142 / 535
第五章 囚われの姫と紅の槍
1話 非日常が送られて来た
しおりを挟む
あの騒動から気付いたら三カ月の月日が経過していた。
その間にあった事と言えば、様子を見に来ると思っていた師匠が一向に来る気配がなかったからダリアの身体についての手紙を送ったら、暫くしてぼく達の家に転移して来て『思い付いた事があるから、レースちゃんとダーちゃんの髪の毛と皮膚の一部を頂戴っ!悪いようにしないからっ!』と言ってぼく達の了承を得る前に魔術で髪の毛を少量と指先の皮膚を一部切り取って『じゃあ、大体半年位で人の形になると思うからそうしたら持ってくるわねっ!』と言って持って行った事と、診療所の運営が人が増えた事で安定した結果、急患を除いた初診の患者さんを週に一度の決まった曜日に受け入れ、それ以外は予め予約を入れてくれている患者さんのみをに診るようにしたらどうかという、カエデの提案を受け入れた結果、今迄の負担が嘘みたいに減り受診する患者が多い日以外は3人程で回るようになった位で後は……
「レ―スさん……あの、今日もお願いします」
「あ、ちょっと待ってねカエデ」
診療時間が終わり皆が帰った後に、カエデと二人きりで診察室に入る事が増えた位だろうか。
何でもぼくの治癒術で相手を治療する時間が余りにも速く、一般的な治癒術師とは違うとの事で、どのような理論で術を使用しているか彼女の身体を使って教えて欲しいという事なのだけれど、何だかいけない事をしているような気がして気が引ける。
特に最初の頃はダートに、十三歳の少女に対していやらしい事をしているんじゃないかというあらぬ疑いを掛けられた事があるのだけれど、どうしてそのような発想になったのか分からなくて逆に問い返したら顔を真っ赤にして逃げられてしまったので今でも分からないままだ。
「準備出来たよ、じゃあやろうか」
「……はいっ!」
「じゃあ、いつものようにこのタオルを強く噛んでおいてね」
「……ふぁい!」
カエデがタオルを口に入れて噛み締めたのを確認すると、手に触れて魔力を彼女と同調すると、内側から命に別状がない範囲で身体を破壊する。
その瞬間痛みで彼女の身体が跳ねるがいつもの事だから気にしない。
「……っ!?んーっ!」
「じゃあ今から直すからね」
そして同調した魔力の中からカエデの魔力を使って治癒術を使いどのように体が治って行くのか、どうやって壊れた部分を細胞から作り直して行るのかを教えて行く。
「終わったからもう楽にしていいよ」
「……はい、ありがとうございます」
治療が終わると、カエデはペンとメモ帳を取り出し実際に経験した事をそこに書いていく。
この治癒術の指導を始めてから一カ月程立つけど、実際に彼女の治癒術を使う速さは以前と比べて比較にならない程に早くなったし治療の制度も飛躍的に上昇した。
とは言え最初に彼女にこの方法を提案した時は、異常者を見るような目で『そんな事されたら死んじゃいますよっ!』と怒られたけど、ぼくが小さい頃師匠にこうやって治癒術の使い方を教わったと説明すると、顔を真っ青にして『あの非常識な人から教わるとこうなるのですね』と言った後暫くして、『私が一歩先へ行き人として一皮剥ける為には、自ら過酷な道へ行く事も必要なのかもしれませんっ!覚悟を決めましたっ!お願いします』となり今に至る感じだ。
「いつも思うんですけど……、レースさんの治癒術の理論は実践で学ぶ感じですが、そこからどうやって新術を作ってるんですか?」
「んー、そこはやっぱり色んな人の身体構造を常に見ているからかな、ほら人って骨の数って小さい頃は三百個位あるんだけど、大人になると大体二百個前後にになるんだ、成長するにつれて離れていた骨がくっついて行って骨の数が減りその本数になるんだけどさ、実際に患者の魔力と同調して身体の構造を見ると、下半身の骨が一本増えていたり、尾骨辺りに尻尾の名残があるんだけど、そこは本来なら胎児の時点で二ヵ月したら引っ込んで行くはずの尻尾が残っている人もいる」
「あ、あの、ちか、」
