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マスオ、エルフを討つ2

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コ=レドの魔剣の能力も発揮されないのか、何合か打ち合っても相手はひるみすらしなかった。

(敵の魔剣の威力を殺す魔剣、というところか。さすが、エルフの魔法の武器だな)

マスオは危機感を強めた。この剣の威力と冴え、昨夜の襲撃や、今までに相手してきたエルフとは次元が違う。
このままでは負ける、そう思った。

刹那、鋭い風切音が聞こえた。

「ぐ・・・・・・ふっ」

マスオの腹部を、エルフの剣が貫いていた。
マスオの口から、大量の血液が噴き出す。

「どうだ魔物め。・・・・・・な、なっ!?」

一瞬の油断。
刺されたまま背後へと跳躍したマスオが、腹部に突き刺さった剣を引き抜き、空中へと放り投げ、無傷のワーベアへと変身する。
キャッチした敵の剣を構えると、ニヤリ、と笑った。

「さあ、剣無しで戦えるかな?」
「くっ」

即座に逃げようとしたのは、悪い判断ではなかった。
だがマスオに見逃す道理はなかった。一気に距離を詰め、背後からバッサリと斬り捨てる。

「ぐ・・・・・・あ・・・・・・」

上半身を半ば切断され、屈強なエルフは息絶えた。

(ここを守っていたのか?この先に、何が)

先に進んだマスオの目に、森の中に作られた小さな広場と、こぢんまりだが荘厳な雰囲気のある、白亜の教会らしき建物が見えた。
そこには正装に身を包んだ数人の参列者が不安げな顔で、そして一対の夫婦が、婚礼衣装で佇んでいた。

(結婚式の最中だったのか)

新郎が、不安げな新婦を励ますように微笑みかけた。

「大丈夫だファティナ。アーメダが、君の兄様がいれば恐れることはない。必ずや、侵入者など退治して下さるだろう」
「ええ、兄様なら決して負けはしません」
「アーメダ、というのは、この剣の持ち主か?」

マスオがのっそりと広場へ入っていくと、参列者全員が驚いて振り向いた。

「な、き、貴様」
「アーメダの剣、まさか」
「結構強かったな。・・・・・・だが俺の敵じゃない」
「花嫁を、花婿を守れ!」

マスオが言い終える前に、参列していたエルフたちが剣を抜き、飛びかかってきた。
だが、鎧も付けぬ礼服姿に儀式用の剣では、マスオにとって敵にすらならなかった。1分と保たず、10人そこらの参列者たちは血まみれとなって倒れた。
誰も魔法を使わなかったのは、ここが神聖な礼拝堂であるからか。あるいは花嫁を傷つけることを恐れたか。
弓を手にしていればまた違ったものを。マスオはそう思った。

残ったのは2人。
花婿が、花嫁を背中に庇った。

「ファ、ファティナは、俺が護る_____」
「無理だな」

猛ダッシュしたマスオが拳をみぞおちへ打ち込むと、あっけなく白目を剥いて倒れた。

「あ、あなたは、何者ですか」

身にまとった衣装よりも、真っ白な顔をして怯える花嫁。
美しいウェディングドレスが、小刻みに震えていた。

「さあな」

何者なんだろうな。マスオは自問した。
今はただのワーベアだ。

ファティナ、と呼ばれた花嫁は怯えながらもゆっくりと後ずさり、足元に落ちていた短剣を拾い上げた。

「に、兄様の仇。・・・・・・やああっ!」
「無駄だ」

意外にも鋭いひと突きに一瞬ひやりとしたが、マスオに傷を負わせるほどの腕ではなかった。
手首をひねり上げ、落とした剣を遠くへと蹴飛ばす。

「くっ・・・・・・こ、殺しなさい」
「ああ。そうしてやろう。・・・・・・だが、楽しんでからな」

ニヤリとマスオが笑うと、くっころ花嫁は真っ青な顔色になった。
さて、こいつは人質として使えるだろうか。高貴な身分に見えるし、見た目も麗しい。
しかし、連れて帰るのも手間だ。途中で逃げられるかもしれないし、かえって人質を奪還すべく、エルフたちが兵を送り付けてくるかもしれなかった。GPSではないが、何かを探知されれば面倒だ。
それに、周辺ではまだ喧騒が響き渡っている。里を襲った下手人を捜索する声も多い。あまり時間をかけるのも望ましくないだろう。
面倒だし、やっぱり殺すか。

