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第二話 やばばっ!エルフ谷のリフィリット(ゴブリンとか赤竜とか)
第二話 やばばっ!エルフ谷のリフィリット(ゴブリンとか赤竜とか) 13
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せーの。で息を合わせて三人は赤竜に向かって走り出す。
「こっちこっち」
リフィリットは弓矢で赤竜の目を狙う。次々と飛んでくる弓矢を鬱陶しそうに叩き落としながら、赤竜は巨体を転身する。
「まだまだー」
赤竜の足元に辿り着いたエリィは、足首辺りを目がけて全力の力で思いきり振り抜いた。
ドッと、大木を殴ったような鈍い音が響く。
「これで本当に大丈夫なのか?」
タカヤはエリィを真似て赤竜の足元をちくちくと剣で叩いている。
とにかく赤竜の注意を引こうと、三者三様に赤竜の嫌がりそうな攻撃を繰り返す。
何度も攻撃を続けるうち、赤竜は完全に三人を排除の対象と認識したのか、それぞれに突進したり、尻尾を振るって攻撃しようとしたり、執着をみせるようになってきた。
「完全に私達にご執心ですね。そろそろ、良いかもです」
エリィはタカヤとリフィリットに目で合図を送る。二人もそれに応えて頷く。
「二人ともいいですか? 走りますよ?」
言ったと同時に、エリィは既に走り出す。
後ろから二人の足音。その更に後ろからは地鳴りのような赤竜の足音。
とにかく、エルフの村から森の入り口まで続く道をひた走る。
どこまで距離を稼げるかはわからないが、できるだけ村から赤竜を遠ざけたい。
後ろからは周囲の木々をなぎ倒し、赤竜がもの凄い勢いで迫ってきているのがわかる。
追いつかれた地点が勝負の時だ。
「タカヤっち、もっと速く走らないと追いつかれちゃうってば!」
遅れ気味なタカヤの背中をリフィリットが押して、無理矢理走らせる。
「わかってる、わってるってば……これでも全力なんだよ」
もつれそうな足を動かし、タカヤも懸命に走っている。
とはいえ、森の入り口まではあと数十分はかかる。そこまで走り切るのはタカヤには無理だろう。
「エリリン、どーする? タカヤっちもう無理っぽいんだけどっ!」
リフィリットが慌てて聞いてくる。
「タカヤさんっ! 本当にもう無理ですか?」
エリィが確認すると、タカヤは無理無理無理と首を勢いよく左右に振った。
「わ、わかりましたっ!」
予定よりは幾分早いが仕方がない。エリィはこの場所で決着をつける事に決めた。
「二人とも、赤竜を避けてください」
エリィは叫ぶ。
「避け……え? えーー?」
きょろきょろ見渡し、リフィリットはタカヤを連れて雑木林に飛び込む。
エリィも同じく赤竜を避け、雑木林に避難する。
赤竜は止まろうとしたものの、その勢いは収まらない。
木々を吹き飛ばしながら、地面に両足をめり込ませた後、ようやく止まった。
へし折られた大木が宙を舞いそして、地上に降り注いだ。
大木の落下がひと段落した後、エリィ達は雑木林から出る。
災害でも起こったのかというほど、ひどい有様だった。
しかし、これで聖剣を使う事ができる。
村から距離を取り、村を背にする。
エリィの求めた条件は揃った。
あと、もうひとがんばりだ。
「お二人とも、ご無事ですかー?」
エリィは道の反対側にいる二人に声をかける。
「やばばだったけど、なんとかだいじょぶー」
「俺も……なんとか」
リフィリットが手を振って応えてくる。
タカヤはバテバテだった。
「お疲れのところ申し訳ないのですが、私が詠唱している間、赤竜の注意を引きつけてください」
「うえぇぇ~またあれやるの?」
情けない声をあげるリフィリット。
「すみません。ほんとにちょっとの間ですので」
「うぅ~……わかったーがんばるー」
リフィリットは観念して、矢筒から矢を取り出した。
「こっちは、なんとかするから……エリィ、頼んだぞ」
先に話を聞いていたタカヤは、バテバテながらすでに剣を構えている。
やる気は十分だ。
タカヤとリフィリットは赤竜と対峙しながら、
「まぁ、ほとんど私ががんばらなきゃなんだけどねー」
「そんな事言うなよぉ……」
