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第四章 師匠との邂逅と新たな出会い
1話 新たな生活
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新しい家に引っ越してから既に二ヵ月以上の時が経過していた。
その間にあった事と言えば、二階を住居スぺ―スとして改築する為に暫く一階で生活して二階の作業が終わった後に一階を診療所として使えるように改築して貰ったりしたけど、ただ使えるようにしただけでは経営を再開する事は出来ない、まずは町長に届け出を出さなければならない。
それ等の手続きに時間が掛かって気付いたらこんなに時間が経っていたという感じかな。
でもその間にアキラさんに色々と教えて貰ったおかげである程度戦えるようになったのは個人的には成長を感じられて嬉しく感じる。
ただ……問題と言えば
「……レース、ちょっとこれは忙しすぎない?」
「うん……、前はそこまで人が来なかったから二人で良かったけどこれはちょっときついと思う」
町の中に診療所を移して経営を開始したのは良いのだけれど、今迄が何だったのかと言わんばかりに忙しくなっている。
何でも以前は遠くて行き辛かったけど、場所が近くなってくれたおかげで通いやすくなったのが理由らしい。
おかげでぼく達はすっかり疲れ果てて、夕方のリビングのソファーでぐったりとしていた。
「人を増やした方が良いと思うんだけど……、特に治癒術が使える人」
「それなら教会に頼った方がいいけど……、ぼくはあそことは関わりたくないから師匠に連絡取るしかないかなぁ」
治癒術士は基本的に教会と言われる団体に所属している者が多い、勿論ぼくみたいに個人で活動している人もいない訳ではないけど、何らかの組織に所属していた方が様々な意味で支援を受けられるから得をすることばかりだ。
ただ一般人からしたら得をするよりも損をする事の方が多い、治療を受ける度に一定の寄付額を教会にも納める事になる為、ぼくのように個人で活動している治癒術師と比べるとどうしても割高になる。
どれ位かと言うと、安くて銀貨五枚高くて金貨一枚は持って行かれるだろう。
特にこの町での一般的な月収は大体銀貨三枚だからそのような大金を払えるわけがない。
その金銭的事情を教会は理解しているだろうから助けを求めたとしても助けてくれる事は無いだろう。
「カルディアさんに?、私はいいと思うけどレースは連絡取りたくなかったんじゃないの?」
「そうだけど必要だったらやらないと」
師匠を通せば教会所属ではない治癒術士を紹介してくれるだろう。
この世界では治癒術を覚える為に、生物の肉体構造に関する知識を専門的に学び、それを効率的に治す為の術を学ばなければならない。
その為に国が運営する学園にて数年間、勉学に励む必要がある。
特に学園では治癒術師以外にも魔術師の育成もしている為、幅広い学問を学ぶ事が出来全世界に優秀な術者を輩出し続けている事で有名だ。
そこを卒業生したばかりでまだ所属していない人がいたら紹介して貰えるかもしれない。
「なら早めに連絡しないとだけど、この町から首都へだとどんなに急いでも一カ月近くかかるよ?」
「それなら良い魔導具があるから部屋から取って来るから座って待っててよ」
そういうとぼくはソファーから立ち上がると自室へ戻り急いで収納箱から魔導具を取って来る。
師匠が作った物でどうしても緊急で連絡が必要になった時に使うように言われていたけど今がその時だろう。
「ダートお待たせ」
「うん、この箱がその魔導具?」
「師匠が作ったんだけどね、このスイッチを押す事で師匠の元にある同一の魔導具に信号が行くらしいんだ」
「ふーん……、なら押して見よっか」
ダートがぼくが手に持っている魔導具のスイッチを押す。
その瞬間手元から後も形も無く消えてしまった。
信号が行くんじゃなくて消失したんだけど……
「消えちゃった……ね?」
「まさか消えるだなんて思わなかった」
驚いて二人共何も言えなくなってしまう。
……何分位経っただろうか、魔導具が消えただけで未だに何も起こらない。
