上 下
140 / 168
極道とウサギの甘いその後+サイドストーリー

極道とウサギの甘いその後4-3

しおりを挟む

「あ……っりゅうじろ、ちゃんと、均等に塗って……っ」
「ちゃんと塗ってるぞ?」
「っうそ、……エッチなとこ、ばっかり触ってる……」
「マッサージのオプション付きなだけだから気にするな」
「あ、あっ、いや、なか……入れちゃ」
 
 ぴったりとくっついた二つの布団の上で、竜次郎の腕の中、全裸の湊は与えられる快楽に身を捩った。


 風呂を出て、これからしばらく寝室として使う部屋に戻ってくると、既に布団が敷いてあった。
 リフォーム中の家の方では常に一つの布団でがっちりホールドされて寝ているので、布団が二つ並んでいるのは以前松平組一同で旅行に行ったとき以来の光景だ。
 折角用意してもらっているのだから、両方使った方がいいだろうか。一応、竜次郎に聞いてみることにする。
「竜次郎、どっちで寝る?」
「お前が寝る方」
「じゃあ俺も竜次郎が寝る方がいいな…」

 実に無意味な会話をしてしまった。

「たまにはなんもしないで別々に寝てえのか?」
 わざわざ聞いたからだろうか、竜次郎はそんなことを聞いてくる。
 一度もそんなことを考えたことはないが、竜次郎はどうなのだろう。
「竜次郎は……?」
「お前がそうしたければ一日くらいは我慢してやってもいいが…」
 一日でも寂しいとは流石に恥ずかしくて言えなかった。


 それから、約束通りボディケアを手伝ってもらっていたのだが、案の定、湊が声を上げる場所ばかりをケアされる事態になっている。
 全身をじっくりといやらしい手つきで撫で回され、敏感な箇所は重点的に塗られた。
 おかげで湊の中心は限界近く昂り、息も苦しいくらい浅くなってしまっている。
 竜次郎は湊の膝を立てさせると、ボディローションでぬるつく指で後ろを探り始めた。
「竜次郎……っ、や、なか」
「コレなんか天然っぽい成分だからローションがわりに使っても大丈夫だろ」
 推奨はしないが食べても大丈夫なくらい体に害のない成分だ、と渡される時に説明を受けたので、それは平気だと思うがそういうことではないような気がする。

 だが、湊もこうなることは分かっていた。……期待もしていた。
 だから、大丈夫だと伝えて指の動きを助けるように力を抜く。

 感じる場所を探り当てられ、「あっ」と高い声を上げてからハッとした。
「あ……ねえ、竜次郎、ここですると、他の人に声聞こえない……?」
 普段は敷地内ではあるが別の建物に住んでいるので、あまり声の大きさを気にしたことはなかったが、ここは沢山の人が寝起きする大きな屋敷だ。
 男の喘ぎ声など聞かされては気まずいだろうし、うるさくしてしまうのも申し訳ない。
 そんな湊の心配を、しかし竜次郎は軽く笑い飛ばした。
「気にする奴はいねえよ」
「それって、聞こえるってことなんじゃ……あっ、待っ……」
 耳を甘くかじられ、乳首をキュッと引かれ、感じるところを擦るように指を出し入れされると、それ以上まともなことを考えられずにあられもない声が漏れてしまう。
 背中を預けている体は熱くて、竜次郎も興奮していると思ったら頭が痺れた。

「や、りゅうじろ、も……っゆび、じゃなくて……っ」

 懸命に振り返りお願いすると、こめかみにキスをされた。
「今日はお前がこのまま指でいくとこ見てえな。いけそうか?」
 本当は腰に押し付けられているものが欲しい。
 けれど、竜次郎のしたいことは全部したい。
 震える息を吐きながら、湊はこくんと頷いた。

「ん……できる、から……っ、ちゃんと、見てて……」

 言うなり、感じる場所を強く抉られて高い声が飛び出る。
「あぁっ、や、あ、すぐ、だめになっちゃ……っ」
「お前のいきたい時にいっていいぞ」
 甘やかす声音。
 愛されると、湊はすぐ気持ちよくなってしまう。
 繋がった時のようにぐっぐっと突き上げられると、目の前がチカチカして、限界までのけぞった。

「あっ、あっ…、あぁっ……!」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

浮気な彼氏

月夜の晩に
BL
同棲する年下彼氏が別の女に気持ちが行ってるみたい…。それでも健気に奮闘する受け。なのに攻めが裏切って…?