などとやり合っている。
なんだかんだ良いコンビなのかもしれない。とエリィは思った。
「それでは、お願いします」
エリィは法杖を地面に置き、聖剣を呼び出すための詠唱を開始した。
「こっちこっち」
リフィリットは弓矢で赤竜の目を狙う。次々と飛んでくる弓矢を鬱陶しそうに叩き落としながら、赤竜は巨体を転身する。
「まだまだー」
赤竜の足元に辿り着いたエリィは、足首辺りを目がけて全力の力で思いきり振り抜いた。
ドッと、大木を殴ったような鈍い音が響く。
「これで本当に大丈夫なのか?」
タカヤはエリィを真似て赤竜の足元をちくちくと剣で叩いている。
とにかく赤竜の注意を引こうと、三者三様に赤竜の嫌がりそうな攻撃を繰り返す。
何度も攻撃を続けるうち、赤竜は完全に三人を排除の対象と認識したのか、それぞれに突進したり、尻尾を振るって攻撃しようとしたり、執着をみせるようになってきた。
「完全に私達にご執心ですね。そろそろ、良いかもです」
エリィはタカヤとリフィリットに目で合図を送る。二人もそれに応えて頷く。
「二人ともいいですか? 走りますよ?」
言ったと同時に、エリィは既に走り出す。
後ろから二人の足音。その更に後ろからは地鳴りのような赤竜の足音。
とにかく、エルフの村から森の入り口まで続く道をひた走る。
どこまで距離を稼げるかはわからないが、できるだけ村から赤竜を遠ざけたい。
後ろからは周囲の木々をなぎ倒し、赤竜がもの凄い勢いで迫ってきているのがわかる。
追いつかれた地点が勝負の時だ。
「タカヤっち、もっと速く走らないと追いつかれちゃうってば!」
遅れ気味なタカヤの背中をリフィリットが押して、無理矢理走らせる。
「わかってる、わってるってば……これでも全力なんだよ」
もつれそうな足を動かし、タカヤも懸命に走っている。
とはいえ、森の入り口まではあと数十分はかかる。そこまで走り切るのはタカヤには無理だろう。
「エリリン、どーする? タカヤっちもう無理っぽいんだけどっ!」
リフィリットが慌てて聞いてくる。
「タカヤさんっ! 本当にもう無理ですか?」
エリィが確認すると、タカヤは無理無理無理と首を勢いよく左右に振った。
「わ、わかりましたっ!」
予定よりは幾分早いが仕方がない。エリィはこの場所で決着をつける事に決めた。
「二人とも、赤竜を避けてください」
エリィは叫ぶ。
「避け……え? えーー?」
きょろきょろ見渡し、リフィリットはタカヤを連れて雑木林に飛び込む。
エリィも同じく赤竜を避け、雑木林に避難する。
赤竜は止まろうとしたものの、その勢いは収まらない。
木々を吹き飛ばしながら、地面に両足をめり込ませた後、ようやく止まった。
へし折られた大木が宙を舞いそして、地上に降り注いだ。
大木の落下がひと段落した後、エリィ達は雑木林から出る。
災害でも起こったのかというほど、ひどい有様だった。
しかし、これで聖剣を使う事ができる。
村から距離を取り、村を背にする。
エリィの求めた条件は揃った。
あと、もうひとがんばりだ。
「お二人とも、ご無事ですかー?」
エリィは道の反対側にいる二人に声をかける。
「やばばだったけど、なんとかだいじょぶー」
「俺も……なんとか」
リフィリットが手を振って応えてくる。
タカヤはバテバテだった。
「お疲れのところ申し訳ないのですが、私が詠唱している間、赤竜の注意を引きつけてください」
「うえぇぇ~またあれやるの?」
情けない声をあげるリフィリット。
「すみません。ほんとにちょっとの間ですので」
「うぅ~……わかったーがんばるー」
リフィリットは観念して、矢筒から矢を取り出した。
「こっちは、なんとかするから……エリィ、頼んだぞ」
先に話を聞いていたタカヤは、バテバテながらすでに剣を構えている。
やる気は十分だ。
タカヤとリフィリットは赤竜と対峙しながら、
「まぁ、ほとんど私ががんばらなきゃなんだけどねー」
「そんな事言うなよぉ……」
などとやり合っている。
なんだかんだ良いコンビなのかもしれない。とエリィは思った。
「それでは、お願いします」
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