「他にも筋肉もそうで、男性なのに女性に近い筋肉の付き方をする人もいれば逆もいる、それはその人のホルモンバランスもあるが日々の食生活も影響している可能性があったり、ぼくが師匠の所にいた時に実際に実験したんだけど、モンスターでゴブリンっていう亜人がいるでしょ?それの年老いた固体に若い個体の血液を輸血し続けて様子を見ると、年老いた固体の細胞がどんどん若返って行くっていう傾向があったんだ、それらをリストアップして人に転用した場合どういう風になるかを纏めて、師匠に試して貰うと暫くしたら結果が出るから、その時の経験を元に新術を作っている感じかな、特に人体再生の禁忌と言われた治癒術も切断された箇所を自己再生出来るモンスターがいるんだけど、そのプロセスを解明してぼくなりに治癒術の形に落とし込む事で……」
「ダ、ダートおねぇさまぁ!たすけてぇっ!」
カエデが何か大声で叫んでいるけど、聞かれた以上はしっかりと伝えないといけない。
気にせず続けようと思っていると勢いよく首元を誰かに掴まれ後ろに倒されたかと思うと、彼女の前にダートが現れてぼくに対して怒りを込めた顔で詰め寄って来る。
「レースっ!あなたは伝えようとするのはいいけど、相手の事をしっかりと見なさいっ!暴走しすぎてカエデちゃんが怖がってるじゃないのっ!」
「え……?」
「あの……、聞いた私が悪いと思うんですけど、レースさんどんどん詰め寄って来て怖かったです」
「……ね?そう言う所さ、小さい頃お義母様とマスカレイドと一緒にいたから影響受けてるんだと思うけど、マスカレイドみたいで私嫌いだよ?」
ダートに嫌いと言われて内心ショックを受ける、確かに彼はぼくにとっては父親代わりみたいなものだったけど、マスカレイドみたいと言われるのは嫌だ。
そう言う所しっかりと直していかないとな……、特に人に嫌な思いをさせるのだけは止めた方が良いと思うし、何より彼女には嫌われたなくない。
ここはちゃんとダートとカエデに謝ろう。
「……ダートごめん、気を付けるよ、後カエデも怖がらせてごめんね」
「謝ってくれたならいいですけど、次は気を付けてくださいね?」
「うん、気を付けるよ」
「次やったら今度は、私がレースを殴ってでも止めるからね?」
そういうとダートは拳を作り軽くぼくの頭を小突いてぼくに笑いかけると、ふと何かを思い出しかのような顔をして、『ごめん、ちょっと待ってて』と言うと二階に走って行く。
何があったんだろうとカエデと二人で待っていると……
「待たせてごめんね、さっき差出人不明のレースと私へ向けた封筒が届いたんだけど何なのか心配だから、カエデちゃんも一緒に見てくれる?」
「お姉様がそういうならいいですけど、レースさんは見ても大丈夫ですか?」
「んー、まぁ、差出人不明である以上二人で見るよりも誰かが居た方が安心するのは確かだから見て貰っていいかな?」
「お二人が言うなら分かりました、では見ましょうか」
……そうして届いた封筒を開けて中を見るとそこには急いで書いたのか、読み辛い殴り書きで書かれた手紙が入っていて、読むのに時間が掛かったけど……、『レースとダートへ、ミントがトレーディアスの首都にて、商王に囚われ幽閉された、俺一人ではどうしようもないから助けてくれ ジラルド』と書いてあり、その内容を見たぼくは日常から再び非日常へと変わった事を理解するのだった。
その間にあった事と言えば、様子を見に来ると思っていた師匠が一向に来る気配がなかったからダリアの身体についての手紙を送ったら、暫くしてぼく達の家に転移して来て『思い付いた事があるから、レースちゃんとダーちゃんの髪の毛と皮膚の一部を頂戴っ!悪いようにしないからっ!』と言ってぼく達の了承を得る前に魔術で髪の毛を少量と指先の皮膚を一部切り取って『じゃあ、大体半年位で人の形になると思うからそうしたら持ってくるわねっ!』と言って持って行った事と、診療所の運営が人が増えた事で安定した結果、急患を除いた初診の患者さんを週に一度の決まった曜日に受け入れ、それ以外は予め予約を入れてくれている患者さんのみをに診るようにしたらどうかという、カエデの提案を受け入れた結果、今迄の負担が嘘みたいに減り受診する患者が多い日以外は3人程で回るようになった位で後は……
「レ―スさん……あの、今日もお願いします」
「あ、ちょっと待ってねカエデ」
診療時間が終わり皆が帰った後に、カエデと二人きりで診察室に入る事が増えた位だろうか。
何でもぼくの治癒術で相手を治療する時間が余りにも速く、一般的な治癒術師とは違うとの事で、どのような理論で術を使用しているか彼女の身体を使って教えて欲しいという事なのだけれど、何だかいけない事をしているような気がして気が引ける。
