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番外編 ミッション:インポ ッシブル1
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無人島。夏の合宿ツアー。
言葉の響きだけで、陽キャを感じさせるイベントだ。
そんなイベントには、縁がないものとばかり思っていた。
高2の、ある夏の日まで。
「無人島ツアー?」
「ええ。今度我が家で、クラスメイトの夏休み特別旅行を主催させていただくこととなりまして。参加無料ですし、からすまくんもぜひ、ご参加いただきたいのですが」
放課後、廊下で呼び止められ、そんな話を持ちかけられた。
美術部部員にして超美人なクラスメイト、真行寺楓 (しんぎょうじ かえで)から。
再来週から夏休みだ。
夏休みに入ると、運動部は部活動に忙しくなる。野球部だけじゃなく、いろんな運動部で大会や練習試合などのイベントが目白押しなのだ。
例に漏れず、我らがバスケットボール部もいくつかの合宿、練習試合、地元での市民戦などが控えていた。
「いや、俺、部活で無理だし」
「顧問の先生には、話が通っておりますので」
「・・・・・・まじ?」
マジだった。
俺は顧問の先生に呼び出され、夏休みからの一週間、部活には参加せず真行寺家が主催するイベントに参加してくるように、と言われた。
「でも先生、俺補欠ですけど、やっぱり試合には参加したいです」
「・・・・・・鴉間。これは俺にもどうしようもないことなんだ。校長の、いやもっと上からの指示でな。分かってくれ」
あの鬼顧問が、何かを恐れるように小声になり、俺に平謝りして頭を下げ、手を合わせて拝まれた。
どこかの祖父だの、砂像の顔を思い出す。
真行寺家は日本画などの芸術関係で強い発言力があり、特に現当主である真行寺の祖父は強引な人物だ、と聞いたことがある。実際、うちにやってきた時もそんな印象を強く受けた。
(おじいさま、お願いがあるのです。クラスのとある男子生徒を、どうしても無人島合宿ツアーに参加させたいのです。どうか、お力添えを)
そんな会話が爺と孫娘との間にあったかどうかは不明だが、とにかく俺は絶対に部活動には参加させてもらえず、真行寺の主催するイベントに参加することが否応なしに決定された。
「はは。楽しそうでいいじゃないか。俺も行きたかったなあ」
「わたしも。だって、プライベートジェットのチャーター便で沖縄でしょ?羨ましー」
「あーあ、いいなあ。わたしも行きたかった。からすまくんと・・・・・・」
運動部や、そちらを応援する立場である時生充 (ときお みつる)、乗宮あこ (のりみや あこ)、森下小春 (もりした こはる)らは全員不参加である。
ああ、さみしい。せっかく紆余曲折あって、こはると付き合うことができるようになったのに。
「で、うちのクラスでは、何人くらい参加するんだ?」
「ええと、からすまくんを入れて16名ですわ。それがジェット機の限界ですので」
渡された名簿には、見事に運動部以外の奴らばかりが載っていた。
正直、男子であまり仲のいい奴がいない。
おい誰だよ、そもそもみつる以外に男子が登場してないだろ友達いないんだろ、とか言った奴は。
作者の都合で野郎の登場人物が少なくなってるだけだし。ちゃんと友達いるし。
「わたしは参加するよ。よろしくね、からすまくん」
「ん、行く」
「わたしも。からすまくんも行くの?やった。嬉しいなあ。・・・・・・飛行機で隣の席、いい?」
委員長であり茶道部である雨屋小智子 (あめや さちこ)、図書委員の木津川千鶴 (きづがわ ちづる)、帰宅部の本織朱音 (もとおり あかね)も参加するらしい。
彼女らは、色々あって知らない仲ではない。
そんなこんなで、出発当日になった。
「当機はまもなく、羽田第一ターミナルより離陸致します。揺れることがありますので、皆様しっかりとシートベルトを・・・・・・」
機長さんの落ち着いた声が聞こえてくる。
ガルフストリーム、という仰々しい名前のジェット機は、最大19人乗り、と書いてあった。
よく見る超大型なジャンボ機と違い、見た目はさほど大きくない。しかしこれでも大型機に属しているようだ。
「はいみなさん、くじ引きをどうぞ」
乗り込む直前、真行寺が用意したくじを引いた。
俺が最後に引いたくじには、A-1、と記されていた。
「あら、からすまくん。偶然にもわたくしの隣、ですわね」
しれっとした顔でA-2、というくじを見せつつ、真行寺が言う。
「・・・・・・おまえ、手品師の才能もあったのか」
「いわれなき非難ですわ。ただの偶然でしょう?」
一番前の席、隣り合った二人掛けシートに座ると、雨屋がふーん、とメガネの奥から微笑んできた。
「なるほど、突然無人島合宿ツアー、などと言い出したのは、そういうことなんですね真行寺さん」
あー。
これは怒ってる時の雨屋だ。間違いない。
