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過去に遡って……
25話
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宙に浮いた剣を周囲に展開すると、飢餓のリプカを牽制するかのように回転させながら数本、彼に向かって飛ばす。
すると、ジュっ!という音がしたかと思うと、血独特の臭いとは違い、何かが焦げたかのような嫌な臭いが私のいる所にまで来て……
「あぁ?なんだぁ……今のは」
「何って炎の温度を確かめたのさ、私の呪剣は血液を使って生成するからね、君に通用するのか確認するのは当然だろ?」
「当然も何も、届く前にこうやって蒸発しちまうんだから意味ねぇだろ」
「……その通りだね、どうやら君は思った以上に強いようだ」
困ったような表情を浮かべて言うけど、ピュガトワール家の現当主であるお父様なら、武器を近づけたらそうなるのは分かっている筈。
じゃあ、どうしてそんな事をしたの?、私なりに考えては見るけど……、今までお父様が戦う姿を見た事が無かったら想像が出来ない。
簡単な呪術なら触媒が無くても、相手に触れたりさえすれば私も出来るけど……、難易度の高い物の場合、生物の体の一部……例えばお父様が今使ってる術のように、血液を使うとかならある。
でも剣の形にしたり、相手の足元から刃を生み出して串刺しにするとか、そんな使い方が出来る何て、この目で見るまで知らなかった。
「ドニ、君のその金属の鎧はあの魔族と相性が悪いから外した方がいい」
「……だよな、近づいたら全身が焼かれちまう、マリウス脱がしてくれ」
「難しい事を簡単に言うね」
「そりゃあ、信頼してるからな……あっ!壊した鎧は後で新しいのを貰いに行くからよろしくな!」
鎧が一瞬で錆びると砂のように崩れて行き、血で出来た剣に取り込まれると、徐々にその形が変わって行き赤黒い色をした鎧になる。
そしてドニが両腕を広げると、鎧が彼を飲み込むように開いて……
「【血染めの呪鎧】、これならあの炎にも耐えられる筈だよ」
「……うっげぇ、中が湿ってるしベトベトしてて気持ち悪い!」
「それ位我慢して欲しいかな」
血で出来た鎧を着たドニが、不愉快そうに身体を動かすと斧と剣を力強く握りしめる。
そして直ぐに飢餓のリプカへと飛び掛かれるように、姿勢を低くすると……
「なんだぁ?その気持ち悪い術はよぉ!不味そうな臭いしかしねぇじゃねぇか!」
「そうかな?意外と食べてみたら美味しいかもしれないよ」
全身が炎に包まれたリプカが、周囲の樹々を赤く照らしながらお父様が達へと向かい走っていく。
しかし、串刺しにされて無くなっている筈の仲間達が呻ぎ声を上げながら、腕を伸ばしたかと思うと……身体を二つに裂きながら地面へと崩れ落ちると、器用に片腕だけで這うようにして近づくと、彼の脚を掴み拘束する。
「な、なんだこれは!?」
「呪術だよ、あの呪剣に貫かれて死ぬ事が出来た者は、死後最も尊敬していた人に助けを求めるんだ、この苦しみから解放して欲しい、助けて欲しい、逆に君に対して怨みを持っている者は、どうして自分だけがこんな思いをしなくてはいけないのか、お前も道連れにしてやると、連れて行こうとする」
「なっ!?おめぇらっ!俺が良くしてやったのを忘れたのかっ!おいっ!」
「飢餓のリプカ……君は余程仲間に慕われていたみたいだね、良くそのうめき声に耳を傾けてごらん」
お父様の言葉を聞いて、戦いに巻き込まれない位置へと少しずつ移動して、耳に意識を集中してみると、飢餓のリプカに抱き着いた死者達は全身を炎に焼かれながらも、彼に言葉にならない救いの声を求めている。
