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しおりを挟む立て続けに快感を与えられ、力が抜けて、ぐったりと彼にもたれかかる。
「そろそろいいか」
呟きが聞こえ、指が抜かれた。
卑猥な音、濡れた彼の指から白いものの混じった液体がとろりと糸を引くのが見えて、その淫靡さにゾクリと震える。
抱えるようにされてベッドにうつぶせになると、下着もろともボトムスをはぎ取られた。
全裸になってしまうと、とても心許ない気持ちになる。
不安からそっと後ろを振り返ると、彼がちょうど避妊具を装着したところだった。
まさかの瞬間に泳いだ視線が合うと、御薙はニヤリと唇の端を上げる。
「ちゃんと使うから安心しろよ」
「……っ」
違うんです、と叫びたくなった。
実は、この体には月経というものがない。
どうやら性交そのものは問題なくできるようなので、今後もずっとないかどうかはわからないが、現時点では妊娠の可能性は低いだろう。
コンドームは避妊のためだけにつけるものではないから、使用すること自体はよいことなのだが、何だか「避妊をきちんとしてくれるならしたい」と催促したようでいたたまれない。
再び前を向くことで視線をそらし、心の中で国広に呪詛を飛ばしていると、尻を掴まれ、割り広げた場所に熱いものが押し当てられて、ドキッとした。
挿入を予告するようにゆるゆると擦りつけられると、それだけで卑猥な音がして、どれほど濡れているのかを思い知らされる。
「挿れるぞ」
狭い入り口をくぐるように、大きいものが入り込んできた。
「…っは、…ぁ、……っゃ、」
強い圧迫感に、はく、と空気を食む。
覚えていないとはいえ二度目だからなのか、痛みというほどの痛みはなくて、けれど快感というには少し鈍い。
指を入れられた時とは違う感覚に戸惑うけれど、我を忘れるほどの快楽などではなくて、少し冷静でいられることに内心こっそりほっとした。
「…く、結構ならしたが、狭いな」
「ん…っ、だ、大丈夫…、ですから、」
御薙の好きなようにしてほしい。
それは、御薙が好きだから、……というよりは、自分の体の変化への恐れから出た言葉だったのだが。
「乱暴にはしねえよ」
優しく返されてしまい、冬耶はどうしていいかわからなくなる。
「あ、そ、そこ…っ、」
冷静でいられる、などとほっとしたのも束の間。先ほど指で教えられた浅い場所を、太くて熱いものでぐっと押されて、疼くような快楽が湧き上がる。
「ここだろ?」
少し息を乱した彼にも、冬耶が感じたことが伝わったらしい。
同じ場所を何度もこねるようにされて、たまらず身を捩った。
「~だめ、それ……っ、は、…あっ、あっ」
「その声……、もっと聴かせろよ」
「あっ、ゃあ、そんな、」
体重をかけられ、腹部がシーツに擦れるのにすら感じてしまう。
脈打つものが、更に奥へと進んだ。
何度か出し入れされて、そこが難なく彼を呑み込んでいるのを確かめると、腰を強く掴まれ、ベッドに押し付けるようにしてずっと突き入れられる。
「ひ……っ、ゃ、奥……っ、あ!あっ……!」
激しくなる抽挿。奥を突かれる衝撃を逃がせず、冬耶は足をばたつかせた。
「い、やぁ……っ、あっ、あん、これ、だ、だめ、……っ」
声が止まらなくなる。
頭の中が真っ白で、気持ちがいいことしか考えられない。
先ほどの浮遊感がまたやってきて、その波が前回よりも更に大きい予感に、震える。
恐くて、けれどそのぞくりとする感覚もまた快楽に繋がって、わけがわからなくなった。
「あっ、み、…なぎ、さ、……ちょ、…っと、まっ……」
力なく体を捩って、少し待って欲しいと切れ切れに訴えたが、体勢を変えたことで彼を締め付けてしまったようだ。
泣きそうな表情が相手を煽ってしまうなんてことに、冬耶は気付けない。
「…っく、…お前、な、」
更に激しく突かれて、冬耶は惑乱のまま、ただ声を上げることしかできなくなる。
「ふぁ……!?え?あ!っあ!ゃ、も、これ以上……っだ、だめ、~~~~っ!」
「…ん、悪い、もうちょっと、……っ」
「あ!ゃ、い、もう、いって、……から、あっぁ、やぁ……!」
腰を掴む強い力。痙攣する内部を掻きまわす熱。
「っは、…真冬……っ、」
「あ、あっ、あっ……、っぁ……っ」
止まらない絶頂に霞む意識の片隅で、呼ばれた名前に微かな胸の痛みを感じていた。
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