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第一章 非日常へ
6話 彼女が来た理由
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………あんまり待たせるのは悪いかなと思いつつ、体に良い食材を選び調理していると
「あっ!そうだ俺は肉が好きだから肉くれよな!無かったら何でもいいからなぁ!」
テーブルの方から元気な声がした。
先程倒れたとは思えない元気さに思わず笑みがこぼれてしまう。
それにご飯を食べる時は一人だったから、こうして誰かと一緒に食事が出来るだけでも嬉しいと感じる。
「わかりました。それなら卵粥にお肉をいれて薬草を混ぜて食べやすくしようと思うのですけどどうですか?」
「はぁ!?んな食べ応えがないもんはやだよ、そんなもんより肉だ肉!肉をくれ!」
ぼくの気遣いはいったい?……とは言え彼女のリクエスト通り食べ応えがあるものとなると普通の食事になるけど大丈夫かなと悩んでしまう。
作る手前食べる人には美味しく食べて欲しいと思うけれど久しぶりに食事をする以上体が受け付けてくれるだろうかと心配になるけど……。
「それなら直ぐに出せるのにしますね。」
本人が食べたいと言っているんだから出してあげた方が良いだろう。
でもそうすると単純な男料理みたいになってしまうけれどいいのかな……、悩みながらお肉をぶつ切りにして焼き上げて行く。
とりあえず塩胡椒をまぶして焼くのが良いかな?後は栄養が偏るのは良くないから玉ねぎも刻んで一緒に焼こう。
後はそうだ、村で頂いたパンを一緒に付けて出そうか。
「おーいまだかぁ?早くしてくれよぉ!」
そこまで時間かかってないのに……、それにしてもいつから食事をしていなかったのだろう。
もし森で出会わなかったら今頃空腹で倒れた後に干からびていたのかもしれない。
そう思うとあそこで助ける事が出来て良かったと思いながら完成したら完成した料理をテーブルに並べて行く。
……美味しく食べてくれるだろうか。
「おせぇよっ!……おぉ、美味そうじゃねぇか!」
テーブルに置いて直ぐに、豪快に噛り付くように食べ始めた。
それにしても美味しそうな顔をしている彼女を見ると、結果的に適当な料理になってしまったけれど満足しているみたいだから良かったと思う。
とりあえず聞きたい事は色々とあるけれど、今は食べ終えるのを待ってから話を聞かせて貰おうか。
「ごっそうさんっ!いやぁおまえ飯つくんのうめぇなぁ!」
暫くして彼女が食べ終えた食器を片していると大きな声が聞こえてくた。
食べ方も豪快で食べた後も豪快な姿は何というか気持ち良い性格をしていると感じる。
「どういたしまして、取り合えず水を飲んで食休みしててください。」
「おぅ、すまねぇな」
「それに久しぶりの食事だと思うので体調悪くなったら言ってくださいね?」
「……気を使わせちまってわりぃな」
人の要望に従って作ったけど、正直本当は体調を考慮して消化に良いご飯を出したかった。
後で途中で体調を崩さないか心配でしょうがないけど……、本当に大丈夫だろうか。
そう悩んでいると手が止まってしまう……さっさと食器を片してしまおう。
「あ、そういえば自己紹介すんの忘れてたな、俺は魔導国家冒険者ギルド所属の冒険者でダートってんだ……。依頼を受けて辺境の村に住んでいる【レース】っていう治癒術士を探しに来たんだけどよ。お前で合ってるよな?」
言われた言葉に困惑してしまい片す手が止まる。
今彼女はなんて言った?ぼくを探しに来た?ぼくの居場所を知っているとしたら師匠位か、そういえばここ数年顔を出せと手紙来ていたけど村から出るのが億劫になって無視をしていた。
「えっえぇ…確かにぼくがそうですが……、探しに来たとの事ですが誰からのご依頼ですか?」
聞きたくないけど、来てしまった以上は無視をするわけにはいかない。
念のため誰からの依頼か確認したい。
もしかしなくても師匠で間違いないとは思うけどもし違ってたらそれはそれで不安になる。
「あっ?確かあのばあさんが言ってたな、名前を言えばわかるって……【カルディア】だよ。」
……それにしても師匠は心配性が過ぎる。
いい加減弟子離れしてくれたらいいのにと思いつつ、ダートさんの顔を見つめてしまう。
何故ぼくを探しに来たのか怖いから、それに何を言われるのか心配だから……それにぼくがどうしてこの辺境の村に来ることになったのか、その理由をダートさんは知っているのだろうか。
