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第二章 開拓同行願い
19話 開拓地の向こう側 ダート視点
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私達の家に付くと、死人使いの男の子を診療所のベッドにそっと寝かせてあげた。
私と同じランクA冒険者だった人が子供だという事実に驚きを隠せないでいる。
そして何よりも驚いたのはレースがこの子を庇い命を助けた事だと思う。
「レースはどうしてこの子を助けたのかな……」
灰色の髪に漆黒の瞳を持つ禁術である死霊術を使う魔術師の事を見つめるけど意識を失った人が簡単に目を覚ます事はない。
この子が起きるまでの間に何か出来る事が無いかと考えるけど、何をしてあげればいいのかが分からない……。
こういう時暗示の魔術を使って、私を冒険者の私に作り替えれば答えを簡単に出してくれるんだろうなと思うけど、レースやコーちゃんに使って欲しくないと言われてるから使うのは止めようかなって思う。
だって大事な人達に心配を掛けさせたくないから……
「でも……この前はコーちゃんにあんなこと言われるなんて思わなかったな」
無意識にレースの事を見つめてしまったり、一緒に居て安心感を得たり胸がチクッとする感覚がある中でその人の仕草を真似てしまうのはその人の事に恋していてそういう意味での好きって言う証なんよ?って言われたけど、正直私では本当にそれがそういう感情なのかもわからない。
でも確かに彼と一緒に居ると安心するし、コーちゃんの言う通り誰かと話してるのを見ると胸がチクっと痛んで嫌な気持ちになる時があるけど、今迄誰かをそういう風に見た事が無い私ではそれが本当にそうなのか分からなくて困惑してしまう。
「とりあえず起きたら飲ませてあげる為に水を用意して上げた方がいいよね?」
診療所からリビングに入り食器棚からコップを取り出すと、魔術を使い綺麗な水を入れて用意してあげる。
これで後はこの子……確かルード君が起きるのを待っていれば良いだけだけど、目を覚ましたら知らない所に独りぼっちは心細いし怖いと思うから傍に居てあげよう。
「後は……同じ魔術師同士で魔術の話をして緊張を解いてあげるのも良いかな?」
そんな事を思いながら診療所に戻り、空いてる一人用の簡素な椅子をベッドの近くを運び座る。
本当はどんな話をしようかとか考えては行けないと思うけど、今の彼には魔封じの腕輪という魔導具が付けられているから安全で仮にこの子が死霊術を使おうとしても魔力を使った瞬間に体内の魔力をかき乱されて魔術を使えなくなってしまう。
つまり今はどこにでもいるひ弱な子供と同じなんだから警戒はしなくて大丈夫だと思うの。
「んっ……んん……あれ?」
「あ、起きた?」
「え?ここ何処?……お父さんとお母さんは?」
そんな事を考えているとやっと目を覚ました男の子が私の顔を見て質問をしてくる。
お父さんとお母さん……、あの異形な姿をしたアンデッドの事だよね……どうしてこの子は自分の両親をあんな姿にしてしまったのかな……。
「あれ?お父さんとお母さんを喚び出せない……?」
「ごめんね……今はルードくんのご両親には会わせられないの」
「……何で?やっと帰って来てくれたのにどうして会えないの?」
やっと?やっとってどういう事何だろう。
あの感じだとご両親の死体を死霊術で蘇らせて操っていたのではなかったのかな……
「なんで?……マスカレイドが協力してくれたら、過去の扉を開けてぼくの両親を現代に蘇らせてくれるって約束してくれたのに……」
「……過去の扉って何の事なの?」
「そのままの意味だよ……過去に異世界の扉を開ける実験をしたらしいんだけど、その時の実験の副産物で過去と未来の扉を開けるようになったって言ってた」
