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十六夜 その2
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5人が佐賀に向かったのはそれから2週間後であった。
桜の木々が淡い薄紅の花弁を広げ、柔らかな花の波を町のあちらこちらで描いている美しい季節であった。
九州の佐賀県でもそれは変わりなかったが将たちを迎えたのは佐賀県警の調書データと佐賀県警警察官データベースが改ざんされるという思わぬ事件であった。
佐賀県警本部はJR佐賀駅より20分ほど南に下った佐賀城跡内にある県庁と堀を挟んで斜め向かいにあり10階建ての大きな建物であった。
その入り口で5人を近くの駐在所に勤務する赤木勇気巡査が応対に出た。現在佐賀県警本部内は改ざん事件で大騒ぎとなっており近隣に勤務する彼を呼び寄せたのである。
赤木勇気は明るい笑顔で敬礼すると
「お待ちしておりました」
と言い、少し困ったように
「少しトラブルがあってゴタゴタしておりますが、県警本部長は皆さんをお待ちしております」
と告げて桐谷世羅を始め、将たちを中へと誘った。
将は彼の後に付いて一階の廊下を渡りながらカバンを担いで走っていく鑑識班の人々を見ながら
「トラブルって?」
と聞いた。
赤木勇気はエレベータの前に立つと
「俺は詳しく分かりませんが」
と答え、中に一緒に乗り込むと
「調書データと佐賀県警警察官データベースが改ざんされたとかいう話です」
と告げた。
桐谷世羅は腕を組むと
「改ざんか」
と呟いた。
「まあ改ざんってわかっている時点で問題ないか」
赤木勇気はチラリと桐谷世羅の顔を見ると僅かに口の端を上げた。それに関しては将ですらわからない程度のモノであった。
桜の木々が淡い薄紅の花弁を広げ、柔らかな花の波を町のあちらこちらで描いている美しい季節であった。
九州の佐賀県でもそれは変わりなかったが将たちを迎えたのは佐賀県警の調書データと佐賀県警警察官データベースが改ざんされるという思わぬ事件であった。
佐賀県警本部はJR佐賀駅より20分ほど南に下った佐賀城跡内にある県庁と堀を挟んで斜め向かいにあり10階建ての大きな建物であった。
その入り口で5人を近くの駐在所に勤務する赤木勇気巡査が応対に出た。現在佐賀県警本部内は改ざん事件で大騒ぎとなっており近隣に勤務する彼を呼び寄せたのである。
赤木勇気は明るい笑顔で敬礼すると
「お待ちしておりました」
と言い、少し困ったように
「少しトラブルがあってゴタゴタしておりますが、県警本部長は皆さんをお待ちしております」
と告げて桐谷世羅を始め、将たちを中へと誘った。
将は彼の後に付いて一階の廊下を渡りながらカバンを担いで走っていく鑑識班の人々を見ながら
「トラブルって?」
と聞いた。
赤木勇気はエレベータの前に立つと
「俺は詳しく分かりませんが」
と答え、中に一緒に乗り込むと
「調書データと佐賀県警警察官データベースが改ざんされたとかいう話です」
と告げた。
桐谷世羅は腕を組むと
「改ざんか」
と呟いた。
「まあ改ざんってわかっている時点で問題ないか」
赤木勇気はチラリと桐谷世羅の顔を見ると僅かに口の端を上げた。それに関しては将ですらわからない程度のモノであった。
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