「何も起こらないけどもしかして壊れてた?」
「カルディアさん程の人が作ったならそんな事無いと思うよ?」
「だと思いたいけどあの人だからなぁ……」
ぼく達が疑問に思っていると遠くの方、詳しく言うなら旧診療所の方で大きな音がする。
何があったんだろうと窓から二人で音の方を見るけど遠すぎて何も分からない。
「何か凄い……化物染みた魔力を感じたんだけどさっきのってカルディアさんだったりする?」
「まさか、首都からここまでどれくらい距離が空いてると……」
「でもこれどう見ても転移魔術の魔力の波長で、しかも私の使う空間跳躍何てレベルどころじゃない高位の……」
ダートが引き攣った顔をしているけど流石にそんな事は無いと信じたい。
それだといつでもぼくの所に行こうと思えば来れたって事じゃないか。
「それなら何であっちに転移して来たの?」
「多分……、カルディアさんは私達が町の中に引っ越した事を知らないんじゃないかな」
「もしそうなら窓ガラスが割れたまま放置されている家を見たら?」
「……レース、何か嫌な予感がする」
「怖くなってきたよ……」
その時だった……旧診療所から魔力の線がこの家に向かって一瞬にして繋がる。
余りの速さにぼく達は何時、あの距離から魔術を使ったのか認識する事が出来なかった。
「……ここに居たのねぇ?緊急連絡が来たから急いで向かったらボロボロの診療所しかなかったから心配したわぁ」
唐突に家の中から声が聞こえて驚いたぼく達は声の方向に振り向いた。
そこにはウェーブのかかったワインレッドの髪を肩まで伸ばした少女の姿がある。
おかしいな、ぼくの記憶の中では二十代前半位の見た目だった筈なんだけど……
「んー?レースちゃん……驚いた顔してどうしたのぉってあぁこれねぇ、ほらレースちゃんの禁術を使って体を作り直したのよー」
「作り直したって……」
「あのね?……私が会った頃には既にこの見た目だったよ」
作り直したって本当に何をしているんだろうこの人は……
「あなたが作った術って、皮膚の一欠片さえあればそこから新しい肉体を生成出来るからいつでも好きな体に移れるし便利よねぇ」
「……いや本当に師匠は何を」
「んー?まぁそこは今度また機会があったら詳しく説明してあげるわね?……それよりも診療所を見たけど何があったの?」
「嫌な予感がするから聞きたくないからいいよ。……取り合えず説明するけどさ」
二ヵ月程前に起きた事を師匠に説明をするけど最後まで楽しそうに聞いていた。
その過程でぼくが戦う力を得る為に栄花騎士団最高幹部のアキラさんと一緒に魔術指導と戦闘指南を受けていると聞いた時も面白い事を聞いたような顔をしていたけど……、ミュカレーとマスカレイドの事を聞いた時ですら笑顔を崩さない師匠を見て言い知れぬ恐怖を感じる。
「レースちゃんが人の為に強くなろうとするなんて成長したのねぇ」
「あのね?カルディアさん、その理由が私を守る為だって言うの」
「あらぁ……あらぁっ!」
師匠の声が一段と高くなりテンションが上がる。
近くで大声を出されるとうるさくてしょうがない……。
「でもねぇ、護衛として雇われたあなたが逆に守られるのはどうかと思うわよぉって言いたいけど今の幸せそうなダーちゃんを見るとそんな事言えないわねぇ、本当あんなにガサツで乱暴だった子がかわいくなっちゃってねぇおばあちゃん嬉しいわぁ」
そういうと顔を真っ赤にしているダートの頭を師匠が優しく撫でる。
護衛と言う事にしてぼくの所にダートを送ったのは師匠だろうに……、これに関して突っ込むと後でややこしくなりそうだから今は黙っておこう。
「話を続けるんだけど、それで引っ越してこの町に診療所も移したんだけど、あまりに忙し過ぎて二人じゃどうしようも無いから人を増やそうと思ってさ」
……そういうと師匠は悪戯を思い付いた子供のような顔をしてぼくの事を見ると、『それならさっきまで治癒術を使える子とお話ししてたから紹介しましょうか?』と笑顔で言ってくる。
それはまるでその人とぼく達を合わせる事で面白い事が起きるとでも言いたそうで言い知れぬ不安に襲われるけど……ぼくとダートの新しい日常が壊されてしまう気がして嫌な予感しかしない、今度はいったいどんな非常識がやってくるのかという不安しかなかった。
