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車の中で話をしよう
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月明かりが照らす部屋の中、ベッドの上で横になり、はぁーと息を吐く。今日バイト先に行くと休憩室の机の上には貝殻が入った小瓶が置かれていた。何人かに賢斗と一緒に海に行ったことについて聞かれたがそんなに深くは聞かれなくてほっとした。俺は〝何か〟に囚われすぎているだけでもっとラフに生きていいのだとしたらこれから俺のとる行動は…
そういえば…最近オナニーしてないな。今まで阿木陽斗をオカズにしてきたのが阿木賢斗と仲を深めるにつれ何か忍びない気がして変なストッパーがかかってしまっている。賢斗のことを思い出してみる。あいつのことを思い出すと真っ先に笑顔が浮かぶ。
賢斗とちゃんとしたセックスがしたい。
俺、賢斗のことめっちゃ好きやん。でも、だからこそこの関係は終わらせないといけないと心の何処かで分かっていて、ずっと煩悩に逆らわずにズルズルと来たけれど本当に賢斗のことを思うならここで身を引くべきだと思った。
そんなことを考えていても心と身体は別ものだ。エロ本を探すがいつものところに無く、ベッドの下に落ちているのを見つけた。
かなりSM要素の強いものでいつもはそこに映る女性を阿木陽斗に置き換えてオカズにしていたがやはりそんな気にはなれないので諦めてスマートフォンで適当な動画を探して適当に抜いた。
******
仕事終わり、賢斗から話があると言われた。俺も話したいことがある、と言った。…けれどまだ上手く頭の中が整理できていない。
「車の中で話そう。」
そう言って車まで歩く最中、お互いに一言も喋らなかった。俺は賢斗と今までのようなことを続けることはよくないと思っている…そしてそのきっかけを作ってしまったことを謝りたい。それから…いや、それもそうだが賢斗は俺に何を言うつもりなんだ…頭の中はぐちゃぐちゃだったが車までの距離は短く、もう乗り込むしかなかった。賢斗は助手席に座るとやっと口を開いた。
「あの、彰良さんが話したいこと聞く前に僕から話してもいいっすか?」
「…うん、どうぞ。」
「はい、えっと俺、彰良さんのことが好きです。」
「え…?」
「え…、あっ!付き合うとかは彰良さんが嫌やったらこのままでも…でも、好きってこと伝えとかんとモヤモヤして…嫌ですかね…?」
「嫌じゃない、嫌じゃないよ。けど…賢斗の好きってどういう好き?人間的にってこと?…性的に?」
「どっちもです…」
「どっちも…」
賢斗はまだ経験が浅くてあまりよく分かっていないだけなんじゃ…
「俺はさ、賢斗の性格めっちゃ可愛いし好きやなって思う。んで昨日寝る前にお前とセックスしたいって思った。」
「え!!セックスしたいんや…僕と…じゃ、じゃあ…」
前のめりになる賢斗を手で制した。
「ちょっと待って。俺今めっちゃずるいことしようとした。お前に言わなあかんことがまだある。」
自分の都合の良いように話を持っていこうとした自分を頭の中で殴った。賢斗の経験が浅くてまだよく分かっていなくてこういう風になっているなら俺が賢斗の頭の中を整理してやらなきゃいけない。
「…はい。」
「賢斗が俺のこと好きなのって俺がああいうことをしたからじゃない?初めてやったんやろ?ああいうの。」
「はい…」
「良くないと思うねん。自分で言うのもなんやけど刷り込みというか…。ほんまはこの時期普通にちゃんと恋愛した方がいいと思う。だからごめん。今日はそのことを謝りたかった。」
だからこの関係は終わりにすべきだと言おうとしてなかなか開こうとしない口を動かした時、今度は賢斗の方が俺の言葉を手で制した。
「そんな風に思ってたんですね。なんて言っていいか…色々考えてくれてありがとうございます。でも、僕の方も実は1つ言ってないことがあるというか…怒らず聞いてくれますか?」
「…おう。」
「実は僕、バイトの初日に彰良さんのことかっこいい人やなって思ってて、仲良くなりたいなって。それで家に行くチャンスが来て、彰良さんがラーメン作ってくれている間に何となく布団捲ったらエロ本出てきて…しかもSMみたいなやつ…彰良さんが来たからベッドの下に隠しちゃってたぶん今もそのままかも。前行った時も確認したんで。」
聞いていて自分の耳が赤くなっていくのが分かった。
―昨日見つけたエロ本、賢斗に見られていたのか…
「それ見てから余計に彰良さんのこともっと知りたくなって。だから、その、刷り込みとかじゃなくて最初から気になってました。」
「あんなん見たら引くんじゃない?フツー。」
「はは!もっと気になっちゃいました!だから彰良さんは何も気にしないでください。僕はなんでも受け入れるんでもっと彰良さんがしたいこと一緒にしたいです。」