そんな不安のせいで時間がゆっくりと流れて行くように感じてしまって押し潰されそうな気持ちを隠すので精一杯だった。
「あっ!そうだ俺は肉が好きだから肉くれよな!無かったら何でもいいからなぁ!」
テーブルの方から元気な声がした。
先程倒れたとは思えない元気さに思わず笑みがこぼれてしまう。
それにご飯を食べる時は一人だったから、こうして誰かと一緒に食事が出来るだけでも嬉しいと感じる。
「わかりました。それなら卵粥にお肉をいれて薬草を混ぜて食べやすくしようと思うのですけどどうですか?」
「はぁ!?んな食べ応えがないもんはやだよ、そんなもんより肉だ肉!肉をくれ!」
ぼくの気遣いはいったい?……とは言え彼女のリクエスト通り食べ応えがあるものとなると普通の食事になるけど大丈夫かなと悩んでしまう。
作る手前食べる人には美味しく食べて欲しいと思うけれど久しぶりに食事をする以上体が受け付けてくれるだろうかと心配になるけど……。
「それなら直ぐに出せるのにしますね。」
本人が食べたいと言っているんだから出してあげた方が良いだろう。
でもそうすると単純な男料理みたいになってしまうけれどいいのかな……、悩みながらお肉をぶつ切りにして焼き上げて行く。
とりあえず塩胡椒をまぶして焼くのが良いかな?後は栄養が偏るのは良くないから玉ねぎも刻んで一緒に焼こう。
後はそうだ、村で頂いたパンを一緒に付けて出そうか。
「おーいまだかぁ?早くしてくれよぉ!」
そこまで時間かかってないのに……、それにしてもいつから食事をしていなかったのだろう。
もし森で出会わなかったら今頃空腹で倒れた後に干からびていたのかもしれない。
そう思うとあそこで助ける事が出来て良かったと思いながら完成したら完成した料理をテーブルに並べて行く。
……美味しく食べてくれるだろうか。
「おせぇよっ!……おぉ、美味そうじゃねぇか!」
テーブルに置いて直ぐに、豪快に噛り付くように食べ始めた。
それにしても美味しそうな顔をしている彼女を見ると、結果的に適当な料理になってしまったけれど満足しているみたいだから良かったと思う。
とりあえず聞きたい事は色々とあるけれど、今は食べ終えるのを待ってから話を聞かせて貰おうか。
「ごっそうさんっ!いやぁおまえ飯つくんのうめぇなぁ!」
暫くして彼女が食べ終えた食器を片していると大きな声が聞こえてくた。
食べ方も豪快で食べた後も豪快な姿は何というか気持ち良い性格をしていると感じる。
「どういたしまして、取り合えず水を飲んで食休みしててください。」
「おぅ、すまねぇな」
「それに久しぶりの食事だと思うので体調悪くなったら言ってくださいね?」
「……気を使わせちまってわりぃな」
人の要望に従って作ったけど、正直本当は体調を考慮して消化に良いご飯を出したかった。
後で途中で体調を崩さないか心配でしょうがないけど……、本当に大丈夫だろうか。
そう悩んでいると手が止まってしまう……さっさと食器を片してしまおう。
「あ、そういえば自己紹介すんの忘れてたな、俺は魔導国家冒険者ギルド所属の冒険者でダートってんだ……。依頼を受けて辺境の村に住んでいる【レース】っていう治癒術士を探しに来たんだけどよ。お前で合ってるよな?」
言われた言葉に困惑してしまい片す手が止まる。
今彼女はなんて言った?ぼくを探しに来た?ぼくの居場所を知っているとしたら師匠位か、そういえばここ数年顔を出せと手紙来ていたけど村から出るのが億劫になって無視をしていた。
「えっえぇ…確かにぼくがそうですが……、探しに来たとの事ですが誰からのご依頼ですか?」
聞きたくないけど、来てしまった以上は無視をするわけにはいかない。
念のため誰からの依頼か確認したい。
もしかしなくても師匠で間違いないとは思うけどもし違ってたらそれはそれで不安になる。
「あっ?確かあのばあさんが言ってたな、名前を言えばわかるって……【カルディア】だよ。」
……それにしても師匠は心配性が過ぎる。
いい加減弟子離れしてくれたらいいのにと思いつつ、ダートさんの顔を見つめてしまう。
何故ぼくを探しに来たのか怖いから、それに何を言われるのか心配だから……それにぼくがどうしてこの辺境の村に来ることになったのか、その理由をダートさんは知っているのだろうか。
そんな不安のせいで時間がゆっくりと流れて行くように感じてしまって押し潰されそうな気持ちを隠すので精一杯だった。
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