主を連れ去った一員じゃぞ?」
確かにガイストの言う通りこいつも、ルミィの言う嫌いの範囲に入ると思うけど……、ルミィは何故かこの数日ですっかりこいつに懐いてしまって今ではべったりとくっ付いているくらいだ。
「ガイストお姉ちゃんは優しいから大好きっ!沢山遊んでくれるし、後ろにいる不思議な小さい人も可愛いから好きっ!」
「ほぅ、この数日我の周囲を良く見てると思ってはいたが……、やはりお主は紅焔が見えておるのじゃな」
「俺は視えねぇけど……、もしかして精霊っていう奴でもいるのか?」
「ダリアには見えんのじゃな……、そうじゃよ?お主のいうように精霊じゃ、我は精霊術を治めた術師じゃからな、主従契約をして精霊を従えておるのじゃよ」
「精霊って言うと、東の大国【メイディ】にいる魔力で構成された不安定な肉体を持つ魔法生物っていう話だろ?、そいつ等と契約して安全なのかよ」
魔法生物……、あいつらは基本的に物質としての肉体を持たない代わりに、魔力で作られた身体を持っていて周囲に発生する自然の魔力が無ければ身体を維持する事が出来ずに崩壊してしまう不安定な生物であると聞いた事がある。
特にメイディだと国全体が豊富な魔力で溢れている為に存在する事が出来る希少な種族らしいけど、今もこうして俺の眼に見えないって事は自身の身体を作る事が出来ない位に弱っているという事なのでは無いだろうかと思うけど、俺には詳しい事は何も分からない。
「ダートお姉ちゃが、レースお兄ちゃんみたいに考え事が顔に出てるよ?」
「うっそまじかよっ!」
「くふふ、そんな興味深げな顔をされたら特別に見せてやろうでは無いか、紅焔よ姿を見せてやれ」
ガイストの後ろから赤子位の大きさを持った炎の玉が現れると、俺とルミィの前に出て挨拶をするかのように何回か強く光る。
精霊を見るのは初めてだから正直これが本当に生物なのかと疑問に思ってしまうけど、ここまで近づいて来ても熱を感じない辺りこちらに危害を加えないという意志を感じて、確かにそこに存在しているという事が理解出来るけど今迄肉体を持ってなかった存在がどうやって現れたのかという疑問が俺の頭の中に浮かぶ。
「わぁあっ!凄い綺麗だねダートお姉ちゃんっ!」
「お、おぅ……、これが精霊かすげぇなこれは」
「私も見るのは初めてですけど凄いですねこれは、ゴスペルは精霊を見た事ありますか?」
「……何度か過去にメイディと戦闘になり掛けた時に、俺や私と同じSランク冒険者【滅尽】焔の炎姫という女性が止めに来て戦闘をした事あるから、僕は精霊を知ってる、知ってた、見た事ある」
「兄上は我が師匠と戦った事があるのじゃな、良く生きておったのぅ……、実は我の精霊は師匠の扱う神霊様を分けて貰ったものなのじゃよ」
ガイストがSランク冒険者の弟子だっていう事に驚きを隠せねぇけど、それ以上に神霊という言葉が理解出来ない。
精霊を初めて見たのに更にその上の存在だと思うけど神霊だって?情報が多すぎて訳が分からねぇよ。
「うむ、皆疑問に思ってそうだから説明をしてやろう、神霊とは精霊が一定の魔力を蓄えた後に進化する事が出来る存在の事でな?その力は自然を意のままに操る程に強力なのじゃよ、それに特に精霊術を使う為の資格を考えると並の実力者では到底御しきれんのじゃ」
「……精霊術を使う資格って何だよ」
「うむ、本来ならメイディの者以外には語っては行けないのじゃけど、お主等家族になら別に良いじゃろ……、資格を得る事自体は簡単じゃよ、力でねじ伏せて言う事を利かせればいい、そうする事で奴等との間に主従契約が結ばれ
従わせる事が出来るのじゃよ」
「という事はそれさえ出来れば誰でも使えるって事か?」
「……基本的にはそうじゃけど、もしお主やルミィが精霊術を覚えたいと思ったら良く考えて精霊を選ぶのじゃぞ?一人の術師に対して精霊は一人しか契約する事は出来ぬからな?」