異世界の扉を開ける実験……、もしかして私がこの世界に来てしまったのに関係があるのだろうか。
いや……それなら私を助けようとしないだろうから違うと信じたい……。
「それでね?マスカレイドが手付金代わりにってお父さんとお母さんの死体を復元してくれたんだ……」
「死体を復元?……」
「あっ、お姉ちゃんは分からないよね?……ぼくの両親は5年位前に死霊術を使う異端と言うだけで他の魔術師に殺されちゃってね……お墓も作る事が出来なかったんだけど、その時にマスカレイドがぼくの住んでる家に来てくれてね?死霊術の研究を手伝ってくれる変わりに死体を保存してくれたんだ」
死霊術の研究?何を言ってるのか分からないけど……それよりも死体の保存って何をやっているのだろう。
私が知っているマスカレイドさんは、カルディアさんと一緒にこの世界で生きる術を教えてくれた恩人だけど、私の中の彼とイメージが違い過ぎて困惑してしまう。
「でね?その時に一緒に背中から蝙蝠みたいな黒い羽と真っ白で綺麗な鳥の羽が生えてるお姉さんがいてね?ぼくに約束してくれたんだ……これから先マスカレイドの言う事を聞けば失った物が帰って来るよって……、それから最近になって約束通りぼくの両親の死体を復元して会わせてくれて……姿が変わっちゃったけど優しく抱きしめてくれたんだ」
黒い蝙蝠の羽に純白の鳥の翼を持つ人物……、もしかしたらその人が黒幕なのかもしれない。
そんな事を思いながら相槌を繰り返しこの子が話しやすいようにしてあげる。
「でね?そこから……言う事をちゃんと聞いたら亡くなったご両親を過去から蘇らせてくれるって二人で約束もしてくれてね?」
過去から連れて来ることが仮に出来たとしても、それはその過去のルード君からご両親を奪う事になる訳で現在のご両親が亡くなっている事に変わりがない……。
その事を嬉しそうに語るこの子に伝える事が出来なくて私はただ黙る事しか出来なかった。
「お姉ちゃん……静かだけど大丈夫?」
「何でもないの…ただ言葉が出て来なくて……」
「ならいいけど……、あっ!それでね?この森に居た理由なんだけどね?この森の反対側は【魔導具と機械が発展した「マーシェンス】って言う国があってね?そこにぼくの仲間がいるから……そこへの道を作らせない為の足止めをしてたんだ」
マーシェンス……確か全世界有数の魔道具と機械の国で……世界で唯一治癒術師が居ない国として有名な五大国のうちの一つで、最近では他国から来た優秀な魔術師が魔術と治癒術の知識を機械工学と融合させることで魔科学兵器と魔導具を作り出し治癒術師が居なくても治療が可能な環境と魔術の使用が不得手な者でも魔導具を用意て体内の魔力を増幅させる事で魔術を使用出来るようになった事でも有名だったと思う。
つまり……この魔術師がマスカレイドでこの国から外国へ移り住んでいたという事かもしれない。
「でね?……あっ!迎えが来たみたいっ!じゃあねお姉ちゃん」
「えっ?迎え?」
ルード君が診療所のドアを見ると、それが勢いよく開け放たれて黒い蝙蝠の羽と純白の鳥の翼を持った黄金色に輝く長い髪を腰まで伸ばした儚げな容姿の少女が入って来ると同時に私の身体全体が何かに勢いよく叩きつけられ壁まで吹き飛ばされる。
あぁ……今の一撃だけで分かる……私では到底太刀打ちが出来ない程の格上の存在だと……
「ルード……迎え……」
「お姉ちゃん助けてくれてありがとうっ!次は……お姉ちゃんもぼくの死体コレクションに入れてあげるからずっと遊ぼうねっ!」
「……で、ダ……はマス……の………だから、駄目」
「そっか……じゃあ殺さなければ大丈夫だよね……残念だけどまたねっ!」
……不可視の衝撃が体を襲い再び壁に叩きつけられた所で私の意識は途絶えてしまう。
暫くしてレースとコーちゃんに助けられて眼を覚ました私は二人に縋り付いて泣いて謝る事しか出来なくて、自身の無力さに心を打たれてしまった。
