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十七夜 その13
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松山丈二県警本部長もチラリと金沢英雄情報技術企画課長と阪倉樹警務課長の顔を見た。
阪倉樹警務課長は驚いて
「誤記載ですか!?」
と言い
「直ぐに本人を呼んで訂正させます」
と手帳を出して告げた。
「担当者に伝えるので、できれば名前を」
金沢英雄情報技術企画課長は沈黙を守ったまま視線を下に向けていた。
桐谷世羅は田中龍之介の紙を出すと
「この田中龍之介です。彼の住所はふれあい館という公共施設の住所で小学校も区域が違います」
と告げた。
阪倉樹は「は?」と声を零すと
「いったいどうして」
とぼやきながら立ち上がると
「申し訳ありませんでした」
と答え
「正しい住所を調べ修正させますので」
と告げた。
桐谷世羅は頷いて
「宜しくお願いします。ただ、今回の訓練には支障はないので三日後に実施いたしますのでご安心ください」
と告げた。
「流れはこの通りになりますので全新人警察官に配布をお願いします」
阪倉樹は敬礼をするとチラシを受け取り
「わかりました」
と答えた。
桐谷世羅は笑むと
「俺からはこれだけです」
と言い、ちらりと松山丈二県警本部長を見た。
松山丈二は立ち上がると
「佐賀県警に何処かの工作員が新人警察官のふりをして潜入しようとする事件も起きているので我々福井県警ではそういう事態が起きないように気を引き締めて行こうと思う」
宜しくお願いする、と告げた。
阪倉樹も金沢英雄も立ち上がると敬礼をして立ち去った。松山丈二は二人が立ち去ると息を吐き出し
「まさか、そんなことになっているとは」
と桐谷世羅を見た。
桐谷世羅は息を吐き出し
「これで動いてくれれば助かりますけどね」
と呟き
「バックアップの方宜しくお願いします」
と告げた。
松山丈二は敬礼をすると
「もちろんです」
と答えた。
阪倉樹は警務課のフロアに戻ると上司の警務部長である飯塚孝一に報告した。飯塚孝一は少し考えると
「そうか」
と答え
「いつも通りに処理をするように」
と告げた。
阪倉樹は白だ。日頃の報告や勤務状況を見て飯塚孝一は自信を持っていた。
だが。
だが。
恐らくこの報告に来た内容は先に話があった闇組織の浸食の一つに違いない。
だからこそ、通常通りにして阪倉樹の下に入り込んでいるその人間が動くようにするしかない。
飯塚孝一は息を吐き出すと
「見抜けなかった俺の落ち度だな」
と呟いた。
阪倉樹は戸惑いつつも警察学校の新人警察官の情報入力を担当していた警務課第一係長の干潟満也の元へ行き
「干潟、田中龍之介という新人警察官の住所と小学校の情報が間違っていたそうだ。至急調べて修正を掛けておいてくれ」
と告げた。
それに干潟満也は目を見開くと
「……田中、龍之介……ですか? 何故?」
と聞いた。
阪倉樹は手帳を見ながら
「いま、三日後の訓練のことで」
と言いかけて、干潟満也の携帯が震えるのに目を向けた。
「緊急か?」
干潟満也は携帯を置いたまま
「いえ、大丈夫です。田中龍之介ですね。わかりました、本人に確認を取り直して情報の修正を行います」
と答え
「申し訳ありませんでした」
と告げた。
阪倉樹警務課長は驚いて
「誤記載ですか!?」
と言い
「直ぐに本人を呼んで訂正させます」
と手帳を出して告げた。
「担当者に伝えるので、できれば名前を」
金沢英雄情報技術企画課長は沈黙を守ったまま視線を下に向けていた。
桐谷世羅は田中龍之介の紙を出すと
「この田中龍之介です。彼の住所はふれあい館という公共施設の住所で小学校も区域が違います」
と告げた。
阪倉樹は「は?」と声を零すと
「いったいどうして」
とぼやきながら立ち上がると
「申し訳ありませんでした」
と答え
「正しい住所を調べ修正させますので」
と告げた。
桐谷世羅は頷いて
「宜しくお願いします。ただ、今回の訓練には支障はないので三日後に実施いたしますのでご安心ください」
と告げた。
「流れはこの通りになりますので全新人警察官に配布をお願いします」
阪倉樹は敬礼をするとチラシを受け取り
「わかりました」
と答えた。
桐谷世羅は笑むと
「俺からはこれだけです」
と言い、ちらりと松山丈二県警本部長を見た。
松山丈二は立ち上がると
「佐賀県警に何処かの工作員が新人警察官のふりをして潜入しようとする事件も起きているので我々福井県警ではそういう事態が起きないように気を引き締めて行こうと思う」
宜しくお願いする、と告げた。
阪倉樹も金沢英雄も立ち上がると敬礼をして立ち去った。松山丈二は二人が立ち去ると息を吐き出し
「まさか、そんなことになっているとは」
と桐谷世羅を見た。
桐谷世羅は息を吐き出し
「これで動いてくれれば助かりますけどね」
と呟き
「バックアップの方宜しくお願いします」
と告げた。
松山丈二は敬礼をすると
「もちろんです」
と答えた。
阪倉樹は警務課のフロアに戻ると上司の警務部長である飯塚孝一に報告した。飯塚孝一は少し考えると
「そうか」
と答え
「いつも通りに処理をするように」
と告げた。
阪倉樹は白だ。日頃の報告や勤務状況を見て飯塚孝一は自信を持っていた。
だが。
だが。
恐らくこの報告に来た内容は先に話があった闇組織の浸食の一つに違いない。
だからこそ、通常通りにして阪倉樹の下に入り込んでいるその人間が動くようにするしかない。
飯塚孝一は息を吐き出すと
「見抜けなかった俺の落ち度だな」
と呟いた。
阪倉樹は戸惑いつつも警察学校の新人警察官の情報入力を担当していた警務課第一係長の干潟満也の元へ行き
「干潟、田中龍之介という新人警察官の住所と小学校の情報が間違っていたそうだ。至急調べて修正を掛けておいてくれ」
と告げた。
それに干潟満也は目を見開くと
「……田中、龍之介……ですか? 何故?」
と聞いた。
阪倉樹は手帳を見ながら
「いま、三日後の訓練のことで」
と言いかけて、干潟満也の携帯が震えるのに目を向けた。
「緊急か?」
干潟満也は携帯を置いたまま
「いえ、大丈夫です。田中龍之介ですね。わかりました、本人に確認を取り直して情報の修正を行います」
と答え
「申し訳ありませんでした」
と告げた。
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