お試し交際終了

いちみやりょう
BL
「俺、神宮寺さんが好きです。神宮寺さんが白木のことを好きだったことは知ってます。だから今俺のこと好きじゃなくても構わないんです。お試しでもいいから、付き合ってみませんか」 「お前、ゲイだったのか?」 「はい」 「分かった。だが、俺は中野のこと、好きにならないかもしんねぇぞ?」 「それでもいいです! 好きになってもらえるように頑張ります」 「そうか」 そうして俺は、神宮寺さんに付き合ってもらえることになった。

姫を拐ったはずが勇者を拐ってしまった魔王

ミクリ21
BL
姫が拐われた! ……と思って慌てた皆は、姫が無事なのをみて安心する。 しかし、魔王は確かに誰かを拐っていった。 誰が拐われたのかを調べる皆。 一方魔王は? 「姫じゃなくて勇者なんだが」 「え?」 姫を拐ったはずが、勇者を拐ったのだった!?

鳴けない金糸雀(カナリア)

ナナメ(近況ボードお知らせあり)
BL
 幼い頃村を奴隷狩りに襲われ居場所を奪われた鳥人族の青年は金糸雀(カナリア)という希少でありながら声が出ない劣等種の為、18歳になるとそれまで働かされていた奴隷商の元から娼館へと売られてしまう。  彼はそれから4年、奴隷(スレイブ)と呼ばれ娼館で地獄のような日々を送っていた。唯一の拠り所は未だ奴隷商の元にいる双子の弟達だけ。  そんなある日、スレイブは娼館にやって来た1人の男と出会う。  「年は」「名前は」と訊くばかりでスレイブをなかなか抱こうとしない男との出会いが彼の人生を変えていくーー  黒の騎士と恐れられる辺境伯と声の出ない鳥人族の青年の物語。 ※表紙はAI作成です。

スパダリヤクザ(α)とママになり溺愛されたオレ(Ω)

紗くら
BL
借金で首が回らなくなったあずさ(Ω) 督促に来たヤクザ(α)に拾われ、子育てを命じられる。 波瀾万丈の幕開けから溺愛される日々へ αの彼、龍臣が不在時にヒートを起こしたあずさは、 彼の父親の提案でΩ専門の産科医院へと入院した。 そこで、のちに親友になる不育症のΩの男の子と出会いΩの妊娠について考えるようになる。 龍臣の子に弟か妹を作ってあげたいあずさは医院でイヤイヤながら検査を受け 入院から3日後、迎えに来た龍臣に赤ちゃんが欲しいとおねだりをし 龍臣はあずさの願いを聞き、あずさを番にし子作りを始めた あずさは無事、赤ちゃんを授かり幸せを噛みしめ、龍臣の子にお腹を触らせてほのぼのとした日常を送る そんなストーリーです♡ Ωの性質?ほか独自設定なのでもし設定に違和感を覚える方がいたらごめんなさい

少年ペット契約

眠りん
BL
※少年売買契約のスピンオフ作品です。 ↑上記作品を知らなくても読めます。  小山内文和は貧乏な家庭に育ち、教育上よろしくない環境にいながらも、幸せな生活を送っていた。  趣味は布団でゴロゴロする事。  ある日学校から帰ってくると、部屋はもぬけの殻、両親はいなくなっており、借金取りにやってきたヤクザの組員に人身売買で売られる事になってしまった。  文和を購入したのは堂島雪夜。四十二歳の優しい雰囲気のおじさんだ。  文和は雪夜の養子となり、学校に通ったり、本当の子供のように愛された。  文和同様人身売買で買われて、堂島の元で育ったアラサー家政婦の金井栞も、サバサバした性格だが、文和に親切だ。  三年程を堂島の家で、呑気に雪夜や栞とゴロゴロした生活を送っていたのだが、ある日雪夜が人身売買の罪で逮捕されてしまった。  文和はゴロゴロ生活を守る為、雪夜が出所するまでの間、ペットにしてくれる人を探す事にした。 ※前作と違い、エロは最初の頃少しだけで、あとはほぼないです。 ※前作がシリアスで暗かったので、今回は明るめでやってます。

処理中です...