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しおりを挟む抱き竦められたまま、ひくひくといつまでもあとを引く絶頂の余韻に震えていると、大きく息を吐きだした竜次郎が身を起こす。
追うようにぼんやりと視線を向けると、竜次郎は険しい表情で「……駄目だな」と呟いた。
「な…に?俺、何か……、んっ」
何か駄目なことをしてしまっただろうかと問いかけようとして、まだ入ったままの竜次郎のものに内部を押し広げられて息を呑む。
今たくさん出したのに、もう?という驚きが顔に出ていたのだろうか。見下ろす竜次郎が苦笑した。
「悪い。もっかい付き合え」
「えぇ……?…あっ…」
ぐっと再び揺さぶられた時。
「痛…!」
予期しない痛みに思わず声が出てしまい、ぴたりと竜次郎が動きを止める。
「なん……、どうした、乱暴にしちまったか」
とても大変なことをしてしまったような焦った表情が、申し訳ないが少し面白くて、つい笑ってしまいながら首を横に振った。
「違……ちょっと頭の……こぶができてるとこが当たって痛かっただけだから、大丈夫」
「…………あの野郎、やっぱり一発くらい殴ってやればよかった」
盛大に眉を顰めた竜次郎にまだ少し熱を持った頬を、獣が傷を癒そうとするように舐められて首を竦める。
「俺は……大丈夫だよ。竜次郎…来て、くれたから」
「お前はよくても俺が大丈夫じゃねえんだよ」
「…じゃあ、竜次郎も大丈夫になって」
「……お前な……」
そこは俺なのかよ、というぼやきに思わず笑った。
竜次郎に無益な暴力を振るわないで欲しいという、これがエゴなのはわかっている。
優しい彼が、湊の願いを叶えようとしてくれてしまうことまで確信していて願うのはどうかと思わないでもないけれど。
「…………仕方がねえな」
苦々しく吐き出した竜次郎は、湊の腕を掴み体を引き起こす。
足を開き自ら竜次郎を迎え入れるような体勢になり、あっと高い声が出た。
「や…っ、これ…ふか、い」
自重でいつもより深く、竜次郎がどこまでも入り込んでくるような感覚に背筋がぞくりと慄き、我知らず締め付けてしまったのか、竜次郎が快感を滲ませた息を吐く。
「奥擦られるの好きだろお前」
「わ……かんな……、んっ……あ、だめ、すぐ、気持ちよくなっちゃ……」
軽く揺すられただけで体温が上がって、膨大な快感をどう逃がしていいのかわからず、涙目で目の前の竜次郎に縋った。
「お前がもっとサービスしてくれたら取り敢えず今は忘れてやる」
「う、ん…っいい…よ。ど…すれば、いい?」
やはり譲ってくれた竜次郎に、どんなことがサービスになるのかととぎれとぎれになりながらも尋ねる。
するとおもむろにボトルを掴んだ竜次郎は、二人の間にどぼっとローションを足した。
「ひゃっ……どろどろに、なっちゃ」
「腰動かしてみろ」
「こ、う…?」
言われるまま少し身動きしただけで、にちゃ、ぬちゃ、と卑猥な音が響く。
「あっ…音、すごい…っあ!」
腰を抱き寄せられて密着すると、勃ち上がったものが硬い腹に擦れて鋭い快感が走った。
無意識に逃げかけた体を強く引き戻されて、とてもサービスどころではなく縋りつく。
「や…っ、だめ、できなくなっちゃ……」
「頑張れ」
からかう声音の激励に、いじわる、と涙目で抗議したが、その響きは甘く、自分でも強請っているようにしか聞こえない。
「ん、やぁ…!っあ、ぁっあっあっ」
激しく突き上げられて、何も考えられなくなり、ただ溺れた。
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