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6 蜂谷クリニック院長 蜂谷康三《はちやこうぞう》の話
22.蜂谷クリニック院長 蜂谷康三《はちやこうぞう》の話 ⑤
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それから、みどりはなんと言ったか。
あまり記憶にないが、えらく強い口調で華子のことを非難してね。
華子は、ほとんど言いなりだったが、たまにぽつりぽつりと言い返していた。
それがみどりにとっては、また腹に据えかねるらしい。
みどりはますます顔を真っ赤にして、華子を怒鳴り回したんだ。
「いい加減によしなさい。華子。篠原さんも、落ち着いて」
ぼくはついにケンカを止めた。
どちらもぼくにとっては大事な女性だったから、強くは言えなかったけれどね。
「華子。今日はもういいだろう。また後日、連絡してきなさい」
「分かった。それじゃ、これ。……貰っていくからね」
華子は、弱々しく微笑みながら、お金をちらりと見せた。
ぼくは小さくうなずいた。
本来ならばこの後、華子とふたりで、食事にでも行くべきだっただろう。
だが、なにしろ隣では、みどりが目を光らせていた。
私と、昔の愛人の娘と、どっちを取るのですか。
そう言いたげだった。
ぼくはもう一度、ため息をついて、みどりをなだめにかかったのだ。
だがね。
話はここからなんだ。
その翌日、華子は本当にぼくに電話をかけてきた。
それも公衆電話からだった。どうやら娘は、携帯電話さえ契約していなかったらしい。
「お母さんは携帯を持ってるけれど、わたしは持っていないんです」
それを聞いて、いよいよ華子の人生を、なんとかせねばと思ったよ。
ぼくもそれほど携帯電話に詳しくないが、いまの若者が、携帯電話も使ったことがないのは、仕事にもプライベートにも間違いなく支障が出るだろう。
「携帯電話を契約しなさい。代金はぼくが出そう」
「ありがとう、お父さん。すごい」
それくらい、父親として、してあげねばと思ったよ。
そしてね。さらに次の日だ。
「お父さん、毎日電話をかけてきてごめんなさい。もうひとつ話があるの」
「なんだい。なんでも言ってみなさい」
「仕事が見つかりそうなの。香水販売の仕事。その準備に、いくらかまた、お金が必要で」
「分かった。それで華子が独り立ちできるなら、いくらでも手を貸すよ」
「お父さん! ありがとう。本当にすごい……」
なんだか振り込め詐欺みたいだなと、我ながら思ったがね。
しかしお金を渡すのは、間違いなく華子だからね。
彼女は蜂谷クリニックまでお金を受け取りに来た。
自分で使える銀行口座さえ持っていなかったんだから、当然だろう。
さらによくよく尋ねると、健康保険証さえ持っていないらしい。
「病院も行ったことがないの。歯医者だって」
医者の娘でありながら、医療もまともに受けていないとは!