つまり自分との相性が悪かったり、弱い精霊を使役してしまった場合は主従契約を解除出来ないという事か、だけどガイストみたいに強力な精霊を得る事が出来れば実力面でもかなり強化されると思うから、何時かメイディに行く時があったら試しに契約出来る相手を探してみるのもいいかもしれねぇな。
「ルミィも精霊じゅちゅしになれる!?」
「おぉ、なれるぞ?」
「ならルミィは美味しいご飯を出してくれる精霊と仲良しになって皆でご飯沢山食べるのっ!」
「くふふ、そうかそうかっ!それは楽しみじゃのぅっ!、ルミィにぴったりの精霊に会えるように我も頑張らんと……、何じゃ?この魔力はっ!」
「やべぇぞこれっ!何か外からくんぞっ!」
……食事が終わったタイミングで領主の館の近くに今迄感じた事もない程に強い魔力を感じて立ち上がると、ガイストとゴスペルも感じ取ったのか二人は同時に心器を顕現させると同時にヴィーニが急いで窓を開ける。
そこから勢いよく飛び出した後に見えた魔力の招待は巨大な雪の結晶の形をしていて、それが凄まじい速度でこっちに迫って来ている光景だったけど……、ガイストの精霊が雪の結晶を炎で包み込み溶かして行き動きが鈍って来たタイミングでゴスペルの手で一刀両断されるのだった。
これが百歩譲ってヴィーニから誘いに来るなら分からないでは無いけど何故かガイストが
『折角血を分けた家族と姪っ子がおるんじゃから、飯位家族で囲もうではないかっ』
と言った結果、何故か五人で皆で飯を食べる事になったわけだけど……
「いや、どう考えてもおかしくねぇか!?俺とルミィは人質なのに何でお前たちと飯食ってんだよ!」
「ダリアよ、お主はストラフィリアの王女なのだぞ?口調に気を付けんと品位を疑われるぞ?」
「いやだからさ、普通はこんな扱いされないと思うんだけどおかしくないか?」
「おかしいも何も、我が恨んでおるのはヴォルフガングだけじゃ、子や孫であるお主らには何の罪も無かろう?」
確かにそうかもしれないけど、なら国中に悪い噂を広めたり等して反乱を起こそうとするとかっていう周りくどい事や俺達を誘拐しないで直接【覇王ヴォルフガング】を襲撃すればいいんじゃねぇかと思うけど、何でこいつらはこんな事してんだろうな……
「ルミィよ、食事の味はどうじゃ?この領地一番の料理人が作っているらしいのじゃが……」
「んー、美味しいけどヴィー兄様がいるから美味しくないっ!」
「……ルミィはそんなに私の事が嫌いかな?」
「大嫌いっ!ルミィとダリアお姉ちゃんを無理矢理連れて来て、ミュラッカお姉ちゃんとレースお兄ちゃんからバイバイさせたから嫌いっ!」
「……それなら我もお主を連れ去った一員じゃぞ?」
確かにガイストの言う通りこいつも、ルミィの言う嫌いの範囲に入ると思うけど……、ルミィは何故かこの数日ですっかりこいつに懐いてしまって今ではべったりとくっ付いているくらいだ。
「ガイストお姉ちゃんは優しいから大好きっ!沢山遊んでくれるし、後ろにいる不思議な小さい人も可愛いから好きっ!」
「ほぅ、この数日我の周囲を良く見てると思ってはいたが……、やはりお主は紅焔が見えておるのじゃな」
「俺は視えねぇけど……、もしかして精霊っていう奴でもいるのか?」
「ダリアには見えんのじゃな……、そうじゃよ?お主のいうように精霊じゃ、我は精霊術を治めた術師じゃからな、主従契約をして精霊を従えておるのじゃよ」
「精霊って言うと、東の大国【メイディ】にいる魔力で構成された不安定な肉体を持つ魔法生物っていう話だろ?、そいつ等と契約して安全なのかよ」
魔法生物……、あいつらは基本的に物質としての肉体を持たない代わりに、魔力で作られた身体を持っていて周囲に発生する自然の魔力が無ければ身体を維持する事が出来ずに崩壊してしまう不安定な生物であると聞いた事がある。
特にメイディだと国全体が豊富な魔力で溢れている為に存在する事が出来る希少な種族らしいけど、今もこうして俺の眼に見えないって事は自身の身体を作る事が出来ない位に弱っているという事なのでは無いだろうかと思うけど、俺には詳しい事は何も分からない。