その間にあった事と言えば、二階を住居スぺ―スとして改築する為に暫く一階で生活して二階の作業が終わった後に一階を診療所として使えるように改築して貰ったりしたけど、ただ使えるようにしただけでは経営を再開する事は出来ない、まずは町長に届け出を出さなければならない。
それ等の手続きに時間が掛かって気付いたらこんなに時間が経っていたという感じかな。
でもその間にアキラさんに色々と教えて貰ったおかげである程度戦えるようになったのは個人的には成長を感じられて嬉しく感じる。
ただ……問題と言えば
「……レース、ちょっとこれは忙しすぎない?」
「うん……、前はそこまで人が来なかったから二人で良かったけどこれはちょっときついと思う」
町の中に診療所を移して経営を開始したのは良いのだけれど、今迄が何だったのかと言わんばかりに忙しくなっている。
何でも以前は遠くて行き辛かったけど、場所が近くなってくれたおかげで通いやすくなったのが理由らしい。
おかげでぼく達はすっかり疲れ果てて、夕方のリビングのソファーでぐったりとしていた。
「人を増やした方が良いと思うんだけど……、特に治癒術が使える人」
「それなら教会に頼った方がいいけど……、ぼくはあそことは関わりたくないから師匠に連絡取るしかないかなぁ」
治癒術士は基本的に教会と言われる団体に所属している者が多い、勿論ぼくみたいに個人で活動している人もいない訳ではないけど、何らかの組織に所属していた方が様々な意味で支援を受けられるから得をすることばかりだ。
ただ一般人からしたら得をするよりも損をする事の方が多い、治療を受ける度に一定の寄付額を教会にも納める事になる為、ぼくのように個人で活動している治癒術師と比べるとどうしても割高になる。
どれ位かと言うと、安くて銀貨五枚高くて金貨一枚は持って行かれるだろう。
特にこの町での一般的な月収は大体銀貨三枚だからそのような大金を払えるわけがない。
その金銭的事情を教会は理解しているだろうから助けを求めたとしても助けてくれる事は無いだろう。
「カルディアさんに?、私はいいと思うけどレースは連絡取りたくなかったんじゃないの?」
「そうだけど必要だったらやらないと」
師匠を通せば教会所属ではない治癒術士を紹介してくれるだろう。
この世界では治癒術を覚える為に、生物の肉体構造に関する知識を専門的に学び、それを効率的に治す為の術を学ばなければならない。
その為に国が運営する学園にて数年間、勉学に励む必要がある。
特に学園では治癒術師以外にも魔術師の育成もしている為、幅広い学問を学ぶ事が出来全世界に優秀な術者を輩出し続けている事で有名だ。
そこを卒業生したばかりでまだ所属していない人がいたら紹介して貰えるかもしれない。
「なら早めに連絡しないとだけど、この町から首都へだとどんなに急いでも一カ月近くかかるよ?」
「それなら良い魔導具があるから部屋から取って来るから座って待っててよ」
そういうとぼくはソファーから立ち上がると自室へ戻り急いで収納箱から魔導具を取って来る。
師匠が作った物でどうしても緊急で連絡が必要になった時に使うように言われていたけど今がその時だろう。
「ダートお待たせ」
「うん、この箱がその魔導具?」
「師匠が作ったんだけどね、このスイッチを押す事で師匠の元にある同一の魔導具に信号が行くらしいんだ」
「ふーん……、なら押して見よっか」
ダートがぼくが手に持っている魔導具のスイッチを押す。
その瞬間手元から後も形も無く消えてしまった。
信号が行くんじゃなくて消失したんだけど……
「消えちゃった……ね?」
「まさか消えるだなんて思わなかった」
驚いて二人共何も言えなくなってしまう。
……何分位経っただろうか、魔導具が消えただけで未だに何も起こらない。
「何も起こらないけどもしかして壊れてた?」
「カルディアさん程の人が作ったならそんな事無いと思うよ?」
「だと思いたいけどあの人だからなぁ……」
ぼく達が疑問に思っていると遠くの方、詳しく言うなら旧診療所の方で大きな音がする。