死後、呪術により生命を失った身体に縛られ、生前の思いを増幅させられた挙句、死んだ時の苦しみを感じ続けながら、自分達がお頭と呼び慕っていた相手に助けを求めるのはどんな気持ちなのだろう。
ふと、そんな事を思うけど……彼等の気持ちが分かる事も無く、ただただ答えの無い疑問が脳裏を過ぎるだけだった。
「……マリス、それ以上こっちに来てはいけないよ」
「でも、お父様……私、お父様の戦ってるところをちゃんとこの目で見たいです」
「その気持ちは嬉しいけど、親としては魔族とはいえ人の形をしている存在を殺すところを、幼い娘に見せたくはないんだ……分かってくれるかい?」
「……はい」
近づいた事でより鮮明に呻くような声の内容が聞こえて来る。
『お頭……助けて』
『苦しい、血が……痛い』
『……殺して、くれ』
そんな救いを求める声が、燃え尽き灰になるまで飢餓のリプカに必死にしがみ、彼の身体へよじ登ろうとする。
仮にこの状況を正義か悪かで分けるとするのなら、私達が悪なのではないかと錯覚しそうになる程で……
「いい子だ、ドニっ!飢餓のリプカに傷をつける事が出来るかい?」
「……やってみるわ、おいっ!そこの魔族動くんじゃねぇぞ!」
気合いを入れて叫びながら、しがみつかれ必死に抵抗している飢餓のリプカに近づくと、手に持った斧で彼の身体を切りつける。
けど……途中で、炎に熱せられ赤熱し耐久力が無くなってしまったのか、当たる瞬間に溶けてしまい、攻撃を充てる事が出来ないばかりか。
血染めの呪鎧で作られた、血の鎧が熱で沸騰し始めたようにブクブクと泡立ち、ドニが慌てて逃げるように距離を取り。
「……やっべぇぞあれ!この鎧着て無かったら、死んでたぞ!」
「これは困ったね、他の対抗手段を考えたい所だけどどうするべきか」
「完全に俺達の準備不足だぞこれ……、一応確認するんだけどマリウスさぁ、今お前が持ってる剣あるだろ?それで何とか出来たりするか?」
「……お忍びで町に行くために用意した、平民でも持てる位に安い剣だから難しいと思う」
「かぁ……だよなぁっ!、んじゃあれだ、こういう時俺達に出来る事って何だと思う?」
お父様とドニの今の装備では有効的な攻撃を行う事が出来ないみたいで、二人であーでもない、こーでもないと話してるうちに、飢餓のリプカを拘束していた死者達がついに燃え尽きて灰になる。
「……てめぇらっ!もう許さねぇぞ!今ここで生まれた来た事を後悔させてやる!」
「良し決めたっ!マリウス!空間魔法使え、あれならこいつをどっか遠くに飛ばせるだろ?」
「……座標指定しなければ出来なくはないけど、何処に行くか分からないけどいいのかい?」
「そ、それならあれだっ!他の国に飛ばしちまえ!どうせこいつは魔族で全人類の敵なんだから、飛ばされた先の国が軍隊でも出して倒してくれるだろ!」
「……対応としては無責任だけど、それしか生き残る方法は無いか」
お父様が指先に魔法の光を灯すと、空中を切るようになぞる。
すると、そこだけ大きな穴が空いたかのように空間が歪んだかと思うと、見た事が無い何処か遠くの見知らぬ国が映し出され。
それと同時に飢餓のリプカの頭部に生えている角から炎を噴き上がったかと思うと、目を血走らせ雄たけびを上げ突進を繰り出し、空間魔法で開かれた穴に飛び込み……
「マリウス!奴が戻ってくる前に閉じろ!」
「大丈夫、もう閉じてるよ」
恐ろしい魔族がいなくなり、野営地に残された私達と未だに目を覚まさないアーロ。