「ダートお姉ちゃが、レースお兄ちゃんみたいに考え事が顔に出てるよ?」
「うっそまじかよっ!」
「くふふ、そんな興味深げな顔をされたら特別に見せてやろうでは無いか、紅焔よ姿を見せてやれ」
ガイストの後ろから赤子位の大きさを持った炎の玉が現れると、俺とルミィの前に出て挨拶をするかのように何回か強く光る。
精霊を見るのは初めてだから正直これが本当に生物なのかと疑問に思ってしまうけど、ここまで近づいて来ても熱を感じない辺りこちらに危害を加えないという意志を感じて、確かにそこに存在しているという事が理解出来るけど今迄肉体を持ってなかった存在がどうやって現れたのかという疑問が俺の頭の中に浮かぶ。
「わぁあっ!凄い綺麗だねダートお姉ちゃんっ!」
「お、おぅ……、これが精霊かすげぇなこれは」
「私も見るのは初めてですけど凄いですねこれは、ゴスペルは精霊を見た事ありますか?」
「……何度か過去にメイディと戦闘になり掛けた時に、俺や私と同じSランク冒険者【滅尽】焔の炎姫という女性が止めに来て戦闘をした事あるから、僕は精霊を知ってる、知ってた、見た事ある」
「兄上は我が師匠と戦った事があるのじゃな、良く生きておったのぅ……、実は我の精霊は師匠の扱う神霊様を分けて貰ったものなのじゃよ」
ガイストがSランク冒険者の弟子だっていう事に驚きを隠せねぇけど、それ以上に神霊という言葉が理解出来ない。
精霊を初めて見たのに更にその上の存在だと思うけど神霊だって?情報が多すぎて訳が分からねぇよ。
「うむ、皆疑問に思ってそうだから説明をしてやろう、神霊とは精霊が一定の魔力を蓄えた後に進化する事が出来る存在の事でな?その力は自然を意のままに操る程に強力なのじゃよ、それに特に精霊術を使う為の資格を考えると並の実力者では到底御しきれんのじゃ」
「……精霊術を使う資格って何だよ」
「うむ、本来ならメイディの者以外には語っては行けないのじゃけど、お主等家族になら別に良いじゃろ……、資格を得る事自体は簡単じゃよ、力でねじ伏せて言う事を利かせればいい、そうする事で奴等との間に主従契約が結ばれ
従わせる事が出来るのじゃよ」
「という事はそれさえ出来れば誰でも使えるって事か?」
「……基本的にはそうじゃけど、もしお主やルミィが精霊術を覚えたいと思ったら良く考えて精霊を選ぶのじゃぞ?一人の術師に対して精霊は一人しか契約する事は出来ぬからな?」
つまり自分との相性が悪かったり、弱い精霊を使役してしまった場合は主従契約を解除出来ないという事か、だけどガイストみたいに強力な精霊を得る事が出来れば実力面でもかなり強化されると思うから、何時かメイディに行く時があったら試しに契約出来る相手を探してみるのもいいかもしれねぇな。
「ルミィも精霊じゅちゅしになれる!?」
「おぉ、なれるぞ?」
「ならルミィは美味しいご飯を出してくれる精霊と仲良しになって皆でご飯沢山食べるのっ!」
「くふふ、そうかそうかっ!それは楽しみじゃのぅっ!、ルミィにぴったりの精霊に会えるように我も頑張らんと……、何じゃ?この魔力はっ!」
「やべぇぞこれっ!何か外からくんぞっ!」
……食事が終わったタイミングで領主の館の近くに今迄感じた事もない程に強い魔力を感じて立ち上がると、ガイストとゴスペルも感じ取ったのか二人は同時に心器を顕現させると同時にヴィーニが急いで窓を開ける。
そこから勢いよく飛び出した後に見えた魔力の招待は巨大な雪の結晶の形をしていて、それが凄まじい速度でこっちに迫って来ている光景だったけど……、ガイストの精霊が雪の結晶を炎で包み込み溶かして行き動きが鈍って来たタイミングでゴスペルの手で一刀両断されるのだった。
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