しかし、真行寺はカエルの面になんとやら、という表情だった。
「さあ雨屋さんも、ご着席下さいね。まもなく出発致しますわ」
離陸してしばらくすると、食事と飲み物が出た。
俺は隣席の真行寺と、お兄さんの話をした。
「あれから、ずいぶんとリハビリも進みまして。先週は家族で買い物にも出かけましたの。兄も、とても喜んでおられましたわ」
「良かったな」
「ええ。これもからすまくんのおかげです」
「いや、お前のおかげだろ」
本気でそう思う。
目覚めるきっかけは俺かもしれないが、そもそも自殺を図った兄を直後に救助し、無事病院まで運び込めたのは真行寺の機転と行動力に依るところが大きい。
中学1年生の女子が、首を吊った状態の高校生を見て、腰も抜かさずに包丁を取りに行き、椅子に昇ってロープを切断する、などという離れ業ができるものなのか。
そんなもん、日本で真行寺楓以外の誰にできるっていうんだ。
夢の中の一件もそうだ。兄の夢へと誘(いざな)ったのは俺だが、真っ暗な夢の中、意識がないとさえ思える闇の中で、兄の好きだった花火を打ち上げ、心を呼び覚ますと共に兄の意識を封じていた恐ろしい形相の砂像へと立ち向かい、見事撃破してみせた彼女の勇姿は、あれからずいぶん色々とあった今でもよく覚えている。
「あの時のお礼が、なかなかできておりませんでしたから」
「お礼なら、翌週の月曜日にしてもらったけどなあ。古文の時間に」
「あ、あれは!・・・・・・その」
絶対に眠らない、と宣言していた真行寺だったが、授業が始まると開始5分すら保たなかった。
彼女からもらったヘアゴムを使って、俺は彼女の夢の中に入り、たっぷりと楽しませてもらった。
いやあ、やっぱり真行寺の胸って凄かったなあ。
「あのような、ものは、その、お礼に、ふさわしく」
「そんなことはなかったぞ。いやあ、嬉しかったなあ。最後には真行寺のほうからフェラとかパイズリとかしてくれて、もう一生の思い出に____」
「そ!その話は内密に、と申し上げたはずです!あの日、あの時だけのこと、と」
「はは。悪かったよ」
ちょっとからかってみただけだ。
いや、それとも。
「・・・・・・おまえまさか、俺に礼をするってだけのために、わざわざこんな」
「いえ、それだけというわけではありません。今度、系列の子会社で無人島合宿ツアーを開催したい、という提案がありましたの。それで現地の視察を行う必要があったのですが、わたくし以外の家族はあいにく予定が詰まっていて、ひとりで行くのは少し寂しく思いましたので」
なるほどな。
彼女は真行寺家にとって、将来の跡継ぎである。視察とやらは彼女の親だか祖父だかが行うものを、真行寺に頼まれた、あるいは彼女から買って出た、というところか。
なら、このジェット機チャーター便も必要経費ってわけだな。1円も支払っていないことを申し訳なく思っていたが、ちょっと気持ちが晴れた。経費だと思えば、出されたこのオレンジジュースも美味しく感じるぞ。
「もちろん、からすまくんに楽しんでいただきたい、というのも本音です。わたくしには、このくらいしかできませんが」
「十分すぎるぜ」
チャーター機とか、いったいいくらするんだろう。
きっと一生乗れない、そんな気がする。
食事が下げられても、シートベルト着用サインがなかなか消えなかった。
とっとと他の野郎どもの席にでも移動してリラックスするか、と思ってたのに、真行寺の隣から離れられん。
まさか、彼女がパイロットに指示してシートベルト着用サインを消さないように、などということはないよな。だよな?
飛行時間は2時間40分、とあった。まあ仕方ない。真行寺に付き合うか。
「で、お兄さんとは、その、どうなんだ?」
以前、その話はしたことがある。
真行寺は、兄と添い遂げることを心に決めた、と話していた。
彼女の本心は知っている。
彼女は、他人の注目を集めたい、と心の中では求めているのだ。
自分を美しいと知り、視線を浴びることを喜ぶ。そう言ってしまうと女王様的なアブなさを感じるが、女子ってそういう気持ちは誰しも持っているものだろう。いや、男だってそうだ。
しかし、真行寺は兄、ただひとりを選んだ。
一生を兄に捧げる、と。
「その気持ちに変わりはありません。わたくしはいずれ婿を取る身、家のために婚姻もして、家のために子も成すことは承知しております。・・・・・・でも、気持ちはずっと、兄をお慕いし続けるつもりです」
「相手も大変だなあ」
「愛情のこもらぬ結婚や家庭の意味は、母を見るとよく分かります。わたくしや兄を産んでくださったことには、感謝しておりますが」
「高貴な身ってのは、ままならんもんだな」
「生まれた時から承知の上です。・・・・・・ただ」
真行寺はそこまで言って、言い淀んだ。
「・・・・・・からすまくん」
「ん」
「ここから先は、少し言葉にしづらいのです。その・・・・・・宜しければ、あなたの力をお借りしても?」
え?