特に最初の頃はダートに、十三歳の少女に対していやらしい事をしているんじゃないかというあらぬ疑いを掛けられた事があるのだけれど、どうしてそのような発想になったのか分からなくて逆に問い返したら顔を真っ赤にして逃げられてしまったので今でも分からないままだ。
「準備出来たよ、じゃあやろうか」
「……はいっ!」
「じゃあ、いつものようにこのタオルを強く噛んでおいてね」
「……ふぁい!」
カエデがタオルを口に入れて噛み締めたのを確認すると、手に触れて魔力を彼女と同調すると、内側から命に別状がない範囲で身体を破壊する。
その瞬間痛みで彼女の身体が跳ねるがいつもの事だから気にしない。
「……っ!?んーっ!」
「じゃあ今から直すからね」
そして同調した魔力の中からカエデの魔力を使って治癒術を使いどのように体が治って行くのか、どうやって壊れた部分を細胞から作り直して行るのかを教えて行く。
「終わったからもう楽にしていいよ」
「……はい、ありがとうございます」
治療が終わると、カエデはペンとメモ帳を取り出し実際に経験した事をそこに書いていく。
この治癒術の指導を始めてから一カ月程立つけど、実際に彼女の治癒術を使う速さは以前と比べて比較にならない程に早くなったし治療の制度も飛躍的に上昇した。
とは言え最初に彼女にこの方法を提案した時は、異常者を見るような目で『そんな事されたら死んじゃいますよっ!』と怒られたけど、ぼくが小さい頃師匠にこうやって治癒術の使い方を教わったと説明すると、顔を真っ青にして『あの非常識な人から教わるとこうなるのですね』と言った後暫くして、『私が一歩先へ行き人として一皮剥ける為には、自ら過酷な道へ行く事も必要なのかもしれませんっ!覚悟を決めましたっ!お願いします』となり今に至る感じだ。
「いつも思うんですけど……、レースさんの治癒術の理論は実践で学ぶ感じですが、そこからどうやって新術を作ってるんですか?」
「んー、そこはやっぱり色んな人の身体構造を常に見ているからかな、ほら人って骨の数って小さい頃は三百個位あるんだけど、大人になると大体二百個前後にになるんだ、成長するにつれて離れていた骨がくっついて行って骨の数が減りその本数になるんだけどさ、実際に患者の魔力と同調して身体の構造を見ると、下半身の骨が一本増えていたり、尾骨辺りに尻尾の名残があるんだけど、そこは本来なら胎児の時点で二ヵ月したら引っ込んで行くはずの尻尾が残っている人もいる」
「あ、あの、ちか、」
「他にも筋肉もそうで、男性なのに女性に近い筋肉の付き方をする人もいれば逆もいる、それはその人のホルモンバランスもあるが日々の食生活も影響している可能性があったり、ぼくが師匠の所にいた時に実際に実験したんだけど、モンスターでゴブリンっていう亜人がいるでしょ?それの年老いた固体に若い個体の血液を輸血し続けて様子を見ると、年老いた固体の細胞がどんどん若返って行くっていう傾向があったんだ、それらをリストアップして人に転用した場合どういう風になるかを纏めて、師匠に試して貰うと暫くしたら結果が出るから、その時の経験を元に新術を作っている感じかな、特に人体再生の禁忌と言われた治癒術も切断された箇所を自己再生出来るモンスターがいるんだけど、そのプロセスを解明してぼくなりに治癒術の形に落とし込む事で……」
「ダ、ダートおねぇさまぁ!たすけてぇっ!」
カエデが何か大声で叫んでいるけど、聞かれた以上はしっかりと伝えないといけない。
気にせず続けようと思っていると勢いよく首元を誰かに掴まれ後ろに倒されたかと思うと、彼女の前にダートが現れてぼくに対して怒りを込めた顔で詰め寄って来る。
「レースっ!あなたは伝えようとするのはいいけど、相手の事をしっかりと見なさいっ!暴走しすぎてカエデちゃんが怖がってるじゃないのっ!」
「え……?」
「あの……、聞いた私が悪いと思うんですけど、レースさんどんどん詰め寄って来て怖かったです」
「……ね?そう言う所さ、小さい頃お義母様とマスカレイドと一緒にいたから影響受けてるんだと思うけど、マスカレイドみたいで私嫌いだよ?」
ダートに嫌いと言われて内心ショックを受ける、確かに彼はぼくにとっては父親代わりみたいなものだったけど、マスカレイドみたいと言われるのは嫌だ。
そう言う所しっかりと直していかないとな……、特に人に嫌な思いをさせるのだけは止めた方が良いと思うし、何より彼女には嫌われたなくない。