そこでぼくは気が付いたのだ。華子の顔が、若いのに、なにかアンバランスなイメージがあるのは、前歯が一本、欠けているからなのだ。
「小学校のときに、友達と遊んでいて前歯が半分折れたの。そのまま放っておいたら、ぐらぐらしてきて、抜けちゃった」
歯は、そのひとの健康状態と経済状態を露骨に示す。
華子がそこまで弱り切っていることに、ぼくはいよいよ悲しみをこらえきれなくなり、
「今日はもう現金がないから、渡せない。けれどまた明日か明後日にでも、うちに来なさい。お金を渡すから、とにかく歯の治療を始めなさい。健康保険に入る手続きも、教えてあげるから」
「でも、いいの? お金がかかりすぎだし、それに前歯が少しなくても、ごはんは食べられる」
「いいから、言うことを聞きなさい。その若さで歯を失っていると、世間からはずいぶん酷い目で見られるんだ」
ぼくは心底、華子を助けたかったんだ。
本当だよ。
だがね。
一ヶ月ほどしてから、みどりがやってきてね。
「華子さんは、ちゃらついた美容師と結託して、蜂谷先生からお金を巻き上げているのです。これ以上、華子さんとは関わらないほうがいいと思います」
「本当か。そんなやつと華子が」
「ええ。町外れの美容室で、私が目撃しました。間違いありません」
みどりは問題の多い人間ではある。
だが、嘘をつくような女じゃない。
ぼくは、みどりから聞いた美容室の近くまで実際に行ってみた。
そこは今風の、綺麗な美容室だった。
けれども働いている美容師は、なにか直感的にくさかった。
そして、華子が働こうとしている香水の販売業。
これは、マルチビジネスとして東京では有名になっている企業だった。
だからぼくは、次に華子から電話がかかってきたときに告げたんだ。
「華子。あの美容師と香水ビジネスとは、すぐに縁を切るんだ。あれはとんでもない連中だぞ」
「そんなことない。理人さんはいいひとだよ。香水の仕事だって、やっと、やっとわたし、うまくやれそうなのに。なんで、そんな言い方するの?」
華子はずいぶん抵抗したね。
だがぼくは説得を続けた。
香水の仕事は、とにかく違法だ。
手を出せば金を吸い取られ、最悪、警察に捕まる可能性だってある。
とにかくやめろ。
やめるんだ。
ぼくはそう訴えたんだ。
けれどね、
「いやです」
華子は、はっきりとそう言った。
「ごめんなさい、お父さん。ごめんなさい。でも、これしかないの。理人さんは初めてお付き合いしたひとだし、別れたくないし別れられない。ごめんなさい。香水だって、あれは本当に良い香水なの。わたしも段ボール一箱分、買ったよ。アパートの奥に隠してある。あれを売れば、理人さんだって喜ぶし、わたしの人生だって」
「馬鹿!」
「ごめんなさい!」
ぼくが叱り飛ばすと、華子はひたすらに謝罪を続けた。
「ごめんなさい、ごめんなさい、お父さん。ごめんなさい」
「ごめんじゃない。謝るな。だから、言うことを聞いてくれ」
「ごめんなさい。ごめんなさい……」
そのとき、ぼくは感じた。
ああ、これは淳子のときとまったく一緒だ。
あの女もそうだった。口ではごめんごめんといつも謝るが、中ではちっとも謝っていない。華子はぼくの娘だが、やっぱりあの女の娘だった。
ぼくはどうも、女性と相性が悪いらしい。
妻とは家庭内別居。淳子には失望し、みどりとも関係が少しずつ冷えていく。
実の娘である華子にも、このとき失望した。いや、もう少し言えば、怖くなった。
マルチビジネスをやっている美容師と付き合いがあるなんて。
その美容師と華子が結託して、蜂谷クリニック、さらには蜂谷家に危害を及ぼすようになっていったら?
ぼくは医者だ。警察じゃない。
もしもマルチをやっている違法な連中が、そう、例えば暴力団や半グレと呼ばれる輩が、我が家にやってきたらと思うと、恐ろしいんだ。妻はまだしも、息子と娘の未来にも影響が出てくるかもしれない。それはとんでもないことだ。
「華子。最後の忠告だ。あの美容師と、香水ビジネスとは、もう付き合いをやめなさい」
「……ごめんなさい」
「分かった。ならばいい」
ぼくは電話を切った。
これで華子とは絶縁だと思った。
ん?
実の娘に対して、冷酷すぎるって?
そうだな、自分でもそう思う。
そもそも認知だけして、養育費だけ送って、あとは放ったらかしというのが大間違いだったんだな。
最低限、父親として関わり、ある程度の保護と教育は与えるべきだった。
妻を恐れてそれをしなかったのはぼくの怠慢だ。不徳の致すところだ。
その結果が、今回の事件だ。
そうだよ。そもそも華子が殺されてしまったことが、すべての始まりだ。
君もその件で、取材して回っているのだろう?