ああ、そうか。夢で話したい、ってことね。
俺はイヤホンを取り出したが、真行寺はいえ、と手で制した。
「今なら自然と眠りにつけそうです。からすまくんはどうですか?」
「うん、まあ、ちょっと眠いかな」
今朝も朝早かったし、昨日の夜は、ちょっと興奮して寝付けなかったし。
俺がリラックスして座席をフラットにし、目を閉じると、そっと真行寺が手を触れ合わせてきた。
恋人繋ぎのように、指と指が絡まる。
左の肩に、重みを感じた。
ほんのりと、彼女の髪の香りが漂う。
眠りを誘う、ラベンダーの香り。
振動する飛行機の中で、俺は眠りについた。
「・・・・・・真行寺?」
「からすまくん。お待たせしてしまいましたか?」
「いや、俺もいま来たとこ、というか寝たとこ」
どうぞ、と勧められた椅子。
真行寺はやっぱり和服だった。相変わらずよく似合う。
だが、周囲の光景は洋風だった。薔薇の咲き誇る中庭、という雰囲気だ。緑色の芝生が絨毯のように美しく、赤と白の薔薇のコントラストが美しい。人の気配も騒々しさもなく、鳥のさえずり以外に何も聞こえない。
そんな美しいローズガーデンに置かれた白の円形テーブルには、スコーンやらケーキやらが大量に載ったアフタヌーンセットがあった。
真行寺が紅茶を淹れてくれる。
「どうぞ」
「さんきゅ。・・・・・・緑茶とかじゃ、ないんだな」
「和風も良いですけれど、わたくしは紅茶やケーキが好きなので。お口に合いますか?」
「ん、美味しい」
本当は紅茶の味なんて分からん。
これが超高級なものでも、黄色いパックに入っているものでも、たぶん俺には同じだ。
でも香りは良かった。ずずず、と啜る。
「兄のこと、なのですが」
真行寺が話し始めた。
「うん」
「陰萎、と呼ばれる状態、なのだそうです」
言葉の響きで、だいたい察する。
長年意識が回復せず、寝たきりだった誠氏は、男性機能が低下しているのだろう。インポってやつだ。
「・・・・・・先日、先生から外泊の許可をいただいて、兄は久しぶりに実家へ泊まることができました。まだ入浴などに他者の介助が必要な状態ではありますが、とても久しぶりに自分のベッドでお休みになって、兄はたいへん喜んでおりました」
そこからの話は、聞くのも少しつらかった。
真行寺は、いやこれは分かりにくいな。楓、と呼ばせてもらうか。
楓は誠氏と共に、ベッドに横になった。誠氏も、彼女を抱きしめた。ずっと望んでいた、愛する妹を。
楓も、既に心は決めていた。兄に求められれば応じるつもりだった。
この日にどうしても「初夜」を迎えたかったわけではなかったが、兄が望むなら、と外泊が決まったときから、女としての覚悟は決めていたのだ。
しかし、性行為に用いるべき陰茎は、その夜、機能を果たし得なかった。
兄も努力し、楓も懸命に努力した。しかし並の高校生以上には性知識もある楓だったが、ぴくりともしないペニスを勃起させる手段、というのは多く持ち合わせていなかった。
「あの日、あの古文の授業中にあなたにさせられたことを、兄にもしてみたのです。からすまくん」
「おっぱいに挟む、てやつだな」
「あ、あなたは!その、む、胸で、だけでなく、その、わたくしに、手や舌や唇でその、あなたを奉仕するように、と」
「そんなこともあろうかと、あらかじめおまえを教育しといてやったんだよ」
「ぬけぬけと、よくもそのような・・・・・・まあ、全く知識がない状態よりは良かったのかもしれません。わたくしは、あなたと過ごした時間と経験を思い出し、なんとか兄を、と努力致しました。しかし、兄はあなたのように固く張り詰めることなく、やがてぐったりと疲れ果て、ひとりで休みたい、と言いました。とてもおつらそうで・・・・・・わたしも、つらい気持ちで自室へと戻りました」
想像してみる。
俺がこはるとベッドに入り、いざ、となった時に動かなかったら。
いざ波動エンジンが始動しなかったら。艦長!動きません。
たぶん焦る。んで必死になって、緊張してもっと動かなくなる。彼女の前で、手でしごくとかエロ動画観るとかはできないだろうし。
こはるとそんなふうにならなくてよかった。今さらながらに、股間のマイサンに感謝を捧げておく。おまえはよくやってる。偉いぞ。
楓は相当につらかったのだろう。翌朝笑顔で兄を病院へと見送ったが、その後は自分の無力さに、ベッドで倒れ伏していたらしい。
「兄は最後に、こんなつらい気持ちになるなら、目覚めねばよかったのかも、と」
「・・・・・・」
「わたくしに、女としての魅力が足りないのでしょうか・・・・・・」
「んなこたねー」
真行寺楓で勃起しなかったら、たぶん日本中で、いや世界中で相当な割合の女性が戦力外通告を受けることになってしまう。
「その時に、ふとからすまくんの顔が思い浮かびました。思ったのです。からすまくんは、もし現実でわたくしとそのような行為に及んだ場合、最後まで愛を交わすことが可能だと思いますか?兄とは違って?」
「ひゃくぱーできると思う」
もし、今ここで目が覚めて。
楓が隣で眠っていて、他の同級生たちも完全に寝入っていて。
薄目を開けた楓が、抱いて、下さいますか?とか笑顔で言ってきたら。
森下さんには内緒にしますから、どうか、とか恥じらいつつ囁いてきたら。
数秒後には合体しているだろうこと請け合いである。
「間違いなく楓の処女膜をぶち抜くわ。絶対の自信がある」
「そのような直接的な表現は、少し恥ずかしいのですけれど」
楓が顔を赤らめた。
「では、どのようにすれば、兄をからすまくんのようにできると思いますか?男性として」
「んー、そうだなあ」
勃起不全になった経験はない。そんなこと、今まで思ったこともなかった。
だけど、楓にとっては深刻な事態だ。誠氏にとっても。
この状態が続けば、ふたりはいずれ、顔を合わせることすら苦痛となるだろう。
楓は、祈るような顔で俺をまじまじと眺めている。
まるで、俺が最後の宇宙の騎士であるかのように。
助けて下さい、カラ・スマ・ケノービ。あなただけが頼りです。
「・・・・・・確実なことは、言えないけど」
「どんな助言でも、嬉しく思います」
「そのさ、楓がもっと、セックスに慣れる、てのはどうかな」
俺は、真行寺楓と夢の中で2回、セックスをした。
1回目は巨大なお城、その大広間の裸婦モデルをしている彼女に。2回目は、兄を救出後の古文の時間に。
どちらも素晴らしい思い出だが、真行寺はただされるがままだった、という気がする。
「もっと性知識を増やして、どんな男でも勃起させてみせる、てな自信をつけてみればいいんじゃないかな。あるいは、俺がこのあいださせたようなことを、もっと上手にできるようにさ」
「そのような、ふしだらな_____いえ、そうですね。このように思う心が良くないのでしょう。わたくしはどこか、男女の契りは男性に任せ、女性はただ受け入れてさえいれば良い、感情など出してはいけない、そのように思っていました。違うのですね」
「ああ、違う。お前はもっと貪欲になれ。肉食獣になれ。誠さんを、自分から喰らい尽くす気持ちでな」
「しかし、そのようなこと、一朝一夕で身につくものでしょうか。房中術、というのでしょうか、それはなかなか、知識としては覚えられても、実際の経験を積むことは難しいように思えます」
「そうだなあ」
実践、とか言っても、楓はそもそも兄に処女を捧げたいがために苦労し、苦悩しているのだ。
もし俺が、うへへへ真行寺、俺の正義の性技をお前に叩き込んでやるぜ、などと言ったら、彼女は拒絶するだろう。
ここはやはり、夢の中で教え込むか。
いや、そもそも俺はそんなに性知識が豊富ではない。一般的男子高校生よりは豊富だろうが、楓に指導できるほどもの凄くテクニシャンなわけではない。せいぜいフェラのやり方とか、手コキの作法を教える程度だ。しかもそれは一般的知識ではなく、ただ俺が感じる場所を教え込むだけ。誠氏に通用するかどうか。
それに、ここでやってもあんまり意味はなさそうだ。俺っていつもギンギンパワーだし。勃たないのを勃てるってことだから、俺じゃ練習にはならんな。
んー。これは俺一人じゃ、手に負えないぞ。
しかし、真行寺を見捨てるつもりはない。いいぜ、やってやろう。この、ミッション:インポ ッシブルを。
言葉の響きだけで、陽キャを感じさせるイベントだ。
そんなイベントには、縁がないものとばかり思っていた。
高2の、ある夏の日まで。
「無人島ツアー?」
「ええ。今度我が家で、クラスメイトの夏休み特別旅行を主催させていただくこととなりまして。参加無料ですし、からすまくんもぜひ、ご参加いただきたいのですが」
放課後、廊下で呼び止められ、そんな話を持ちかけられた。
美術部部員にして超美人なクラスメイト、真行寺楓 (しんぎょうじ かえで)から。
再来週から夏休みだ。
夏休みに入ると、運動部は部活動に忙しくなる。野球部だけじゃなく、いろんな運動部で大会や練習試合などのイベントが目白押しなのだ。
例に漏れず、我らがバスケットボール部もいくつかの合宿、練習試合、地元での市民戦などが控えていた。
「いや、俺、部活で無理だし」
「顧問の先生には、話が通っておりますので」
「・・・・・・まじ?」
マジだった。
俺は顧問の先生に呼び出され、夏休みからの一週間、部活には参加せず真行寺家が主催するイベントに参加してくるように、と言われた。
「でも先生、俺補欠ですけど、やっぱり試合には参加したいです」
「・・・・・・鴉間。これは俺にもどうしようもないことなんだ。校長の、いやもっと上からの指示でな。分かってくれ」
あの鬼顧問が、何かを恐れるように小声になり、俺に平謝りして頭を下げ、手を合わせて拝まれた。
どこかの祖父だの、砂像の顔を思い出す。
真行寺家は日本画などの芸術関係で強い発言力があり、特に現当主である真行寺の祖父は強引な人物だ、と聞いたことがある。実際、うちにやってきた時もそんな印象を強く受けた。
(おじいさま、お願いがあるのです。クラスのとある男子生徒を、どうしても無人島合宿ツアーに参加させたいのです。どうか、お力添えを)
そんな会話が爺と孫娘との間にあったかどうかは不明だが、とにかく俺は絶対に部活動には参加させてもらえず、真行寺の主催するイベントに参加することが否応なしに決定された。
「はは。楽しそうでいいじゃないか。俺も行きたかったなあ」
「わたしも。だって、プライベートジェットのチャーター便で沖縄でしょ?羨ましー」
「あーあ、いいなあ。わたしも行きたかった。からすまくんと・・・・・・」
運動部や、そちらを応援する立場である時生充 (ときお みつる)、乗宮あこ (のりみや あこ)、森下小春 (もりした こはる)らは全員不参加である。
ああ、さみしい。せっかく紆余曲折あって、こはると付き合うことができるようになったのに。
「で、うちのクラスでは、何人くらい参加するんだ?」
「ええと、からすまくんを入れて16名ですわ。それがジェット機の限界ですので」
渡された名簿には、見事に運動部以外の奴らばかりが載っていた。
正直、男子であまり仲のいい奴がいない。
おい誰だよ、そもそもみつる以外に男子が登場してないだろ友達いないんだろ、とか言った奴は。
作者の都合で野郎の登場人物が少なくなってるだけだし。ちゃんと友達いるし。
「わたしは参加するよ。よろしくね、からすまくん」
「ん、行く」
「わたしも。からすまくんも行くの?やった。嬉しいなあ。・・・・・・飛行機で隣の席、いい?」
委員長であり茶道部である雨屋小智子 (あめや さちこ)、図書委員の木津川千鶴 (きづがわ ちづる)、帰宅部の本織朱音 (もとおり あかね)も参加するらしい。
彼女らは、色々あって知らない仲ではない。
そんなこんなで、出発当日になった。
「当機はまもなく、羽田第一ターミナルより離陸致します。揺れることがありますので、皆様しっかりとシートベルトを・・・・・・」
機長さんの落ち着いた声が聞こえてくる。
ガルフストリーム、という仰々しい名前のジェット機は、最大19人乗り、と書いてあった。
よく見る超大型なジャンボ機と違い、見た目はさほど大きくない。しかしこれでも大型機に属しているようだ。
「はいみなさん、くじ引きをどうぞ」
乗り込む直前、真行寺が用意したくじを引いた。
俺が最後に引いたくじには、A-1、と記されていた。
「あら、からすまくん。偶然にもわたくしの隣、ですわね」
しれっとした顔でA-2、というくじを見せつつ、真行寺が言う。
「・・・・・・おまえ、手品師の才能もあったのか」
「いわれなき非難ですわ。ただの偶然でしょう?」
一番前の席、隣り合った二人掛けシートに座ると、雨屋がふーん、とメガネの奥から微笑んできた。
「なるほど、突然無人島合宿ツアー、などと言い出したのは、そういうことなんですね真行寺さん」
あー。
これは怒ってる時の雨屋だ。間違いない。
しかし、真行寺はカエルの面になんとやら、という表情だった。
「さあ雨屋さんも、ご着席下さいね。まもなく出発致しますわ」
離陸してしばらくすると、食事と飲み物が出た。
俺は隣席の真行寺と、お兄さんの話をした。
「あれから、ずいぶんとリハビリも進みまして。先週は家族で買い物にも出かけましたの。兄も、とても喜んでおられましたわ」
「良かったな」
「ええ。これもからすまくんのおかげです」
「いや、お前のおかげだろ」
本気でそう思う。
目覚めるきっかけは俺かもしれないが、そもそも自殺を図った兄を直後に救助し、無事病院まで運び込めたのは真行寺の機転と行動力に依るところが大きい。
中学1年生の女子が、首を吊った状態の高校生を見て、腰も抜かさずに包丁を取りに行き、椅子に昇ってロープを切断する、などという離れ業ができるものなのか。
そんなもん、日本で真行寺楓以外の誰にできるっていうんだ。
夢の中の一件もそうだ。兄の夢へと誘(いざな)ったのは俺だが、真っ暗な夢の中、意識がないとさえ思える闇の中で、兄の好きだった花火を打ち上げ、心を呼び覚ますと共に兄の意識を封じていた恐ろしい形相の砂像へと立ち向かい、見事撃破してみせた彼女の勇姿は、あれからずいぶん色々とあった今でもよく覚えている。
「あの時のお礼が、なかなかできておりませんでしたから」
「お礼なら、翌週の月曜日にしてもらったけどなあ。古文の時間に」
「あ、あれは!・・・・・・その」
絶対に眠らない、と宣言していた真行寺だったが、授業が始まると開始5分すら保たなかった。
彼女からもらったヘアゴムを使って、俺は彼女の夢の中に入り、たっぷりと楽しませてもらった。
いやあ、やっぱり真行寺の胸って凄かったなあ。
「あのような、ものは、その、お礼に、ふさわしく」
「そんなことはなかったぞ。いやあ、嬉しかったなあ。最後には真行寺のほうからフェラとかパイズリとかしてくれて、もう一生の思い出に____」
「そ!その話は内密に、と申し上げたはずです!あの日、あの時だけのこと、と」
「はは。悪かったよ」
ちょっとからかってみただけだ。
いや、それとも。
「・・・・・・おまえまさか、俺に礼をするってだけのために、わざわざこんな」
「いえ、それだけというわけではありません。今度、系列の子会社で無人島合宿ツアーを開催したい、という提案がありましたの。それで現地の視察を行う必要があったのですが、わたくし以外の家族はあいにく予定が詰まっていて、ひとりで行くのは少し寂しく思いましたので」
なるほどな。
彼女は真行寺家にとって、将来の跡継ぎである。視察とやらは彼女の親だか祖父だかが行うものを、真行寺に頼まれた、あるいは彼女から買って出た、というところか。
なら、このジェット機チャーター便も必要経費ってわけだな。1円も支払っていないことを申し訳なく思っていたが、ちょっと気持ちが晴れた。経費だと思えば、出されたこのオレンジジュースも美味しく感じるぞ。
「もちろん、からすまくんに楽しんでいただきたい、というのも本音です。わたくしには、このくらいしかできませんが」
「十分すぎるぜ」
チャーター機とか、いったいいくらするんだろう。
きっと一生乗れない、そんな気がする。
食事が下げられても、シートベルト着用サインがなかなか消えなかった。
とっとと他の野郎どもの席にでも移動してリラックスするか、と思ってたのに、真行寺の隣から離れられん。
まさか、彼女がパイロットに指示してシートベルト着用サインを消さないように、などということはないよな。だよな?
飛行時間は2時間40分、とあった。まあ仕方ない。真行寺に付き合うか。
「で、お兄さんとは、その、どうなんだ?」
以前、その話はしたことがある。
真行寺は、兄と添い遂げることを心に決めた、と話していた。
彼女の本心は知っている。
彼女は、他人の注目を集めたい、と心の中では求めているのだ。
自分を美しいと知り、視線を浴びることを喜ぶ。そう言ってしまうと女王様的なアブなさを感じるが、女子ってそういう気持ちは誰しも持っているものだろう。いや、男だってそうだ。
しかし、真行寺は兄、ただひとりを選んだ。
一生を兄に捧げる、と。
「その気持ちに変わりはありません。わたくしはいずれ婿を取る身、家のために婚姻もして、家のために子も成すことは承知しております。・・・・・・でも、気持ちはずっと、兄をお慕いし続けるつもりです」
「相手も大変だなあ」
「愛情のこもらぬ結婚や家庭の意味は、母を見るとよく分かります。わたくしや兄を産んでくださったことには、感謝しておりますが」
「高貴な身ってのは、ままならんもんだな」
「生まれた時から承知の上です。・・・・・・ただ」
真行寺はそこまで言って、言い淀んだ。
「・・・・・・からすまくん」
「ん」
「ここから先は、少し言葉にしづらいのです。その・・・・・・宜しければ、あなたの力をお借りしても?」
え?
ああ、そうか。夢で話したい、ってことね。
俺はイヤホンを取り出したが、真行寺はいえ、と手で制した。
「今なら自然と眠りにつけそうです。からすまくんはどうですか?」
「うん、まあ、ちょっと眠いかな」
今朝も朝早かったし、昨日の夜は、ちょっと興奮して寝付けなかったし。
俺がリラックスして座席をフラットにし、目を閉じると、そっと真行寺が手を触れ合わせてきた。
恋人繋ぎのように、指と指が絡まる。
左の肩に、重みを感じた。
ほんのりと、彼女の髪の香りが漂う。
眠りを誘う、ラベンダーの香り。
振動する飛行機の中で、俺は眠りについた。
「・・・・・・真行寺?」
「からすまくん。お待たせしてしまいましたか?」
「いや、俺もいま来たとこ、というか寝たとこ」
どうぞ、と勧められた椅子。
真行寺はやっぱり和服だった。相変わらずよく似合う。
だが、周囲の光景は洋風だった。薔薇の咲き誇る中庭、という雰囲気だ。緑色の芝生が絨毯のように美しく、赤と白の薔薇のコントラストが美しい。人の気配も騒々しさもなく、鳥のさえずり以外に何も聞こえない。
そんな美しいローズガーデンに置かれた白の円形テーブルには、スコーンやらケーキやらが大量に載ったアフタヌーンセットがあった。
真行寺が紅茶を淹れてくれる。
「どうぞ」
「さんきゅ。・・・・・・緑茶とかじゃ、ないんだな」
「和風も良いですけれど、わたくしは紅茶やケーキが好きなので。お口に合いますか?」
「ん、美味しい」
本当は紅茶の味なんて分からん。
これが超高級なものでも、黄色いパックに入っているものでも、たぶん俺には同じだ。
でも香りは良かった。ずずず、と啜る。
「兄のこと、なのですが」
真行寺が話し始めた。
「うん」
「陰萎、と呼ばれる状態、なのだそうです」
言葉の響きで、だいたい察する。
長年意識が回復せず、寝たきりだった誠氏は、男性機能が低下しているのだろう。インポってやつだ。
「・・・・・・先日、先生から外泊の許可をいただいて、兄は久しぶりに実家へ泊まることができました。まだ入浴などに他者の介助が必要な状態ではありますが、とても久しぶりに自分のベッドでお休みになって、兄はたいへん喜んでおりました」
そこからの話は、聞くのも少しつらかった。
真行寺は、いやこれは分かりにくいな。楓、と呼ばせてもらうか。
楓は誠氏と共に、ベッドに横になった。誠氏も、彼女を抱きしめた。ずっと望んでいた、愛する妹を。
楓も、既に心は決めていた。兄に求められれば応じるつもりだった。
この日にどうしても「初夜」を迎えたかったわけではなかったが、兄が望むなら、と外泊が決まったときから、女としての覚悟は決めていたのだ。
しかし、性行為に用いるべき陰茎は、その夜、機能を果たし得なかった。
兄も努力し、楓も懸命に努力した。しかし並の高校生以上には性知識もある楓だったが、ぴくりともしないペニスを勃起させる手段、というのは多く持ち合わせていなかった。
「あの日、あの古文の授業中にあなたにさせられたことを、兄にもしてみたのです。からすまくん」
「おっぱいに挟む、てやつだな」
「あ、あなたは!その、む、胸で、だけでなく、その、わたくしに、手や舌や唇でその、あなたを奉仕するように、と」
「そんなこともあろうかと、あらかじめおまえを教育しといてやったんだよ」
「ぬけぬけと、よくもそのような・・・・・・まあ、全く知識がない状態よりは良かったのかもしれません。わたくしは、あなたと過ごした時間と経験を思い出し、なんとか兄を、と努力致しました。しかし、兄はあなたのように固く張り詰めることなく、やがてぐったりと疲れ果て、ひとりで休みたい、と言いました。とてもおつらそうで・・・・・・わたしも、つらい気持ちで自室へと戻りました」
想像してみる。
俺がこはるとベッドに入り、いざ、となった時に動かなかったら。
いざ波動エンジンが始動しなかったら。艦長!動きません。
たぶん焦る。んで必死になって、緊張してもっと動かなくなる。彼女の前で、手でしごくとかエロ動画観るとかはできないだろうし。
こはるとそんなふうにならなくてよかった。今さらながらに、股間のマイサンに感謝を捧げておく。おまえはよくやってる。偉いぞ。