ここはちゃんとダートとカエデに謝ろう。
「……ダートごめん、気を付けるよ、後カエデも怖がらせてごめんね」
「謝ってくれたならいいですけど、次は気を付けてくださいね?」
「うん、気を付けるよ」
「次やったら今度は、私がレースを殴ってでも止めるからね?」
そういうとダートは拳を作り軽くぼくの頭を小突いてぼくに笑いかけると、ふと何かを思い出しかのような顔をして、『ごめん、ちょっと待ってて』と言うと二階に走って行く。
何があったんだろうとカエデと二人で待っていると……
「待たせてごめんね、さっき差出人不明のレースと私へ向けた封筒が届いたんだけど何なのか心配だから、カエデちゃんも一緒に見てくれる?」
「お姉様がそういうならいいですけど、レースさんは見ても大丈夫ですか?」
「んー、まぁ、差出人不明である以上二人で見るよりも誰かが居た方が安心するのは確かだから見て貰っていいかな?」
「お二人が言うなら分かりました、では見ましょうか」
……そうして届いた封筒を開けて中を見るとそこには急いで書いたのか、読み辛い殴り書きで書かれた手紙が入っていて、読むのに時間が掛かったけど……、『レースとダートへ、ミントがトレーディアスの首都にて、商王に囚われ幽閉された、俺一人ではどうしようもないから助けてくれ ジラルド』と書いてあり、その内容を見たぼくは日常から再び非日常へと変わった事を理解するのだった。
0
お気に入りに追加
130
あなたにおすすめの小説
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります
古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。
一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。
一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。
どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。
※他サイト様でも掲載しております。
ヤケになってドレスを脱いだら、なんだかえらい事になりました
杜野秋人
恋愛
「そなたとの婚約、今この場をもって破棄してくれる!」
王族専用の壇上から、立太子間近と言われる第一王子が、声高にそう叫んだ。それを、第一王子の婚約者アレクシアは黙って聞いていた。
第一王子は次々と、アレクシアの不行跡や不品行をあげつらい、容姿をけなし、彼女を責める。傍らに呼び寄せたアレクシアの異母妹が訴えるままに、鵜呑みにして信じ込んだのだろう。
確かに婚約してからの5年間、第一王子とは一度も会わなかったし手紙や贈り物のやり取りもしなかった。だがそれは「させてもらえなかった」が正しい。全ては母が死んだ後に乗り込んできた後妻と、その娘である異母妹の仕組んだことで、父がそれを許可したからこそそんな事がまかり通ったのだということに、第一王子は気付かないらしい。
唯一の味方だと信じていた第一王子までも、アレクシアの味方ではなくなった。
もう味方はいない。
誰への義理もない。
ならば、もうどうにでもなればいい。
アレクシアはスッと背筋を伸ばした。
そうして彼女が次に取った行動に、第一王子は驚愕することになる⸺!
◆虐げられてるドアマットヒロインって、見たら分かるじゃんね?って作品が最近多いので便乗してみました(笑)。
◆虐待を窺わせる描写が少しだけあるのでR15で。
◆ざまぁは二段階。いわゆるおまいう系のざまぁを含みます。
◆全8話、最終話だけ少し長めです。
恋愛は後半で、メインディッシュはざまぁでどうぞ。
◆片手間で書いたんで、主要人物以外の固有名詞はありません。どこの国とも設定してないんで悪しからず。
◆この作品はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆過去作のヒロインと本作主人公の名前が丸被りしてたので、名前を変更しています。(2024/09/03)
◆9/2、HOTランキング11→7位!ありがとうございます!
9/3、HOTランキング5位→3位!ありがとうございます!
屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる