変態中毒

ぬっこ

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ラーメン

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 その後、俺が同級生に対して暴力行為を働いたことだけが噂として広まり、カウンセラーの指導を受けるように言われたり親が呼び出されるなどした。阿木はそれからポツポツと学校を休むようになり保健室登校を続けていたらしい。らしいというのも俺自身、学校自体にあまり行かなくなり殆ど不登校気味だった。だから阿木のことは卒業式の日にちらっと並んでいる姿を見かけたぐらいでそれ以降会うことはなかった。早く忘れた方がいい。そう思いながら今の今までずっと忘れられないでいた。
 
 
 そして今その弟を車の助手席に座らせて雨降る道を走っている。ラーメンを奢る約束をしたものの生憎今日は定休日だった。「すまん、また今度やな。」と言うと「田中さんでカップラーメン買って食べましょうよ!ね!」と背中を押される。「遅くなるしまた今度にしよう。」と伝えたが「もう田中さんとラーメン食べる口になってるんで。」と押されるがままコンビニに寄り家に向かっている。

「田中さん運転上手いっすね!かっこいい!」

そう言って横から写真を撮ってくる。まぁ、悪い気はしない。

「部屋汚いし狭いけど。」と言って中に入れると「思ってたよりキレイっす。」と言うので軽く頭を小突いた。阿木にその辺で適当にくつろぐように言い、キッチンへ向かう。湯を沸かしている間に冷蔵庫に少し野菜を切りラーメンの上に乗せる。それから卵をトッピングし、湯を入れて阿木の方へ持って行った。

 テレビをつけ、他愛もない会話をしながらラーメンを食べ終えると阿木は2人分の食器を洗ってソファの上に横になった。

「へぇ~、田中さんって元警察官なんや。」

思わず飲んでいた水をこぼしそうになる。阿木はベッドの脇にある写真を指差して「これ田中さんでしょ?若いっすね。」と言った。

「…他の人には内緒にしとけよ。」
「なんでですか?凄いのに。」
「なんでもや。」

なんで辞めたかを聞かれる前に早くこの話題を切り上げようと思った。

「食べ終わったしそろそろ送ってこか?夜遅いと家族さん心配するやろ。」
「…今日泊まってもいいですか?」
「はぁ?なんで?」
「母に今日泊まって帰るって言っちゃったのでお願いします。」

阿木はソファの上で正座になってかしこまっている。こいつは何を考えているのか…今どきの若いやつってこんなに馴れ馴れしいのかと思ったがいつもは1人しかいないこの家に誰かと一緒にいることを内心嬉しく思っていた。

「いいよ。ただし後で帰りたいって言っても送ってやらんから。」



















    
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