それを見て何を思ったのかレースが『でも、ダートが生きていてくれて良かった』と抱きしめて言ってくれた安心感で余計に涙を流してしまうのだった。
私と同じランクA冒険者だった人が子供だという事実に驚きを隠せないでいる。
そして何よりも驚いたのはレースがこの子を庇い命を助けた事だと思う。
「レースはどうしてこの子を助けたのかな……」
灰色の髪に漆黒の瞳を持つ禁術である死霊術を使う魔術師の事を見つめるけど意識を失った人が簡単に目を覚ます事はない。
この子が起きるまでの間に何か出来る事が無いかと考えるけど、何をしてあげればいいのかが分からない……。
こういう時暗示の魔術を使って、私を冒険者の私に作り替えれば答えを簡単に出してくれるんだろうなと思うけど、レースやコーちゃんに使って欲しくないと言われてるから使うのは止めようかなって思う。
だって大事な人達に心配を掛けさせたくないから……
「でも……この前はコーちゃんにあんなこと言われるなんて思わなかったな」
無意識にレースの事を見つめてしまったり、一緒に居て安心感を得たり胸がチクッとする感覚がある中でその人の仕草を真似てしまうのはその人の事に恋していてそういう意味での好きって言う証なんよ?って言われたけど、正直私では本当にそれがそういう感情なのかもわからない。
でも確かに彼と一緒に居ると安心するし、コーちゃんの言う通り誰かと話してるのを見ると胸がチクっと痛んで嫌な気持ちになる時があるけど、今迄誰かをそういう風に見た事が無い私ではそれが本当にそうなのか分からなくて困惑してしまう。
「とりあえず起きたら飲ませてあげる為に水を用意して上げた方がいいよね?」
診療所からリビングに入り食器棚からコップを取り出すと、魔術を使い綺麗な水を入れて用意してあげる。
これで後はこの子……確かルード君が起きるのを待っていれば良いだけだけど、目を覚ましたら知らない所に独りぼっちは心細いし怖いと思うから傍に居てあげよう。
「後は……同じ魔術師同士で魔術の話をして緊張を解いてあげるのも良いかな?」
そんな事を思いながら診療所に戻り、空いてる一人用の簡素な椅子をベッドの近くを運び座る。
本当はどんな話をしようかとか考えては行けないと思うけど、今の彼には魔封じの腕輪という魔導具が付けられているから安全で仮にこの子が死霊術を使おうとしても魔力を使った瞬間に体内の魔力をかき乱されて魔術を使えなくなってしまう。
つまり今はどこにでもいるひ弱な子供と同じなんだから警戒はしなくて大丈夫だと思うの。
「んっ……んん……あれ?」
「あ、起きた?」
「え?ここ何処?……お父さんとお母さんは?」
そんな事を考えているとやっと目を覚ました男の子が私の顔を見て質問をしてくる。
お父さんとお母さん……、あの異形な姿をしたアンデッドの事だよね……どうしてこの子は自分の両親をあんな姿にしてしまったのかな……。
「あれ?お父さんとお母さんを喚び出せない……?」
「ごめんね……今はルードくんのご両親には会わせられないの」
「……何で?やっと帰って来てくれたのにどうして会えないの?」
やっと?やっとってどういう事何だろう。
あの感じだとご両親の死体を死霊術で蘇らせて操っていたのではなかったのかな……
「なんで?……マスカレイドが協力してくれたら、過去の扉を開けてぼくの両親を現代に蘇らせてくれるって約束してくれたのに……」
「……過去の扉って何の事なの?」
「そのままの意味だよ……過去に異世界の扉を開ける実験をしたらしいんだけど、その時の実験の副産物で過去と未来の扉を開けるようになったって言ってた」
異世界の扉を開ける実験……、もしかして私がこの世界に来てしまったのに関係があるのだろうか。
いや……それなら私を助けようとしないだろうから違うと信じたい……。
