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十七夜 その10
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由衣は福井県営体育館のメインアリーナの構内図と写真を印刷すると将と翼に差し出した。
「これよ、福井駅からバスで20分ほど」
将はそれを受け取り隣で新人警察官のリストと身上書を見ながら差分候補を選んでいる翼を一瞥して、体育館の構内図を見た。
バレーボールのコート4面分の広さに両サイドに観客用の席がある。新人警察官は全員で46名。その内、ゲームに参加させるのは9名と一組だけ10名と考えると十分座る余地がある。
「縦長の空間は気になるけど問題はないな」
将はそう呟き由衣に紙を渡すと
「明日、さっそく天童と見に行くから予約入れてくれる?」
と告げた。
「実地は今週の土曜日と設定してカメラとかテントの設置を考えて木曜日から三日間押さえられたら助かるけど」
由衣は手を動かしながら
「季節的にオフみたいね。空いてるわ」
押さえておくわね、とマウスをクリックした。
省吾は隣で
「じゃあ、俺は機材の手配をしておくから」
いつも通りでいいかな? と聞いた。
「テントを12に小型カメラ10で通常のカメラが4つ。あと電磁波測定器だよね」
それに将は構内図を見ながら
「いや、テントも10でいい」
と告げた。
「恐らくテントを二列に5つ並べる形でないと難しいと思う」
そう言って
「今回は本当の劇場型にしよう」
と告げた。
「その代わりカメラの映像を見るパソコンは放送室に置いて俺たちは放送室を利用する」
翼は二枚の身上書を置いて
「放送室を利用するのは悪くないが俺かお前のどちらかはコート側にいないと進行が不便だろ」
と顔を上げて告げた。
「きっといちいち放送室から出て回らないとだめだろうからな」
将は腕を組むと
「確かに」
と答えた。
翼は将を指さし
「進行役はお前で、俺は監視役に回る」
とニッと笑った。
将は肩を竦めると
「わかった」
と答えた。
それに省吾が
「じゃあ、マイクとイヤホンいる?」
と聞いた。
将はあっさり
「それはいらないかな」
と答えた。
翼が軽く指先を動かして
「これでやり取りする」
と手信号を見せた。
由衣は冷静に
「わかったわ。私たちも二手に分かれてそれぞれをフォローするわ」
と答えた。
「根津巡査は天童巡査について、私は東大路巡査部長をフォローするわ」
それに翼と省吾は敬礼した。
将は話が纏まると翼が置いた紙を見た。
「田中龍之介と三井一哉……この二人?」
翼は頷いて
「ああ」
と言うと立ち上がって省吾にその身上書を渡すと
「悪いが、この二人の経歴に書かれている全ての幼稚園からの学校と住所だな。本当に『存在』するか調べてくれ」
と告げた。
将と由衣は驚いて翼を見た。
「これよ、福井駅からバスで20分ほど」
将はそれを受け取り隣で新人警察官のリストと身上書を見ながら差分候補を選んでいる翼を一瞥して、体育館の構内図を見た。
バレーボールのコート4面分の広さに両サイドに観客用の席がある。新人警察官は全員で46名。その内、ゲームに参加させるのは9名と一組だけ10名と考えると十分座る余地がある。
「縦長の空間は気になるけど問題はないな」
将はそう呟き由衣に紙を渡すと
「明日、さっそく天童と見に行くから予約入れてくれる?」
と告げた。
「実地は今週の土曜日と設定してカメラとかテントの設置を考えて木曜日から三日間押さえられたら助かるけど」
由衣は手を動かしながら
「季節的にオフみたいね。空いてるわ」
押さえておくわね、とマウスをクリックした。
省吾は隣で
「じゃあ、俺は機材の手配をしておくから」
いつも通りでいいかな? と聞いた。
「テントを12に小型カメラ10で通常のカメラが4つ。あと電磁波測定器だよね」
それに将は構内図を見ながら
「いや、テントも10でいい」
と告げた。
「恐らくテントを二列に5つ並べる形でないと難しいと思う」
そう言って
「今回は本当の劇場型にしよう」
と告げた。
「その代わりカメラの映像を見るパソコンは放送室に置いて俺たちは放送室を利用する」
翼は二枚の身上書を置いて
「放送室を利用するのは悪くないが俺かお前のどちらかはコート側にいないと進行が不便だろ」
と顔を上げて告げた。
「きっといちいち放送室から出て回らないとだめだろうからな」
将は腕を組むと
「確かに」
と答えた。
翼は将を指さし
「進行役はお前で、俺は監視役に回る」
とニッと笑った。
将は肩を竦めると
「わかった」
と答えた。
それに省吾が
「じゃあ、マイクとイヤホンいる?」
と聞いた。
将はあっさり
「それはいらないかな」
と答えた。
翼が軽く指先を動かして
「これでやり取りする」
と手信号を見せた。
由衣は冷静に
「わかったわ。私たちも二手に分かれてそれぞれをフォローするわ」
と答えた。
「根津巡査は天童巡査について、私は東大路巡査部長をフォローするわ」
それに翼と省吾は敬礼した。
将は話が纏まると翼が置いた紙を見た。
「田中龍之介と三井一哉……この二人?」
翼は頷いて
「ああ」
と言うと立ち上がって省吾にその身上書を渡すと
「悪いが、この二人の経歴に書かれている全ての幼稚園からの学校と住所だな。本当に『存在』するか調べてくれ」
と告げた。
将と由衣は驚いて翼を見た。
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