何があったんだろうと窓から二人で音の方を見るけど遠すぎて何も分からない。
「何か凄い……化物染みた魔力を感じたんだけどさっきのってカルディアさんだったりする?」
「まさか、首都からここまでどれくらい距離が空いてると……」
「でもこれどう見ても転移魔術の魔力の波長で、しかも私の使う空間跳躍何てレベルどころじゃない高位の……」
ダートが引き攣った顔をしているけど流石にそんな事は無いと信じたい。
それだといつでもぼくの所に行こうと思えば来れたって事じゃないか。
「それなら何であっちに転移して来たの?」
「多分……、カルディアさんは私達が町の中に引っ越した事を知らないんじゃないかな」
「もしそうなら窓ガラスが割れたまま放置されている家を見たら?」
「……レース、何か嫌な予感がする」
「怖くなってきたよ……」
その時だった……旧診療所から魔力の線がこの家に向かって一瞬にして繋がる。
余りの速さにぼく達は何時、あの距離から魔術を使ったのか認識する事が出来なかった。
「……ここに居たのねぇ?緊急連絡が来たから急いで向かったらボロボロの診療所しかなかったから心配したわぁ」
唐突に家の中から声が聞こえて驚いたぼく達は声の方向に振り向いた。
そこにはウェーブのかかったワインレッドの髪を肩まで伸ばした少女の姿がある。
おかしいな、ぼくの記憶の中では二十代前半位の見た目だった筈なんだけど……
「んー?レースちゃん……驚いた顔してどうしたのぉってあぁこれねぇ、ほらレースちゃんの禁術を使って体を作り直したのよー」
「作り直したって……」
「あのね?……私が会った頃には既にこの見た目だったよ」
作り直したって本当に何をしているんだろうこの人は……
「あなたが作った術って、皮膚の一欠片さえあればそこから新しい肉体を生成出来るからいつでも好きな体に移れるし便利よねぇ」
「……いや本当に師匠は何を」
「んー?まぁそこは今度また機会があったら詳しく説明してあげるわね?……それよりも診療所を見たけど何があったの?」
「嫌な予感がするから聞きたくないからいいよ。……取り合えず説明するけどさ」
二ヵ月程前に起きた事を師匠に説明をするけど最後まで楽しそうに聞いていた。
その過程でぼくが戦う力を得る為に栄花騎士団最高幹部のアキラさんと一緒に魔術指導と戦闘指南を受けていると聞いた時も面白い事を聞いたような顔をしていたけど……、ミュカレーとマスカレイドの事を聞いた時ですら笑顔を崩さない師匠を見て言い知れぬ恐怖を感じる。
「レースちゃんが人の為に強くなろうとするなんて成長したのねぇ」
「あのね?カルディアさん、その理由が私を守る為だって言うの」
「あらぁ……あらぁっ!」
師匠の声が一段と高くなりテンションが上がる。
近くで大声を出されるとうるさくてしょうがない……。
「でもねぇ、護衛として雇われたあなたが逆に守られるのはどうかと思うわよぉって言いたいけど今の幸せそうなダーちゃんを見るとそんな事言えないわねぇ、本当あんなにガサツで乱暴だった子がかわいくなっちゃってねぇおばあちゃん嬉しいわぁ」
そういうと顔を真っ赤にしているダートの頭を師匠が優しく撫でる。
護衛と言う事にしてぼくの所にダートを送ったのは師匠だろうに……、これに関して突っ込むと後でややこしくなりそうだから今は黙っておこう。
「話を続けるんだけど、それで引っ越してこの町に診療所も移したんだけど、あまりに忙し過ぎて二人じゃどうしようも無いから人を増やそうと思ってさ」
……そういうと師匠は悪戯を思い付いた子供のような顔をしてぼくの事を見ると、『それならさっきまで治癒術を使える子とお話ししてたから紹介しましょうか?』と笑顔で言ってくる。
それはまるでその人とぼく達を合わせる事で面白い事が起きるとでも言いたそうで言い知れぬ不安に襲われるけど……ぼくとダートの新しい日常が壊されてしまう気がして嫌な予感しかしない、今度はいったいどんな非常識がやってくるのかという不安しかなかった。
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