楓は相当につらかったのだろう。翌朝笑顔で兄を病院へと見送ったが、その後は自分の無力さに、ベッドで倒れ伏していたらしい。
「兄は最後に、こんなつらい気持ちになるなら、目覚めねばよかったのかも、と」
「・・・・・・」
「わたくしに、女としての魅力が足りないのでしょうか・・・・・・」
「んなこたねー」
真行寺楓で勃起しなかったら、たぶん日本中で、いや世界中で相当な割合の女性が戦力外通告を受けることになってしまう。
「その時に、ふとからすまくんの顔が思い浮かびました。思ったのです。からすまくんは、もし現実でわたくしとそのような行為に及んだ場合、最後まで愛を交わすことが可能だと思いますか?兄とは違って?」
「ひゃくぱーできると思う」
もし、今ここで目が覚めて。
楓が隣で眠っていて、他の同級生たちも完全に寝入っていて。
薄目を開けた楓が、抱いて、下さいますか?とか笑顔で言ってきたら。
森下さんには内緒にしますから、どうか、とか恥じらいつつ囁いてきたら。
数秒後には合体しているだろうこと請け合いである。
「間違いなく楓の処女膜をぶち抜くわ。絶対の自信がある」
「そのような直接的な表現は、少し恥ずかしいのですけれど」
楓が顔を赤らめた。
「では、どのようにすれば、兄をからすまくんのようにできると思いますか?男性として」
「んー、そうだなあ」
勃起不全になった経験はない。そんなこと、今まで思ったこともなかった。
だけど、楓にとっては深刻な事態だ。誠氏にとっても。
この状態が続けば、ふたりはいずれ、顔を合わせることすら苦痛となるだろう。
楓は、祈るような顔で俺をまじまじと眺めている。
まるで、俺が最後の宇宙の騎士であるかのように。
助けて下さい、カラ・スマ・ケノービ。あなただけが頼りです。
「・・・・・・確実なことは、言えないけど」
「どんな助言でも、嬉しく思います」
「そのさ、楓がもっと、セックスに慣れる、てのはどうかな」
俺は、真行寺楓と夢の中で2回、セックスをした。
1回目は巨大なお城、その大広間の裸婦モデルをしている彼女に。2回目は、兄を救出後の古文の時間に。
どちらも素晴らしい思い出だが、真行寺はただされるがままだった、という気がする。
「もっと性知識を増やして、どんな男でも勃起させてみせる、てな自信をつけてみればいいんじゃないかな。あるいは、俺がこのあいださせたようなことを、もっと上手にできるようにさ」
「そのような、ふしだらな_____いえ、そうですね。このように思う心が良くないのでしょう。わたくしはどこか、男女の契りは男性に任せ、女性はただ受け入れてさえいれば良い、感情など出してはいけない、そのように思っていました。違うのですね」
「ああ、違う。お前はもっと貪欲になれ。肉食獣になれ。誠さんを、自分から喰らい尽くす気持ちでな」
「しかし、そのようなこと、一朝一夕で身につくものでしょうか。房中術、というのでしょうか、それはなかなか、知識としては覚えられても、実際の経験を積むことは難しいように思えます」
「そうだなあ」
実践、とか言っても、楓はそもそも兄に処女を捧げたいがために苦労し、苦悩しているのだ。
もし俺が、うへへへ真行寺、俺の正義の性技をお前に叩き込んでやるぜ、などと言ったら、彼女は拒絶するだろう。
ここはやはり、夢の中で教え込むか。
いや、そもそも俺はそんなに性知識が豊富ではない。一般的男子高校生よりは豊富だろうが、楓に指導できるほどもの凄くテクニシャンなわけではない。せいぜいフェラのやり方とか、手コキの作法を教える程度だ。しかもそれは一般的知識ではなく、ただ俺が感じる場所を教え込むだけ。誠氏に通用するかどうか。
それに、ここでやってもあんまり意味はなさそうだ。俺っていつもギンギンパワーだし。勃たないのを勃てるってことだから、俺じゃ練習にはならんな。
んー。これは俺一人じゃ、手に負えないぞ。
しかし、真行寺を見捨てるつもりはない。いいぜ、やってやろう。この、ミッション:インポ ッシブルを。
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