「じゃあ、またこれからも俺に付き合ってくれるか?」
「はい、僕以外に浮気しないでくださいね。」
「お前みたいなん然う然ういないから大丈夫や。」
店の真ん前の駐車場の車の中、俺たちはキスをした。
そういえば…最近オナニーしてないな。今まで阿木陽斗をオカズにしてきたのが阿木賢斗と仲を深めるにつれ何か忍びない気がして変なストッパーがかかってしまっている。賢斗のことを思い出してみる。あいつのことを思い出すと真っ先に笑顔が浮かぶ。
賢斗とちゃんとしたセックスがしたい。
俺、賢斗のことめっちゃ好きやん。でも、だからこそこの関係は終わらせないといけないと心の何処かで分かっていて、ずっと煩悩に逆らわずにズルズルと来たけれど本当に賢斗のことを思うならここで身を引くべきだと思った。
そんなことを考えていても心と身体は別ものだ。エロ本を探すがいつものところに無く、ベッドの下に落ちているのを見つけた。
かなりSM要素の強いものでいつもはそこに映る女性を阿木陽斗に置き換えてオカズにしていたがやはりそんな気にはなれないので諦めてスマートフォンで適当な動画を探して適当に抜いた。
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仕事終わり、賢斗から話があると言われた。俺も話したいことがある、と言った。…けれどまだ上手く頭の中が整理できていない。
「車の中で話そう。」
そう言って車まで歩く最中、お互いに一言も喋らなかった。俺は賢斗と今までのようなことを続けることはよくないと思っている…そしてそのきっかけを作ってしまったことを謝りたい。それから…いや、それもそうだが賢斗は俺に何を言うつもりなんだ…頭の中はぐちゃぐちゃだったが車までの距離は短く、もう乗り込むしかなかった。賢斗は助手席に座るとやっと口を開いた。
「あの、彰良さんが話したいこと聞く前に僕から話してもいいっすか?」
「…うん、どうぞ。」
「はい、えっと俺、彰良さんのことが好きです。」
「え…?」
「え…、あっ!付き合うとかは彰良さんが嫌やったらこのままでも…でも、好きってこと伝えとかんとモヤモヤして…嫌ですかね…?」
「嫌じゃない、嫌じゃないよ。けど…賢斗の好きってどういう好き?人間的にってこと?…性的に?」
「どっちもです…」
「どっちも…」
賢斗はまだ経験が浅くてあまりよく分かっていないだけなんじゃ…
「俺はさ、賢斗の性格めっちゃ可愛いし好きやなって思う。んで昨日寝る前にお前とセックスしたいって思った。」
「え!!セックスしたいんや…僕と…じゃ、じゃあ…」
前のめりになる賢斗を手で制した。
「ちょっと待って。俺今めっちゃずるいことしようとした。お前に言わなあかんことがまだある。」
自分の都合の良いように話を持っていこうとした自分を頭の中で殴った。賢斗の経験が浅くてまだよく分かっていなくてこういう風になっているなら俺が賢斗の頭の中を整理してやらなきゃいけない。
「…はい。」
「賢斗が俺のこと好きなのって俺がああいうことをしたからじゃない?初めてやったんやろ?ああいうの。」
「はい…」
「良くないと思うねん。自分で言うのもなんやけど刷り込みというか…。ほんまはこの時期普通にちゃんと恋愛した方がいいと思う。だからごめん。今日はそのことを謝りたかった。」
だからこの関係は終わりにすべきだと言おうとしてなかなか開こうとしない口を動かした時、今度は賢斗の方が俺の言葉を手で制した。
「そんな風に思ってたんですね。なんて言っていいか…色々考えてくれてありがとうございます。でも、僕の方も実は1つ言ってないことがあるというか…怒らず聞いてくれますか?」
「…おう。」
「実は僕、バイトの初日に彰良さんのことかっこいい人やなって思ってて、仲良くなりたいなって。それで家に行くチャンスが来て、彰良さんがラーメン作ってくれている間に何となく布団捲ったらエロ本出てきて…しかもSMみたいなやつ…彰良さんが来たからベッドの下に隠しちゃってたぶん今もそのままかも。前行った時も確認したんで。」
聞いていて自分の耳が赤くなっていくのが分かった。
―昨日見つけたエロ本、賢斗に見られていたのか…
「それ見てから余計に彰良さんのこともっと知りたくなって。だから、その、刷り込みとかじゃなくて最初から気になってました。」
「あんなん見たら引くんじゃない?フツー。」
「はは!もっと気になっちゃいました!だから彰良さんは何も気にしないでください。僕はなんでも受け入れるんでもっと彰良さんがしたいこと一緒にしたいです。」
「じゃあ、またこれからも俺に付き合ってくれるか?」
「はい、僕以外に浮気しないでくださいね。」
「お前みたいなん然う然ういないから大丈夫や。」
店の真ん前の駐車場の車の中、俺たちはキスをした。
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