そうだよ、思い出してくれ。
ぼくと絶縁してから、華子がどうなったのか?
分からない。どうも、あの美容師とは別れたようだ。
香水ビジネスも破綻したようだが、華子がどこまで食い込んでいたのかは分からん。
何度か、淳子と華子が住んでいたアパートの前に車で向かったこともあったけどね。
ふたりと出会うことはなかったよ。何時間も張り込んでいれば、会えたかもしれないが……。
そういえば、いま思い出した。いつだったか、そうやって淳子のアパートに近付いたとき、強烈な香水の香りがしたことがあったな。
除草剤か殺虫剤あたりを、アパートの誰かが使ったのかと思っていたが。
あれはもしかしたら、華子が仕入れた香水の匂いだったかもしれない。
あまり良い香りではなかったから、そうじゃないかもしれんがね。
これでぼくと、あの親子との関係の話はおしまいだ。
言い方が冷たい?
そうかもしれない。
けれど、分かってくれ。
ぼくだって怖いんだ。
実の娘があんな殺され方をして。
しかもその犯人がまだ見つかっていないんだからね。
けれどもなあ、解せんことがある。
華子は殺されてしまったわけだが、あれの母親は。
そう、淳子はどうしたんだ? どこにいるんだろう? まさか、淳子も殺されたのかな。
そのあたり、なにか君、知らないかい?
取材したことでも、あるいは、そう、女の勘みたいなものでも働いて。
淳子がどこにいるのか。事件の真相はなんなのか。教えてくれないか。
「分かりませんか?」
ん?
なにがだい。
うん、事件のことは少しも分からない。
君。
犯人のことや淳子のことが分かるなら、ぼくに教えて、
「覚えていませんか?」
なにを?
君、いったい、なにを言ってるんだ。
意味が分からんことを言うようなら、帰ってくれないか。
それにしても篠原さんはどこにいったんだ? 外かな?
……うぉっ!?
篠原、み、みどり!?
おい、みどり、どうした。しっかりしろ!
みどり!! みどり!!
ぐぶぇ。
(録音終了)
あまり記憶にないが、えらく強い口調で華子のことを非難してね。
華子は、ほとんど言いなりだったが、たまにぽつりぽつりと言い返していた。
それがみどりにとっては、また腹に据えかねるらしい。
みどりはますます顔を真っ赤にして、華子を怒鳴り回したんだ。
「いい加減によしなさい。華子。篠原さんも、落ち着いて」
ぼくはついにケンカを止めた。
どちらもぼくにとっては大事な女性だったから、強くは言えなかったけれどね。
「華子。今日はもういいだろう。また後日、連絡してきなさい」
「分かった。それじゃ、これ。……貰っていくからね」
華子は、弱々しく微笑みながら、お金をちらりと見せた。
ぼくは小さくうなずいた。
本来ならばこの後、華子とふたりで、食事にでも行くべきだっただろう。
だが、なにしろ隣では、みどりが目を光らせていた。
私と、昔の愛人の娘と、どっちを取るのですか。
そう言いたげだった。
ぼくはもう一度、ため息をついて、みどりをなだめにかかったのだ。
だがね。
話はここからなんだ。
その翌日、華子は本当にぼくに電話をかけてきた。
それも公衆電話からだった。どうやら娘は、携帯電話さえ契約していなかったらしい。
「お母さんは携帯を持ってるけれど、わたしは持っていないんです」
それを聞いて、いよいよ華子の人生を、なんとかせねばと思ったよ。
ぼくもそれほど携帯電話に詳しくないが、いまの若者が、携帯電話も使ったことがないのは、仕事にもプライベートにも間違いなく支障が出るだろう。
「携帯電話を契約しなさい。代金はぼくが出そう」
「ありがとう、お父さん。すごい」
それくらい、父親として、してあげねばと思ったよ。
そしてね。さらに次の日だ。
「お父さん、毎日電話をかけてきてごめんなさい。もうひとつ話があるの」
「なんだい。なんでも言ってみなさい」
「仕事が見つかりそうなの。香水販売の仕事。その準備に、いくらかまた、お金が必要で」
「分かった。それで華子が独り立ちできるなら、いくらでも手を貸すよ」
「お父さん! ありがとう。本当にすごい……」
なんだか振り込め詐欺みたいだなと、我ながら思ったがね。
しかしお金を渡すのは、間違いなく華子だからね。
彼女は蜂谷クリニックまでお金を受け取りに来た。
自分で使える銀行口座さえ持っていなかったんだから、当然だろう。
さらによくよく尋ねると、健康保険証さえ持っていないらしい。
「病院も行ったことがないの。歯医者だって」
医者の娘でありながら、医療もまともに受けていないとは!
そこでぼくは気が付いたのだ。華子の顔が、若いのに、なにかアンバランスなイメージがあるのは、前歯が一本、欠けているからなのだ。
「小学校のときに、友達と遊んでいて前歯が半分折れたの。そのまま放っておいたら、ぐらぐらしてきて、抜けちゃった」
歯は、そのひとの健康状態と経済状態を露骨に示す。
華子がそこまで弱り切っていることに、ぼくはいよいよ悲しみをこらえきれなくなり、
「今日はもう現金がないから、渡せない。けれどまた明日か明後日にでも、うちに来なさい。お金を渡すから、とにかく歯の治療を始めなさい。健康保険に入る手続きも、教えてあげるから」
「でも、いいの? お金がかかりすぎだし、それに前歯が少しなくても、ごはんは食べられる」
「いいから、言うことを聞きなさい。その若さで歯を失っていると、世間からはずいぶん酷い目で見られるんだ」
ぼくは心底、華子を助けたかったんだ。
本当だよ。
だがね。
一ヶ月ほどしてから、みどりがやってきてね。
「華子さんは、ちゃらついた美容師と結託して、蜂谷先生からお金を巻き上げているのです。これ以上、華子さんとは関わらないほうがいいと思います」
「本当か。そんなやつと華子が」
「ええ。町外れの美容室で、私が目撃しました。間違いありません」
みどりは問題の多い人間ではある。
だが、嘘をつくような女じゃない。
ぼくは、みどりから聞いた美容室の近くまで実際に行ってみた。
そこは今風の、綺麗な美容室だった。
けれども働いている美容師は、なにか直感的にくさかった。
そして、華子が働こうとしている香水の販売業。
これは、マルチビジネスとして東京では有名になっている企業だった。
だからぼくは、次に華子から電話がかかってきたときに告げたんだ。
「華子。あの美容師と香水ビジネスとは、すぐに縁を切るんだ。あれはとんでもない連中だぞ」
「そんなことない。理人さんはいいひとだよ。香水の仕事だって、やっと、やっとわたし、うまくやれそうなのに。なんで、そんな言い方するの?」
華子はずいぶん抵抗したね。
だがぼくは説得を続けた。
香水の仕事は、とにかく違法だ。
手を出せば金を吸い取られ、最悪、警察に捕まる可能性だってある。
とにかくやめろ。
やめるんだ。
ぼくはそう訴えたんだ。
けれどね、
「いやです」
華子は、はっきりとそう言った。
「ごめんなさい、お父さん。ごめんなさい。でも、これしかないの。理人さんは初めてお付き合いしたひとだし、別れたくないし別れられない。ごめんなさい。香水だって、あれは本当に良い香水なの。わたしも段ボール一箱分、買ったよ。アパートの奥に隠してある。あれを売れば、理人さんだって喜ぶし、わたしの人生だって」
「馬鹿!」
「ごめんなさい!」
ぼくが叱り飛ばすと、華子はひたすらに謝罪を続けた。
「ごめんなさい、ごめんなさい、お父さん。ごめんなさい」
「ごめんじゃない。謝るな。だから、言うことを聞いてくれ」
「ごめんなさい。ごめんなさい……」
そのとき、ぼくは感じた。
ああ、これは淳子のときとまったく一緒だ。
あの女もそうだった。口ではごめんごめんといつも謝るが、中ではちっとも謝っていない。華子はぼくの娘だが、やっぱりあの女の娘だった。
ぼくはどうも、女性と相性が悪いらしい。
妻とは家庭内別居。淳子には失望し、みどりとも関係が少しずつ冷えていく。
実の娘である華子にも、このとき失望した。いや、もう少し言えば、怖くなった。
マルチビジネスをやっている美容師と付き合いがあるなんて。
その美容師と華子が結託して、蜂谷クリニック、さらには蜂谷家に危害を及ぼすようになっていったら?
ぼくは医者だ。警察じゃない。
もしもマルチをやっている違法な連中が、そう、例えば暴力団や半グレと呼ばれる輩が、我が家にやってきたらと思うと、恐ろしいんだ。妻はまだしも、息子と娘の未来にも影響が出てくるかもしれない。それはとんでもないことだ。
「華子。最後の忠告だ。あの美容師と、香水ビジネスとは、もう付き合いをやめなさい」
「……ごめんなさい」
「分かった。ならばいい」
ぼくは電話を切った。
これで華子とは絶縁だと思った。
ん?
実の娘に対して、冷酷すぎるって?
そうだな、自分でもそう思う。
そもそも認知だけして、養育費だけ送って、あとは放ったらかしというのが大間違いだったんだな。
最低限、父親として関わり、ある程度の保護と教育は与えるべきだった。
妻を恐れてそれをしなかったのはぼくの怠慢だ。不徳の致すところだ。
その結果が、今回の事件だ。
そうだよ。そもそも華子が殺されてしまったことが、すべての始まりだ。
君もその件で、取材して回っているのだろう?
そうだよ、思い出してくれ。
ぼくと絶縁してから、華子がどうなったのか?
分からない。どうも、あの美容師とは別れたようだ。
香水ビジネスも破綻したようだが、華子がどこまで食い込んでいたのかは分からん。
何度か、淳子と華子が住んでいたアパートの前に車で向かったこともあったけどね。
ふたりと出会うことはなかったよ。何時間も張り込んでいれば、会えたかもしれないが……。
そういえば、いま思い出した。いつだったか、そうやって淳子のアパートに近付いたとき、強烈な香水の香りがしたことがあったな。
除草剤か殺虫剤あたりを、アパートの誰かが使ったのかと思っていたが。
あれはもしかしたら、華子が仕入れた香水の匂いだったかもしれない。
あまり良い香りではなかったから、そうじゃないかもしれんがね。
これでぼくと、あの親子との関係の話はおしまいだ。
言い方が冷たい?
そうかもしれない。
けれど、分かってくれ。
ぼくだって怖いんだ。
実の娘があんな殺され方をして。
しかもその犯人がまだ見つかっていないんだからね。
けれどもなあ、解せんことがある。
華子は殺されてしまったわけだが、あれの母親は。
そう、淳子はどうしたんだ? どこにいるんだろう? まさか、淳子も殺されたのかな。
そのあたり、なにか君、知らないかい?
取材したことでも、あるいは、そう、女の勘みたいなものでも働いて。
淳子がどこにいるのか。事件の真相はなんなのか。教えてくれないか。
「分かりませんか?」
ん?
なにがだい。
うん、事件のことは少しも分からない。
君。
犯人のことや淳子のことが分かるなら、ぼくに教えて、
「覚えていませんか?」
なにを?
君、いったい、なにを言ってるんだ。
意味が分からんことを言うようなら、帰ってくれないか。
それにしても篠原さんはどこにいったんだ? 外かな?
……うぉっ!?
篠原、み、みどり!?
おい、みどり、どうした。しっかりしろ!
みどり!! みどり!!
ぐぶぇ。
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