「それでね?マスカレイドが手付金代わりにってお父さんとお母さんの死体を復元してくれたんだ……」
「死体を復元?……」
「あっ、お姉ちゃんは分からないよね?……ぼくの両親は5年位前に死霊術を使う異端と言うだけで他の魔術師に殺されちゃってね……お墓も作る事が出来なかったんだけど、その時にマスカレイドがぼくの住んでる家に来てくれてね?死霊術の研究を手伝ってくれる変わりに死体を保存してくれたんだ」
死霊術の研究?何を言ってるのか分からないけど……それよりも死体の保存って何をやっているのだろう。
私が知っているマスカレイドさんは、カルディアさんと一緒にこの世界で生きる術を教えてくれた恩人だけど、私の中の彼とイメージが違い過ぎて困惑してしまう。
「でね?その時に一緒に背中から蝙蝠みたいな黒い羽と真っ白で綺麗な鳥の羽が生えてるお姉さんがいてね?ぼくに約束してくれたんだ……これから先マスカレイドの言う事を聞けば失った物が帰って来るよって……、それから最近になって約束通りぼくの両親の死体を復元して会わせてくれて……姿が変わっちゃったけど優しく抱きしめてくれたんだ」
黒い蝙蝠の羽に純白の鳥の翼を持つ人物……、もしかしたらその人が黒幕なのかもしれない。
そんな事を思いながら相槌を繰り返しこの子が話しやすいようにしてあげる。
「でね?そこから……言う事をちゃんと聞いたら亡くなったご両親を過去から蘇らせてくれるって二人で約束もしてくれてね?」
過去から連れて来ることが仮に出来たとしても、それはその過去のルード君からご両親を奪う事になる訳で現在のご両親が亡くなっている事に変わりがない……。
その事を嬉しそうに語るこの子に伝える事が出来なくて私はただ黙る事しか出来なかった。
「お姉ちゃん……静かだけど大丈夫?」
「何でもないの…ただ言葉が出て来なくて……」
「ならいいけど……、あっ!それでね?この森に居た理由なんだけどね?この森の反対側は【魔導具と機械が発展した「マーシェンス】って言う国があってね?そこにぼくの仲間がいるから……そこへの道を作らせない為の足止めをしてたんだ」
マーシェンス……確か全世界有数の魔道具と機械の国で……世界で唯一治癒術師が居ない国として有名な五大国のうちの一つで、最近では他国から来た優秀な魔術師が魔術と治癒術の知識を機械工学と融合させることで魔科学兵器と魔導具を作り出し治癒術師が居なくても治療が可能な環境と魔術の使用が不得手な者でも魔導具を用意て体内の魔力を増幅させる事で魔術を使用出来るようになった事でも有名だったと思う。
つまり……この魔術師がマスカレイドでこの国から外国へ移り住んでいたという事かもしれない。
「でね?……あっ!迎えが来たみたいっ!じゃあねお姉ちゃん」
「えっ?迎え?」
ルード君が診療所のドアを見ると、それが勢いよく開け放たれて黒い蝙蝠の羽と純白の鳥の翼を持った黄金色に輝く長い髪を腰まで伸ばした儚げな容姿の少女が入って来ると同時に私の身体全体が何かに勢いよく叩きつけられ壁まで吹き飛ばされる。
あぁ……今の一撃だけで分かる……私では到底太刀打ちが出来ない程の格上の存在だと……
「ルード……迎え……」
「お姉ちゃん助けてくれてありがとうっ!次は……お姉ちゃんもぼくの死体コレクションに入れてあげるからずっと遊ぼうねっ!」
「……で、ダ……はマス……の………だから、駄目」
「そっか……じゃあ殺さなければ大丈夫だよね……残念だけどまたねっ!」
……不可視の衝撃が体を襲い再び壁に叩きつけられた所で私の意識は途絶えてしまう。
暫くしてレースとコーちゃんに助けられて眼を覚ました私は二人に縋り付いて泣いて謝る事しか出来なくて、自身の無力さに心を打たれてしまった。
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