96 / 104
不器用な初恋のその後
16
しおりを挟む「私が触れるのは、嫌…ですか…?」
「良すぎるから困るというか、…なら、一緒にするか」
一緒に?
どういうことかわからず首を傾げると、ベッドに横になった天王寺に、頭をこっち足をこっちと誘導され、とった己の体勢に、ましろは真っ赤になった。
「っ……これ、恥ずかしい……です、」
「お互い様だろ?」
お前がしたいって言ったんだぞと、そう言われれば、何も反論できなかった。
天王寺の頭を跨ぐようにしてベッドに膝をつき、シーツの上に手をついたましろの眼下には、天王寺の下半身がある。
なんとなく意図は察したものの、無防備にさらしている背後のことが気になっていると、ましろの尻を掴んだ両手が、そこを割り開いた。
吐息がかかると何をされるのかわかって、ましろは振り返り、懇願する。
「あん、待って、それ、だめ…です…っ、ひゃ、」
待ってと言ったのに、ぐっと舌を捩じ込まれた。
まだ固い蕾をぐちぐちと舐られる異様な感触にも性感を覚え、ましろは背を反らせて首を振る。
「んっ……、お前はどこもかしこも綺麗だな」
「あっ、あ……っ、やぁ、」
そのまま快楽に身を委ねそうになって、はっとする。
折角機会をもらえたのだから、自分もしなくては。
目の前にある天王寺のものを、気を抜くと力の抜けてしまいそうな両手で包み、ちろ、と舐めてみた。
すると怒張したそこがビクンと反応したので、驚いて手を離してしまったが、静止の声はない。
続けていいということなのだろうと判断して、持ち直し、もう少し大胆に舌を絡めた。
ぺろぺろと猫のように舐めてから、以前天王寺にしてもらったように口に含んでみる。
ましろのあまり大きくない口にはとても全ては入らなくて、それでももっと天王寺に気持ちよくなってもらいたいと、一生懸命吸い付いた。
「ちー様の……んっ、大きい、です」
苦しくなると一旦口から離し、浮き出た血管に舌を這わせ、先端の蜜を舐めとり、再び口に含む。
口の中がいっぱいなのが苦しいのに心地よくて、不思議だった。
「…っましろ、」
背後から聞こえるかすれた声が、ましろに快楽を伝える。
嬉しくなり、もっとしようと思ったのだが。
「ん……、っん!っふぁ…!」
舌でほぐされていたそこに指を差しこまれて、天王寺を口から離してしまった。
「あっ、ち、ちぃさま、だめ、そこは…っ、」
腹側の膨らんだ場所をぐりぐりと捏ねられると、びくびく腰が揺れる。
そこをされると気持ちがよくて、何も考えられなくなってしまうのに。
「ひ、んや、あっあっ、あぁ…っ!」
天王寺の指は止まることはなく、ましろは我慢できずにびくんと体を強張らせ、再び達していた。
「ふぁ…」
出してしまうと弛緩して、天王寺の上に突っ伏した。
しかし、ぐったりしている場合ではない。自分も天王寺を最後まで…と息を整えていると、天王寺はましろの足の間をくぐるようにして背後から体を起こす。
突然眼下から天王寺の身体が消えた状況を把握できずにいると、へたった腰を持ち上げられ、その下には枕を押し込まれた。
枕が汚れる、と思ったが、それを伝える前に後ろに天王寺のものを押し付けられ、ドキリと鼓動が跳ねた。
「あ……っ!」
ぐっと腰を入れられると、隘路を拓かれる衝撃と喜びで、ましろの身体はふるふる震える。
「ぁ、ちーさまの入っ、て」
「っ…きついな…、ましろ、痛みはないか」
平気だと、首を振り、でも、と付け足す。
「ちー様になら、痛くされても嬉しいです」
「ましろ」
堪えきれないというように、性急に揺すられて高い声が出た。
奥を突かれると、内部が悦んで天王寺を締め付けてしまう。
細い腰を掴む手は痛いくらいで、加減を忘れるほど求められていることが嬉しかった。
いつの間にか再び勃ちあがったましろのものは、揺すられるたびに腹の下にある枕に擦れ、汚れるからいけないと思うのに、気持ちよくて自ら擦りつけるのをやめられなくなる。
「ち……さま、っは、あん、…ちぃさま、」
強い快感を持て余し、その名を呼べば、天王寺はシーツの上で泳ぐ手を握ってくれた。
背後から抱き締められると、あたたかくてほっとする。
安堵はすぐに快楽にさらわれ、何度も感じる場所を突かれて、その度にましろは甘い声を漏らした。
「あ!ぁっ、んっ…、ち、さま、ごめ、なさ、もう……っ」
切れ切れに限界を訴えると、ましろの白いうなじを食むように口付けた天王寺も「ああ、…俺も」と頷く。
「い、っしょ、に……っ、あっ、あっ!ふぁ……っ!」
震えた天王寺のものが奥を濡らし、その刺激でましろも枕とシーツを汚していた。
5
お気に入りに追加
158
あなたにおすすめの小説

そんなの真実じゃない
イヌノカニ
BL
引きこもって四年、生きていてもしょうがないと感じた主人公は身の周りの整理し始める。自分の部屋に溢れる幼馴染との思い出を見て、どんなパソコンやスマホよりも自分の事を知っているのは幼馴染だと気付く。どうにかして彼から自分に関する記憶を消したいと思った主人公は偶然見た広告の人を意のままに操れるというお香を手に幼馴染に会いに行くが———?
彼は本当に俺の知っている彼なのだろうか。
==============
人の証言と記憶の曖昧さをテーマに書いたので、ハッキリとせずに終わります。

【完結】I adore you
ひつじのめい
BL
幼馴染みの蒼はルックスはモテる要素しかないのに、性格まで良くて羨ましく思いながらも夏樹は蒼の事を1番の友達だと思っていた。
そんな時、夏樹に彼女が出来た事が引き金となり2人の関係に変化が訪れる。
※小説家になろうさんでも公開しているものを修正しています。

好きなあいつの嫉妬がすごい
カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。
ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。
教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。
「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」
ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?
俺の好きな男は、幸せを運ぶ天使でした
たっこ
BL
【加筆修正済】
7話完結の短編です。
中学からの親友で、半年だけ恋人だった琢磨。
二度と合わないつもりで別れたのに、突然六年ぶりに会いに来た。
「優、迎えに来たぞ」
でも俺は、お前の手を取ることは出来ないんだ。絶対に。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる