生徒会長・七原京の珈琲と推理 学園専門殺人犯Xからの手紙

須崎正太郎

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第五話 十月七日――殺人犯の手紙、ネットにアップされる

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 ドス黒い殺気のような気配が、学園中、というより世界中を覆ったように思えた。

 我を失ってしまった延岡先生を、ウグ先輩と佐久間君に任せて、僕は高千穂翠と共に職員室へ飛び込み、双子教師の片割れこと田々中教頭に報告。事態はただちに警察に通報された。そして翌日のマスコミとネットは、手紙の件で持ちきりとなったのだ。
 
 発見された手紙は、使われていた封筒やフォント等が、前の手紙とまったく同一だったことから、間違いなく、殺人犯Xによる二通目の手紙だと警察に判断された。

 Xはいつ、あの茂みの上に手紙を置いたのか?
 分からない。体育倉庫の前は、あまり人気のない場所だけれど、先生や生徒がいつ通っていても別におかしくはない。

 誰かがそっと置いたのだ。
 おそらく朝、学校にやってきたXは、一日の内のどこかで、あの封筒を茂みの上に置いたのだ。――と、テレビでコメンテーターが言っていた。

『そうなるとXは、手紙の発見が遅れてもいいと思っていたのかな?』

 十月四日の昼下がり。
 またも学校が休みになったので、自宅のリビングでアイスコーヒーを飲みながら、高千穂翠とメッセージをやり取りする。

『さあ。でも、体育倉庫の前なんて、いつ人が来るか分からない。人が来たってあんな手紙の置き方じゃ、発見されない可能性だってあるぜ』

『そうだよね。へたをすると、何日も見つからなかったかも』

『おまけにあの日は、夕方から雨が降ってきた。もし僕らが見つけなかったら、あの手紙はそのまま雨でグシャグシャになって、ただのゴミになっていたかもしれない』

『そのときは、また書き直すんじゃないの? パソコンで書いたものなんだから、もう一度、印刷すればいいだけだもの』

『相手に届かなかったからって、手紙を印刷し直す殺人犯か? なんか、それは嫌だな』

『そもそも、どうして手紙をあんな風に渡そうとするのかな。郵便で送ったりしないのかな』

『郵便で送ったら、消印とかで足がつくと思ったんじゃないか』

『そうか。会長、冴えてるね』

『コーヒーを飲んでいるからな』

 そこで高千穂翠からのメッセージはいったん途切れ、一分ほど経ってから『コーヒーマニア』なんて一文が送られてきた。これで会話はおしまい、という空気である。『そうです、マニアです。じゃまた学校で』と返した。スマホをソファの上に放り投げる。まさか高千穂翠とこんなメッセージのやり取りを交わすことになるなんて、一ヶ月前は想像もつかなかった。

 いやいや、想像もつかないなら、殺人事件のほうがよっぽど想像もつかない。
 ソファの前に配置されている55型のテレビは、まだニュースを報道している。

「それにしても謎が多い事件です。殺人犯Xを名乗る犯人は、なんのためにこんな手紙を置くのでしょうか。そもそも、なんのためにカッターナイフを盗んで、名前を書いて、犯行に使ったのでしょうか。なんのために……」

 いかにも困惑しているようで、心の中では良いニュースのネタができたとばかりにほくそ笑んでいるようなコメンテーターの表情が鬱陶しい。僕は舌打ちしてから、テレビを消した。

 その日の夜、明日と明後日は土日なので、学校は週明けの七日から通常営業という連絡が母親に来た。
 殺人事件と違って今回は手紙だからな。そう何日も休みにはできないか。
 ただし、どんなときでも、なるべくひとりでは行動しないように、という学校からの注意がついていた。



「ひとりではって言うけれど、一緒に行動する相手が、犯人じゃないって保証はねえよなあ」

 十月七日の午前八時。
 二年一組の教室で、僕の後ろの席に座っているクラスメイト、下村櫻太しもむらおうたが、なぜだかニヤニヤしながら言った。

 一年生のときから付き合い続けている、僕の数少ない友達で、身長百八十センチ。柔道でもやっていそうな隆々たる体躯を誇りながらも、所属部活はパソコン同好会で、放課後は毎日パソコンルームで、動画を見たりネットをやったりしているそうだ。ネットの影響をもろに受けるタイプの男なので、ネットでネガティブな情報でも仕入れてきた翌日には死にそうな顔をしていたりする。幸いなことに、今日はまず元気なようだったが。

「例えば俺がXだったら、俺とふたりで行動した瞬間にジ・エンドだ。そうだろう、七原?」

「下村にはアリバイがある。事件当日には部活のみんなとパソコンルームにいたって聞いてるぜ」

「なんだ、知ってたのか。そうそう、みんなで、学校のパソコンのセーフ機能を取れないか試していたんだよ。あれがあるから、面白い画像が見られないんだぜ? へへへ」

「その言葉、会長として聞き捨てならない。パソコン部は明日までに始末書な」

「未遂だよ、未遂。セーフ機能は取れなかったんだから、始末書は勘弁な。あーあ、七原は、生徒会長になってからつまらん男に成り下がったなあ」

「そろそろ人生、守りに入る頃合いだと思ってな」

「守りに入るのはやっ」

 すると下村はもうそっぽを向いて、隣に座った女子生徒へ話しかけ始めた。

「陰山さん、陰山さん。ひとりで登校は危ないってよ。ボディーガードに、この下村櫻太はいかが? 当日のアリバイは確実。俺、Xじゃないよ」

「いらんって。うちはいまぼっちなだけで、登校は友達としたから」

 ケラケラと、セミロングの髪を揺らしながら笑う、陰山恋奈かげやまれな。これまた、僕と会話をする数少ない友達のひとりだ。下村は彼女のことが好きらしいが、傍から見てもあまり相手にされていない。そうはいっても、下村と陰山さんは一年生のときから仲が良く、お互いに軽口を叩き合っているので、片想いというのもどこまで本当なんだか。

「むしろあんたが犯人なんじゃないの? アリバイなんてほら、あれ、トリックとか使ってごまかしてさ」

「へえ、それじゃどんなトリックなのか教えてくれよ。それが分かったら名探偵だ。Xのトリックを解き明かすことができたら、日本中の有名人になれるぜ」

「えー? んん、パソコン部のみんなで口裏合わせて、あんたのアリバイを証言したとか?」

「十人も部員がいるのにみんな口裏合わせられるかよ。絶対に誰かが裏切るぜ。特に四組の城山なんて、俺とあんまり仲良くねえから――」

「あ、分かった。パソコン部みんなで殺したんだ。カッターナイフにXの字を書くのは、みんなでやれば時間短縮できるし」

「おい、マジで俺らのアリバイを崩そうとするなよ。冗談だろ?」

 下村はさすがに困り顔を見せる。
 日本中を騒がせている事件も、当事者である学生たちにかかれば、このように日常のトークと化してしまう。

 薄情なのではなく、これくらい喋らないと、気持ちが持たないといったほうが正しいのだろう。見回すと教室の中は、僕らだけでなく、誰もがグループを作っておしゃべりをしまくっている。

「今日は、珍しい組み合わせが多いな」

 下村が小声で言った。
 その通りだ。教卓の前にいる半村と井上と星野、教室の後方でつるんでいる岩瀬さんと田中さんと美樹本さん。このあたりは、いつものグループ分けじゃない。今日は普段、あまり喋らない生徒同士が固まっているのだ。

 僕はマグボトルを開けて、中身をぐいっとやりながら答えた。

「事件当日のアリバイが、確実な人間同士で集まっているんだろう」

「あ、そうか。そういうことか」

「なにしろ、誰が犯人か分からないんだ。安心と思える人間だけで集まりたくもなるよ」

「それでか。半村と井上なんて、絡んでるところ、ほとんど見たことねえのに今日はべったりだもんな。けれどそういう意味じゃ、七原と俺は大丈夫だな。ふたりともアリバイがある。……」

「ちょっと、そんな目でうちを見るなってば。事件当日は『サン・フラワー』でバイトしてたんだから。ほら、うちもアリバイ完璧でしょ」

「分かんないぜ。『サン・フラワー』のみんなで口裏を合わせて、陰山のアリバイを証言したのかもしれねえし」

「ここで仕返しするんだ。へーえ、あんた、そういうひとだったんだ。もういい、絶対、彼女になってあげないから」

「やめろよ、ふたりとも。とにかく僕らは三人とも、事件当時のアリバイがあるわけだ」

 しかし、アリバイがない人間だって当然いる。
 教室の中には、ぽつん、ぽつんと、ひとりぼっち状態の生徒がいる。事件当時にアリバイがない人間が、微妙に敬遠されているのだ。

 十月三日に、生徒会で検証した結果、犯行は教師の疑いが濃厚だ。生徒が殺人を犯した可能性は薄い。
 と僕は思うが、これだってまだ確証はもてない。この時点で、迂闊な発言や行動はしないほうがいいだろうな。

「あ、見て見て、猿田君と里村君だ」

 陰山さんが、廊下を見据えながら言った。
 背が高く足も長い、隣のクラスのイケメン、猿田来夢。

 中学時代からの親友である里村宗之助《さとむらそうのすけ》とふたりで連れだって、二組の教室に向かっている。校長と教頭ほどじゃないが、このふたりも揃って顔や背格好がよく似ている。つまりふたり揃って女子生徒からの人気者ってことだ。幸せでいいなあ。ああ、僕はひがむ。ひがむ、ひがむ。

「二人ともかっこいいよね。彼女、いるのかなあ。あ、里村君のほうは最近、他校に彼女ができたって聞いたけれど、猿田君はどうかなあ。一年生のときは同じクラスに彼女がいたけれど。あーあ、下村もあれくらいイケメンだったらなあ。うち、速攻で彼女になってあげちゃうのに」

 陰山さんは、彼女、彼女とうるさい。
 彼女がゲシュタルト崩壊しそうだ。

「うるせえ、いまに見ろ。下村櫻太、顔面偏差値を超越した心のイケメンになってやんよ。――ああ、でもそういえば、これは悪口じゃねえけどさ、七原。猿田と里村って、事件当日はアリバイがないらしいぜ」

「なに? ……」

「放課後は二年二組の教室に居残って、ふたりでずーっと喋っていただけなんだと。けれど、それを目撃したやつは誰もいねえんだ」

 猿田来夢と里村宗之助にアリバイがない。
 僕はマグボトルの中身をまたグビリとやって、考えた。
 ふたりで一緒にいたなら、お互いがお互いのアリバイ証明者ではある。けれども、そこで陰山さんのセリフが浮かんできた。

 みんなで殺したんだ。
 みんなでやれば時間短縮できるし。

 猿田来夢と里村宗之助が、二人がかりで事件を起こしたとしたら?
 つまりXの字を書いたり、指紋を拭いたりする作業を、二人がかりでやれば、かかる時間は大幅に圧縮される。

 そうだ。
 なぜ、気付かなかった。
 事件の検証は単独犯であることが前提だった。だが、もしこの事件の犯人が複数だったなら。

 永谷先生は生徒の多くから嫌われていた。動機を持つ人間は複数いるだろう。
 彼らがみんな、なんらかの手段で結集すれば……。

「先生が来たぜ」

 下村の言葉で僕は我に返り、前方を見たが、おやっと思った。
 教卓に立ったのは、担任の延岡先生ではなく、田々中教頭だったのだ。

「延岡先生は体調を崩して、午前中、病院に寄ってから来るそうです。そのために、朝のホームルームは私が行います。学級委員、号令」



 昼休みになった。
 僕は下村と陰山さんと一緒に、売店へと向かう。

「陰山が俺たちと一緒なんて、珍しいな。いつもは女の誰かとつるむのに」

「だって、アリバイが成立しているひとと一緒じゃないと、……怖いからさ」

 そう言われて周りを見ると、数人でグループになっている生徒と、ひとりだけの生徒がはっきりと分かれている。教室と同じ状況だ。中には、猿田来夢のように普段はクラスの人気者でありながらひとりになっている生徒もいた。

 革命でも起きたみたいだな。
 ふと、そう思った。そう言えば午前の授業中も、普段は隣の生徒と喋ったり、居眠りをしたりする生徒が、今日は真面目そのものだった。誰かが誰かをからかったりする場面もなかった。みんな静かに勉強をしていた。

 正直、少しだけ居心地が良かった。
 ざわつく授業が好きじゃない僕は、勉強だけに集中ができて楽しかった。
 Xのおかげ、とまでは思わないけれども……。

 そんなことを考えていると、延岡先生が職員室に向かっていくのが見えた。

「延岡先生だ。いま病院から学校まで来たんだね。なんの病気だろ?」

「疲れじゃねえの。こんな事件が起きたら無理もないけどさ」

「いやいやぁ、あれは恨み疲れだね」

 うお、と声が出そうになった。
 振り向くと、保健のたつみかほる先生が立っていた。
 普段は気のいいおばちゃん先生、といった雰囲気なのだが、

「知ってるかい、延岡先生は昔、永谷先生に惚れていたんだ。一時期は付き合っていたらしいよ」

 聞いてもいないのに、ペラペラ喋りだした。
 そう、この巽先生、とにかくおしゃべりなのが玉に瑕なのである。

「なのに永谷先生は他に彼女を作ってね、延岡先生をふってしまったんだ。それでかなり揉めたって聞くよ」

「そ、そうなんですか」

「延岡先生はまだ未練があったんだね。だから永谷先生が殺されて、ショックを受けているんだろうよ。女心だね。あんたたちも、女で他人様ひとさまと揉めないようにね。真面目な大人になるんだよ。じゃあね」

 巽先生は、さっさと廊下の奥へ消えてしまう。
 残された僕らは、ぽかんと口を開けていたが、

「死んだ人間の悪口を生徒に言いふらすのは、真面目な大人なのかよ」

「言えてる。下村、良いこと言うじゃん。本当、その通り」

 下村と陰山さんは軽口を叩き合っていたが、僕はいっそう考えてしまう。
 延岡先生と永谷先生が一時期、付き合っていた? なにかが点と線になりそうで、けれどもまた別の気配が――

 そのときである。

「……会長」

 聞き覚えのある声がしたので、振り返ると、

「あ、鵜久森先輩。と副会長」

 ウグ先輩と高千穂翠が、二人揃ってご登場だ。
 先輩たちも、売店に昼食を買いにきたのかと思ったが、どうやら違うらしいと気が付いたのは、二人の表情が深刻そのものだったからだ。

「どうしたんですか、そんな顔をして」

「まだ知らないようだね。これを見たまえ」

 ウグ先輩が僕に見せてきたのは、スマホの画面だった。
 なんだなんだと、僕だけでなく、下村と陰山さんまでやってきてスマホを覗き込んだが、僕はふたりを注意する余裕もなかった。

 スマホの液晶には、手紙が映っていたのである。
 見覚えのあるフォントが印字された手紙の画像。

「手紙。……Xの手紙ですか!? えっ、どういうことです、先輩」

「一年四組の兎原美姫うさぎはらみきという女子生徒が、廊下の隅にぽつんと置かれてあるXの手紙を、発見したらしいの。そこから先生に相談すればよかったのだけれど、彼女、手紙の画像をインスタにアップしたものだから……。すでに生徒の間で、この画像が広まっているの」

 高千穂翠が説明をしてくれた。
 僕は一度、無言でうなずいてから、改めて手紙の画像に目をやる。


『私はこの学校の人間です。
私はこの学校の人間です。
何度も申し上げますが私はこの学校の人間です。

 いま私はたまらなく幸せです。永谷が死に、学園に平和が訪れた! 平和だ平和だ本当の平和だ、つい先月まで悪魔に支配され心は屈服を強いられていたがいまや完全に私の心は絶頂だ、素晴らしい、素敵だ、幸福すぎる!

 しかしまだ終わらない、やるべき相手はいるのである。それはもうXの中で決まっている、殺す殺す殺す、血の喜びを見せてやる、そしてXの望みは私の夢は、ただ恨む相手の死亡のみならず、世界の秩序そのものの崩壊なのだ、分かれ分かれ分かってくれ、Xの目的はただひとつ、この先何十年かの心の平穏にして、永遠に崩壊された学園の世界だ、諸君、私はやるぞ私はやるぞ絶対にやりますよ、絶対にだ!

 私はこの学校の人間です。
 私はこの学校の人間です。
 何度も申し上げますが私はこの学校の人間です』


 止まらない、Xからの手紙。
 Xには異様な興奮と、次の殺人目標があることは分かったが、それにしても、世界の秩序そのものの崩壊とはなんだ? 学園が潰れることを望んでいるのか?

 違う。
 なにかが違う。
 うまく言えないが、違う。

 Xの目的は、殺人だけではない。この不気味な手紙にもなにか理由がある。Xはきっと、殺人以上のことを企んでいる。それがなにかは分からないけれど。

 ただ僕は、歯ぎしりして、たまらない悔しさを感じていた。人間ひとりを殺しておいて、みんなを不安にさせておいて、なにが心の平穏だ。ガラの悪い言葉だが、ふざけるなよ、と言いたくなった。このXは、絶対に捕まえなくてはダメだ。X自身にどんな動機があろうとも、絶対に――

 それにしても。
 Xからの手紙が、また学内で発見された。

 誰も見ていないとき、防犯カメラが無いところに、家で作ってきた手紙をさっと置いているようだ。

 けれどこうなると誰かが、そう、この学校の誰かが殺人犯Xなのだ。僕と顔見知りかもしれない。話したことがあるかもしれない。顔を見たことがあるかもしれない。僕の知っている人間がXなのだ。確かだ。

「職員室に行って、Xの画像とインスタの件を先生に相談しましょう」

 ウグ先輩が見せてくれた画像を、もう一度よく見てから、僕は言った。
 高千穂翠とウグ先輩は、揃って大きくうなずいた。
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