「き、貴様・・・・・・ファティナを、放せっ・・・・・・」
「ほう、まだ息があったか」

花婿が殴られた腹部を押さえながらも、マスオとその手の中の花嫁に向かって腕を伸ばした。
ガッ、とその頭を踏みつけにしてやった。

「ひとつ尋ねる。ダークエルフの集落を襲撃させたのは誰だ?」
「・・・・・・薄汚い下等生物に、答える必要などない」
「ほう」

睨みつける瞳の色に、マスオは不快感を覚えた。
へえ、そういう態度を取るんだな。
俺を見下す奴らがどういう目に遭うか、思い知らせてやろう。
マスオは花嫁の衣装に手をかけると、大きく開いた胸の前面を力任せに引き裂いた。

「き、きゃあああああああっ!?」

下着ごと破り裂かれ、花嫁が悲鳴を上げた。
無垢な胸元が外気に露となる。
マスオの手から逃れようと身をよじるが、万力で締め付けられたような力に振りほどくこともできない。
頭を踏みつけにされたままの花婿も目を怒らせていた。

「な、貴様、高貴なるファティナに、なんということを」
「もっと面白いものを見せてやるぜ?冥土の土産にな」
「や、やめろっ」

ビリビリ。
マスオはさらにウェディングドレスを引き裂くと、純白のガーターベルトをまくりあげ、ショーツをずり下ろした。
何をされるかが分かって、花嫁はますます必死になってもがいた。

「いやっ。やめて、それだけはっ」

涙ながらに懇願するのを、マスオはニヤリ、と見下ろした。

「さあ、その薄汚い下等生物の子を宿すってのはどうかな?新婚の妻へのプレゼントだ。・・・・・・そうだ、どうせならゴブリンの子を孕ませてやろう」

マスオはホブゴブリンへと変身した。
それを知った花嫁の、花婿の顔が海よりも深く青ざめた。

「や、やめろっ、貴様っ、分かった、話す、知ってることは何でも話すからその手を離せ______」
(もう遅い)

ずちゅ。
ホブゴブリン形態の肉太い陰茎が、花嫁の陰部へと突き刺さった。

「い、いやああああああああっ!」

ずちゅ。ずちゅ。ずちゅ。
立ったまま背後から何度も貫かれ、花嫁が痛みと苦痛に泣き叫ぶ。

「ウォッ、ホオオオオッ」
「や、やめろっ、やめろおおおっ!」
「いやっ、やめてっ!やめてえええええっ!」

ああ、なんて心地よい感覚だろう。マスオは股間の感触と、ふたりの悲鳴に酔いしれた。
俺を見下すクソ野郎共には、このくらい思い知らせてやらないとな。

エルフの里の騒ぎが収まってきた気配がした。
さあ、潮時だ。あまり楽しんでいると、ここが包囲されかねん。

「フォオオオオオオオ・・・・・・」

マスオの快楽の声と、抱き寄せられた細い腰に、花嫁が一段と目を見開いた。
なんとか最後の瞬間だけは逃れようと、涙ながらに訴えた。

「だめ!やめて、お願い、それは、それだけは、しないで」
「フォ・・・・・・オオ・・・・・・オオオン・・・・・・」
「やめて、中には、中には出さないで!お願い!」
「フォッ・・・・・・オン・・・・・・オオン・・・・・フウアッ!」

びゅるるるるるうううううううっ!

派手に飛び出した精液は、エルフのさほど大きくない子宮を満たし、その奥の卵管から卵巣まで一杯にして、受け止めきれない分をボタボタと地面へ垂らした。
マスオが花嫁を放り投げると、股間から大量の白濁液と、それに混じって純血の赤い糸が漏れ出ているのが見えた。

「ああ、あああ・・・・・・」

もはや抵抗する気力も失ったか、花嫁はただ地面に突っ伏した。その股間にはどろり、と大量の白濁液が流れていた。
ぎろ、と花婿が這いつくばったまま、マスオを睨む。

「貴様・・・・・・殺す。どこにいようと、必ず探し出して殺す。必ず」
「無理だな」

マスオは剣を振り上げ、頭の上に振り下ろした。
花嫁のすぐ隣で、花婿の頭はぐしゃりとスイカのように潰れ、血しぶきが花嫁の残った白い衣装を赤く染めた。

はあ。
結局、ダークエルフ襲撃が誰の責任なのかは分からなかった。が、どうでもいいや。スッキリしたし。

「足跡はこっちだ!探せ!」

複数の足音が礼拝堂へ近づいてきた。
そろそろ潮時だ、引き上げるとしよう。
マスオはグリフォンの姿となり、空へと舞い上がった。

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