そして串刺しにされ、運悪く生き残ってしまった野盗の苦し気な呻ぎ声が、静かになった森の中で響き、この戦いが終わった事を教えてくれた。
すると、ジュっ!という音がしたかと思うと、血独特の臭いとは違い、何かが焦げたかのような嫌な臭いが私のいる所にまで来て……
「あぁ?なんだぁ……今のは」
「何って炎の温度を確かめたのさ、私の呪剣は血液を使って生成するからね、君に通用するのか確認するのは当然だろ?」
「当然も何も、届く前にこうやって蒸発しちまうんだから意味ねぇだろ」
「……その通りだね、どうやら君は思った以上に強いようだ」
困ったような表情を浮かべて言うけど、ピュガトワール家の現当主であるお父様なら、武器を近づけたらそうなるのは分かっている筈。
じゃあ、どうしてそんな事をしたの?、私なりに考えては見るけど……、今までお父様が戦う姿を見た事が無かったら想像が出来ない。
簡単な呪術なら触媒が無くても、相手に触れたりさえすれば私も出来るけど……、難易度の高い物の場合、生物の体の一部……例えばお父様が今使ってる術のように、血液を使うとかならある。
でも剣の形にしたり、相手の足元から刃を生み出して串刺しにするとか、そんな使い方が出来る何て、この目で見るまで知らなかった。
「ドニ、君のその金属の鎧はあの魔族と相性が悪いから外した方がいい」
「……だよな、近づいたら全身が焼かれちまう、マリウス脱がしてくれ」
「難しい事を簡単に言うね」
「そりゃあ、信頼してるからな……あっ!壊した鎧は後で新しいのを貰いに行くからよろしくな!」
鎧が一瞬で錆びると砂のように崩れて行き、血で出来た剣に取り込まれると、徐々にその形が変わって行き赤黒い色をした鎧になる。
そしてドニが両腕を広げると、鎧が彼を飲み込むように開いて……
「【血染めの呪鎧】、これならあの炎にも耐えられる筈だよ」
「……うっげぇ、中が湿ってるしベトベトしてて気持ち悪い!」
「それ位我慢して欲しいかな」
血で出来た鎧を着たドニが、不愉快そうに身体を動かすと斧と剣を力強く握りしめる。
そして直ぐに飢餓のリプカへと飛び掛かれるように、姿勢を低くすると……
「なんだぁ?その気持ち悪い術はよぉ!不味そうな臭いしかしねぇじゃねぇか!」
「そうかな?意外と食べてみたら美味しいかもしれないよ」
全身が炎に包まれたリプカが、周囲の樹々を赤く照らしながらお父様が達へと向かい走っていく。
しかし、串刺しにされて無くなっている筈の仲間達が呻ぎ声を上げながら、腕を伸ばしたかと思うと……身体を二つに裂きながら地面へと崩れ落ちると、器用に片腕だけで這うようにして近づくと、彼の脚を掴み拘束する。
「な、なんだこれは!?」
「呪術だよ、あの呪剣に貫かれて死ぬ事が出来た者は、死後最も尊敬していた人に助けを求めるんだ、この苦しみから解放して欲しい、助けて欲しい、逆に君に対して怨みを持っている者は、どうして自分だけがこんな思いをしなくてはいけないのか、お前も道連れにしてやると、連れて行こうとする」
「なっ!?おめぇらっ!俺が良くしてやったのを忘れたのかっ!おいっ!」
「飢餓のリプカ……君は余程仲間に慕われていたみたいだね、良くそのうめき声に耳を傾けてごらん」
お父様の言葉を聞いて、戦いに巻き込まれない位置へと少しずつ移動して、耳に意識を集中してみると、飢餓のリプカに抱き着いた死者達は全身を炎に焼かれながらも、彼に言葉にならない救いの声を求めている。
死後、呪術により生命を失った身体に縛られ、生前の思いを増幅させられた挙句、死んだ時の苦しみを感じ続けながら、自分達がお頭と呼び慕っていた相手に助けを求めるのはどんな気持ちなのだろう。
