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不器用な初恋のその後

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 どうして、こんなに欲しいと思ってしまうのだろう。
 己の強い衝動を持て余して、救いを求めるように天王寺を見つめた。

 ましろは、天王寺と再会するまで、自分が誰かと体を重ねるところを具体的に想像したことはなかった。
 その淡白さがあまり一般的でないことはわかっていて、しかし特に日常生活に支障はないため、これまで焦りを感じたこともなく。
 ましろの周囲の人たちは皆魅力的で、異性にも同性にも声をかけられるような人が多かったが、ましろはあまりそういったアプローチをされたこともなく、恋人がいる人を羨ましく思うことはあったけれど、それは欲望というよりも、ただ単に誰か優しい人にそばにいてもらいたいという子供のような願望だろう。
 ただ…子供の頃、知らないうちに天王寺に不快な思いをさせていたと思い込んでいたましろは、特別な人を作るのは怖かったし、月華や他の仲間がいれば、十分幸せで。
 誰でもいいからと求めるほど強い欲望や衝動を感じたこともなく、そういうものは自分とは縁のないものだと思っていた。

 だがどうやらそれは、ただ単に何も知らなかったから、というだけのことだったようだ。
 天王寺の熱を知ってしまった今は、もっとしたいと思うし、彼に愛してもらえないことは、とても悲しいことだと思う。
 きっと、それが特別な「好き」なのだろうなと、ようやく少し、わかってきたけれど。

「あ…、」
 欲しかったから、少し後ろを探られただけで、その先を期待して甘い声が漏れてしまった。
 恥ずかしい。
「ちぃ、さま……っ」
「お前は、欲しがりだな」
「ぅ……は、はしたなくて、ごめんなさい…、」
「謝るな。……かわいい」
 自分の声よりも甘い囁きに、鼓動が跳ねる。

 欲しがったからか、天王寺も欲しかったのか、すぐに挿れてもらえた。
 性急に繋がると、やはり少し苦しい。
 愛撫のような、ただただ甘いばかりの快楽とは違うはずなのに、身体は悦ぶばかりで、深い悦楽に溺れてしまいそうで、ぎゅっと天王寺に縋りついた。

 抽挿の動きに合わせて揺れるリボンが、反り返ったましろの中心をちろちろと刺激する。
 圧迫されて痛むほどに強く結ばれているわけではないが、心地よいような、くすぐったいような、いつもと違う刺激が、行為に集中させてくれない。
 我慢できなくなって、ましろはそこに手を伸ばす。
 しかし、これはプレゼントなのだから、天王寺に解いてもらわないと意味がないのだと、快楽に霞む頭でもそれだけは忘れることができず、伸ばした手は力無くベッドへと落ちた。

「あっ、ち、…さま、あん、」
「…ん?」
「ぁ…、も、リボン、ほどい…て、」
 我慢しようとしたが、やはりもう限界で、一生懸命お願いをすると、天王寺は動きを止めてくれた。
「悪かった。少しいじめてしまったな」
 苦笑した彼の手が、優しくリボンを解く。
「あっ!……ぁ、っ……!」
 触れた熱い指。擦れる滑らかなリボンの感触。
 全てが刺激となって、ましろは達してしまっていた。
「……ぁ……っ、」
 解かれたリボンは、ましろの放ったものの散る腹の上に乗せられる。
 放出の衝撃にしばし呆然としていると、足を抱え直されて、はっとした。
「…あ、……も、少し、待っ……、」
「悪い、待ってやれない」
「ち、さま……あっ、あん、あぁっ……!」
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