ふと、そんな事を思うけど……彼等の気持ちが分かる事も無く、ただただ答えの無い疑問が脳裏を過ぎるだけだった。
「……マリス、それ以上こっちに来てはいけないよ」
「でも、お父様……私、お父様の戦ってるところをちゃんとこの目で見たいです」
「その気持ちは嬉しいけど、親としては魔族とはいえ人の形をしている存在を殺すところを、幼い娘に見せたくはないんだ……分かってくれるかい?」
「……はい」
近づいた事でより鮮明に呻くような声の内容が聞こえて来る。
『お頭……助けて』
『苦しい、血が……痛い』
『……殺して、くれ』
そんな救いを求める声が、燃え尽き灰になるまで飢餓のリプカに必死にしがみ、彼の身体へよじ登ろうとする。
仮にこの状況を正義か悪かで分けるとするのなら、私達が悪なのではないかと錯覚しそうになる程で……
「いい子だ、ドニっ!飢餓のリプカに傷をつける事が出来るかい?」
「……やってみるわ、おいっ!そこの魔族動くんじゃねぇぞ!」
気合いを入れて叫びながら、しがみつかれ必死に抵抗している飢餓のリプカに近づくと、手に持った斧で彼の身体を切りつける。
けど……途中で、炎に熱せられ赤熱し耐久力が無くなってしまったのか、当たる瞬間に溶けてしまい、攻撃を充てる事が出来ないばかりか。
血染めの呪鎧で作られた、血の鎧が熱で沸騰し始めたようにブクブクと泡立ち、ドニが慌てて逃げるように距離を取り。
「……やっべぇぞあれ!この鎧着て無かったら、死んでたぞ!」
「これは困ったね、他の対抗手段を考えたい所だけどどうするべきか」
「完全に俺達の準備不足だぞこれ……、一応確認するんだけどマリウスさぁ、今お前が持ってる剣あるだろ?それで何とか出来たりするか?」
「……お忍びで町に行くために用意した、平民でも持てる位に安い剣だから難しいと思う」
「かぁ……だよなぁっ!、んじゃあれだ、こういう時俺達に出来る事って何だと思う?」
お父様とドニの今の装備では有効的な攻撃を行う事が出来ないみたいで、二人であーでもない、こーでもないと話してるうちに、飢餓のリプカを拘束していた死者達がついに燃え尽きて灰になる。
「……てめぇらっ!もう許さねぇぞ!今ここで生まれた来た事を後悔させてやる!」
「良し決めたっ!マリウス!空間魔法使え、あれならこいつをどっか遠くに飛ばせるだろ?」
「……座標指定しなければ出来なくはないけど、何処に行くか分からないけどいいのかい?」
「そ、それならあれだっ!他の国に飛ばしちまえ!どうせこいつは魔族で全人類の敵なんだから、飛ばされた先の国が軍隊でも出して倒してくれるだろ!」
「……対応としては無責任だけど、それしか生き残る方法は無いか」
お父様が指先に魔法の光を灯すと、空中を切るようになぞる。
すると、そこだけ大きな穴が空いたかのように空間が歪んだかと思うと、見た事が無い何処か遠くの見知らぬ国が映し出され。
それと同時に飢餓のリプカの頭部に生えている角から炎を噴き上がったかと思うと、目を血走らせ雄たけびを上げ突進を繰り出し、空間魔法で開かれた穴に飛び込み……
「マリウス!奴が戻ってくる前に閉じろ!」
「大丈夫、もう閉じてるよ」
恐ろしい魔族がいなくなり、野営地に残された私達と未だに目を覚まさないアーロ。
そして串刺しにされ、運悪く生き残ってしまった野盗の苦し気な呻ぎ声が、静かになった森の中で響き、この戦いが終わった事を教えてくれた。
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